東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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館に着いた始祖達、始祖はそこで思いがけない再会を果たす事になる。


第三章~再会のD/不死鳥との舞~

紅魔館~門前~

 

鬼矢「よっと」

 

目的の紅魔館に着いた鬼矢は目の前の紅魔館のにうわぁ…と声を漏らす。

 

鬼矢「全部真っ赤とか主の趣味が疑われるな」

 

魔理沙「まぁ、確かに紅いよなホント」

 

そう感想を述べる鬼矢に霊夢に抱き付かれたまま魔理沙は同意する。

 

???「おやおや、魔理沙ちゃんにチルノちゃん達じゃないですか~霊夢ちゃん以外にも来たんですね~」

 

見ていた鬼矢達はその声に顔を向けると1人の女性がいた。

ただ、その女性に鬼矢はあっ!と声を漏らす。

 

鬼矢「め、美鈴?!」

 

美鈴「ってえぇ!?鬼矢さんじゃないですか!?うわぁ~お久しぶりです!何万年ぶりですかね?」

 

驚いて女性、紅美鈴に叫ぶ鬼矢に本人は懐かしそうに言う。

 

魔理沙「え?美鈴さんと知り合いだったのか?」

 

霊夢『び、ビックリです』

 

それに魔理沙や霊夢達も驚く。

 

鬼矢「まぁな。にしてもお前まさかこの世界に居たのかよ」

 

美鈴「こちらも驚きですよ~いやはや~お元気そうでなによりです」

 

驚いたと言う鬼矢に美鈴も笑って返す。

 

鬼矢「オマエもな。ところで此処通してくれないか?」

 

魔理沙「私達は異変を解決に来たんでな」

 

美鈴「うーん、今の私は紅魔館(ここ)の門番ですからね…霊夢ちゃんと弾幕勝負で負けたら通すつもりでしたが…鬼矢さんならば久々にやりません?終わったら勝負の勝敗関係なく通しますので」

 

そう言う鬼矢と魔理沙に悩む様に言った後に提案する。

 

鬼矢「オマエと?…まぁめんどいけどとっとと終わらせたいからいいぞ」

 

美鈴「あ、言いましたね。こっちだって修練は忘れてないですからね」

 

頭を掻いた後にそう言う鬼矢に不敵に笑った後に霊夢達に離れてる様に言う。

 

鬼矢「じゃあとっとと闘おうぜ」

 

霊夢達が離れたのを見た後に鬼矢はメタルドーパントになる。

 

美鈴「ええ、では軽め…に!」

 

鬼矢「うおっと?!」

 

言いながら接近して掌底を叩き込もうとする美鈴にメタルドーパントはシャフトでガードする。

 

それに霊夢達は驚いていた。

 

霊夢達からしたら離れていた美鈴が一瞬でメタルドーパントの前に来て攻撃をしていたからだ。

 

幼き頃にもう1人の幼馴染と遊んで貰っていた霊夢と魔理沙にしたら美鈴は朗らかで悪戯っ気もある母親に近いお姉さんな存在だったので目の前の出来事には驚きを隠せなかった。

 

美鈴「いやはや、やはり防がれますか」

 

鬼矢「まぁなってシャフトこんなに?!」

 

バックステップして掌底を繰り出した手をプラプラさせつつ言う美鈴にメタルドーパントは軽く言おうとしてシャフトが曲げれそうな位に凹んで壊れかけているのに気付く。

 

チルノ「す、すごい…」

 

魔理沙「ああ、凄いんだぜ」

 

まさかの拳一発の一撃で武器を使えなくする美鈴に外野はそれしか言葉が出なかった。

 

美鈴「どうやら頑丈さに自信はあった様ですね」

 

鬼矢「やっぱオマエの拳は当たったらヤバイな…」

 

笑って言う美鈴にメタルドーパントは内心冷や汗掻きながらそう洩らす。

 

美鈴「ははは、本気出せば同じなあなたが何を言います…か!」

 

