ランシスはそう言った。
既に勝敗はついている。何をやったところで、イギリスはキャーリサと『騎士派』によって掌握されるという未来が変わることはない、と。
しかし、その言葉を受けても、駿斗とジミーの表情は変わらない。
「……『カーテナ=オリジナル』は、女王に天使長と同質の力を与え、その配下で動く『騎士』に天使の力を与える者だ」
駿斗は、唐突にそんなことを言った。
「だが、あくまでもそれだけだ」
「それだけって……」
「要するに、だ。天使長を倒す力があればいいのだろう? 現状『ない』というのだったら、いくらでも『創って』しまえばいい」
そして、駿斗にはそれだけの力がある。
そして、当麻の
その言葉を聞いたランシスは、呆れたような表情をした。
それを見た駿斗は、ニヤリと笑うと彼女の手を掴んで動き出す。
「そんな訳で、連中と戦いに行くぞ!」
「ええ!? ちょっと、私まで戦いに行くことはな――」
ランシスの言葉をあっさりと無視して、駿斗はずんずんと進んで行く。最も、彼女にしてもしっかりと自分の霊装である『爪』『鋼の手袋』『
「戦いに行くって言っても、ここからフォークストーンまでは100キロあるのよ? 電車は多分掌握されているけど、どうするつもり?」
「当然、魔術を使う」
「……私は『聖人』みたいな音速挙動はできないわよ」
その言葉に、駿斗は再び笑って言った。
「そりゃそうだ。普通の人間が、超音速の移動を生身でできるわけがない。だけど、お前をそう簡単にほいほいと放り出しておくわけにもいかねえ。とりあえず、こんな事態を引き起こした手前、少なくとも俺たちの邪魔だけはしてもらっちゃ困るからな」
そこまで言うと、駿斗は足で地面をトン、と叩いた。そしてその次の瞬間、地面が隆起を始め、1つの大きな槍を形成する。
「……なにこれ? あんたの霊装?」
「まあ、簡単に言えばそんなところだ」
駿斗は説明を省くと、彼女を連れてその中へと入っていく。
中に入ったランシスは、その中にある座席の1つに気が付いた。
「記号は……何よこれ? 北欧だの、ケルトだの、加えてアステカや東アジア圏まで……あらゆる槍……それも投げ槍に関する魔術を集合させたような……」
そう呟いたあと、1つのことに気が付いた彼女は顔を真っ青にする。
「あ、あんた、まさかとは思うけど……」
「その『まさか』さ。これでも、学園都市製の超音速旅客機よりは遅いんだぜ? だから大丈夫だ」
どこが大丈夫なのか教えろ。
と、座席に(無理矢理)固定されたランシスが叫ぶ前に、地面から隆起した岩の腕が槍を音速で投げ飛ばした。
フォークストーンは、ロンドンから約100キロ。そして音速とは時速1200キロオーバー。5分と経たずに、彼らはフォークストーンに到着するだろう……無事に、と呼べるかどうかは別だが。
ちなみに、しっかりと
「どーした?」
「航空機です」
キャーリサの問いに、
姿は見えないものの、騎士団長は無言で自分の耳を指した。どうやら、本当に音で聞き分けているらしい。
これは、本来あり得ないことである。なぜなら、滑走路は民間、軍用を問わず全て『騎士派』によって取り押さえられているはずであるからだ。そして、キャーリサからそのような命令を受けたことはない。
「いた。低空飛行だな。地面すれすれを飛行している。……レーダー避けのつもりか?」
キャーリサが持つ双眼鏡の中には、確かに巨大な輸送機がアスファルトから5メートルほどの高さで飛んでいた。
しかも、それは機体の下部にフロートが取り付けられていた。水上機なので、滑走路を使わずとも川面や海上から離着陸できるのだ。
