紅い翼と白い鎧【IS】   作:ディスティレーション

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明けましておめでとうございます。(気付けば1月も終わるが……)
今年は就活があるため私としては「ついに明けてしまったのか……」感でいっぱいです。
私の今年の第一目標は就職ですが、皆さんは何ですか?
どんな目標であろうと、お互いに達成できるように頑張りましょう。



第21話 学年別トーナメントⅡ

Cブロック優勝:オルコット・デュノアペア VS Dブロック優勝:アスカ・更識ペア

 

 

 

≪戦闘開始≫

 

開始の合図と同時に動き出したのはインパルスとブルー・ティアーズの2機。

インパルスは本日初のフォースシルエットを付け、光の翼を起動させる。

ブルー・ティアーズはBTを切り離さず、非固定浮遊部位を動かしてBTの砲口をインパルスに向けながら、誘導ミサイルを発射する。

打鉄がそれを撃ち落とし、ラファールはインパルスを近づけないようにショットガンをばら撒く。

両チームとも第2世代型が第3世代型を援護する布陣となった。

 

「その翼が貴方の第3世代装備ですか……」

 

セシリアはシャルルの援護を物ともせず高速移動しながら接近しようとするインパルスをスターライトと固定したままのBTの一斉射で迎撃する。

簪はその瞬間を狙って狙撃しようとするも、ラファールがそれを阻む。

シンはアリーナを高速で飛び回っているのだが、飛び回るだけで一向にライフルすら撃つ気配のない様子に簪は疑問に思った。

 

「動きが変だよ、どうしたの?」

 

「こいつを試したかったんだけど、ここだと狭くてスピードを生かせない」

 

高機動装備のフォースシルエットはアリーナという限定空間には過剰速度であり、気を抜くと天井や観客席のバリアと激突してしまいそうだった。

それならと、シンは翼を消して減速するとマシンガンでセシリアを牽制する。

 

「ブラストに換装する」

 

「え、本気なの!?」

 

突然の換装発言に思わず驚きの声が出る。

インパルスのパッケージはバックパックのみとはいえ、戦闘中のパッケージ換装をしたという例は聞いた事が無い。

武器を切り替えるのとは訳が違う事を知らないはずではないのに……。

とにかく簪は換装を援護するために、左手に焔火(アサルトライフル)を呼び出すと右手の撃鉄(スナイパーライフル)と一緒にシャルルに撃ち込んで足止めをする。

 

「遅いですわ!」

 

換装にかかる時間は数秒であるが、セシリアは見逃さなかった。

攻撃の隙間から換装中のインパルスにスターライトとBT4基の一斉射を行う。

シンは盾とシールドで防ぐと、2射目が来る前に換装を終える。

 

「すげえ、ほんとに数秒で換装できる」

 

その事は起動テストで分かってはいたが、実際に戦闘でもできると分かって興奮する。

もしMSでも同じ事ができたなら、専用母艦が必要無い事に加えて戦況に合わせた即座の換装も可能となり、開発者が目指していたインパルスの理想形が実現できたのかもしれない。

そう思いながらブラストの砲口をブルー・ティアーズに向け、高出力のビームを吐き出す。

 

「パッケージ換装だって!?」

 

「油断大敵です」

 

インパルスのパッケージ換装に気を取られていたシャルルは、目覚めの撃鉄を貰ってしまう。

シャルルは気を取り直して簪を狙うように変更し、シンへの牽制は片手間で行う事にした。

 

「行きますよ、シンさん。もうあの時と同じようにはいきませんからね」

 

セシリアはここでBTを4基全て切り離すと、インパルスがばら撒く小型ミサイルを撃ち落としつつ射撃戦へ移行する。

BTの欠点を知っているシンは動けなくなったブルー・ティアーズにビームライフルを撃つが、回避行動をとりつつ避けられないものは的確にシールドで防がれてしまう。

 

(BTを操作しながら回避と防御……2か月でここまで)

 

