東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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幻影をライダー達に任せて永遠亭へと入り込んだ鬼矢達、そこでは薬師が待っていてかつてとある事で見かけた月の兎が赤い目を光らせる。


第二十五章~侍大将と忍者の頭脳~

永琳「はっ!」

 

妖夢「くっ!」

 

刀を手に来た永琳に同じ二刀流である妖夢は迎え撃つ。

 

永琳「やるわね…」

 

妖夢「剣士として負けませんよ!」

 

そう洩らす永琳に妖夢は返した後に剣舞をする様に振るって戦う。

 

魔理沙「割り込む隙ねぇ…」

 

咲夜「確かにそうね」

 

永琳「だったらこれはどうかし…ら!」

 

それを見て呟く魔理沙と咲夜にそう言うと同時に妖夢を蹴り飛ばした後に手裏剣のような物と小槌のような物を取り出す。

 

永琳「怪人変化の術」

 

弓張重三~シュリケン!

 

手裏剣を小槌のようなのに付けて軽く前に振るう事で出た音声と共に永琳の服が弓張重三を模した胸元を露出した着崩した水色の着物を纏い、背中と腰に弓張重三の羽と尻尾が付いた姿となった後に左手に握った巨大な弓で魔理沙達に弾幕を放つ。

 

魔理沙「わとと!?」

 

鬼矢「ちっ、複数持ちか」

 

誰もが慌てて避ける中で鬼矢は舌打ちしながら永琳を見る。

 

永琳「悪いけどこちらにも事情があるから邪魔はされたくないのよね」

 

???「し、師匠~」

 

そう言う永琳の後に別の声がした後に頭にヨレヨレのうさみみがある足元に届きそうなほど長い薄紫色の髪にをなびかせて白のブラウスに赤いネクタイを締め、黒~焦げ茶色あるいは紺色のブレザーをその上に着用してブレザーの胸元には三日月形のブローチを付けて下は白~薄桃色の、膝下くらいまでのミニスカートを着用して足元は三つ折りソックスと茶色のローファーを見に付けた少女が来る。

 

妖夢「鈴仙さん!?」

 

少女「はわ、よ、妖夢さん!?」

 

現れた少女に妖夢が驚いて言い、少女は妖夢に気づくと顔を赤くする。

 

鬼矢「ん?あれは…」

 

鈴仙と呼ばれた少女に鬼矢は首を傾げ、同じ様に見たアッシュとデェバリャも顔を見合わせて首を傾げる。

そんな3人の視線に気づいた鈴仙が3人を見てビクッとし…

 

鈴仙「い…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

絶叫すると共に鈴仙の紅い目が光り輝いて周囲を紅く塗る。

 

サニー「な、何々!?」

 

ちゆり「な、なんだ…周りが歪みまくってやがる!?」

 

いきなりの事に誰もが驚く中で鈴仙は絶叫をし紅い光は収まらない。

 

鬼矢「この光は…」

 

腕で顔を防ぎながら鬼矢はある事を思い出す。

 

かつて月の石を手に入れたいと言う月奈の要望で月に訪れた鬼矢達は月面とは違う場所へたどり着いた。

戸惑っていた所を複数のウサ耳を付けた少女を引き連れた女性2人が鬼矢達に問答無用で攻撃を開始した。

 

それには鬼矢達は後から過剰だったと言える程の過剰防衛をしてしまい、急いでその場から離れた。

 

その際に鬼矢は少女達の中で1人、目を紅く輝かせて何かしようとした少女がいた事を見かけていた。

ただ、その後は他の事に集中していたのでその後はその少女を見かけなかった。

 

鬼矢「あの時の兎か」

 

相手も必死だったから自分達も自重せずに出しちゃったのですっごい罪悪感でさっさと離れたが自分達を見てその時を思い出しての恐怖で暴走してる様だ。

 

永琳「ウドンゲ!落ち着きなさい!」

 

鈴仙「やぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

永琳が宥めようとしてるが鈴仙は止まらない。

 

そのまま鈴仙は指輪を取り出すと付けてキスする。

それと共に制服の姿から緑色のインナースーツの上に何かを模したアーマーを肩と腕、足に装着した姿に変わる。

 