「落としましょう」
「遅い。もー来る」
その海難救助用のレスキュー機は、弾丸のように『騎士派』一団の真横を通り抜けた。ただし、その側面のスライドドアが開いた状態で。
そこから、飛び降りた者がいた。
時速500キロは出ているはずだが、しかし『彼女』は地面に激突などすることもなく、むしろ羽毛のようにふわりと柔らかく着地する。
その動きだけで、その者の持つ技術が並ではないことを知らされる。
慌てて剣を抜く騎士たちの中で、しかし襲撃者はただキャーリサだけを睨みつけていた。
「聖人か」
視線を受けたキャーリサは静かに言う。
「となると、あれを動かしているのは残りの天草式だな」
しかし、彼女の代わりに騎士団長が出た。第二王女はそのまま第三王女を追い、そして騎士団長だけが『聖人』である神裂と対峙する。
「私をしつこく勧誘していたのは、こういう結果を知っていたからですか」
「貴婦人として過ごして欲しかったという願いは嘘ではない。だが、どうやらそれも手遅れだったようだ。敵として目の前に立った以上、容赦なくねじ伏せさせてもらおう」
両者が対峙する。
神裂火織は『聖人』だ。その速度は音速を超え、たいていの魔術師には遠く及ばない技術を持っている。
(鞘で昏倒させ、速やかに第二王女を拘束する!)
しかし、『全英大陸』によって『天使』の座席を手に入れた騎士たち、そのトップである騎士団長は予想のはるか上を行った。
神裂の視界から、彼の姿が消える。
『聖人』の動体視力すら上回る速さで、騎士団長がその後ろに回り込んだのだ。
放たれたのは、ただの蹴り。しかし、その蹴りだけで神裂の体が遠くへと吹き飛ばされる。その体は、複数の霊装で守られているはずの馬車を粉々に砕き、さらに地面を滑った。
(これは……っ!)
彼女を蹴り飛ばし、叩きのめしながら、騎士団長は失望したような表情すらしている。
「何を意外そうな顔をしている。私は三派閥の長、『騎士派』の一角だぞ。聖人とはいえ、たかだか『清教派』の一員如きが、対等に戦えるとでも思っていたのか?」
実は彼女には、この間のアックア戦の後、駿斗に指摘されたことがあった。
『神裂、確かにお前の持つ力は強大なものだ。「聖人」っていうのは、世界にも20人といない希少な力だからな』
だけど、とその上で彼は付け加えて言った。
『だけどよ、魔術ってのはそもそも、才能のない人間が才能のある人間に追いつくためのものなんだろ? つまり、努力次第で「聖人」を超える魔術師を生み出すことは、十分にできる。実際に、北欧系統じゃ天然ものの才能だった「ワルキューレ」を人工的に生み出す実験まであったそうじゃねえか』
つまり、彼はこう言ったのだ。
『聖人』だから、たいていの敵など倒せる――そんな甘えた考えは、捨てろ。
今、まさに彼に言われた状況が発生している。
特に神裂は『
しかし、それでは今の神裂よりも強くなることはできないし、これ以上の力を持った敵とは戦えない。
実際に、彼には『幻想創造』という希少な力があったとはいえ、わずか2か月で『聖人』と同格かそれ以上のフィールドに立った。
ならば、自分にはこれ以上に何ができるのか。
(『唯閃』は、すでに完成された術式)
これ以上手を加えようとすれば、どこか別の場所が崩壊してしまう。
彼女は別の切り札を用意する必要があった。
『七閃』は もはや時間稼ぎにもならないだろう。
それでも、彼女は強くなる必要があった。
だから、到達した。
