鬼矢「ふい~今回も解決できたな」
霊夢『お疲れ様です』
いまだにシャロシュにスリスリしてる幽々子を見ながらドゴルドから戻った鬼矢は肩を回し、霊夢は労いの言葉を見せる。
乃亞「さぁて、今回も帰って宴会だな」
魔理沙「おうそうだな」
笑って言う乃亞に魔理沙も返して歩き出そうとして…メンバーの前に何かが現れる。
それはクラックに似てるが中に見えるのは目の様なのがたっぷり見える奴で霊夢がそれに気づいた瞬間…
シャロシュ「うわっ!?」
何かから影が飛びだしてシャロシュへと斬りかかり、慌ててシャロシュは自分の武器で受け止める。
受け止めながらシャロシュは自分を攻撃した何者かが使ってるのに驚く。
シャロシュ「そ、その剣はロシュオの…」
パーン!!
その後に頭に来た衝撃にシャロシュは思わず頭を抑える。
???「はいしゅ~りょ。これで幽々子の体による封印を解いた件はチャラにしてあげるけど、また厄介な事をしたら承知しませんからね」
そう言ってロシュオの剣とは別に手に持っていたハリセンで肩を叩いた白いドレスを身に纏い、王冠を付けた金髪の女性が軽いながら威圧を付けてそう言う。
その後に女性は鬼矢を見る。
女性→紫「初めまして怪人の始祖様。私は八雲紫、あなた方を招待した者ですわ」
鬼矢「あんたが八雲紫、この幻想郷の創設者か」
挨拶する紫に鬼矢がそう言った後…
???「うおぉぉぉぉぉぉ霊夢!うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
まだ開かれていた隙間から切羽詰まった顔で女性が霊夢へ突撃する様に手を伸ばして走り…
紫「連行(パチン)」
美鈴「はい連行しますね~」
文「あや~またですか~」
呆れた顔で指を鳴らす紫の後に何時の間にか現れた美鈴と文が女性を捕まえてどこかへ連行する。
何気なく2人の格好がミニスカポリスと言うある意味マッチしてる。
一同「(………何今の?)」
それに霊夢とチルノ、咲夜を除いた面々は一連の流れにそう思い、霊夢とチルノはポカーンとし、咲夜は何してるの母さんと顔を赤くしてしゃがみ込んでいた。
紫「まぁ、とにかく親友を助けてくださり感謝しますわ」
純「いや、僕も二人と再会できたしこっちが感謝したいよ。…何で叩かれたのかがわからないけど」
気を取り直して礼を述べる紫に純はそう聞く。
紫「…暴れた西行妖を見て分からないの?あなた達が復活させようとしていた存在、この世界での生前の幽々子の体はあの西行妖を封印していた言わば封印具でもあったのよ。しかももしそうなったら幽々子は消えていたわ…まぁ、今回は運良く幽々子は消えてないから良かったけど」
呆れた様にはぁ~と溜息を付いた後に封印された西行妖を見ながら紫は説明する。
シャロシュ「え?それマジで;」
妖夢「そ、そうだったんですか;」
説明された事にシャロシュと妖夢は冷や汗を流し、消えていたかもしれないのにその本人である幽々子はあらあら…とほんわかに漏らす。
すると髪の色が紫色で腰まである髪の先より手前で紐を結んでいる霊夢のとは少し違う巫女服を着た女性が現れる。
それに霊夢は顔を輝かせて抱き付いて胸にスリスリする。
女性「もう、ホントに甘えん坊ね霊夢は♪」
抱き付かれた女性は嬉しそうに霊夢を抱きしめる。
咲夜「先代様!」
魔理沙「霊夢の母ちゃん!」
鬼矢「先代…ってことはお前が霊夢の母親か」
チルノ「そうだよ」
2人の反応から呟く鬼矢へチルノが肯定する。
女性→霊破「織神鬼矢君だったわね。私は博麗霊破、霊夢の母親よ。霊夢を助けてくれてありがとうね」
鬼矢「いや、こっちも霊夢には世話になってるから別にいいぞ」
霊夢の頭を撫でながら礼を述べる霊破に鬼矢はそう返す。
美鈴「紫さーん、落ち着いたので連れて来ましたよ~」
そこに美鈴が文と共に先ほど霊夢に突撃しようとした女性を連れて来る。
良く見ると腰から9本の狐の尻尾が生えていた。
気づいた霊破は霊夢を抱えて、女性に近づいた後に女性の尻尾へ霊夢を置く。
霊夢「~♪」
女性「はふん」
尻尾に埋まってもふもふする霊夢に女性は顔を蕩けさせる。
乃亞「おい、あの変態はなんだ?」
紫「あの子は八雲藍、私の式なんだけど霊夢の事になると無我夢中になるのよ」
純「と言うと霊夢コンプレックス略してレイコンって奴?」
思わず聞く乃亞に紫は困り果てた顔で紹介して純がそう言う。
紫「まぁ、言い得てるわね…あの子ホント霊夢に会ってないと霊夢霊夢ってぶつぶつ呟くしうろつくから困ったものよ」
乃亞「なんか大変そうだな;」
