東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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文から情報を得る為に妖怪の山へ向かう鬼矢達、そこで出会ったのは……


第三十九章~妖怪の山の白狼天狗~

妖怪の山へと向かう鬼矢達、今の所情報がないので魔理沙はじれったそうにうずうずしていた。

 

魔理沙「あーもう、文の家はまだかよ!」

 

鬼矢「落ち着け魔理沙。まだ妖怪の山にも着いてないんだ…ってそういや文の家が妖怪の山のどこにあるか知らなかったな…」

 

霊夢『文さんの家は妖怪の山の山道から少し離れた所にあるんです』

 

宥めつつどこらへんだとフェニックスファントムが頭を掻くと霊夢が書いて見せる。

 

成程…と納得してから霊夢を見る。

 

鬼矢「山道って言うと……あれか」

 

霊夢『はい。だからこの辺の……あ、あれです』

 

見えた道を指して聞き、霊夢はキョロキョロと見渡して指す。

 

霊夢が指した方を見ると確かに家が見えた。

 

蓮子「あれが文さんの家なんだ」

 

メリー「それじゃあ早速行きましょうか」

 

???「まてい!」

 

そう言って向かおうとしたメリーの前に1人の少女が立ち塞がる。

 

剣と盾を持った狼の耳と尻尾がある少女で霊夢は目を輝かせて抱き着く。

 

???「おお!?って霊夢じゃないですか」

 

鬼矢「なんだ椛じゃねぇか」

 

その人物にフェニックスファントムはお前かーと呟く。

 

彼女は犬走椛、妖怪の山に住む白狼天狗で哨戒天狗の任に付いている。

 

鬼矢とは霊夢とお買い物をしていた時にお休みの際に人里でのんびりしていた所で出くわし、時たま話し相手になっていた。

 

そんなフェニックスファントムの声を聞いてあなたでしたかと剣を仕舞う。

 

その後に各々に自己紹介してから椛が問う。

 

椛「それにしても、なんで妖怪の山に?」

 

鬼矢「ちょっと文に聞きたいことがあってな」

 

文様に?と首を傾げた後にこちらへと椛に案内されて妖怪の山の入り口に降り立つ。

 

椛「文様に何の理由があって尋ねに来たんですか?」

 

魔理沙「私達、妖怪の山の方に逃げていったイナゴのような怪人を追ってきたんだ」

 

鬼矢「だから文にそいつの目撃情報を聞きに来たんだよ」

 

成程…と椛は納得してから上に飛ぶと周囲を見渡す。

 

それを一通りしてから降りて来る。

 

椛「どうやら妖怪の山にはもう居ないみたいですね。その怪人は」

 

鬼矢「なに?」

 

どうしてわかるんだな鬼矢に椛は分かった理由を言う。

 

椛「私が能力でこの辺一体を見ましたがそのような者は居なかったので」

 

蓮子「能力って…」

 

首を傾げる蓮子や知らない面々に言ってませんでしたねと鬼矢を見てから言う。

 

椛「私は『千里先まで見通す程度の能力』を持っていますので妖怪の山を見渡すのは簡単なんですよ」

 

メリー「千里眼!」

 

誰もが驚いたり感心したりする中でそんじゃあ次はどうするかと鬼矢は考える。

 

鬼矢「(まだ時間はあまり経っていないから妖怪の山に近く場所に居るかもしれないな)」

 

どうせだしそれも椛に確認して貰おうかと椛へと顔を向ける。

 

鬼矢「椛、妖怪の山に近いところに怪人が居ないか見てくれないか?」

 

椛「良いですよ。少しお待ちください」

 

お願いを快く承諾してから椛はイナゴの様な怪人なと言う鬼矢の付け加えたのを聞いてから飛び上がり、周りを見渡してしばらくすると降りて来る。

 

椛「魔法の森方面に向かっているのを見つけました」

 

