東方怪人録~怪人たちの幻想入り~   作:Dr.クロ

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紅い霧が覆い始めた時、始祖は巫女と魔法使い、氷精と共に異変解決に乗り出し、その途中で究極の闇を秘めた少女と出会う。



鬼矢についてですが彼が自分の怪人形態以外の怪人になった際は名前表記は別怪人になる前の時の姿での名前になります。

また地の文では変身した怪人の名前で表記してますが鬼矢の場合は種族名が付く奴は種族名を付き、種族名を付けないのは(鬼矢)と付けます。

前者例:イーグルアンデッド

後者例:カザリ(鬼矢)

オリジナルの怪人が現れた時は例のが付いてないのがオリジナルと考えてください。


第一章~異変の始まりVS究極の闇~

鬼矢と霊夢が出合った次の日の朝

 

博麗神社~境内~

 

鬼矢「ん~、よく寝た」

 

んーと背伸びして鬼矢は気持ち良さを感じた後にさて…と首を鳴らした後に体を光らせてその姿を変える。

 

ベルトがないSIC仮面ライダー一号(新.Ver)の全身を白くした感じの怪人へとなった鬼矢、オリジンは手をグッパさせてから久々に使ってない怪人になろうかと考える。

 

オリジン「よし、あれにするか」

 

決まった後にオリジンの前にオリオン座が現れて体に張り付くとその体はオリオンゾディアーツに変化する。

その後に巨大棍棒「レムノス」を取り出して素振りをする。

 

オリジン「よっ、ほっと」

 

オリオンゾディアーツは他にも武器があるが流石に練習で使うには場所が場所なので近接武器での練習に留める。

 

???「恋符!」

 

オリジン「ん?」

 

次の怪人になろうとしてオリオンゾディアーツは上からの声に見上げ…

 

???「【マスタースパーク】!!」

 

見えたのは自分に目掛けて来る巨大な光線であった。

 

オリジン「うぉ?!」

 

自分目がけて来るのにオリオンゾディアーツは慌ててサイクロンドーパントになって空中へ避難する。

 

居た場所に着弾する光線を見ながらふう…と息を吐くと飛んで来た方を見る。

すると、そこに居たのは白黒のゴスロリを纏い、頭に紫のとんがり帽子を被った金髪の少女だった。

 

先ほどの光線は彼女が放ったのかとオリジンは内心驚く。

 

少女「おい!妖怪じゃない化け物!この霧雨魔理沙様がいる限り霊夢に手を出させないんだぜ!!」

 

オリジン「?なに言ってんだ?」

 

ズビシッとサイクロンドーパントを指して箒に跨った少女が自分の名前らしい名を言ってからそう言うのにサイクロンドーパントは首を傾げる。

 

魔理沙「行くぜ!恋符【ノンディレクショナルレーザー】!!」

 

そんな事を気にせず魔理沙は自分を中心に複数のレーザーをサイクロンドーパント目がけて発射する。

 

オリジン「うぉ?!」

 

来たレーザーにサイクロンドーパントは慌てて避けて降下し、待て!と魔理沙が追いかけて弾幕を放つ。

 

オリジン「クッ!」

 

流石にこのままではと考えてうお座が出現して体に張り付くとピスケスゾディアーツになって地面へ潜る。

 

魔理沙「くそ、どこに行ったんだ…」

 

着地して魔理沙は悪態付きながら周りを警戒する。

 

オリジン「さて、どうするか…」

 

そんな魔理沙のを聞きながらピスケスゾディアーツのまま腕を組んでこの状況をどうするか悩む。

 

なぜ彼女が自分を攻撃するか分からないが流石に生身の人物とはやり難い。

とにかく彼女をなんとか落ち着かせる事を第一に考えてどうするかまた悩んで考える。

 

オリジン「(とりあえず動きを止めるか)」

 

そう考えた後に動きを止めるのに最適な怪人を頭に浮かばせてこれで行こうと決める。

 

魔理沙「くそ…逃げたのか…」

 

周りをキョロキョロしながら魔理沙は出て来た瞬間にマスタースパークを放そうかと考え…

 

オリジン「ふん!」

 

地面からピスケスゾディアーツが飛び出すと目の前にアンドロメダ座が現れて張り付くとアンドロメダゾディアーツとなって鎖を投げ付ける

 

魔理沙「そこか!マスター!?」

 

気づいた魔理沙は鎖を間一髪かわしてマスタースパークを放そうとして目を見開く。

それにアンドロメダゾディアーツは疑問を感じたが後ろの気配に慌てて振り返る。

 