メリー「変わった!しかも指輪って事は…」

 

鬼矢・アッシュ・デェバリャ「「「な…」」」

 

驚いたメリーだったがまさかの反応に思わずえ?となる。

 

蓮子「どったの3人共?あの子が持ってる奴知ってるの?」  

 

鬼矢「いや、おい…ちょっと待て…」

 

気になって聞くが戸惑った様子の鬼矢に誰もがまた疑問を感じる。

 

魔理沙「おいおい鬼矢!さっさとあのウサ耳の奴が使ってる怪人の名前を言ってくれ!」

 

鬼矢「…グレムリンファントム」

 

頭を抑えながら苛立ち気に聞く魔理沙に鬼矢はそう言う。

それと共に鈴仙はグレムリンの武器であるラプチャーを銃に様に見立てるとラプチャーから弾幕を放っていく。

 

鬼矢「なっ?!」

 

まさかの攻撃に鬼矢は驚きながら避ける。

 

グレムリンは超高速のスピードに加え、壁を透過する能力を有し、予測不能の動きで相手を翻弄する接近戦がオンリーなファントム。

だが彼女はそんなグレムリンの武器を銃の様にみたてて攻撃を仕掛けたのだ。

 

鬼矢「にしても意外すぎるだろ…」

 

弾幕を避けながら鬼矢はそうぼやく。

ただでさえ、鈴仙の能力と思われる紅い光でメンバーの感覚が変になってるのに弾幕を放たれてるのだから避けの一手しか行えない。

 

???「あらあら、今日はお客さん多めなのね」

 

すると鬼矢と霊夢などの一部のメンバーが聞き覚えのある声がした後に鈴仙の後ろから誰かが現れる。

 

霊夢『貴方は…輝夜さん!』

 

最初会った時と違い上がピンクで、大き目の白いリボンが胸元にあしらわれており、服の前を複数の小さな白いリボンで留めていて、袖は長く、手を隠すほどであり、左袖には月とそれを隠す雲が、右袖には月と山(?)が黄色で描かれていて、下は赤い生地に月、桜、竹、紅葉、梅と、日本情緒を連想させる模様が金色で描かれているスカートと、その下に白いスカート、更にその下に半透明のスカートを重ねて履いた姿の輝夜が現れる。

 

永琳「姫様!」

 

鬼矢「それが本来のお前の服装か」

 

輝夜「まあね~だけどあっちはあっちで外出用な感じだから気に入ってるんだけどね」

 

弾幕をかわしながら聞く鬼矢に輝夜は裾を掴んで言う。

 

永琳「…姫様、こちらは忙しいんですが?」

 

輝夜「なら終わったらこの状態で次は私にやらせなさい。私からの命令と言うかお願いよ」

 

永琳「……分かりましたわ」

 

見ていた永琳がそう言うが返された事にやれやれと感じながら妖夢へ突撃する。

 

妖夢「くっ!」

 

永琳「あなたが丁度良いからやらせて貰うわよ」

 

防ぐ妖夢に永琳はそう言って攻撃を仕掛ける。

 

妖夢「この!」

 

それに対し妖夢は怪人少女になって刃をとばす

 

永琳「ほう、篭手も合わせて四刀流…それが伊逹じゃないかどうか見定めてあげるわ!」

 

妖夢「良いでしょう!私の剣に斬れないものは…あんまりありません!」

 

その言葉と共に2人は舞う様にぶつかり合う。

弾幕が飛んで来ない分、2人は自由に動き回る。

 

鬼矢「…暇になるな」

 

美鈴「いやーこっちは大忙しなんですけどね~」

 

妖夢と永琳のを見ながらそう洩らす鬼矢に全員の盾役な感じで太極拳で弾幕を逸らしてる美鈴がそう言う。

 

鈴仙「~~~~~~~~~~~!!!」

 

放ってる鈴仙は余程あの時の恐怖を感じているのかまだ目の光も消えずに弾幕を放ち続ける。

ホントやり過ぎたなと当事者3人は過去の行動に遠い目をする。

 

鬼矢「…俺らで止めるか」

 

紫「いえあなた達が出たらそれはそれで悪化しそうだから止めときなさい」

 

