東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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マヨヒガを出て魔法の森を飛ぶ鬼矢達はパチュリーと魔理沙と違う魔法使いと出会う。


第十一章~人形と首つりと魔法使い~

マヨヒガから出て来た一行は魔法の森に来ていた。

 

咲夜「それで魔理沙…何処に向かってるの?」

 

魔理沙「ああ、知り合いの所に向かってるんだぜ」

 

先頭で飛ぶ魔理沙へ話しかける咲夜に魔理沙はそう返す。

 

鬼矢「知り合いだと?」

 

魔理沙「ああ、確か…おっ?」

 

フェニックスファントムのに答えた後に前を見た魔理沙は声を漏らす。

他のメンバーも見るとふよふよと飛んでる人形を見つける。

 

アッシュ「あれは人形?」

 

魔理沙「お、上海だ。おーい上海」

 

代表で言うアッシュの後に魔理沙が気付いて呼びかける。

すると上海と呼ばれた人形は魔理沙に気付いてふよふよと飛んで来る。

 

上海「魔理沙~?」

 

魔理沙「おう魔理沙さんだぜ」

 

首を傾げる上海に魔理沙は笑って言う。

 

怪人少女になってる魔理沙を一通り見た後に上海は魔理沙の胸の谷間に座る。

 

上海「デッカーイ」

 

鬼矢「お、喋るのか」

 

魔理沙「ああ、こいつの持ち主は自分の意志を持ち自分の意志で動く、完全な自立人形を作るのが目標でこいつはそんな1号の上海って訳だ」

 

ポフポフしてる上海を見て呟くフェニックスファントムに魔理沙はツンツンしながら上海について説明する。

 

鬼矢「なるほどな」

 

霊夢「!?」

 

納得してると周りを見てた霊夢が驚いた表情でフェニックスファントムを掴んで口をパクパクさせるが出せないので何を伝えたいのか全然分からない。

 

鬼矢「?どうした霊夢」

 

書く暇もない程慌ててるのかフェニックスファントムは霊夢の見てる方へ顔を向ける。

すると遠目だが誰かが首吊りしてるのが見えた。

 

なんだ首つりかと思った後…

 

鬼矢「首吊りぃ?!」

 

チルノ「うぇ!?どうしたの!?」

 

咲夜「なんか物騒なのが聞こえたけど;」

 

もう一度見て叫ぶフェニックスファントムにチルノは驚いて咲夜は冷や汗を掻く。

 

鬼矢「あれだあれ!」

 

指さすフェニックスファントムに誰もが顔を向けて驚いた後に慌てて駆け寄る。

 

魔理沙「ん…あれって…」

 

その首つりを見た魔理沙が何かに気付くがその前に一同は来て…

 

???「ドーモ皆さん、ホーライだぜ」

 

クルリと顔を向けて首釣ってたのがそう挨拶する。

 

鬼矢「へ?」

 

魔理沙「やっぱ蓬莱だったか」

 

上海「ホーライ」

 

呆気に取られるメンバーを尻目に魔理沙はふうーと息を吐き、上海が嬉しそうに手を振る。

 

鬼矢「おい魔理沙、もしかして…」

 

魔理沙「ああ、こいつは上海の次に作られた蓬莱でさ…」

 

???「ああもう、またやったわね蓬莱」

 

もしやと聞くフェニックスファントムに魔理沙は肩を竦めると魔理沙以外は聞き慣れない声が聞こえた後に青のワンピースのようなノースリーブに、ロングスカートを着用し、肩にはケープのようなものを羽織って、頭にはヘアバンドのように赤いリボンを巻いた少女が来る。

 

上海「アリース」

 

蓬莱「ダゼー」

 

鬼矢「お前が製作者か?」

 

少女→アリス「ん?ええ、私はアリス・マーガトロイド、この子達の製作者よ」

 

飛んで来た人形2体を抱える少女、アリスにフェニックスファントムから戻った鬼矢は話しかけ、アリスも気付いて名乗る。

 

鬼矢「俺は鬼矢。よろしくな」

 