するとそこに居たのは寝間着のままで顔を青ざめて震えている霊夢だった。

 

オリジン「な、霊夢?!」

 

魔理沙「逃げろ霊夢!!」

 

驚くアンドロメダゾディアーツの後に魔理沙が慌てて言うと同時にマスタースパークが放たれ、アンドロメダゾディアーツは慌てて走って霊夢を守る様に抱き抱えて…

 

???「氷塊!【グレートクラッシャー】!!」

 

到達する前にアンドロメダゾディアーツと霊夢の前に巨大な四角い氷の塊が落下して2人を守る。

 

オリジン「な、なんだ?」

 

収まった後にアンドロメダゾディアーツは驚いた様子で氷の塊を見る。

 

???「危ないじゃないか魔理沙、もし霊夢に当たってたら霊夢のお母さんに扱かれてるよ」

 

そう言って降りて来たのは氷の羽を持った魔理沙や霊夢より小さい水色の髪をした少女であった。

 

魔理沙「わ、わりぃ…助かったんだぜチルノ」

 

オリジン「大丈夫か霊夢?」

 

その仁王立ちしてる少女、チルノに魔理沙は礼を言うのを見た後にアンドロメダゾディアーツは霊夢へ話しかける。

だが、霊夢は怯えた表情で顔を青ざめて答えない。

 

チルノ「あー…あんたが何者かは知らないけど霊夢はあんたの様な存在がトラウマなの」

 

そんな霊夢に戸惑うアンドロメダゾディアーツにチルノが言う。

 

オリジン「ん?そうなのか。じゃあ…」

 

そう言って一旦オリジンの姿へ戻った後に鬼矢に戻る。

 

ただ、霊夢はまだ怯えていた。

 

此処にいるのもどうかと思うので霊夢を連れて3人は母屋へ向かう。

一旦霊夢を自分の部屋で1人にして鬼矢はチルノと魔理沙と共に収まるまで居間にいる事にした。

 

チルノ「とにかく友達を守ってくれてありがとうね。あたいはチルノ。霊夢の友達だよ」

 

魔理沙「改めて霧雨魔理沙だぜ。勘違いして悪かったな」

 

鬼矢「俺は織神鬼矢。昨日此処に来た新参者だ」

 

礼を言ってから名乗るチルノの後に魔理沙も改めて名乗った後に謝って、鬼矢が自己紹介する。

 

チルノ「成程ね。見ないと思ったらえっと、外来人…だったんだね」

 

魔理沙「だな…しっかしホントに悪かったな」

 

鬼矢「別に気にしなくていいぞ、慣れているしな」

 

納得するチルノの後に魔理沙は再度謝り、鬼矢は苦笑して言う。

 

チルノ「それにしても…霊夢に見せたい物があったのにちょっと無理かな」

 

魔理沙「確かにそうだな」

 

鬼矢「見せたいものだと?」

 

うーんと唸るチルノと腕を組む魔理沙に鬼矢は気になって呟く。

 

それに2人は言おうとして…何かに気付いて外へ出る。

 

気づいた鬼矢も外を出て空を見上げると驚く。

 

なんと、赤い、いや紅い霧が空を覆い始めてるのだ。

 

鬼矢「なんだありゃ」

 

チルノ「魔理沙…」

 

魔理沙「ああ…こりゃあ異変かもしれない…」

 

驚く鬼矢の隣でチルノの呼びかけに魔理沙は帽子をかぶり直して言う。

 

鬼矢「異変?なんだそれ」

 

魔理沙「幻想郷全体に起こった大きな異常現象の事を総じて異変って言うんだぜ」

 

チルノ「そう言う事をするのは大抵妖怪だったりするんだよね…んで解決するのが博麗の巫女なんだけど…」

 

鬼矢の問いに魔理沙が答え、チルノは続けた後に困った顔をするとバタバタと音を立てて息を荒げた霊夢が来る。

 

鬼矢「あ、霊夢。もう大丈夫なのか?」

 

霊夢『だ、だいじょうぶれす』

 

魔理沙「無茶するな霊夢!全然大丈夫じゃないだろ!」

 

声をかける鬼矢に霊夢は震えながら答えるがその筆字は震えており、魔理沙がそう言う。

 

鬼矢「…おい、異変を解決するのは誰でもいいんだよな?」

 

魔理沙「まぁ、異変解決は巫女の役目だが私もするつもりだぜ…まぁ、霊夢がやりたい理由は分かるぜ」

 

霊夢『わ、わたしはこれが初めてのいへん…だから、や、やらなきゃ…』

 