『隠密性』という天草式の特性を十全に生かし、そして一撃必殺を突き詰めた神裂火織という『聖人』が『天草式』と強いつながりを持つからこそできる、新たな必殺の一撃。
「唯閃、――陽炎ノ太刀」
抜刀術によって放たれた一撃。
聖人の力の源たる『
両者の間で、攻防が一瞬だけ逆転する。それまで悠然と構えていた騎士団長が、わずかに眉を寄せた。
日本には、世界と同じく聖剣や妖刀などの伝説が数多く存在する。『唯閃』は、その集大成とも呼べるものだ。
しかし、駿斗はそれ以外のもの――人を『斬り殺す』妖怪や、『斬る』ことによる神罰などにも注目した。すなわち、天使だけでなくそれ以上の相手にも対応できるようなものとしようと考えたのだ。
言葉で言うだけならば、簡単である。だが、『唯閃』とはそもそも強大すぎる聖人の力を制御する為に組み上げられた技法であり、体捌きからバランスまで、各種術式を綿密な計算の上で組み合わせて作られた『結晶』だ。
本来、術式に遊びや余裕がない『完成された魔術』であるため、神裂にとってはある種の限界であるとも言えた。
それを可能にしたのは、駿斗の『科学的な』考えだ。
簡単に言えば、処理の分散。1つのパソコンに全ての作業をやらせるのではなく、いくつかに分散させて同時並行に計算させたうえで、再びまとめ上げて処理する、というスーパーコンピュータのような考え方。
真説の『唯閃』と共にわずかな時間差で放たれる、不可視の、それでいて『唯閃』さえも魔術的な記号として取り込むことでさらに強化された不可視の斬撃は、騎士団長を確かに押し返し、そのスーツを数十センチほど切り裂いていた。
(一矢、報いましたか)
しかし、これ以上の技が神裂から出てくることはない。そして、騎士団長は彼女に対して剣を抜こうとした。
その次の瞬間。
ドォォォォン! という轟音と共に。
『何か』が彼らがいた場所に『着弾』する。
「げほっ、何ですか!?」
着弾の一瞬前に気が付いた神裂はその場から飛び退くと、土煙が立ち込めるその中を警戒した様子で見る。すると、その中心から風が渦巻いているのが確認できた。
そのつむじ風は、やがて暴風となり騎士団長を襲う。その攻撃を一瞬で下がって再び回避した騎士団長は、その中心を睨みつけた。
「神裂! とりあえず撤退するぞ!」
1人に攻撃するには過剰とも呼べる魔術を展開して騎士団長を牽制しながら、その中から出てきた駿斗はなぜか『十二使徒』であるはずのジミーと共に、彼女の腕をつかんで音速で走って行く。
突然の出来事に、神裂は慌てて叫んだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「話なら後で聞く! 今は、『清教派』が一筋縄ではいかないと相手に危機感を抱かせて、時間稼ぎをするだけで十分だ!」
駿斗は全速力で駆けるのであるが、ようやく彼から腕を離されて自分で走る神裂は、こんなことを言った。
「現在、ヴィリアン様が霊装の馬車で『清教派』の集まるカンタベリー大聖堂まで移動中なのです! 騎士団長が私の相手をしてキャーリサ様がこの場を去ったということは、確実にヴィリアン様が……」
「そういうことかよっ……!」
第二王女キャーリサは、どうやら『カーテナ=オリジナル』を手に入れるだけでは気が済まないらしい。
自分の『軍事』による支配体制を万全なものとするために、他の者が絶対に同等の力を扱うことがないよう、『カーテナ』の力を扱える『女王』とその『候補』を消すつもりなのだ。
つまり、次の標的は『人徳』の第三王女ヴィリアン……!