鬼矢「魔法の森か」

 

ありがとなと礼を述べる鬼矢にいえいえと椛は微笑む。

 

魔理沙「魔法の森か。うちの近くで変なことしてたらぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

葉「あそこは植物も多いし私も!」

 

気合を入れる魔理沙に葉もふんす!と気合を入れてはいはいと文花が宥める。

 

霊夢『それにしてもあのイナゴの怪人、何を企んでいるのでしょうか』

 

その中で霊夢はそう書いて確かに…と他のメンバーも頷く。

 

咲き開いてる花を見て魔理沙は頭を掻く。

 

魔理沙「そもそもこんなに花咲かせて何したいんだアイツ?」

 

文花「え?」

 

うがーと魔理沙の言った事にきょとんとする文花に魔理沙達もえ?と文花を見る。

 

それは椛も反応で目を点にしている。

 

文花「魔理沙…何言ってるの?花が咲いているのは異変じゃないわよ?」

 

椛「文花さんの言う通りです。これは60年に一度、幻想郷で起こる現象なんです。とある死神さんから聞きましたが外の世界で発生する幽霊の増加で、三途の川の案内人である死神の仕事の許容量を超える数の幽霊が幻想郷に出現する為、溢れかえった幽霊が花に憑依し、花が咲き乱れる現象が発生しちゃうんです。しばらくすれば死神が順当に幽霊を彼岸へと運んでいき、次第に季節に関係なく咲いている花が減って行くのでこれは自然に終わるんですよ」

 

蓮子「そうだったの!?」

 

そうだったの!?と文花の後の椛の説明に誰もが驚く。

 

成程な…と鬼矢も頭をガシガシかいてから魔法の森方面を見る。

 

鬼矢「取りあえずあのイナゴ怪人を追うとするか」

 

椛「気を付けてくださいね。私は哨戒任務があるので山を離れないので」

 

蓮子「うん、ありがとうね椛さん」

 

霊夢『お仕事頑張ってくださいね』

 

ああと霊夢のに頷いてから霊夢の頭を撫でる。

 

それに霊夢はほにゃりとなり、椛も微笑ましそうに笑い、尻尾をご機嫌に振るう。

 

魔理沙「(ご機嫌だな椛)」

 

蓮子「(尻尾、振り振りしてるね)」

 

彼女は藍と似た感じだけど大人しい方か…と誰もがそれを見てそう思った。

 

椛「では、私はこれで」

 

鬼矢「ああ。仕事頑張れよ」

 

そう言って飛び去って行く椛を見送ってから良しと鬼矢は手をパンとさせる。

 

鬼矢「んじゃ魔法の森に向かうとするか」

 

魔理沙「おう!」

 

気合の言葉の後にそれぞれ魔法の森へと向かう。

 

鬼矢「(にしても萃香の奴、なんで花のとイナゴ怪人が無関係なのを黙っていたんだ?霊夢達を動き回らせる為か?)」

 

蓮子「どうかしたんですか鬼矢さ……ん?」

 

その道中で考え込む鬼矢に蓮子は話しかけようとして前を見て気づく。

 

髪の色を白く染めて黄色の着物を着た男性が歩いているのだがその顔付きを見て驚く。

 

同じ様に気づいたのか男性が気さくよく話しかける。

 

男性「よ、待ってたぜ俺の子孫とその仲間達」

 

魔理沙「う、嘘だろ…!?」

 

メリー「この人って確か…」

 

鬼矢「初代霧雨魔法道具店店長、霧雨源霧!」

 

不敵に笑って言う男性、かつて倉掃除の際に見つけた写真に写っていた外見のままの霧雨源霧に誰もが驚く。

 

鬼矢達の前に現れた初代霧雨魔法道具店店長の源霧

 

彼の目的は…




源蔵「次回『遭遇、初代霧雨と意外な事』!ふふ、現在の子孫がどうなのか楽しみだな」

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