BTを全機切り離すと操作に集中するため動けなくなるという欠点があったが、それをクラス代表決定戦から今日までの間で克服したセシリアの成長にシンは驚いた。

ミサイルを撃てばBTが撃ち落とし、高出力ビームランチャーは回避に専念している。

 

(時間が経てばシンさんにばれてしまう……だからその前に)

 

実際には自動回避システムをオンにすることである程度の回避運動を行い、ビームライフルは射線認識システムと連動した自動防御システムを使って防いでいる。

自動回避・防御システムは射線認識システムと同様、戦闘に不慣れな者が使うシステムではあるのだが、セシリアはあえてそれを使う事でBTの欠点を補う事を思いついた。

ビームランチャー回避時はBTを自動操作にして、回避後に再操作しているにすぎない。

BTの自動操作は帰還機能と攻撃機能(その場に留まってターゲットを攻撃するだけの単純なもの)があるのだが、今までは手動操作のテストのために攻撃機能はオフになっていた。

 

シャルルの援護もありBTをシールドで防がせる事はできるが、こちらの防御事情と合わせてもトータルではこちらのエネルギー減少速度の方が速い。

第2世代型の援護戦は手数の多さと近接攻撃を交えた撹乱によりシャルルが優勢であるため、今の所撃鉄がこちらに向けられたことはない。

 

(まだ、まだ届かない……)

 

後一手が足りないセシリアに、シンはBTを避けてミサイルを発射する。

セシリアはレーザーの壁でミサイルを迎撃しようとBTに命令を出す。

しかし、自身のハイパーセンサーにはもう2つの信号が映し出されていた。

大きなミサイル発射口に意識が向いていたために、両肩に展開された砲門に気付かなかった。

 

「そんなところに!?」

 

シンは今までビームライフルがあるからと使っていなかったパッケージのレールガンがミサイルと同時に発射される。

ミサイルはBTで撃ち落とし、レールガンにはシールドを張ったため致命傷にはならなかったが、着弾の衝撃で一瞬だけ意識が飛んで機体とBTの制御バランスが崩れる。

シンは追撃しようとビームランチャーを構えている。

 

(BTの操作をカット、PICで姿勢制御……

いえ、PICとスラスターをカットして自動誘導でミサイル発射、BT2基を自動帰還)

 

崩れたバランスを立て直すためにセシリアは早継ぎに機体に命令を下す。

ブルー・ティアーズは命令通りに動き、重力による落下で攻撃を避けつつミサイルを発射。

ミサイルは盾で防がれるも、その間にBT2基が帰還し機体の姿勢を直す。

現在、自分が動きつつ操作できるBTの限界は2基……

シンが相手ではやはり自分で動かなければいけないと思い、作戦を変更する。

 

「シャルルさん、陣形チェンジで!」

 

「分かった」

 

シャルルは簪との戦闘を切り上げてセシリアのそばへ向かう。

すると今度はラファールが前に出て、それをブルー・ティアーズが援護する布陣を取る。

シャルルはマシンガンとショットガンを織り交ぜながら接近する機会を窺う。

セシリアはBT2基でシャルルの手数を増やしつつ、回避先をスターライトと帰還させて非固定浮遊部位に装着した2基のBTで狙撃する。

シンはレールガンとビームライフルで応戦し、左手にビームランチャーを構えて牽制する。

簪は焔火による反撃をやめ、回避しながら撃鉄による狙撃を敢行する。

 

「「ターゲット・ロック」」

 

セシリアと簪が互いに移動しながらの狙撃……射線の合った一瞬に引き金が引かれる。

射線が完全に重なり合った結果、スターライトのレーザーが撃鉄の実弾を破壊し、そのまま砲身を潜り抜け打鉄の持つ撃鉄を貫く。

BTの攻撃は避けたものの簪は撃鉄を失い、即座に拡張領域から焔火を2丁取り出す。

シンは間髪入れずにビームランチャーを放つことでセシリアとシャルルを分断すると、ここでシャルルは発射の隙を突いてインパルスに突撃する。

 

