とある神谷の幻想創造 神の右席編   作:nozomu7

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そして引き金は引かれる

「おおー、雨が降ってる、ってミサカはミサカは夜空を見上げてみたり。ミサカはお月様を見たかったのに、ってちょっとしょんぼりしてみる」

 

 最終下校時刻を過ぎて雨も降り始めた真っ暗な街の道中で、打ち止め(ラストオーダー)は万歳するように両手を空へと向けながら雨をその掌で受ける。その一方で、一方通行(アクセラレータ)はそんな打ち止めを、気怠げな様子で眺めていた。

 

「鬱陶しいからその辺で固まってろ」

「ミサカはお月さまが見たかったのに、ってミサカはミサカは」

「おい」

 

 先ほどから落ち着きのない打ち止めの襟元を、一方通行は手でがっちりと捕まえた。

 

「ちょろちょろすンなって言っているだろォが、クソガキ」

「ミサカはここまで過保護にされなくても大丈夫かも、ってミサカはミサカは自由と解放を求めてみたり」

「何をフロンティア精神に溢れた寝言吐いてンだコラ。そもそも保護なんてしてねェし」

 

 その言葉に、打ち止めは笑顔を見せて言った。

 

「またまたー、そんなに照れなくっても、ってミサカはミサカは人差し指でつんつんしてみた――何故そこで力強く拳が握られるの? ってミサカはミサカは激情緩和用にこやかスマイルを浮かべて尋ねてみたり」

 

 やはりこいつといると疲れる、というのが一方通行の感想だった。はあ、と思わず口からため息が漏れる。

 

『ねえ、一方通行。人に好意を向けることがそんなに怖い?』

 

 そんな中、今日黄泉川から言われた言葉を思い出した。

 

『君は打ち止めの好意を受け入れているみたいだけれど、その一方で自分から好意を向けることには拒んでいる。――裏目に出て取り返しのつかなくなることが怖いから』

 

 見透かされているのか、と一方通行は考える。

 

(……あのガキどもはどォなんだ)

 

 彼は自分の『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の一部を無理矢理植え付けられた、2人の少女を思い返した。

 

 彼女らも、つい最近までは学園都市の『闇』の真っただ中にいたはずだ。

 

 と、その時、「痛っー!」と甲高い声が響いた。

 

「転んだー、ってミサカはミサカは地べたで状況報告してみたり」

 

 打ち止めが女の子座りの状態で、濡れた道路に尻をついている。

 

 どうやら、小雨で濡れた路面で足を滑らして転んでしまったようだ。

 

「ったく、言わんこっちゃねえだろォが」

 

 彼女の両膝には擦り傷ができており、そこからは赤いものが滲んでいた。

 

「消毒が必要かも、ってミサカはミサカはちょっと涙目になってみたり」

 

 打ち止めが、泣きそうになって少し掠れている声で言う。

 

「ツバでも付けとけよ」

 

 一方通行はぶっきらぼうに言う。鬱陶しい、と言わんばかりの様子だった。

 

 しかし、実際に雨も降り始めているため、あまり長い間外にいたくはないのも事実だった。

 

「分かった、ってミサカはミサカは納得してみたり。ここは痛いけど我慢してみる、ってミサカはミサカはテクテク歩いてあなたの後ろをついていってみる」

 

 すると、打ち止めは傷についてそれ以上言及しようともせずに、立ち上がって歩き出した。

 

 しかし、歩くペースがそれまでと明らかに違う。

 

 いつもなら、常に元気いっぱいで一方通行の周りを騒がしく走り回るのだが、今は彼の少し後をぽつぽつと歩いているだけであった。

 

「……クソッたれが」

 

 一方通行は、杖をついていない、もう一方の手で打ち止めのおでこに指を当てて、そのまま後ろにあった屋根のついているバス停のベンチへ倒すように座らせた。

 

「わっ! ってミサカはミサ――?」

 

 突然の行動に驚く打ち止めであったが、そこでようやく自分が無理矢理ベンチに座らせられたことに気が付く。

 

 一方通行は、そのままぶっきらぼうに言った。

 

「そこで待ってろ。勝手に動いたら叩き潰すぞ」

 

 彼は、少し離れた場所にある薬局へと向かう。

 

 店内で絆創膏の箱を手に取ったときは1度「……バカげてやがる」と呟いたが、それでもその箱を購入して打ち止めの下へ歩いた。

 

 彼自身にも、慣れないことをやっている自覚は十分にある。

 

