東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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穏やかになる筈だった日常、それがとある悪戯が原因で異変へと変わる。


悪化異変
第二十九章~新たな異変、悪意の復活~


純「あー、良い天気だな」

 

とある日、純は1人で歩いていた。

 

時たま純はこうやって1人でのんびり散歩していたりするのだ。

 

今回もいつも通りの散歩になる筈であった。

 

???「ええい!」

 

純「え?」

 

後ろからの声に純は振り返ろうとしたがそれよりも早く来た背中の衝撃と何らかの感覚の後に意識を失う。

 

??「大成功!さあて、どんな感じになるかな~」

 

倒れた純を見ながらご機嫌な少女はにひひと笑いながら遠くから様子を見ようと離れようとする。

 

彼女の名は鬼人悪善(きじんあぜん)、とある天邪鬼の妹で能力を使った悪戯をするのが大好きな天邪鬼の少女。

 

性格をひっくり返す程度の能力と言う能力でそれで変わった人物を見て楽しんでいるのだ。

 

今回もいつも通りにしたつもりだった…だが、する相手が悪かった。

 

悪善「あだっ!?」

 

突如右足を引っ張られる感覚と共に転んでしまい、悪善は先ほどのから一転不機嫌に振り返る。

 

その瞬間、悪善は後悔した。

 

純「………二ィィ」

 

そこには腰の後ろから何かが生えて、それを悪善の右足に巻き付けて歪んだ笑みを浮かべた純がいた。

 

その笑みと放たれるオーラに悪善は震える。

 

純「やれやれ……ようやく外に出ることが出来たぜぇ」

 

その言葉と共に姿が異形にへと変わる。

 

ただ、その姿はデェバリャやシャロシュではない、まったく別の姿であった。

 

震える悪善に異形はくっくっくっと笑う。

 

異形「でおい、テメェ」

 

悪善「ひぃ!?」

 

話しかける異形に悪善は後ずさろうとするが右足に尻尾が巻き付かれているので離れられない。

 

異形「テメェ、俺を利用しようとしやがったよなァ?」

 

ずいっと顔を寄せる異形に悪善は首を横に激しく振る。

 

そうかーと離れる異形に悪善は心の中で安堵する。

 

バキッ、ボキッ!

 

悪善「え?」

 

異形「嘘はよくねぇな~」

 

自分の右足と左腕からの激しい痛みに折れたと言うのに気づいて悲鳴を上げて悶える悪善に異形はそう言った後にポキポキと手の骨を鳴らしてから首を軽く動かす。

 

異形「まぁ起こしてくれた礼もあるし、これぐらいですませてやるよ」

 

そう言って異形は歩き出す。

 

それを悪善は震えながら見ているのであった。

 

博麗神社

 

鬼矢「……ん?」

 

いつも通りのんびりしていた鬼矢は邪悪な気配を感じて起き上がる。

 

その後に険しい顔をする。

 

鬼矢「この気配は……」

 

霊夢『どうしました?』

 

蓮子「何かあったの?」

 

険しい顔をする鬼矢に気づいた霊夢達が話しかける。

 

鬼矢「いや、ちょっと面倒な気配を感じてな」

 

メリー「もしかして…異変?」

 

そう言って起き上がる鬼矢にメリーがそう聞くとだろうなと返される。

 

ズドォォォォオオオオオン!!

 

蓮子「何事!?」

 

いきなりの衝撃と音に誰もが驚いた後にメンバーの前に怪人少女となった萃香が現れる。

 

だが、その姿は通常と違い、黒いオーラを放っていた。

 

萃香「喰う……喰う!!」

 

霊夢『こ、怖いですぅぅぅぅぅぅぅ!?』

 

蓮子「ど、どうなってるの!?」

 

黒いオーラを放つ萃香に鬼矢以外は後ずさる。

 

鬼矢は鬼矢でオリジンとなる。

 

オリジン「(萃香のこの状態……やっぱりあいつの能力のせいか……)」

 

そんな萃香の様子から頭から引き出してそう推察したオリジンは襲い掛かってきた萃香の攻撃を掃く。

 

攻撃の仕方からオーガのしかないと考えたオリジンは対処しやすい形で良かったなと思いながら攻撃を避けた後に蹴りを入れて萃香を吹き飛ばす。

 

萃香「ぐうっ!」

 

オリジン「気絶するかもしれないが、許せ、光脚」

 

そう言った後にオリジンは右足を輝かせて飛び上がる。

 

オリジン「【シャイニングブレイク】!」

 

その一撃を萃香へと叩き込む。

 

萃香「ぐうっっっっ!!」

 

一撃を受けた萃香はそのまま吹っ飛んで転がって行った後に止まる。

 

しばらくして黒いオーラが消える。

 

蓮子「大丈夫なの?」

 

オリジン「多分な……」

 

恐る恐る聞く蓮子にそう返した後にオリジンは警戒しながら近づいて萃香の様々な所を見て、刺さった針を見つけて抜く。

 

その後にフェニックスファントムになってその針を燃やし尽くしてふうと息を吐く。

 

メリー「今の、なんだったのかしら?」

 

オリジン「悪針だ」

 

霊夢『悪…針?』

 

萃香の様子を思い出して言うメリーにフェニックスファントムから戻って答えたオリジンのに霊夢は首を傾げる。

 

オリジン「恨み、憎しみ、怒り……それらの悪の心を増幅させる力を持った針だ」

 

ズドォォオオオオン!!