「カンタベリー大聖堂を頼るなら無駄だ。分かっているだろう?」
『移動鉄壁』を呼ばれるほどの霊装を、しかしキャーリサは軽々と倒した。そしてその中から転がり出てきたヴィリアンを見下ろしながら、彼女は悠然と言い放つ。
「護衛用の馬車の自動操縦が制御を失ったのは、私達が細工をしたからではない。目的地であるカンタベリー側が、座標情報を見失わせるよーにジャミングを仕掛けたため。……理由は分かるな。お前は見捨てられたんだよ」
「……ッ!? そんな……そんな、まさか……ッ!」
「『王室派』と『騎士派』は私の手中にあるの。『清教派』もお前を庇うつもりはないらしい。どーやら、話は決まったな。お前の見方はもはや1人もいない。1人も、だ」
第二王女の後ろから、複数の光源が近づいて来るのをヴィリアンを確認する。しかし、本来ヴィリアンたちを護衛するはずの騎士たちは今、キャーリサの掌握している『力』に過ぎなかった。
そして、その中のトップである騎士団長が、キャーリサから『仕事』を頼まれる。すると、騎士団長は部下にこう命令した。
「……剣で首をはねては切断面を潰してしまう。王侯貴族の処刑に使う斧を持ってこい。可能な限り重く、綺麗に切断できるものを。死したところで姫は姫。汚い仕上がりの首を見せて、民の前で恥をさらすわけにはいかん」
その言葉に、ヴィリアンの喉が限界まで干上がる。
完全武装の騎士が、1本の斧を持ってきた。長さは1メートル程度で、片方にしか刃がついていないものだ。しかし、その鉄に染み込んできた血が、重々しい『何か』を感じさせる。
騎士団長の手に、斧が渡る。しかし、彼はそれを受け取った後、なぜか一度だけ周囲を見渡した。
暗い道の左右は森であり、そこには何もない。それを確認した彼は、静かに目を閉じて息を吐く。
それは、何かを期待するような顔色だった。
そして、何かに失望するような顔色だった。
「始めるぞ」
瞼を開けた騎士団長が呟くと、ズン……という鈍い音と共に、斧が天へと上がっていく。
「う……うあああああああああああああっっっ!」
もはや、恐怖で雄たけびを上げることしかヴィリアンにはできなかった。その彼女を冷徹な目で見つめながら、キャーリサは鬱陶しそうな調子で告げる。
「助けを求めても構わないし、聞いている者もいるだろう。しかし、応じる者がいると思うなよ」
その言葉は、今までの中で最もヴィリアンに突き刺さった。
今までに、優れた力を持つ人間というものを、ヴィリアンは何人も見てきた。それだけの人材が、このイギリスという国にいることを知っていた。
しかし、今まで見てきた、そして彼女が言葉をかけてきた彼らは、今この瞬間、誰1人として彼女の側にはいなかった。何よりもその孤独さが、ヴィリアンの心をどん底へと突き落とす。
「……お別れです。最後に1つだけ、約束しましょう。切り落とした後の首の扱いについてはお任せください。筋肉や皮膚に手を加え、生前と同じく……いえ、生前よりも美しいお顔となるように演出させていただきます。その首を見た多くの民が、あなたを偲べるように」
その最後の言葉と共に、斧は振り下ろされた。まるで、余計な痛みを与えないようにと、一切の迷いがそこにはなかった。
そして。
ドッパァァ! というすさまじい衝撃が、取り囲む『騎士派』へと襲い掛かった。
それは居並ぶ『騎士派』たちをなぎ倒し、
その瞬間。
吹き飛ばされた騎士の中の数名が、呆然とした調子で呟いた。
「……戻ったか」
その瞬間。
馬上にいた第二王女キャーリサは、カーテナ=オリジナルを手にしたまま、余裕の態度を崩さずにこう言った。
「戻ったか」
その瞬間。
砕けた斧の柄を適当に放り捨て、正面を睨みつける騎士団長は、目の前に現れた強敵に対し、笑みすら浮かべて大声を張り上げた。
「戻ったかっ!」
「「「ウィリアム=オルウェル!」」」