「武器の換装なら僕にだって!」

 

マシンガンを撃ちながら接近し、得意技であるラピッド・スイッチによってブレッド・スライサーへ切り替える。

マシンガンがいきなりブレードに変わった事で一瞬反応が遅れたものの、シンはこれをなんとか盾で弾くが、密着状態になったことによりブラストシルエットによる迎撃ができなくなった。

シンは右手で高周波ナイフを引き出そうとし、シャルルはラファールの盾をずらしながら弾かれていない左手で殴りかかる。

 

(くっ、次は何を出してくる?)

 

シンはナイフの対処では間に合わないと判断し、シャルルの武器換装を警戒して盾を出す。

盾に当てられたのはラファールの拳ではなく、盾に隠れるように装備された砲身だった。

 

「こいつの威力なら!」

 

盾に押し付けられた砲が炸裂し、砲身から鋭い杭が撃ち出られる。

シャルルの言うように威力は抜群であり、シールドを張れなかった盾は粉々に割れてしまった。

 

「やった」

 

思わず歓喜の声を上げるシャルルだったが、シンとて黙ってやられるだけではなかった。

パイルバンカーの衝撃を物ともせず、右手に持ったナイフで腹を突き刺す。

エネルギーが減ったことで先ほどの油断を後悔したシャルルはブレッド・スライサーで反撃するが、ブレードを振り下ろした右腕はインパルスの左腕によって防がれてしまう。

 

「させませんわ!」

 

セシリアの声が聞こえてくると共にインパルスはラファールから離れて、2本の光線が空を切る。

インパルスは後退しながらブルー・ティアーズに向けてミサイルを撃つと、今度は打鉄からマシンガンの雨が降り注ぐ。

シャルルが応戦しようとした時、インパルスのレールガンが飛んでくる。

その瞬間マシンガンの雨はやみ、レールガンを防ぎながら相手の方を見る。

そこには大砲を両脇に抱えてこちらに向けているISがいた。

 

「ごめん、セシリア……」

 

ラファールの盾は吐き出されるビームを防ごうとするが、一点に収束するように放たれてはいないため全てを防ぐことはできなかった。

盾のおかげでエネルギーは残ったが、結局これが決定打となり残り時間で逆転できなかった。

 

 

 

≪試合終了≫

 

 

 

エネルギー残量

ブルー・ティアーズ:138 ラファール・リヴァイヴ:95 vs インパルス:121 打鉄:210

勝者:アスカ・更識ペア

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「ごめん、僕があそこで突撃しなければ……」

 

「何をおっしゃいますか、シンさんの盾を壊したじゃないですか」

 

「最後は盾ごとやられたけどね」

 

セシリアとシャルルは先ほどの試合について語りながら、決勝戦を観ようとアリーナの更衣室から出て観客席へ移動していた。

するとこちらを見つけた1人の男性が声をかけて来た。

 

「シャルル、久しぶり。試合見させてもらったよ」

 

「に、兄さん」

 

シャルルはその男性を見ると、驚いたような声で反応した。

そして男性はセシリアの方を向くと、改まって自己紹介をした。

 

「初めまして、私はエリック・デュノア、シャルルの兄です」

 

「こちらこそ初めまして。わたくしはセシリア・オルコット、イギリスの代表候補生ですわ」

 

「兄さんはどうしてここに?

確か、ITDO(国際技術開発機関)に出向していたはずじゃ……」

 

国際技術開発機関(International Technical Development Organization)、通称ITDOは各国の技術者が集まり最先端科学技術の研究開発を行っている国際機関であり、現在は国連からの要望もありISに代わるパワードスーツの開発を行っている。

