東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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冥界では純は戦っている所に鬼矢達が駆け付ける。



第四十二章~狂気の科学者と再会の友~

ガキンガキン!

 

シャロシュ「ふっ、はっ!」

 

???「っ、はあ!」

 

白玉楼ではそこでシャロシュとなった純がとある存在、仮面ライダーマルスと戦っていた。

 

マルス「ふっ、やるではないか術者」

 

シャロシュ「フン、君に褒められたくないよコウガネ」

 

戦いながらそう言うマルスに、シャロシュは不機嫌に返しながら吹き飛ばす。

 

マルス「グッ!やはり強いな…」

 

シャロシュ「(死んだ筈のコウガネが此処に居るって事は奴も近くに居る筈…!)」

 

呻くマルスを見つつ、シャロシュはそう考えて早めに片付けようと構える。

 

シャロシュ「術式【岩雪崩】」

 

ズダダダダダ!

 

マルス「フン、それぐらいの攻撃!」

 

地面に手をつくと、岩が噴き出してマルスへと襲い掛かり、向かって来るのにマルスは剣や盾で防いでいく。

 

シャロシュ「んじゃこれだ術式【雨霰(あめあられ)】」

 

続けざまにマルスの上空から鋭い霰が勢いよく降り注ぐ。

 

マルス「ぬお!?」

 

岩を防いでいた事で反応が遅れたマルスは、い霰を浴びて身体から火花を散らす。

 

シャロシュ「術式【雷雨】」

 

バリバリバリッ!

 

マルス「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

最後に雷を浴びせていく。

 

マルス「ば、馬鹿な…この私が……!」

 

シャロシュ「これで…終わりだコウガネ」

 

よろつきながら信じられない口調でマルスは、呟いた後にシャロシュの言葉と共に倒れ…

 

ドカーーーン!!

 

爆発する。

 

シャロシュ「さて、どうせ隠れてみているんだろ?出てきなよ…アウシャンム」

 

???「おやおや、やはりバレていましたか」

 

その言葉と共に全身の至る所に、禍々しい雷の様な角、背中からは何枚もの刃が重なった様な翼、腰からは鋭い槍にもなる禍々しい二本の尾が生えているドラゴンインベスを人間に近くし、更に禍々しくした黄金の体を持った怪人が現れる。

 

アウシャンム「分かってしまうとかホントに凄いものですねシャロシュ様」

 

シャロシュ「久しぶりだね。君ぐらいしかいないでしょ?コウガネを復活させることができるのって。開発者の君なら簡単に出来る事だ」

 

称賛にする様におどけて言うアウシャンムと呼ばれた怪人に、シャロシュは怒気を纏わせて言う。

 

アウシャンム「やれやれ、まだあの時の事を恨んでいるのかい?あれは実験に必要なことだったのだよ」

 

その殺意に対してアウシャンムは困った感じに頭を振るうが、シャロシュにとってはそれが許せない事であった。

 

シャロシュ「実験?その実験のためにあの二人を殺したのか!」

 

アウシャンム「ええ、そうです。言うでしょ?科学に犠牲はつきものと…」

 

その言葉にシャロシュは魔力弾を連発し、アウシャンムは禍々しい形をした黄金の剣、ミョシュイムと青黒い禍々しい龍の様な刀、ガウジャウで切払いする。

 

アウシャンム「おっと、危ない危ない。いくら私でも貴方の魔力弾に当たるのは痛いですからね」

 

シャロシュ「ほんと、君って奴は昔から実験優先の…命を考えてない大バカ者だ」

 

大げさに肩を竦めるアウシャンムにシャロシュは低い声で言う。

 

アウシャンム「私の探求心を満たし、技術力の向上のためには多少の犠牲はやむなしなんですよ」

 

シャロシュ「その為にコウガネを使ってあの惨劇を起こしたのか…!」

 

ギリっ…と右手を自らの血が流れる程握り締める。

 

思い出すは自分の友に起こった悲劇…起こりし家臣達のぶつかり合い…

 

アウシャンム「まあ結局コウガネは失敗作だったですがね。まさか人間に負けるとは思いもしなかった」

 

シャロシュ「ああ、それにはホント彼らに感謝しているよ。だからこそ君は此処で僕が倒す。もう二度とあの惨劇を起こさせないためにも!」

 

やれやれと肩を竦めるアウシャンムにシャロシュは自分の武器を翳して言う。

 

アウシャンム「ふ、なら私の研究の成果をここで見せてあげましょう」

 

不敵に笑ってアウシャンムが返した時、そこに鬼矢達が来る。

 

鬼矢「純、大丈夫か」

 

魔理沙「おい、誰だよそいつ?」

 

声をかける鬼矢の後にアウシャンムを見て魔理沙は問う。

 

シャロシュ「奴の名はアウシャンム。コウガネを作ったフェムシンムの研究者でオーバーロード達の悲劇を起こした真の黒幕…」

 

「そして純君を殺そうとして私達を殺した張本人よ」

 

ズババババババッ!

