サニー「うわわ!?」
飛んで来た弾幕に誰もが避ける。
チルノ「この!火炎符【ブレイジングフォール】!!」
反撃とチルノはスペルカードを宣言すると紫に向かって火炎弾を放った。
紫「念力【アッシュプレス】」
迫るのに対し紫は静かに宣言すると壁の様に展開された弾幕がチルノの弾幕を打ち消した後に全員に迫り、誰もが慌てて離れる。
魔理沙「獣恋符!【キメラマスタースパーク】!!」
紫「境目【異界への穴】」
お返しとばかりに魔理沙は自分の十八番を放つが紫が展開したスキマに吸い込まれる。
魔理沙「んな!?」
紫「お返しするわ」
まさかの大技が吸い込まれたのに驚く魔理沙にそう返すと共に紫はスキマを展開して先ほど飲み込んだキメラマスタースパークを返す。
シュガーサテラ「それ~」
いきなりのことで動けない魔理沙をシュガーサテラが鞭で自分の所に引き寄せて魔理沙をキメラマスタースパークの射線から退避させる。
魔理沙「た、助かったぜ」
シュガーサテラ「いえいえ~」
スターサファイア「と言うか胸も大きいけど実力も大きすぎでしょ!!」
礼を言う魔理沙にそう返すシュガーサテラの後にスターサファイアが涙目で叫ぶ。
鬼矢「そりゃぁこの幻想郷創設者だしな」
美鈴「紫さんも紫さんでちゃんと鍛えてますからね」
そんなスターサファイアに鬼矢が言って美鈴がそう述べる。
咲夜の時間停止を交えての他のメンバーも放ってはいるが紫は上手くかわしたりスキマを駆使して翻弄して行く。
紫「これから逃げれるかしら。圧殺【岩壁への誘い】」
その言葉と共に宣言されたスペルカードにより、両側から岩壁を模した弾幕が迫る。
サニーミルク「ええ!?」
フラン「わわわ!キュっとしてドカーン!!」
それに誰もが慌てた中でフランが一部分を吹き飛ばすとメンバーは抜けた穴から脱出する。
文「おお、見事に脱出しましたね」
紫「次はこれ召還【ヘルヘイムの異形達】」
写真を撮りながら文が関心した後に続けざまに紫はクラックを出現させるとそこからインベスを出す。
魔理沙「マジか!?」
霊夢「ぎゃう!?」
紫「さぁ、行きなさい」
驚いている間に紫がそう指示を出すとインベス達は魔理沙達へ向かって行く。
タジャドル「インベスは俺達が!」
オーガ「サニー達はあのお姉さんを!」
龍騎「任せた!」
チルノ「分かった!」
それにライダー3人がインベス達を迎え撃つ。
ライダー達を見てからチルノ達は紫に向かって行き、弾幕を放つ。
紫「念力【絶対波動】」
放たれた弾幕は紫が手を翳すとその手前で停止した後に消滅する。
魔理沙「んげ!?そんなのありかよ!?」
紫「ありよ」
驚く魔理沙に笑ってそう言った後に紫は霊夢とサニーミルクの姿がない事に気付く。
どこに行ったのかと思った後に後ろから衝撃が来る。
来た衝撃に紫は倒れかけたが踏ん張る。
サニーミルク「よっしゃあ成功!!」
霊夢「ギャウ♪」
声のに振り返るとサニーミルクとハイタッチする霊夢の姿があった。
先ほどの衝撃は霊夢が放った弾幕と気づいて紫はフッと笑って怪人少女から元の姿へ戻る。
紫「これはやられたわね。約束通りあなた達の勝利よ」
鬼矢「サニーにはあんな能力があったのか」
肩を竦めて言う紫の後に見ていた鬼矢がそう洩らす。
なぜ霊夢とサニーミルクが紫の後ろに気付かれずにいたかと言うとサニーミルクの光を屈折させる程度の能力を使い、光学迷彩のように自身と霊夢の姿を見えなくしたのだ。
