東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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古き友と共に純は過去の因縁との決着をつける。


第四十三章~古き友との共闘~

並び立ったロシュオとシャロシュはカイゼルへと向けて駆け出す。

 

カイゼル「はっ!」

 

斬撃を放つカイゼルにシャロシュが壁を作って防いだ後にロシュオが植物の蔓を鞭の様に操ってカイゼルに叩き付けて行く、

 

カイゼル「この程度…ふんっ!」

 

攻撃して来る蔓をカイゼルは剣で切り裂く。

 

それにより出来た隙を狙ってロシュオが懐に入る。

 

カイゼル「なっ!?」

 

ロシュオ「ふんっ!」

 

驚いてる間に振るわれた横なぎに火花を散らせて吹き飛ぶカイゼルへとシャロシュが突きで追い打ちをかけ、カイゼルは地面を転がる。

 

カイゼル「ぐああ!?いい気になるな!!」

 

強引にソードブリンガーを地面に突き刺して体勢を立て直した後に力強く振るって巨大な斬撃を放つ

 

その斬撃をロシュオとシャロシュは飛び上がって避けてから弾幕を展開してカイゼルへと放つ。

 

カイゼル「ぐぬ!弾幕ならば!!」

 

弾幕を受けながらカイゼルはゲネシスドライバーのレバーを引く。

 

ソーダァ…ゴールデンエナジースカッシュ!!

 

音声の後に周囲に林檎エネルギー弾が生成される。

 

カイゼル「はあ!!」

 

展開された林檎エネルギー弾が向かって行く。

 

向かって来る弾幕にシャロシュとロシュオは掠らないかのギリギリで避けながら接近して驚くカイゼルへと蹴りを叩き込む。

 

魔理沙「すげぇ…あの二人、カイゼルを圧倒してるぜ」

 

葉「凄いコンビネーション…」

 

目の前の光景に援護しようと思っていた魔理沙と葉は言葉を漏らす。

 

ロシュオが攻撃し、そこをシャロシュが、シャロシュが攻撃されればロシュオが守り、シャロシュが追撃をさせない様にする。

 

お互いに背を預け合ってる様に美しき動きでカイゼルを圧倒する。

 

カイゼル「くっ!王達のコンビがここまで強いとは予想外です…!」

 

ロシュオ「強いなど当然だ。私と友が一緒に並べば…」

 

呻くカイゼルにロシュオはそう言ってシャロシュを見てシャロシュも頷いてからカイゼルに言い放つ。

 

シャロシュ「勝てないものなどない!」

 

この!と向かって来たカイゼルを2人でX字に斬りつけて吹き飛ばす。

 

倒れた後によろめきながらカイゼルは起き上がると認めない!と叫びながらカイゼルはゲネシスドライバーのレバーを2回引く。

 

ソーダァ…ゴールデンエナジースパーキング!!

 

カイゼル「それなら…これでどうです!」

 

そう言ってソードブリンガーにエネルギーを収束させるのにシャロシュとロシュオは顔を見合わせて頷いた後に同じ様にエネルギーを武器に収束させる。

 

カイゼル「くらいなさい!エンドオブブレイク!」

 

振るわれたソードブリンガーがの切っ先が地面にぶつかると先ほど放ったのより巨大で光線の様な斬撃がシャロシュとロシュオに向かって行く。

 

2人はそれを前に動じずに武器を交差させ…

 

ロシュオ「行くぞ友よ」

 

シャロシュ「ああ、友よ。僕達なら…行ける!」

 

その言葉と共に2人は宣言して己の武器を振るう。

 

ロシュオ&シャロシュ「クロス・オーバー・シェデュンフォ()!!」

 

放たれた2人の斬撃はカイゼルの放った斬撃と一瞬均衡した後に打ち破り、そのまま驚いているカイゼルへと炸裂する。

 

カイゼル「ぐあああああああああああ!?」

 

シャロシュ「君の敗因はたった1つだアウシャンム」

 

ロシュオ「大切な者を汚し、王を2人、敵にした事だ」

 

火花を散らし、断末魔をあげるカイゼルにシャロシュとロシュオは静かに告げる。

 

そのままゲネシスドライバーが壊され、アウシャンムはカイゼルから変身を解除しながら身体から火花を撒き散らす。

 

アウシャンム「ま、まだまだですよ!まだ!」

 

そう言って最後も悪あがきとばかりに禍々しい形をした黄金の剣と蒼炎を操る事が出来る青黒い禍々しい龍の様な刀を取り出す。

 

シャロシュ「まだ粘るんだね。良いよ。君を完全に倒してやるよ」

 

その言葉と共にアウシャンムは黄金の剣から黒い雷を放ち、それをロシュオが壁で防ぐ。

 

シャロシュ「はあッ!」

 

アウシャンム「があ!!」

 

ガキィン!

 

壁を飛び越えて切りかかるシャロシュにアウシャンムは刀で防いで黄金の剣で切り裂こうとして防がれる。

 

そのままお互いの武器を振るってぶつかり合って行く。

 

暫くしてアウシャンムの刀が青く燃え始めたのにシャロシュは距離を取る。

 

アウシャンム「燃えろ!!」

 

直後にアウシャンムは刀から蒼炎を放ち、シャロシュは術で炎を防ぐ。

 

ロシュオ「大丈夫かシャロシュ」

 

シャロシュ「ああ、しかしこの諦めの悪さには嫌になるね」

 

問うロシュオにそう返しながらシャロシュは顔を顰めて返す。

 

シャロシュ「どうする。やつの攻撃は避けるのがめんどくさいのばかりだ」

 

ロシュオ「ならば我々の力を合わせて打ち砕けば良い」

 

問うシャロシュにロシュオはそう返す。

 

そうだねと頷いた後に2人はそれぞれ手を出す。

 

協力壁【オーバーロード・ガーディアン】

 

展開された光の壁は攻撃を防いだ後にアウシャンムへと迫る。

 

アウシャンム「くっ、こんな壁…ふんっ!」

 

それに対してアウシャンムは剣と刀を同時に振るって壁とぶつかり合う。

 

アウシャンム「ぐっ…!」

 

ずざざざざ……!