 

アウシャンム「!」

 

応えた純の後にアウシャンムに向けて複数の斬撃が飛んで来て、アウシャンムは慌てて避けた後に大げさに驚く感じに現れた幽々子と妖夢を見る

 

アウシャンム「これは驚いた。デョシュボリャ様、ディジュフォ。まさかお二人がこの世界に居るとは…」

 

幽々子「ええあの時以来ね。あの時はよくも純君を殺そうとしてくれたわね」

 

睨みを付ける幽々子にアウシャンムは大げさに肩を竦める。

 

アウシャンム「あの時、シャロシュ様にはコウガネ開発を反対されていましたからね。だからやろうとしたら貴方方が邪魔したんですよね」

 

靈無「とんでもない奴ね」

 

源霧「確かに開発するものとしての気持ちは分かるがそれで人を犠牲にするのはおかしいぜ」

 

外道っぷりに靈無と源霧は顔を歪める。

 

アウシェンム「それは人の価値観の違いと言うやつです。さて話はここまでにして私の研究成果を披露してあげましょう」

 

そう言ってある物を取り出す。

 

それは…白銀のゲネシスドライバーであった。

 

鬼矢「白銀色のゲネシスドライバー…!?」

 

ゴールデンエナジー!

 

出て来たのに誰もが驚く中でアウシャンムはそれを装着してから次にゴールデンロックシードをエナジーロックシードに変えたのを取り出してセットする。

 

アウシェンム「変身」

 

ゴールデンエナジーアームズ!

 

そしてドライバーのレバーを引くとアームズが現れ、アウシェンムに装着されると姿を変える。

 

装甲が全てクリスタルレッド、アームズやライドウェアが黄金に染まり、装甲と仮面が龍らしき形になっている仮面ライダーであった。

 

鬼矢「この感じ、黄金の果実と同じくらいのオーラを感じるぞ…!」

 

シャロシュ「それが君の研究の成果か…」

 

アウシェンム→カイゼル「ええ、そうです。これこそ私の研究の成果!ゴールデンエナジーロックシードとネオスドライバーで変身する全てのリンゴ系ライダーの究極進化系!仮面ライダーカイゼルです!」

 

妖夢「仮面ライダー…カイゼル!」

 

自分の姿に酔いしれる様に応えたカイゼルに妖夢は強く睨む。

 

蓮子「究極系だかなんだか知らないけどアンタみたいな奴、私が倒してやるよ!」

 

メリー「!待って、蓮子!」

 

カイゼル「ふっ、愚かな!」

 

向かって来る蓮子にそう言って金とクリスタルレッドに装飾されたソードブリンガーを出現させた後に攻撃を防いでから逆に弾き飛ばす。

 

蓮子「くっ!」

 

魔理沙「避けろ蓮子!恋符【マスタースパーク】!」

 

ビィイイイイイイイイイイイイイ!!

 

今度は魔理沙が自分のお得意の砲撃を放つ。

 

カイゼル「ふっ」

 

それに今度は金とクリスタルレッドで装飾されたアップルリフレクターを取り出して軽く防ぐ

 

魔理沙「なっ!?私のマスタースパークを軽く防いだ!?」

 

シャロシュ「なるほど、究極って言うのは伊達じゃないって訳かい」

 

目を見開いて驚く魔理沙の隣でシャロシュは呆れる。

 

カイゼル「次はこちらの番です。はあっ!」

 

その言葉と共にヘルヘイムの蔦を操りながら自身から攻撃を仕掛ける。

 

シャロシュ「行くよ姉さん!」

 

幽々子「ええ!」

 

頷いた後に2人は駆け出す。

 

シャロシュ「ふっ、はっ!」

 

幽々子「華霊【ゴーストバタフライ】」

 

斬撃を放つシャロシュの後ろで幽々子が弾幕を展開して飛ばす。

 

蔓を薙ぎ払って飛んで来る弾幕をカイゼルは盾で防ぐ。

 

カイゼル「やりますね。ですが隙が見え見えですよ」

 

ゴールデンエナジー・スカッシュ!

 

音声の後にブリンガーにエネルギーを収束させた後に巨大な斬撃を放つ。

 

幽々子「!純君!」

 

シャロシュ「姉さん、危ない!」

 

慌ててシャロシュは幽々子を抱き抱えて避けるが…その際に斬撃が左足を掠ってしまう。

 

鬼矢「純!」

 

映姫「!皆さん避けてください!」

 

鬼矢が叫んだ後、映姫がシャロシュが避けた飛んで来る斬撃に気づいてメンバーへと叫び、慌てて誰もが避ける。

 

チルノ「アタイ達も行くよ!」

 

文花「そうね。こいつはほうってはおけないわ」

 

小町「やれやれ、しょうがないね!」

 

その言葉と共に3人もスペルカードを構える。

 

小町「死神【ヒガンルトゥール】!」

 

文花「種符【息吹きの始まり】!」

 

チルノ「氷雨符【アイシクルレイン】!」

 

同時に放たれた弾幕にカイゼルはやれやれと頭を振り…

 

カイゼル「はっ!」

 

気合の声と共に金とクリスタルレッドに装飾された蒼銀杖を召喚し、振り回して弾幕を全て叩き落とす。

 

カイゼル「倍返しで返してあげましょう」

 

その言葉の後にレバーを動かす。

 

ゴールデンエナジー・スパーキング!