アリス「ええ、けれどごめんなさいね。蓬莱が驚かせて」

 

蓬莱「ダゼー」

 

名乗る鬼矢にアリスは返した後に蓬莱の頭に手を置きながら謝る。

 

鬼矢「別にいい。ところでこの近くで変な桜の花びら見なかったか?」

 

アリス「ああ、あれの事ね。それなら…」

 

鬼矢の問いにアリスは上上と指でさす。

それに一同は見上げると確かに花びらが舞い落ちているのが見えた。

 

アリス「どうも空高い所から落ちてるみたいよ」

 

鬼矢「空のほうからか…」

 

アリスのを聞きながら鬼矢は呟く。

 

蓬莱「デカいんだぜー」

 

上海「デカーい」

 

魔理沙「おいおいお前等…」

 

霊夢「♪」

 

アリス「しっかし…魔理沙から聞いてたけどこうも変わると凄いわね。んで霊夢はホントに母性と言うかそういう高い奴にくっ付きたがるわね」

 

キャッキャッと遊ぶ蓬莱と上海に霊夢にスリスリされてる魔理沙を見てアリスは呆れた顔でそう洩らす。

 

鬼矢「だな。もしかしてお前もなにか指輪とかスイッチとか持っているのか?」

 

アリス「まぁ、その問いにはYESね」

 

同意した後に聞く鬼矢へアリスはそう言って懐から指輪を取り出して見せる。

 

チルノ「指輪ってことは…」

 

鬼矢「魔理沙と同じファントム系になるのか」

 

アリス「ファントム…亡霊とか幽霊ねぇ…私の場合はこれね」

 

呟くチルノと鬼矢の後にアリスは指輪を填めた後にキスする。

 

それと共に胸元に紫色の宝玉が嵌め込まれた白いスカートの付いたインナースーツの上に白いローブを羽織り、左腕に剣が仕舞われている篭手を装着した姿となる。

 

鬼矢「お、カーバンクルファントムか」

 

アリス「ふうん。カーバンクルね…伝説状の生物でUMAとも言われる奴が名前なのね」

 

上海「変わったー」

 

蓬莱「エロいんダゼー」

 

それを見て鬼矢がアリスの持つ怪人の力を言うとアリスは自分のを見ながら呟き、周囲をくるくる回る上海と蓬莱を見た後に蓬莱の頭を軽く叩く。

 

蓬莱「痛いんダゼー」

 

アリス「変な事を言うからよ」

 

アッシュ「なぁ人形って他にもいるのか?」

 

頭を抑える蓬莱に呆れた顔で言うアリスへアッシュは聞く。

 

アリス「まぁ、いるけど、この子達と違って私が指示を出さないと半自動なのよね」

 

アッシュ「へ~、そうなのか」

 

そう返すアリスにアッシュは納得する。

 

アリス「んでまぁ……そうね……」

 

すると何か考える様に顎に手を当てたアリスは少しして口を開く。

 

アリス「丁度良いからあなた達に同行して良いかしら?」

 

鬼矢「ん?別にいいが…」

 

魔理沙「珍しいな。人里に人形ショーとか買い物以外で出歩く事もないアリスが異変解決に同行するって」

 

申し出るアリスに鬼矢と霊夢は認めた後に魔理沙が意外と言動に込めて言う。

 

アリス「別に異変解決が目的じゃないわ。最近人形ので服にも凝ってて流石に同じのを着せ続けるのはどうかと思ってね。その力を使っての服が丁度良いかなと思って付いて行くだけ、異変解決はついでとも言えるわね」

 

鬼矢「なるほどな」

 

同行を申し出た理由を言うアリスに鬼矢は納得する。

 

アリス「まぁ、流石に申し出たからには戦いには参加するわ」

 

上海「頑張るー」

 

蓬莱「首つりなら任せろー(バリバリ)」

 

そう答えるアリスの後に気合を入れる上海の後にロープをぶんぶん回す蓬莱に止めなさいとアリスはまた軽く叩く。

 

アッシュ「なら早速参加してもらうか」

 