見えなくする過程を見られない様に魔理沙達は弾幕や自分達の体で2人を隠して実行したのだ。
夢美「これで約束通り犯人の奴を手伝ってくれるわよね」
紫「えぇ、もちろんよ」
夢子の問いに紫は言った後に歩き出す。
咲夜「どこに向かうの?」
紫「ついて来れば分かるわ」
鬼矢「着いてからのお楽しみかよ」
聞く咲夜にそう返す紫に鬼矢は呆れる。
しょうがないので一同は紫の後に続いた。
紫「もうすぐ着くわよ」
しばらく紫に続いて行くと紫がそう言った後に思いっきり見覚えのある場所、博麗神社が見えた。
魔理沙「おいおい、博麗神社じゃねえか」
紫「萃香~出てらっしゃい」
なんで此処なんだと魔理沙が聞く前に紫が虚空へそう言う。
???『やれやれ、あっさり言うね』
その言葉と共に漂っていた妖気が集まった後に1人の少女になる。
ただ、その頭に二本の角を持っていた。
鬼矢「あれは…鬼か?」
華扇「ええ、伊吹萃香…昔山にいた鬼の四天王の1人よ」
文「あやや、まさかあなた様だったとは」
少女を見て呟く鬼矢の後に華扇が言い、文が困った顔で呟く。
萃香「お、華扇じゃないか。ひさしぶりだねぇ」
華扇「ええ、紅い霧の異変以来ですね」
子供の様な笑顔を浮かばせて言う萃香に華扇はそう言う。
霊夢『あ、やっぱり知り合いだったんですね』
華扇「ええ…長く会わなかったと思ったら先ほど言った様に紅い霧の異変が起こってる時に私の前に現れてね」
そう書いて聞く霊夢に華扇はそう返す。
霊夢『同じ四天王のあなたの前に?』
華扇「ええ、そう…え?」
続けて霊夢のを見て頷こうとして華扇はギギギ…と霊夢が書いたのをもう1回見る。
華扇「アノ、霊夢チャン、何言ッテルノカナー?」
霊夢『山の四天王って聞いて私、思い出したんです。山の四天王のことを母さんから教わったのを』
冷や汗だらだら流して聞く華扇に霊夢はそう見せる。
華扇「霊夢チャン、ソレハ後デト言ウカ秘密デ良イカナ?」
霊夢『?』
萃香「にゃはは、色々と待ってたよ博麗霊夢、あんたを食らうのをさ」
そう強く押す華扇に首を傾げる霊夢へ萃香は笑って言う。
霊夢『え?』
萃香「ホント楽しみだね。あんたは食らう時にどう鳴いてくれるかゾクゾクするよ」
咲夜「ちょっと待ってあなた!?」
魔理沙「別の意味で霊夢を食べる気か!?」
驚く霊夢を見ながら舌なめずりする萃香の言った事に咲夜と魔理沙は思わず顔を赤くして叫ぶ。
意味に気付いてかちゆりと蓮子も顔を真っ赤にしている。
乃亞「おい、鬼矢。あれって…」
鬼矢「…なぁ、華扇。あいつって何時もあんな感じか? 」
華扇「彼女の名誉の為に言わせて貰うと何時もあんな感じではありません」
文「それは私も保証します。萃香さんは手当り次第出すなんてした事ないので」
同じ様に気づいた乃亞の後に呆れた顔で聞く鬼矢に華扇と文がそう答える。
鬼矢「んじゃやっぱり怪人の力が暴走しているな」
萃香「にゃはは、もう我慢できないね」
顔を顰めて言う鬼矢の後に萃香は獲物を狙う狩人な目つきをすると指輪を取り出して嵌めた後にキスする。
それにより萃香の体が高校生位の少女の姿に成長して、オーガファントムを模したチャックの様な模様があるレオタードに頭にオーガファントムの角を模した髪飾りを付けて、胸元にオーガファントムの腰にある飾りが付いた姿となる。
萃香「さぁ、骨の髄まで喰らってあげるよ!」
その言葉と共に萃香は不敵な笑みを浮かばせて飛びかかる。
萃香「次回、第二十章・異変の黒幕、獰猛な影鬼をよろしくな~」