 

ブィブィブィブィン

 

音声が鳴り響いた後にカイゼルの周囲に赤と黄金色の林檎型エネルギー弾が大量に出現する

 

チルノ「多っ!?」

 

妖夢「あのエネルギー弾…一つ一つがとんでもないエネルギーを秘めているのを感じます!」

 

小町「あれはちょっとヤバいよ…!」

 

誰もが慌てる中でカイゼルは持っていた蒼銀杖を上に向けた後…

 

カイゼル「はっ!」

 

ズドドドドドォォォオオオン!!

 

エネルギー弾は霊夢達へと降り注ぐ。

 

霊夢「ギャウ!?」

 

魔理沙「ぐあああっ!?」

 

葉「きゃあああ!?」

 

それに誰もが吹っ飛ばされて地面を転がる。

 

カイゼル「どうですかこの威力!黄金の果実に勝っていると言うほどの威力でしょう!」

 

シャロシュ「確かに強いことは認めるよ。でもそれだけだ。それ以外何も籠ってないよ」

 

高らかに言ったカイゼルは痛みに耐えながら言ったシャロシュの言葉に彼を見る。

 

カイゼル「何も籠っていないですと…?どういう事ですかそれは」

 

シャロシュ「言葉通りだ。お前は研究を完成させる以外何も込めてない。そんな奴に負ける気はさらさらない」

 

出て来た言葉にカイゼルは体を震わせ…

 

カイゼル「ふざけるな!私の作った果実が本物より劣っている筈がない!」

 

オーラが迸る。

 

シャロシュ「!この感じ、まさか君…!」

 

カイゼル「ええ、そうです。自分で作った果実を貴方様と同じように幾つも自身に取り込んでいるんですよっ!」

 

迸ったオーラの気配に気づいたシャロシュにカイゼルは叫ぶ。

 

鬼矢「まさか純と同じことをしていたとはな…」

 

シャロシュ「まずい…!皆、よけ…」

 

それにシャロシュが叫ぼうとして大電撃が放たれる。

 

シャロシュ「(この電撃はマズい…!)クッ…!」

 

守ろうと結界を張る。

 

これでどれ位耐え切れるか分からないがないよりはマシだの思いである。

 

カイゼル「これを喰らっても言えるものなら言ってみなさい!」

 

バリバリバリバリッ!!

 

その言葉と共に大電撃はシャロシュ達に迫る。

 

ぐっ!とシャロシュは踏ん張ろうとした時…シャロシュの結界と重なる様に岩の壁が付き出してシャロシュ達を守る。

 

カイゼル「なにっ!?」

 

シャロシュ「この壁はもしかして…」

 

「久しぶりだな。我が友よ」

 

起こりし状況に目を見開いたシャロシュは声に顔を向ける。

 

ゆっくりと歩きながら来るその姿……自分の傍まで来た忘れもしないその人物にシャロシュは涙を流す。

 

シャロシュ「ホント…久しぶりだね。…僕の親友、ロシュオ」

 

傍まで来て手を差し伸べる人物、ロシュオにシャロシュはその手を握って立ち上がり、カイゼルと対峙する。

 

カイゼルは信じられない顔でロシュオを見る。

 

ロシュオ「久しいなアウシェンム」

 

カイゼル「お、王…!?何故貴方が此処に!?貴方は確かに死んだはず…!?」

 

たじろくカイゼルのにロシュオは頷く。

 

ロシュオ「ああ、そうだ。私はあの時に死んだ。だから此処に来たのだ」

 

カイゼル「何?…!そうか此処は冥界!」

 

返されたのにカイゼルも理解し、鬼矢も納得する。

 

怪人の力が来るのだ、死した魂が来たる冥界にいても何もおかしくない。

 

鬼矢「(良かったな純……ロシュオと再会できて)」

 

古き友とも再会を果たしたシャロシュに鬼矢は心の中でそう呟いてる間、ロシュオとシャロシュはカイゼルをみつえる。

 

ロシュオ「アウシェンム。貴殿がこの世界でやろうとする事をさせぬ訳にはいかない」

 

シャロシュ「あの惨劇の事も含めて君を断罪する」

 

大剣とハルバード、お互いの武器を突き出す2人の王にカイゼルは仮面を手で覆って身体を震わせながら笑う。

 

カイゼル「ク…ククク、良いでしょう!フェムシンム最強と言われた王とシャロシュ様のコンビ!そのコンビに勝てば私の研究成果の凄さが照明されますからね!」

 

そう言ってカイゼルは2人の王へと駆け出す。




シャロシュ「次回『古き友との共闘』、ホント、久しぶりだよロシュオ」

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