 

そう説明した後にオリジンはまさかと考えた時、爆発音が耳に入る。

 

そこに文が慌てた様子で来る。

 

文「大変大変大変ですよ!!」

 

霊夢『どうしたんですか!?』

 

急いで来た文に霊夢はそう見せると息を整えさせてと文は手を出し、少し待って息を整えた文は言う。

 

文「あ、あちらこちらで黒いオーラを纏った人と妖が暴れまくってるんです!」

 

蓮子「ええ!?」

 

オリジン「チッ、あの野郎。復活したから好き勝手やっているようだな」

 

告げられた事に誰もが驚く中でオリジンは舌打ちしてめんどくさそうにぼやく。

 

蓮子「あの野郎?」

 

オリジン「ゼアの野郎だ。純のもう一つの人格のな」

 

メリー「え?純さんは二重人格者だったんですか?」

 

蓮子のに答えたオリジンのにメリーは驚いて聞く。

 

鬼矢「あぁ、そうだ。それもヘルヘイムに侵食された様々な世界から黄金の果実を奪い取った悪の人格だ」

 

徹底的に閉じ込めたのに出てくるとはな…とオリジンから戻った鬼矢は頭をがしがし掻く。

 

文「それだけの(わる)と言う事ですか…」

 

鬼矢「そういう事だ。さっきの針はあいつの能力だ」

 

呻いて聞く文へ鬼矢は霊夢達へそう言ってやる事は決まったなと呟く。

 

蓮子「異変解決ですね」

 

鬼矢「あぁ。あの野郎を止めないとな」

 

蓮子のに気を引き締めて鬼矢は言ってフェニックスファントムになる。

 

霊夢『どこから行きますか?』

 

鬼矢「まずは人里に行くぞ。被害を早めに止めないとな」

 

聞く霊夢にフェニックスファントムはそう返して飛び出す。

他のメンバーも続いて人里へと向かう。

 

人里

 

デカマスター「早く避難するんだ!!」

 

小兎姫「慌てないで!手が空いてる人は動けない人を助けてあげて!」

 

そこではデカマスターと小兎姫が人里の住人を避難誘導していた。

他のライダーや怪人の力を持つメンバーも手伝っていた。

 

アギト「しっかりしてください!」

 

グレイブ「こっちにもいたぞ!」

 

キバ「夢美さん!この人をお願いします!」

 

夢美「分かったわ!」

 

ちゆり「ひぃ~忙しいんだぜ!」

 

それぞれが走る中で麟はカナとエレンに龍騎と共に目の前の人物たちと戦っていた。

 

慧音「私の邪魔をするなぁ!!」

 

亜里沙「我が魔法の前にひれ伏しなさい!!」

 

カナ「わわわ!」

 

エレン「あぶなっ!?」

 

黒いオーラを纏い、攻撃を仕掛けてくる慧音と亜理沙のをそれぞれ避ける。

 

そこにフェニックスファントム達が駆けつける。

その途中で合流していた魔理沙は自分の母親に驚く。

 

魔理沙「お袋!?どうなってるんだ!?」

 

麟「あ、鬼矢!丁度良かった!あの2人の何か知ってない?慧音先生の全然違うからさ」

 

鬼矢「何?」

 

そう言われてフェニックスファントムは2人を見る。

 

2人の今着ている服や気配からフェニックスファントムはマジかよ…とめんどくさそうに言葉を漏らす。

 

鬼矢「宇宙鉄人ブラックナイトにパラドックスロイミュードだな……。ブラックナイトのほうはともかく、パラドックスのほうはマジでやばいぞ;」

 

魔理沙「おいおい、ロイミュードって事はまたどんよりってのを発生させるのか?;」

 

全然分からないが種族名の所でそう聞く魔理沙にそれより最悪だと返す。

 

鬼矢「永遠なるグローバル・フリーズ。それをあいつは一人で起こせるんだよ!」

 

蓮子「つ、つまり一生止まったままになるの!?」

 

フェニックスファントムの口から出て来た言葉に誰もが驚く。

 

エレン「そ、それじゃあ早めに止めないとやばいって事!?」

 

鬼矢「そういう事だ!来るぞ!!」

 

驚くエレンにフェニックスファントムがそう言った後に慧音と亜理沙が襲い掛かる。

 

魔理沙「止めろよお袋!」

 

亜理沙「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

制止を呼びかける娘の声に母は答えず、襲い掛かるのであった。

 

復活した純の悪人格ゼア、彼が起こしたこの異変を鬼矢たちは無事解決することが出来るのだろうか……




霊夢『じ、次回『襲い掛かる宇宙鉄人と矛盾の機械生命体』に続きます!』

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