 

その頑丈さにアウシャンムは押されて後ずさって行く。

 

押し潰そうとするのにアウシャンムは足に力を入れて勢いを止めて行く。

 

その後に剣と刀から黒雷と蒼炎を強く放ちながら…

 

アウシャンム「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

バキィィィィィィン!!

 

力強く振るい、壁を打ち砕く。

 

が、振り切った所で左右からシャロシュとロシュオが接近していたのに気づくのに遅れる。

 

既に放たれるのを待つようにそれぞれの刀身は光り輝いている。

 

ロシュオ「これで今度こそ」

 

シャロシュ「おしまいだよ!」

 

宣言と共にアウシャンムの剣と刀を両断して打ち上げた後、振り切った勢いのまま回転してアウシャンムへともう一閃浴びせて吹き飛ばす。

 

アウシャンム「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

絶叫しながらアウシャンムは転がって行き、しばらく止まってからよろめきながら起き上がり…

 

アウシャンム「ぐっ、バカな…!?」

 

呻きながら近寄ろうとするアウシャンムだが、それを出来ずに倒れ込む。

 

シャロシュ「これで本当の終わりだ。アウシャンム」

 

ロシュオ「罪に沈んで逝け」

 

静かに宣言した後に背を向ける。

 

アウシャンム「く、クソォォォォォォォォォォ!!」

 

ドカーーーーン!!!

 

断末魔をあげながらアウシャンムは爆発四散して行く。

 

それを切っ掛けに鬼矢達は駆け寄る。

 

蓮子「やったね純さん!」

 

魔理沙「こっちのおっちゃんもすげぇなおい!」

 

おっちゃんと言われてロシュオは新鮮だなと呟いたのに人の姿に戻った純はくすりと笑う。

 

純「久しぶりだね。その姿を見るのは」

 

先程のオーバーロードとしての姿ではなく、純と同じ人としての姿となったロシュオにそうだなと同意する。

 

その後にロシュオは幽々子と妖夢を見る。

 

ロシュオ「本当に良かったな友よ。大切な妻《あね》と部下と再会出来て」

 

シャロシュ「まあね。そう言う君も奥さんと再会できたんじゃないの?」

 

なんだか言い方に引っかかったがそう返す純にああ…とロシュオは嬉しそうに頷く。

 

ちなみに幽々子はロシュオの言った事を的確に見抜いてロシュオさんったら……とうっとり顔をして体をくねくねさせて鬼矢達は思わず引いて距離を取っていた。

 

ーあなたー

 

すると頭に声が響き、いきなりの事に誰もが戸惑う中でロシュオだけは顔を別の方に向け、釣られて鬼矢達も見る。

 

そこには綺麗な女性がおり、ゆったりとした足取りでロシュオの隣に来る。

 

純「久しぶりだね…デェボリャロさん」

 

ーお久しぶりシャロシュさん。2人も元気そうでー

 

そう返す純にデェボリャロと呼ばれた女性はニッコリ笑ってから幽々子と妖夢を見る。

 

妖夢「お久しぶりです。王妃様」

 

幽々子「デェボリャロちゃん久しぶり~あの頃と全然変わってないわね」

 

ーそちらもねー

 

くすりと笑うデェボリャロに少し良いかと源霧が困った顔をする。

 

源霧「その頭に響く話し方をやめてほしいんだが…」

 

そう言われてデェボリャロはあっとなって喉の調子を確かめる様に咳払いして…

 

デェボリャロ「ごめんなさい。しばらくは念話で話していたからついね」

 

メリー「ああ、だからそれで…」

 

手を合わせて謝罪するデェボリャロに誰もが納得する。

 

ちゃんと会話しなよと言う純にロシュオは顔を横に逸らす。

 

鬼矢「もしかして天然なのか?」

 

そんなデェボリャロの様子から聞く鬼矢に純は肩を竦めて返す。

 

霊夢『は、はじめましてデェボリャロさん!私は博麗霊夢です』

 

チルノ「あたいはチルノだよ!宜しく!」

 

挨拶する2人にデェボリャロもよろしくねと笑って頭を返す。

 

それを微笑ましげに見ているロシュオに純は話しかける。

 

純「ねえロシュオ。もしよかったら一緒に暮らさないか?」

 

ロシュオ「家族水入らずな所に入っても良いのか?」

 

そう聞くロシュオに純は勿論と頷く。

 

純「三人が住むには広い家だしね」

 

そう言って笑う純にそうか……とロシュオも笑う。

 

幽々子「ふふ、楽しくなりそうね」

 

それに幽々子は楽しげに笑う。

 

とにかくこれで異変は終わり、後は宴会だ。

 

ワイワイ話し合う幽々子達を見て鬼矢はそう思いながらん-と背伸びするのであった。




幽々子「次回『友との語らいの宴会』に続くわよ♪ホントロシュオさんは良い人だわ~♪」

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