東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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春とヘルへイムを集めた大樹は暴走し、その中で長き再会が待っていた。


第十四章~暴れる西行妖、古き再会~

霊夢『知り合いの方ですか?』

 

鬼矢「俺の仲間の一人で今回の異変を手伝っている」

 

純「白麟黄純だよ。よろしく」

 

現れた純を見ての霊夢の問いに鬼矢は答えようとして名前の所をその本人が言う。

 

咲夜「春を集めて何が目的かしら?」

 

純「それは秘密だよ。教えるわけにはいかないね」

 

咲夜の問いに純は軽く笑って返す。

 

魔理沙「ならやる事は1つだな!」

 

チルノ「だね!」

 

鬼矢「んじゃとっとと終わらせてやるか」

 

構える魔理沙達を見て純も動こうとして…後ろを振り返る。

それに誰もが疑問を感じたがすぐさま来た強烈な力の放出に驚く。

 

魔理沙「な、なんだこりゃあ!?」

 

咲夜「これは強大ね」

 

純「っ!」

 

誰もが放たれる強大な力に驚く中で純は切羽詰まった顔で走り出す。

それにフェニックスファントムは今起きてる異変の黒幕である幽々子の元へ向かおうとしてるのだと気付き…

 

鬼矢「お前等!追いかけるぞ!」

 

チルノ「りょーかい!」

 

フェニックスファントムの号令と共に純の後を追いかける様に続いて走り出し、妖夢も慌てて追いかける。

 

冥界~白玉楼~

 

しばらくして門が見えて超えて入ると純が佇んでおり、一同は純の目を追って入った光景に誰もが驚く。

 

そこには巨大で満開の桜を咲かす木があったが、表面が紫色に染まって不気味な気配を齎していた。

さらに幹に女性を捕え、一際大きい花から上半身を出した女性がいたがなんとどちらとも同じ顔であった。

 

魔理沙「な、なんじゃこりゃあ!?」

 

アッシュ「なんちゅう禍々しい木だぜ」

 

咲夜「と言うかあの花とか幹の女性は…」

 

妖夢「幽々子様!」

 

驚く魔理沙と呟くアッシュと咲夜の後に妖夢が幹に捕えられた女性を見て叫ぶ。

フェニックスファントムは慌てて呆然としている純へ話しかける。

 

鬼矢「おい純!これがお前の手伝った事で予想した事なのか!」

 

純「そんなわけないだろ!こんなの予想外だ!」

 

霊夢「(ガタガタブルブル)」

 

魔理沙「おい大丈夫か霊夢!」

 

問いに叫び返す純の後ろで震える霊夢に魔理沙は話しかける。

 

霊夢『あ、あれはす、すごい怨念をは、放ってます』

 

チルノ「お、怨念?」

 

アリス「あの桜の木、曰くつきの奴なの?」

 

リリーホワイト「アンラッキューですよ!!」

 

告げられた事にチルノは呆気に取られ、アリスの後にリリーホワイトがそう言う。

 

妖夢「今お助けします!」

 

純「あ、妖夢!」

 

それに飛びだす妖夢に純も慌てて続く。

幽々子へ駆け寄ろうとした妖夢へ…弾幕が迫る。

 

妖夢「!?」

 

???「邪魔はさせぬぞ」

 

なんとかかわす妖夢へ花から出ていた者の口から女性とは思えない声が出て来て威圧する。

 

魔理沙「な、なんだ!?」

 

咲夜「今の声は…」

 

鬼矢「テメェ…何者だ?」

 

驚く魔理沙の後に咲夜はナイフを構え、フェニックスファントムが睨んで聞く。

 

???「我が名は西行妖」

 

アッシュ「西行妖?」

 

アリス「あの木の名前?」

 

告げられた名前にアッシュとアリスは呟く。

 

西行妖「我は染める…この世界を死へと…」

 

その言葉と共に禍々しい光が出しながら西行妖は恐ろしさを感じる唸り声をあげて一同に襲い掛かる。

 

鬼矢「うぉ?!」

 

迫る弾幕や枝をそれぞれなんとか避ける。

 

魔理沙「この!恋符【ノンディレクショナルレーザー】!!」

 

アリス「魔操【リターンイナニメトネス】!」

 

すぐさま魔理沙はレーザーを放ち、アリスは魔力を込めた人形を投げつける。

 

西行妖「フン」

 

それに対し西行妖は枝で弾き飛ばし、2人は慌てて避ける。

 

咲夜「出鱈目過ぎるわね…」

 

鬼矢「後2人共、攻撃するにしても幹にいる幽々子って奴を救出しないとダメだろ;」

 

アリス「確かに愚策だったわね…ただしこの弾幕の中でどうするの?」

 

その光景に咲夜は呟き、フェニックスファントムの言葉にアリスはそう聞く。

 

妖夢「幽々子様!」

 

だが話す前に妖夢が駆け出し迫る弾幕や枝を無茶して通ろうし、枝に捕まる。

 

純「妖夢!」

 

リリーホワイト「無茶すぎですよ!!」

 

西行妖「まずは貴様から死に染めてやろう」

 

叫ぶ純とリリーホワイトの後に西行妖はそう言って妖夢を締め殺そうとする。

 

ザン!!