第1回モンドグロッソ大会に合わせてEOSを発表したが、その性能はISどころかすでに普及している民間用にすら劣るありさまであった。

その後、第2回モンドグロッソ大会の時にアーベント・ヴォーゲル社のアイゼン・ツヴェルクをベースに軍用開発したEZ-8を発表した。

こちらはISには及ばないがそれなりの性能を有してはいたが、軍用には普及せず警察や災害救助などの用途で普及している。

ちなみにITDOはISの基礎研究こそ行っているものの機体の開発は行っていない。

それでもデュノア社長はITDOとの技術協力を取り付けて、第3世代型ISを開発する足掛かりとなる技術を得るためにエリックを出向させた。

そしてエリック・デュノアはデュノア社代表として、ITDOのパワードスーツ開発部門の技術顧問兼テストパイロットのギルバート・マックスウェル氏の元で現在働いている。

 

「そっちの仕事も兼ねて来たんだけど、まさか君がいるなんて知らなかったよ。

父さんも酷いよね、ついさっきまで僕にも教えてくれなかったんだもの」

 

「……父さんも、来てるの?」

 

エリックの言葉から父もいるのではないかと思い、聞き返した。

彼が一度だけ頷くとシャルルの体は緊張で固まってしまう。

不安げにもう一度彼を見る、すると察したのかシャルルの頭を撫でてきた。

 

「嫌なら嫌って言ってもいいんだぞ。

僕も父さんもしばらく日本に居るから、一緒に言いに行くか?」

 

その言葉にシャルルは少し安心する。

少なくとも兄は事情を知ったうえで、配慮してくれている。

でもそれをすれば、皆に全てを話さなくてはいけなくなる。

 

「ありがとう。でも、少し待ってくれる?」

 

「分かった。その時は連絡してくれ」

 

シャルルの答えを了承すると、エリックはセシリアに時間を取らせてしまった事を詫び、仕事があると言って去って行った。

セシリアは今まで2人の会話の様子から感じた事を問う。

 

「お父さんと、上手くいっていないのですか?」

 

「うん、実はね……」

 

その言葉に再度緊張してしまい、この場にいるセシリアに隠すことはできないだろうと思い無理にでも言ってしまおうと思ったが、喋る前にセシリアが口に指を当ててきた。

 

「確認したかっただけですので、無理に言う必要はありませんわ。

わたくしから言える事は、父親と話し合うのでしたら機会がある時にすぐにでも話し合いをするべきだという事だけです」

 

「セシリア?」

 

「さあ、早くしないと決勝戦が始まってしまいますよ」

 

彼女の言い方に少し違和感があったが、急かされるまま観客席に向かった。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

シン達の試合が終わった直後、更衣室に向かう途中でラウラはある人物と出会う。

どこにでもいるような中年の日本人女性であり、ただ道に迷っただけの人のようにも見える。

しかし女性は、ラウラが来るのを待っていたのか姿を見つけるなり喋り出す。

 

「お久しぶり、No.0702……それとも出来損ないと呼んだ方が良いかしら?」

 

中年女性はそう言うと、口を歪めて笑顔を作る。

No.0702――それはアドヴァンスドの製造番号であり、最初に付けられたラウラの名前だった。

ラウラはその言葉と表情から、驚くより先に彼女が何者なのか理解する。

年こそ取っているが、見間違えるはずがない。

自分達を出来損ないと罵る研究員の記憶がフラッシュバックし、激昂しながら銃を向ける。

 

「き、貴様がなぜここにいる!」

 

ラウラがまだ研究施設で教育と訓練を受けていたころ、彼女は研究員としてそこにいた。

彼女はDr.Mと呼ばれており、他の研究員との会話から地位の高い人物だったと思われる。

 

「なぜって、織斑一夏を見に来たのよ。

それと……一般客に銃を向けるのはどうかと思うんだけど」

 

他に何の理由があるのかと、小ばかにしたように言う。

そして暗に銃を下すように言うが、ラウラが銃を下す気配はない。

 

「嘘をつくな、本当のことを言え」

 

「あらあら、本当に彼を見に来ただけなのに……

まあ、見てたら他に面白そうなのを見つけたのは事実かな」

 