そう聞く鬼矢に魔理沙は答えた後に霊夢はそう書いて悲痛な顔で紅い霧を見る。

 

鬼矢「その状態じゃ無理だろ」

 

チルノ「…鬼矢、行かせてあげてくれない?霊夢はあたい達がフォローするからさ」

 

魔理沙「だな。私等がフォローするからこいつも連れて行く」

 

厳しく言う鬼矢にチルノはそう頼み込み、魔理沙がそう言う。

 

鬼矢「…ったく、しょうがねぇな。俺も異変解決に参加する。無理だと判断したら俺が元凶を退治するからな」

 

頭を掻いて同行を認めた後にしっかりフォローしろよなと飛べる怪人の姿へとなる。

その姿はアンクグリード態で霊夢はビクッとしたがすぐさま魔理沙にしがみ付く。

 

魔理沙は箒に跨り、チルノもふわっと浮かび、アンク(鬼矢)も飛び上る。

 

鬼矢「とりあえずこの霧が出ている方に行くか」

 

チルノ「うーん…この方向なら…霧の湖からだね」

 

魔理沙「んじゃあ霧の湖に行って見るか。私等に付いて来てくれ、あんた地理持ってないだろ?」

 

アンク(鬼矢)の言葉にチルノは見て言い、魔理沙が決めた後にアンク(鬼矢)にそう言うと先頭を飛ぶ。

 

鬼矢「あぁ、頼むな」

 

それに了承して魔理沙&霊夢、チルノ、アンク(鬼矢)の順に並んで霧の湖へ向かう。

 

魔法の森~上空~

 

魔理沙「此処を通れば霧の湖までもうすぐなんだぜ」

 

鬼矢「そうか」

 

魔理沙のを聞いてアンク(鬼矢)は前を見ながら進んでいると黒い球がふよふよとこちらに近づいてるのに気付く。

 

鬼矢「ん?なんだあれ」

 

チルノ「あ、ルーミアだ」

 

近付いて来る黒い球にアンク(鬼矢)は呟くとチルノが見て言う

 

鬼矢「ルーミア?お前の友達か?」

 

チルノ「うん、あたいの友達だよ。おーいルーミア~」

 

そう聞くアンクにチルノは答えた後に呼びかけると黒い球が消えていって黒い服を着た金髪の少女が現れる。

 

ルーミア「わは~チルノなのか~」

 

チルノ「ルーミア、こんなところでなにしてるの?」

 

そう聞くチルノにルーミアはニカーと笑い…

 

ルーミア「なんだか分からないけど起きたらあった新しく手に入れたのを試す人を探してたのか~」

 

魔理沙「は?試す?」

 

出て来た言葉に魔理沙は訝しげになると鬼矢は気づいた。

 

ルーミアの腰にベルトが装着されており、そのベルトに見覚えがあった。

 

鬼矢「んな!?そのベルトは!?」

 

ルーミア「わは~♪変身なのか~♪」

 

驚くアンク(鬼矢)へほにゃりと笑いながらルーミアは言うとその体が高校生位の少女となって地面に流れ落ちないか落ちるかの長さの髪を付けていたリボンでポニーテールで纏めた後に服が白いライダースーツへと変わった後に金色の肩と胸、腰をアーマーが装着されて、頭にダグバの角を模したティアラが付く。

 

アンク(鬼矢)には目の前の少女がン・ダグバ・ゼバだと知ってる姿ではなかろうとベルトやアーマーにティアラを見てそう直感した。

 

魔理沙「なんじゃありゃあ!?」

 

チルノ「ルーミアが大きくなった!?」

 

鬼矢「なんでン・ダグバ・ゼバの力がここにあるんだよ?!」

 

ルーミア「わは~私と戦えなのだ!!」

 

驚く面々にルーミアは飛びかかる。

慌てて3人は避けるがルーミアがパンチした地面が凹む。

 

魔理沙「こ、こわ…」

 

チルノ「あれ一回休みじゃすまされないよね;」

 

鬼矢「チッ!」

 

その威力に驚きながら霊夢を庇う魔理沙に冷や汗を流しながらチルノも同意すると鬼矢はアンクからその姿をダグバと同じンの存在、ン・ガミオ・ゼダへと変える。

 

ルーミア「わは~お兄さんが戦ってくれるのか~~」

 

鬼矢「あぁ、掛かって来い」

 

その言葉と共にルーミアはガミオ(鬼矢)に駆け出し、パンチを繰り出す。

 

鬼矢「よっと」

 