鬼矢「うぉ!オマエはそれ以上だろうがっ!」

 

言いながら続けざまに蹴りを繰り出す美鈴にメタルドーパントはシャフトを捨ててジャンプして避けた後にその勢いのまま踵落としを美鈴に振り下ろす。

 

美鈴「はははご謙遜を」

 

鬼矢「前に俺の胴体に穴あけたくせに何言うんだよ!」

 

両腕をクロスさせて踵落としを防ぎながらそう言う美鈴にメタルドーパントは着地しながらそう返す。

 

美鈴「その後に私は返しの奴で腕が吹き飛びましたよ。ある意味治癒力高くなかったら一生片腕だけでしたよ」

 

鬼矢「俺もあの時はフェニックスファントムになってなかったら死んでたぞ」

 

お互いに物騒な事を言うのに魔理沙と霊夢は想像しちゃって口を抑える。

 

美鈴「ある意味、お互いに治癒力高めでなければ死闘でしたでしょうね」

 

鬼矢「だな」

 

しみじみと言う美鈴に鬼矢は頷く。

 

美鈴「じゃあこっちも怪人の力使わせてもらいますよ!」

 

そう言って美鈴はある物を取り出す。

取り出した物、それがコアメダルだと鬼矢は気づいた後に美鈴はコアメダルを自身に投入する

 

すると美鈴の姿がセルメダルに包まれた後にセルメダルが消えると美鈴の姿は両肩と両腕にゴツイアーマーの様なのが付き、チャイナドレスから犀を感じさせるビキニ鎧に下も硬さを感じさせるレギンスパンツを纏った姿となる。

 

美鈴「さあ、欲望の力で重量級のパワー、見せてあげます!」

 

鬼矢「ちょ、なんでオマエがガメルのメダル持ってるんだよ?!しかも翼も出しているし!」

 

そう構えて言う美鈴に鬼矢は驚くと同時にさりげなく出してた龍の翼にツッコミを入れる。

 

実はと言うと彼女は鬼矢と同じ始祖とも言える存在で龍の始祖なのである。

彼女もまた鬼矢と同じ様に長い年月を生きた者なのである。

 

美鈴「いや~パワーあるのは良いんですが遅くなるんですよ~だから翼出さないとホント遅く…て!」

 

説明すると同時にそう言って腕型気弾を飛ばす。

 

鬼矢「うぉやばっ?!」

 

飛んで来たのを避けた後に体を炎で包み込んでフェニックスファントムへと姿を変える。

 

美鈴「ふふ、あの時の再現に近くなってきましたね」

 

鬼矢「だな。もしなってほしいのがあったら要望聞くぜ?」

 

笑顔を浮かばせて言う美鈴にフェニックスファントムは聞く。

 

美鈴「ならば今の姿でお願いします。剣と拳の勝負。さらに不死鳥と龍の舞をしましょうじゃないですか」

 

鬼矢「そうかい。ならあまり殺しすぎないよう気をつけなぁ!」

 

そう言う美鈴にフェニックスファントムは炎の翼で攻撃する。

 

美鈴「ははは、そうしないといけない程あなたは強いじゃないですか」

 

それに美鈴は無理矢理突き進んで殴り飛ばす

 

鬼矢「ぐっ!お返しだ!」

 

たたら踏みながらフェニックスファントムも殴り返す

 

美鈴「んでさらに!」

 

殴られた後に美鈴は左腕の装甲から強力な気弾を2弾連続で放つ

 

鬼矢「んなの焼けばいい!!」

 

向かって来るのにフェニックスファントムは巨大な火炎弾を作り出した後に放って気弾を飲み込む。

 

美鈴「はいはいはいはい!!」

 

向かって来る巨大火炎弾に美鈴は大量の気弾を放つ

 

火炎弾と気弾がぶつかり合い、そのまま爆発が起きて辺りを煙が覆う。

 

鬼矢「おらぁ!」

 