警戒心が最大まで引き上げられているラウラにこれ以上付き合ってられないと思ったのか、それとも面白い事をしようと思ったのか、ポケットから機械を取り出してスイッチを入れる。

ラウラは引き金を引こうとするが、機械が発する音が耳に入った途端に意識が朦朧とした。

 

「う、あ……ああ」

 

「うんうん、聞き分けがいい子は嫌いじゃないわよ。

それじゃあNo.0702……まずはその物騒な物をしまってくれる」

 

女性の言葉に素直に従い、ラウラは拳銃をしまう。

今までの警戒心は消えうせ、ラウラは無表情のまま次の言葉を待つ。

 

「さて、それじゃあ今から私の質問に答えてくれるかな?」

 

「はい……」

 

「あの全身装甲のISに乗っているのは誰?」

 

「シン・アスカ……」

 

「聞いた事ないわねえ……次、なんで顔を隠してるの?」

 

「男である事を隠すため……」

 

本来なら答えてはいけない質問であってもラウラは無表情のまま淡々と質問に答えていく。

さっきまでの警戒心が嘘のように、まるで人形のように無抵抗のまま質問に答える。

ラウラとは逆に、質問の答えを聞いた中年の女性は笑顔になる。

不思議なISだとは思っていたが、まさか中身が男性であるなんて思わなかったからだ。

 

「男ですって!?

一夏以外にもISに乗れる男がいるって事は、もしかして探せば他にも出てくるのかしら!?」

 

「分からない……」

 

興奮したまま出てきた独り言ではあったが、ラウラは律儀に答える。

機械からは相変わらず音が出ているはずなのに気にもせず無表情で立ち尽くす少女と興奮する中年女性、傍から見れば異様な光景であるがそれを見る人も聞く人もいなかった。

 

「へー、どんな顔してるんだろう」

 

「黒髪赤目で目付きが少し悪い……」

 

「もしかしてイケメン?」

 

「顔は整っていると思う……」

 

「おお、そこまで聞くと顔が見てみたいな。写真とかないの?」

 

「ある……」

 

「だったら――」

 

例の人物の写真を見せてもらおうとラウラに言おうとしたその時、遠くから声が聞こえてきた。

 

「おーい、ラウラー。どこにいるんだー、そろそろ始まるぞー」

 

ISスーツに着替えた織斑一夏が、なかなか来ないラウラを探しに来たようだった。

女性はこれ以上引き止める事はできないと判断し、彼のタイミングの悪さにあきれつつラウラに最後の命令を言う。

 

「写真は諦めるわ……その代わり、次の試合で彼のヘルメット吹き飛ばしてね」

 

「了解……」

 

「あ、いたいた。全く、どこ行ってたんだよ」

 

こちらに気付いた一夏がこちらに走ってくる。

中年女性は彼を見るとそちらに向かって歩いていき、話を始める。

 

「ごめんね、私が彼女を引き留めちゃって……

それにしても、ISに乗れるなんて凄いじゃないの、私もびっくりしたわ」

 

「あ、いえ、俺も何が何だか分かってませんが……」

 

まるで自分の事のように話す女性に圧倒される一夏は、あいまいな返事を返す。

ラウラはまだ無表情のままで、こちらを見ている。

一夏がラウラを気にしているのに気付いたのか、女性は一旦ラウラの元に戻って行く。

 

「後は頼んだわよ、No.0702」

 

耳元でそう呟くと、女性はポケットの中にしまっていた機械のスイッチを切る。

するとラウラの表情は普段通りに戻り、一夏の元へ向かって行く。

 

「すまない一夏、では行こうか」

 

「2人とも、決勝頑張ってね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

応援を受けてさらにやる気を出す一夏と、表情を崩さないラウラ、笑顔で観客席に戻る女性。

ラウラの準備も終え、ついに決勝戦が始まる。

 

 

 

 




トーナメント終わって一段落したら、今までの設定をまとめようと思います。
質問や疑問があればネタバレにならない範囲で答えます。
不定期更新ですが、今年もよろしくお願いします。

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