繰り出されたパンチを避けてガミオ(鬼矢)はルーミアの後頭部に回し蹴りを決める。

だがルーミアは仰け反る前にガミオ(鬼矢)の足を掴むと仰け反る勢いのままガミオ(鬼矢)を地面に叩き付ける。

 

鬼矢「うぉ?!」

 

地面に叩きつけられたガミオ(鬼矢)は倒れた体制のまま手から強力な雷撃を放つ。

 

ルーミア「わはっ!?」

 

それを受けたルーミアは思わず放して後退った後に飛び上り、ガミオ(鬼矢)も追いかけて飛ぶ。

 

鬼矢「チッ、久しぶりだから使いづらいな」

 

ルーミア「わは!夜炎符【ナイトフレイムバード】」

 

ガミオの状態で呻く鬼矢へ左右に円弧状に赤色の弾幕を展開すると弾幕が鳥となってガミオ(鬼矢)へ飛んで行く。

 

鬼矢「チッ!」

 

向かって来るのにガミオ(鬼矢)は雷撃で破壊する

 

ルーミアはそのまま放って行く。

ほとんど隙がない状態で避けないと一瞬でこちらが隙が出来てしまうので手を出せない状態であった。

 

鬼矢「(にしてもなんでダグバのベルトがこの世界に…)」

 

避けながらガミオ(鬼矢)は気になっていた事を考えていた。

 

さっきの様子からに怪人と言う存在はいない様で先ほどのチルノ達からの様子からもそれが伺える。

 

本人が来たならばともかくどうも違うのを鬼矢は確信していた。

そしてある考えが浮かぶ。

 

ルーミア「考え事してる暇があるのか~」

 

大技を発動しようとするルーミアだったが自分に向かって弾幕が放たれるのに気付く。

それを避けた後に見ると魔理沙に支えられて息を荒げた霊夢がいた。

 

チルノ「今だよ鬼矢!」

鬼矢「暗黒【狼牙雷撃(ろうがらいげき)】!!」

 

すぐさま霊夢に内心感謝した後にチルノの言葉と共にガミオ(鬼矢)はルーミアへ狼の顔を模した渾身の雷撃を炸裂させる。

 

前日にこの世界のルールを聞いていたのでスペルにした技のもバッチリである。

 

ルーミア「うひゃ~なのか~」

 

それを受けたルーミアは倒れると共に元の少女の姿になってピヨピヨとなる。

ふぅとガミオ(鬼矢)は息を深く吐いた後にルーミアへ近寄り、他の3人も近寄る。

鬼矢「おい」

 

ガミオから戻った後にルーミアの頬を叩いて目覚めを促す。

 

ルーミア「うーん…わは~お兄さん強いね~」

 

目が覚めた後にルーミアはふんにゃりと笑って言う。

 

鬼矢「お前、一体何処でそれを拾ったんだ?」

 

ルーミア「あー…なんか起きたら付いてたのだ~」

 

魔理沙&チルノ「付いてた?」

 

問いに答えるルーミアに魔理沙とチルノは考え込む。

 

霊夢『え、えっと…大丈夫でした?』

 

うーんと唸る鬼矢へ霊夢はおずおずと声をかける。

 

鬼矢「ん?あぁ、大丈夫だ」

 

そう言った後にありがとなと霊夢の頭を撫でる。

 

霊夢はビクッとしたがふんにゃりと受け入れる。

 

魔理沙「さて、改めて霧の湖に行くんだぜ」

 

チルノ「だね!」

 

鬼矢「あぁ、そうだな」

 

帽子をかぶりなおして言う魔理沙にチルノと霊夢も同意し、鬼矢も頷いた後に再びアンクグリード態になって霧の湖へ飛び立つ。

 

ルーミア「わっは~早いのか~」

 

その背にルーミアを乗せて…

チルノ「ってルーミア?!何時の間に?!」

 

ルーミア「面白そうだから付いて行くのか~」

 

驚くチルノにアンク(鬼矢)の背中に飛ぶのを邪魔しない様に掴まりながらルーミアは笑って言う。

鬼矢「別に付いてきてもいいが…オレの上に乗るな!」

 

ルーミア「残念なのか~」

 

怒鳴られたので残念そうにルーミアはふわふわ~とアンク(鬼矢)から離れて並走して続く。

 

そんな訳で一同はルーミアを加えて霧の湖へ目指すのであった。

 




チルノ「次回!第二章!暴走の悪蛇、誕生する獣と射手!!あたい達の活躍を括目せよ!!」

※諸事情により次回タイトルを変更しました


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