 

だがそれよりも前にドゴルドに姿を変えた鬼矢により締め殺される前に放り出され、地面に転がる前にデェバリャとなった純にお姫様抱っこされて助けられる。

 

妖夢「じゅ、純さん」

 

デェバリャ「大丈夫かい妖夢」

 

顔を向ける妖夢にデェバリャは声をかけてはいと帰って来た声に安堵した後に妖夢を下ろして西行妖を睨んだ後にドゴルドの隣に立ったデェバリャは長い白い棍を構える。

 

デェバリャ「行くよ鬼矢」

 

鬼矢「ああ、覚悟しろよ化け物大樹!」

 

構えるデェバリャにドゴルド(鬼矢)は答えた後にそう言って西行妖に突撃する。

 

西行妖「フン!」

 

向かって来る2人に西行妖は弾幕や枝を繰り出す。

 

霊夢「ギャウ!」

 

咲夜「フォローは任せなさい!」

 

アリス「あなた達はあの幹にいる人を助けなさい!」

 

蓬莱「なんだぜー」

 

それに霊夢達が相殺したり切り落としてフォローする。

霊夢達の協力もあって2人は幹にいる幽々子へ近づいて行く。

 

西行妖「そうはさせるか!」

 

だが、手が届くと言う所で花吹雪により2人は吹き飛ばされる。

 

妖夢「純さん、幽々子様…くっ」

 

ほとんど見ているしかない自分の不甲斐なさに妖夢は顔を歪めてふと、自分の近くにヘルへイムの果実が転がっているのに気付く。

どうやら先ほどので1個が千切れて飛んで来た様だ。

 

妖夢「これは…」

 

転がるヘルへイムの果実を見て妖夢は呟いた後に純から聞いた話しを思い出す。

そして…果実を手に取った。

 

サガラ「その果実を食べるつもりかい?」

 

妖夢「!?あなたは?」

 

ヘルへイムの果実を食べようとした時に現れたサガラに妖夢は驚いて聞く。

 

サガラ「俺はサガラ。それよりも嬢ちゃん、それ食べるつもりかい?」

 

妖夢「そのつもりです。止める気ですか?」

 

名乗った後に問うサガラに妖夢は問い返すとまさかとサガラは肩を竦める。

 

サガラ「別に俺は止めないぜ。ただその実を食べるには覚悟がいるぜ?」

 

妖夢「覚悟…」

 

そう言うサガラに妖夢はヘルへイムの果実を見る。

 

サガラ「そう。化物になる覚悟がね…」

 

妖夢「…そんな覚悟、決めております!!幽々子様や純さんを助ける為に!私は力を欲します!!」

 

笑って言うサガラに妖夢は強い目を込めて言う。

 

それにサガラはある人物の顔を浮かばせ…

 

サガラ「そうかい。なら好きにするがいいさ。俺はただ見守るだけだからな」

 

妖夢「ええ好きにさせて貰います!幽々子様!今お助けします!!」

 

そう言うサガラに返した後に妖夢はそう言ってヘルへイムの果実を食べる

 

 

精神空間

 

妖夢「此処は…っ!」

 

いきなり白い空間にいた妖夢は周りを見渡そうとして来た痛みに頭を抑えるがすぐさま収まる。

 

???「よく覚悟を決めましたね」

 

聞こえて来た声に妖夢は顔を向けると驚く。

そこには自分にそっくりな少女がいた。

 

妖夢「あなたは…」

 

???「シャロシュ様のこと、よろしくお願いします」

 

驚く妖夢へ少女は微笑んで光の粒子になると妖夢のなかへ入る。

 

妖夢「…そうか…だから…待っててください!!」

 

それにより妖夢は今までの頭痛の謎が解けると共に体が光に包まれる。

 

現実世界

 

ヘルへイムの果実を食べた妖夢をヘルヘイムの蔓が包んでいた。

 

魔理沙「な、何が起きてるんだ?」

 

妖夢「はっ!!」

 

それに誰もが驚いていると蔓が弾け飛ぶ。

 

現れた妖夢の姿に誰もが、デェバリャは特に驚く。

その姿は伝説上の生物であるユニコーンを模した白き肉体を持つ洋風オーバーロードインベスが立っていた。

 

サガラ「おっ、その姿は…」

 

妖夢「我が名は魂魄妖夢!前世の名はディジュフォ!今こそシャロシュ様と共に幽々子様を救う為にいざ参る!!」

 

そう名乗り上げると共に姿は人間に戻るが服が閃乱カグラの飛鳥の忍装束をスカート部分を白く染めた感じになっていた。

 

魔理沙「おいおい、霊夢と同じ存在になったのか!?」

 

咲夜「見るからにそうよね」

 

それに魔理沙と咲夜が言う中でデェバリャは現れた妖夢に驚いていると妖夢はデェバリャに頭を下げる。

 

妖夢「お久しぶりですシャロシュ様」

 