第三王女は、地面にへたり込んでいたはずの自分がいつの間にか、ある男に抱えられていることに気が付いた。屈強なその男を、ヴィリアンを抱える片腕とは別に、もう片方の手に巨大な剣を握っていた。3メートル以上もの長さを誇る、あまりにも巨大すぎるその剣を、軽々と。
その側面に刻まれている剣の銘は『
さらに、その根元にはある紋章がつけられていた。
青と緑。そして、ドラゴンとユニコーンとシルキーが三つ巴になった、
「ご無事ですか。王の国の姫君よ」
最低限の礼節だけをわきまえた、短い言葉だった。多くを語ることを好まぬ傭兵の言葉だった。
『王室派』『騎士派』『清教派』、その全てに見捨てられても。
この傭兵だけは、駆けつけてくれた。
「遅い、です……」
ヴィリアンの瞳から、涙がこぼれた。しかし、それは先ほどまでとは違う、暖かい涙であった。
すでに、涙の理由は変わっていた。
彼女は、自分の中からこみあげてくる思いにしたがって、ありったけの力をこめてこう叫んだ。
「遅いんですよ! この傭兵崩れのごろつきがぁ!」
上条当麻は、どうにかイギリス清教の女子寮の入り口までやってきた。
初めて入る建物であるが、その中には案内などは存在せず、むしろほとんど人がいなかった。最低限必要なものは持ち運ばれており、残っているのは殿をして『騎士派』の追撃に対して時間稼ぎ(間違っても『迎撃』ではない)をするための戦闘要員である。
彼女たちに本来敵である『新たなる光』のレッサーの治療を頼むのは心苦しくもあったのだが、
「おやまあ、お久しぶりなのでございますよ」
「あれぇオルソラ!? 真っ先に逃げるべき戦闘力ゼロのお前がなぜここに?」
「なんか皆さんバタバタしていて、ついていけなかったのでございますよ」
しかし、彼女は当麻の腕の中でぐったりとしているレッサーを見ると「いつも通りの展開でございますね」といろいろと否定したい台詞を放ってから、しかし二つ返事で回復魔術を了承してくれた。
「その代わりと言っては何でございますけど……」
「分かってる。殿の1人として、脱出の手助けくらいはしてやるよ。俺も、親友に負けてられないからな」
当麻はその左手に今一度『
「あなたがこっそりと入ってきた裏口も含めて、ほぼ全てのルートが『騎士派』に固められつつあります」
「強行突破しかないってわけか」
こういうのは、本来駿斗の得意分野なんだけどな、と少し考えたが、気を取り直して修道女から説明を聞く当麻。幻想殺しはむしろ、何も知らない敵を奇襲して霊装を破壊したり、あるいは一か所を守るだけの防衛線で最も活躍するものであるが、今はそんなことを言っていられる余裕はない。今攻めているのは敵であり、こちらは守りなのだ。
作戦としては、ありったけの遠距離攻撃で『騎士派』を攻撃して揺さぶりをかけ、その一瞬のタイミングで一斉にバラバラの方向に逃げ出す、というものだ。誰が『ハズレくじ』を引くことになるのかは分からないが。
そして、その後当麻はインデックスと出会うためにフォークストーンへ行かなければならないのであるが……肝心のユーロスター路線は、その高架と電線が戦闘の余波でちぎれていた。
「そうとも限りません」
しかし、修道女は言った。
いかに『カーテナ=オリジナル』を手にしているとはいえ、キャーリサは特定の要塞に入らずにフォークストーンで丸裸の状態だ。しかし、これから起こるであろう『清教派』との総力戦に備えるため、『騎士派』はなんとしても人員・物資を輸送し、速やかに防護体制を固める必要があるのだ。
そして、そのために使われるのが恐らく緊急時に列車をけん引するためのディーゼル車両。クレーンで高架がちぎれたところを乗り越えようとするのだろうが、そこへこっそりと乗り込むことができれば、フォークストーンへの道が開ける。
「……それもこれも、まずは無事にここを脱出してからということになりますけどね」
「上等。目的さえハッキリとすりゃあ、あとは勝ったも同然だ」
第二王女と『騎士派』によるクーデターを前にして、あらゆる人々が動き出した。決戦は、これから始まる。