やれやれと息を吐く紫に乃亞は何時の間にか鼻血を垂れ流してる藍を見て言う。
魔理沙「霊夢~そろそろ宴会の準備の為に帰ろうぜ~紫さんいるからすぐにいけるしよ」
霊夢「!」
藍「あ、霊夢~待ってくれ~」
魔理沙の言葉に霊夢はピョンと抜け出て駆け出すのに藍は慌てて追いかける。
純「…さて紫さん」
紫「何か用かしら?」
それを微笑ましく見ていた紫に純は話しかける。
純「幽々子さんが消えるってことについてもう少し詳しく教えてくれないか?」
紫「……そうね……まぁ、今度から姉さんって呼んであげなさい…じゃないと他人行儀なのを聞いて幽々子が光ない目+涙目で怖いから」
それを聞いて紫は厳しい顔をした後にすぐさま困った顔をして純の後ろを見てそう言ってから話しを戻す様に咳払いした後に厳しい顔に戻して言う。
紫「至極簡単よ。この世界での幽々子は1000年前に死んでいたのよ。もし幽々子の反魂の術が成功して封印が解け、桜の下の死者、つまり生前の幽々子が生き返っていたら、生き返った人間の幽々子は1000年の時の流れによって再び死に、同時に亡霊の幽々子も消滅していたのよ。つまり今回はホントに奇跡とも言えるのよ。幽々子の体と魂が1つとなって怪間になると言う所業を遂げたのは…」
純「なるほどね。でもまだ問題があるんでしょ?」
そう聞く純に紫は頭を掻いた後に溜息付いて言う。
紫「さっき言った中にあったでしょう。亡霊の幽々子も消滅する。つまり、亡霊からただの幽霊になって成仏してしまうと言う事よ」
純「なるほどね。なら幽霊にしなきゃいいわけだ」
紫「まぁ、怪間となったお蔭か安定して生身や幽体を自由になれる感じになってるわね」
ふむふむと納得してる純に紫はそう言う。
幽々子「つ・ま・り…純君とも子供が出来る訳ね~うふふ、弟とも再会できてもうハッピーだわ~」
純「ちょ、姉さん?!」
ゆらりと純に抱き付いて言う幽々子に純は驚く。
幽々子「さぁて~宴会なんだからたっぷり食べてこれから…うふ、うふふ…うふふふふ」
純「(よし、絶対逃げよう)」
他人からしたら優雅な笑み、だが弟である純には悪魔で獣な笑みを浮かべて純を引きずる幽々子に引きずられてる本人は連れて行かれない様に逃げる事を誓う。
そんな友人に呆れながら紫は続く。
ちなみにちゃっかり乃亞により飛ばされたプリズムリバー3姉妹も紫が回収していたのは些細である。
博麗神社~境内~
美鈴「ヒャッハー!!酒ですよ酒!!」
霊夢「♪」
霊破「ホントに良く食べるわね」
藍「お、おお…モキュモキュ霊夢…」
橙「ら、らんしゃましっかり;」
そんな訳でプリズムリバー3姉妹の演奏を聴きながら始まった宴会で何時も通りお酒を飲む美鈴の隣でモキュモキュ食べる霊夢に霊破は笑いながら食べて、食べてる霊夢ににへらーと笑った後にばたっと倒れる藍を橙が介抱する。
鬼矢「全く、相変わらず宴会は騒がしいな」
純「まぁまぁ、それがいいんじゃないか」
酒を飲みながら騒ぎまくる面々を見て呆れる鬼矢へヘルヘイムの果実で作った酒を飲みながら純が笑って言う。
幽々子「純く~ん、楽しんでる~」
純「あ、姉さん」
そこに嬉しそうに幽々子が来て純にしなだれかかる。
幽々子「どぉ?楽しんでる?」
純「ん、まぁね」
聞く幽々子に純は答えた後に抱きしめられる。
幽々子「ごめんなさいね。1人寂しくさせてしまって…」
純「僕こそごめん…あの時二人を守れなくって」
謝る幽々子に純は謝り返して思い出す。
現れた存在、それから自分を庇って死んだ2人…と純は顔に出さない様にする。
幽々子「ううん、私は大切な弟を守れて良かったもの、ディジュフォ…妖夢も同じよ」
純「姉さん…」
ギュっと自分を抱きしめる幽々子に純は少し震えてるのに気付く。
色々と自分に姉以上の愛を出してて破天荒な姉だがホントに自分を大切に思い、温かく見守り、時に厳しくしてくれていたのを思い出して顔を緩める。
それに鬼矢もフッと笑う。
鬼矢「良かったな純。もう一人ぼっちじゃなくなったじゃねぇか」
それに純はうんと頷き…
幽々子「ふふ、このまま純君と…」
うへへと笑う幽々子からバッと逃げる。
幽々子「あ、待ってよ純君~~~」
純「捕まってたまるかァァァ!!!」
追いかけっこを始める2人に誰もが笑ったり、呆れたりしていた。
鬼矢もやれやれと感じながらお酒を飲む。
ひとまず、長く続いた冬の異変は解決された。
だが、近々また別の異変が起こる事を鬼矢達はこの時知らなかった。
???「にゃは♪」
紫「次回、閑章『人里』に続きますわ♪」