デェバリャ「ディジュフォ?ホントに君なのかい…?」

 

恐る恐る聞くデェバリャに妖夢は頷く。

 

妖夢「はい、あなた様と過ごした事を全て…此処からは私も行きます」

 

デェバリャ「あ、あぁ…」

 

鬼矢「なんかわからねえけど…もう1回行くぜ!!」

 

まさかの出来事にデェバリャはまだ驚きを隠せないが頷いた後に妖夢を加えて再び幽々子へと走り出し、霊夢達も掩護する。

 

西行妖「させるかぁぁ!!」

 

向かって来る3人に西行妖は巨大な種を発射する。

 

それに妖夢が前に出て長刀『楼観剣』と、短刀『白楼剣』以外に両腕に装着した剣が仕込まれた篭手、シュイムを構え…

 

妖夢「四刀流式断迷剣!【迷津慈航斬(めいしんじこうざん)】!!」

 

青白いのオーラを纏わせてより強化した4つの刀を縦横無尽に振り切ると巨大な種は微塵に斬られ、さらに枝や弾幕を吹き飛ばす。

 

鬼矢「雷電残光!!」

 

続けざまにドゴルド(鬼矢)が上半身を出した女性が付いてる花を西行妖から伸びてる枝の真ん中を両断する。

 

落とされた花はそのまま落ちかけるが咲夜が水のクッションを作って安全に降ろす。

 

西行妖「く、クソガァァァァ!!」

 

両手を枝に変えて攻撃するがデェバリャに棍で斬られる

 

そして幽々子に接近すると共にその体を黄金に輝かせてシャロシュの姿へと変わり、そのまま幽々子を拘束する物を呼び出した大剣で両断して幽々子を助け出して離れる。

 

シャロシュ「さて…」

 

幽々子を咲夜が運んで来た女性ともども安全な場所に運んだ後に手を地面に付けると西行妖の周りに魔法陣を展開する

それに気づいた西行妖は止めさせようと攻撃を仕掛けようとする。

 

シャロシュ「永久に封印されろ、怨念。術式【フェムシンムの封印術】」

 

だが、それよりも早くシャロシュはそう宣言すると手を素早く動かして封印の呪文を言うと手を付き出し、そこから光が発され西行妖に命中する。

 

怨念「ば、バカなァァァァァァァァァ!?!?!」

 

西行妖の断末魔が響き渡り、それと共に魔法陣が強く輝くと西行妖は見えなくなり、収まった後には紫だった表面は他の木の様に茶色になり、他の木より小さくなって枯れ木に変わり果てた西行妖が現れる。

 

シャロシュ「封印完了」

 

静かにシャロシュがそう言うと誰もが終わったと感じた後…

 

咲夜「な、何よこれ!?」

 

戸惑う咲夜の声に誰もがした方を見ると助け出した女性の体が光り輝いた後に光の粒子となると幽々子に吸い込まれる。

それと共に幽々子の体がヘルヘイムの蔓に包まれる。

 

シャロシュ「ゆ、幽々子さん!」

 

慌ててシャロシュは近寄ると蔓が弾け飛んだ後…ピンク色のチャイナドレスを纏い、髪が腰まで伸びて現れた幽々子がシャロシュにキスする。

 

アッシュ&魔理沙&アリス&咲夜&妖夢&鬼矢「「「「「「……はっ?」」」」」」

 

チルノ「おー」

 

リリーホワイト「大胆ですよ~」

 

霊夢「///」

 

サガラ「こりゃまた驚きだ」

 

それに6人は呆気に取られ、チルノは思わず感心し、リリーホワイトはきゃーと顔を赤くして、霊夢も思わず顔を赤くする中で様子を見ていたサガラが楽しそうに笑う。

 

シャロシュ「?!ま、まさか…」

 

幽々子「純君凄く久しぶり!!私よ!!あなたの愛しのお姉さんことデョシュボリャよ~」

 

驚いているシャロシュに幽々子は嬉しそうにスリスリする。

 

はっはっはっとサガラは呆然としてるシャロシュに話しかける。

 

サガラ「凄い奇跡を見せて貰ったぜシャロシュ、良かったじゃないか1人ぼっちじゃなくて」

 

シャロシュ「あ、あぁ…」

 

幽々子「はふ~純君の匂い~」

 

戸惑ってるシャロシュを知らずに幽々子は嬉しそうにスンスンする。

ある意味なんか凄い絵面だなと咲夜と魔理沙は思った。

 

サガラ「まぁ、葛葉紘汰の様に頑張れよ」

 

背を向けてシャロシュにそう言い残してサガラは歩き出すとその姿が消えて行った。

 

するとリリーホワイトは目を輝かせた後に嬉しそうに宙へ飛んでグルグル回る。

 

リリーホワイト「春ですよ~!やっとやっと春ですよ~~~!!ラッキューですよ~♪」

 

その言葉と共に誰もがこの異変、後に春雪異変と残されるのが終わりを告げたのを霊夢達一同は実感した。

 




幽々子「次回第十五章~幻想の賢者と宴会をお楽しみにね~~~」

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