そう言ってアッシュは後ろを指差す。

すると初級インベスの集団が唸りながら見ていた。

 

アリス「あれって何?奇妙な奴等で妖怪とは違うのは分かるけど」

 

鬼矢「あれはインベス。ヘルヘイムの果実を食べた生物が変化した怪人だ」

 

聞くアリスに鬼矢はそう返すとインベス達が襲い掛かろうとし…

 

アリス「成程ね…それじゃあ…消えなさい」

 

そう言うと同時に周囲から弾幕が発され初級インベス達へ命中して行き、怯んでいる処に炎や氷に雷や風などを纏わせた剣や槍を持った人形が斬りかかってインベス達を蹴散らして行く。

 

アリス「操符【マリオネットカーニバル】、あなた達はもう私の掌の上だったのよ」

 

鬼矢「凄いな…何時の間に用意してたんだ?」

 

静かに発動していたスペルカードの名を言って残すアリスに鬼矢は蹴散らされるインベスを見ながら聞く。

 

アリス「蓬莱を探してる途中でちょっと変わった気配を感じてね。もし敵意を見せたなら何時でも出来る様に配置していたのよ。弾幕はブレイン。それが私のモットーよ」

 

鬼矢「魔理沙とは全く反対だな」

 

終わったのを見て人形たちを手元に寄せながらそう言うアリスに鬼矢はそう洩らす。

 

アリス「魔理沙は結構力押しメインと言うか細かい所をすっ飛ばしてるのよねホント」

 

魔理沙「だってめんどくさいじゃねえか。私は言った通り弾幕はパワーだからな」

 

溜息を吐くアリスに魔理沙はあっけらかんに返す。

 

鬼矢「まぁ戦いはそれぞれ合ったやり方でやるほうがベストだから両方ともいいんじゃないか?」

 

アリス「そうだけど…危なっかしい所あるからね」

 

意見を述べる鬼矢へアリスはそう返す。

それにああーと咲夜は納得し、霊夢もうんうんと頷く。

 

アッシュ「なんか心当たりあるのか?」

 

咲夜「まぁ、色々と小さい頃からそう言うのに突っ込む子だったわよね」

 

霊夢『それで付き合ってよく怒られてましたよね私達;』

 

聞くアッシュに咲夜と霊夢のなんとも言えない顔で魔理沙を見て本人はあははと頭を掻いてる。

 

魔理沙「と、とにかく行こうぜ!目標は上だ!」

 

鬼矢「そういえば上には何があるんだ?」

 

ビシッと上を指す魔理沙に鬼矢は聞く。

 

霊夢『そう言えばお母さんや紫さんに聞いた事あります。幻想郷の空高い場所に冥界と言う場所があり、そこに古い友人が住んでるみたいです』

 

鬼矢「冥界ねぇ…ん?冥界?」

 

霊夢の説明に鬼矢は呟いた後に冥界と言う言葉に引っかかる。

 

そして思い出した。

美鈴が呼んだ文が言っていた自分達の仲間、純がいると思われる場所が冥界だと言うのを…

 

鬼矢「…今回の異変、アイツが絶対関わってるな…」

 

咲夜「あいつって…もしかしてあの鴉天狗が持って来た情報にあったあなたの仲間の事?」

 

呟く鬼矢の隣で同じ様に思い出して聞く咲夜におそらくなと返す。

 

アッシュ「純っいうんだがこいつが面白いこと大好きな奴なんだよ」

 

鬼矢「アイツ、こんな面倒なこと起こしやがって…見つけたらぶん殴ってやる」

 

心底めんどくさそうに漏らすアッシュに鬼矢はポキポキと拳をならしながら言う。

 

咲夜「まぁ、目的地も定まった所で行きましょうか」

 

鬼矢「あぁ、そうだな」

 

そんな訳で目的地が定まった鬼矢達は異変を起こした黒幕のいる冥界を目指して空を飛んだ。

 

その道中で待ち受けている事とは一体…




アリス「次回は第十二章、混乱する幸せ春妖精と天海地の騒霊よ。次回もよろしくね」

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