レミリア「そうだな。確かに後々に残すと思うから此処は妖夢のを見て置け、美鈴、防衛はしっかり頼むぞ。終わった時の宴会の時にお酒をがぶがぶ飲んでも良い」

 

美鈴「お嬢様もお人が悪い。逸らすのは簡単だから良いですけど忘れないでくださいよ」

 

出ようとした鬼矢を紫は止めてレミリアも同意した後に美鈴にそう言い、美鈴は嬉しそうに弾幕を逸らして行く。

 

鬼矢「そんなもんか?」

 

レミリア「そんなもんだ。それに…どうも後ほどで否が応でも動きまくると思うぞ」

 

そう言う鬼矢にレミリアはそう返す。

 

霊夢『え?』

 

咲夜「お嬢様…視たのですか?」

 

レミリア「少しだけな」

 

発された事に驚く霊夢の隣で聞く咲夜にレミリアはそう答える。

 

鬼矢「便利だなその能力」

 

レミリア「まぁ、やばいと思うの以外は極力言わないがな」

 

そう洩らすレミリアのを聞きながら妖夢を見る。

 

妖夢「はっ!」

 

永琳「はぁ!」

 

4刀流を駆使して戦う妖夢に対し、永琳は弓張重三とサーガインのそれぞれの力を巧みに使い分けて妖夢を攻撃し続ける。

 

妖夢「くっ、強い!」

 

鬼矢「やるな永琳の奴…」

 

純「そうだね」

 

相手にダメージを与えると言う意味では2倍になる妖夢の4刀流が上、だが2倍といえぞ当たらなくては発揮しない。

 

永琳はそれを分かっているので妖夢のを当たらない様にグレイズしている。

どうするべきかと妖夢は考えた時に気づいた。

 

永琳がサーガインから弓張重三へ、弓張重三からサーガインへ変わる際に隙が出来ると言うのを…

 

永琳「これで終わらせるわよ」

 

妖夢「(来る…)」

 

その言葉と共に姿を変える瞬間を見つけて妖夢は駆け出しスペルを宣言する。

 

妖夢「4刀流【断迷光刃剣】!!」

 

光り輝く刃で永琳を切り裂き、永琳は吹き飛ぶ。

 

永琳「ぐふっ!」

 

輝夜「あら、終った様ね」

 

自分の方に飛んで来た永琳を見て輝夜は呟いた後に面白そうに妖夢を見る。

 

鬼矢「そうだな。さてこっちは…」

 

輝夜「鈴仙、少しストップ。怖いだろうけど今はストップ」

 

鈴仙「!」

 

すると輝夜が指示を出して鈴仙はそれに弾幕を放つのを止める。

ただ紅い光はそのままだが…

 

鬼矢「にしてもこの光はなんなんだ?」

 

魔理沙「どうも頭がくらくらするんだぜ…」

 

輝夜「悪いけどそこまで教えるのはフェアじゃないわ」

 

咲夜「この時点でフェアじゃないと思うんだけどね」

 

鈴仙の放つ紅い光を見て言う鬼矢に魔理沙は顔を顰めながらそう言ってからの返された言葉に咲夜がそう言って一本取られたわねと輝夜は笑う。

 

輝夜「じゃあ始めましょうか」

 

一方永遠亭入り口前でライダー達は幻影を倒し終えていた。

 

カブト「終わったか」

 

タジャドル「そうだね」

 

ゼロノスVF「それじゃあ皆の元へ…」

 

クウガLUF「!待ってください!」

 

永遠亭に誰もが入ろうとした時、クウガLUFが止めにかかる。

 

誰もがなぜと思った時にこちらに来る2人の少女を見つける。

 

??「あ、見つけた♪」

 

??2「獲物、見つけた♪」

 

電王「獲物だぁ~?」

 

キバ「!皆さん気を付けてください!この子達正気じゃありません!」

 

笑みを浮かばせる少女2人に訝しげに見る電王や他のメンバーにキバは叫ぶ。

 

??「さぁ始めましょ?」

 

??2「さぁ始めよ?」

 

その言葉と共にライダー達は構える。

 

異変の首謀者にたどり着いた鬼矢達、そしてライダー達の前に現れた少女2人は…




輝夜「次回、第二十六章~影の月姫~。よろしくね~」

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