そんな煙の中からフェニックスファントムが奇襲で美鈴に接近して自身の剣、カタストロフで切り裂く。

 

美鈴「おお、危ない危ない。首の皮一枚でしたよ」

 

だが、美鈴は右腕の装甲でカタストロフの斬撃を防ぐ。

 

鬼矢「ちっ、やっぱ硬いな」

 

魔理沙「私等空気だな」

 

チルノ「そうだね」

 

霊夢『と言うか、あそこ飛び込むのは自殺願望者な気がします;』

 

ルーミア「同意なのか~」

 

舌打ちするフェニックスファントムやそれを見て笑う美鈴に遠くで座りながら魔理沙は呟いてチルノが同意し、魔理沙の胸に頭を預けながらメンバーにそう書いて霊夢は顔を青くしながら見せて、ルーミアも頷く。

 

美鈴「頑丈が売りな子と聞いてますから…ね!」

 

鬼矢「ぐぉ?!」

 

そう言って重力で重くした所を蹴り飛ばし、フェニックスファントムは森まで吹き飛ぶ。

 

美鈴「いやはや…流石に鬼矢さん、きっちりお返しはしてますね」

 

そう言って美鈴の胸部分が切れて血が流れてる。

 

あの殴り飛ばされた一瞬で切り付けた様だ。

 

ドゴォォォォォォォォ!!

 

すると森からものすごい火柱が上がる。

 

美鈴「うわぁ…凄い火柱だこと」

 

それに美鈴はひゅ~と口笛を吹くとフェニックスファントムが飛んで戻って来る。

 

鬼矢「いやぁ~美鈴、流石だぜ」

 

美鈴「いやはや、鬼矢さんこと相変わらず変わらないじゃないですか?」

 

首をコキッと鳴らすフェニックスファントムにG美鈴は笑って言う。

 

鬼矢「そうかぁ?」

 

美鈴「やはりあなたと戦うと退屈はしませんよ。最近歯ごたえのない方ばかりでね」

 

フェニックスファントムの問いに美鈴はそう答える。

 

鬼矢「カッ、龍の始祖であるテメェにそう簡単に勝てるやつなんか居るかよ」

 

美鈴「いえいえ、見て来たとある平行世界では歯ごたえのある人はおりますがこの世界ではいないんですよねホント」

 

そう返すフェニックスファントムに美鈴は困った口調で肩を竦める。

 

鬼矢「んじゃなんで此処の主に仕えているんだ?お前なら吸血鬼も倒せると思うんだが」

 

魔理沙達から聞いていたのでそう言うフェニックスファントムに確かにと魔理沙達は思わず同意する。

 

美鈴「うーん、見ていて飽きない方だと言う事ですね。それに此処にいると色々と楽しいですからね♪」

 

鬼矢「なるほどなぁ…お前らしい理由だ」

 

笑顔で言う美鈴にフェニックスファントムはフッと笑う。

 

美鈴「私は戦いばかりを求めてませんからね~強い人とやるのは三度の飯より好きですが♪」

 

鬼矢「このバトルマニアが…。んじゃそろそろ決着つけるか」

 

笑顔で断言する美鈴にフェニックスファントムは呆れた後にカタストロフを構える。

 

美鈴「バトルバカではなく強者バカでお願いします。後、そうですね。この舞も終演にしましょう」

 

鬼矢「だな。とっとと先行きたいし」

 

訂正しながら気を右腕に収束させて行く美鈴にフェニックスファントムも答えながらカタストロフに大量の豪炎纏わせる。

 

美鈴「重力龍…」

 

鬼矢「不死鳥…」

 

美鈴「【ドラゴニックインパクト】!!」

 

鬼矢「【フェニックスブラスト】!」

 

同時に宣言すると共に美鈴が突き出した右腕から虹色の龍が放たれ、フェニックスファントムはカタストロフを力強く振ると巨大な不死鳥が放たれる。

 

お互いに放たれた不死鳥と龍は中央でぶつかり合って均等を保つ。

 

そして…

 

ドカーーーーーーーーン!!

 

美鈴「っう!!」

 

鬼矢「っ!」

 

魔理沙「うお!?」

 

チルノ「うひゃあ!?」

 

ルーミア「わは~!?」

 

起きた衝撃に誰もが吹き飛ばされない様に踏ん張る。

 

しばらくして衝撃が収まるのを待ってそれぞれ息を吐く。

 

美鈴「いやはや、これは引き分けですかね?」

 

鬼矢「そうだな。だがこの場合はどうなるんだ?」

 

肩を竦めてだが満足げな美鈴に鬼矢はフェニックスファントムから戻って聞く。

 

美鈴「久々に充実としたのを出来たので満足です。後、実はと言うと鬼矢さんと巫女である霊夢ちゃんが来たら通す様に言われてたんですよね(てへぺろ☆)」

 

鬼矢「おまっ」

 

舌を出してお茶目な笑顔を浮かべる美鈴に鬼矢は呆れる。

 

美鈴「いや~最近ホントに何度も挑んで来る人がいるんですが失礼な言い方になっちゃうけど物足りなさを感じていたんですよ~けれど鬼矢さんが来てると聞いて止められなかったんですよね~ほら?私は先ほど言いましたが強者バカですから~」

 

魔理沙「さよか…」

 

先ほどのが怖かったのかピーと怯えてる霊夢の頭を撫でつつ笑って言う美鈴に魔理沙は呆れる。

 

鬼矢「全く、オマエは…」

 

美鈴「けれどホントにありがとうございます~物足りなさはホントですし…あ、そうそう私と同じ様に他の皆もメダルを使いますので注意してくださいね~特に主と妹様もそうですがウチの咲夜ちゃんも手ごわいと思いますよ~」

 

顔を抑えて言う鬼矢へ元に戻った美鈴は礼を言ってから門を開けつつ忠告する。

 

鬼矢「ご忠告ありがとよ、この異変解決したら一緒に酒飲もうぜ」

 

美鈴「はっはっはっ、私が酒に弱い事を知ってる癖に~まぁ、宴会を楽しみにしておきます」

 

そう言う鬼矢へ目を輝かせて美鈴は言う。

 

鬼矢「あぁ…んじゃ後でな」

 

そう言って鬼矢達は紅魔館へ入って行く。

 

それを見送った後に美鈴は後ろへ振り返る。

 

美鈴「どうでしたか?私が言っていた人の強さを感じて幽香ちゃんは?」

 

さっき鬼矢達へ言っていた度々自分へ挑む傘を差した長い緑髪の女性、風見幽香へそう問う。

 

幽香「ふ~ん、あれが美鈴様が満足できる相手ね…うらや…げふん、嫉妬しちゃうわね」

 

美鈴「あはは、何時も通りですね」

 

先ほど見ていた鬼矢への感想を顔を赤くして言葉を変えて言う幽香へ美鈴は笑う。

 

幽香「しっかし大丈夫なのかしらあの博麗の巫女?これから先ちゃんと異変解決できるの?」

 

美鈴「ふふ、幽香ちゃんも甘いですね。私は感じましたよ。あの子は一皮剥けたら空高く飛ぶとね」

 

辛口な評価を述べる幽香に美鈴は笑って楽しげに門にもたれる。

 

幽香「あら?美鈴様は今の博麗の巫女に期待しているのですね」

 

美鈴「ええ、鍛えがいもありますねホント」

 

笑みを浮かばせてもう楽しみとばかりな美鈴に幽香は内心嫉妬の念を霊夢や鬼矢へぶつける。

 

霊夢「(ぶるっ)」

 

魔理沙「お?どうした霊夢?」

 

チルノ「寒いの?」

 

ある意味、目を付けられた事を知らない2人は先へ進むのであった。




美鈴「次回、第四章~図書館の魔法使い~です。次回もよろしくですよ~」

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