 だが、

 

『そのくだらないことの積み重ねが、負債を返していくじゃんよ』

 

 今日の黄泉川の言葉が、再び一方通行の脳裏によみがえる。

 

「クソッタレが」

 

 思わずそう言った時、彼は気配を感じた。それは一方通行にとって、非常に慣れたものだ。

 

 迷わず、首の黒いチョーカーのスイッチを切り替える。

 

 そして、

 

 

 ゴン!! と。

 

 猛スピードで突っ込んできた黒いワンボックスカーが、一方通行に激突した。

 

 

 その運動量を『反射』した一方通行は当然無傷。

 

 対称的に、ワンボックスカーはガードレールがひしゃげて折れ曲がり、自動車のライトやフロントガラスが細かく砕け散って周囲に残骸をまき散らしていた。

 

 一方通行は黙って振り返る。

 

 ひしゃげた運転席では、ゴーグルに黒ずくめの服で全身を隠した男が悲鳴を上げそうになっていた。

 

「まあ、来ると思ってたんだこういうバカが。俺に恨みがある奴か、俺を利用しようとするやつか。どっちかは知らねえが」

 

 一方通行(アクセラレータ)は、その名の通り一方通行(いっぽうつうこう)に宣言した。

 

「ブチ殺す」

 

 一方通行が彼らを蹂躙する。

 

 男たちの顎を砕き、壁へと投げ叩き付け、皮膚さえ剥いで一方的な暴力を振るっていく。

 

「演出ご苦労ォ! 華々しく散らせてやるから感謝しろォ」

 

 炎の中で一方通行が声高に叫んだとき、前方に停止していた男たちの車の中から1人分の影が現れた。

 

「だーから言ってんじゃねぇかよぉ、あのガキ潰すにゃこんなもんじゃ駄目なんだよ……だから最初から俺が出るっつってんじゃねぇか」

 

 その白衣をまとった男は、顔に入れ墨がされており、そしてその手には、文字通り1マイクロメートルクラスの繊細な作業を可能とする機械製のグローブ――マイクロマニピュレーターを装備していた。

 

「木原クンよォ、何だァその思わせぶりな登場の仕方はァ?」

 

 その男の名前は木原数多。

 

 かつて、学園都市最強の超能力者(レベル5)の能力開発を行っていた、学園都市で最も優秀な能力開発研究者であった。

 

「俺としてもテメエと会うのはお断りなんだけどなぁ。上の命令だから、仕方なくやっているんだ。なんでも、緊急の事態だから手段を選んでいる余裕はないんだと」

 

 木原数多は、片手で頭を掻きながら面倒くさそうに言う。

 

「だからまあ、悪いけどここで潰されてくれねえか」

 

 木原数多と一方通行。両者の眼光が激突する。

 

 そして、木原数多は『反射』が適用されているはずの一方通行にまっすぐにその拳を突き出し――

 

 ――ガキィン、とかん高い音と共に、その体が後ろに吹き飛ばされた。

 

 そう、一方通行の『反射』をこの男は突破した。

 

 奇しくも、かつての無能力者と同じ『拳』という獲物で。

 

 一方通行は驚いて体制を立て直す。

 

(どォいうことだ、チョーカーは正常なはずなのに、反射が効いてない!?)

 

 彼とは対照的に、木原数多は冷静だった。

 

「おい、もう一度訊くけどよ……そのつまんねえ力を開発してやったのは、どこの誰だと思ってんだ、クソガキが!」

 

 木原数多の拳が一方通行を後方へと殴り飛ばす。その拍子に、一方通行の提げていたビニール袋から、絆創膏の箱が飛び出した。

 

 それを木原数多は踏み潰す。

 

「似合わないねえ。ま、あれはこっちで回収しておくから安心しろ」

「っ!? なめてんじゃねェぞ!」

 

 一方通行は風のベクトルを操って、暴風を目の前の男に向かって打ち出す。しかし、突如として発生した高周波の音によって、霧散した。

 

 『ベクトル操作』によって風を攻撃手段とするのは、通常の風力使い(エアロシューター)のような能力者と異なり、カオス演算を含めた非常に複雑なものとなる。したがって、彼の演算の死角となる波長、振動数、方向性を持った音波で簡単に妨害できてしまうのだ。

 

 一方的な暴力が、彼を襲った。

 

 しかし、そこに1人の少女が現れる。

 

「そこで何をしてるの?」

 

 先ほど昼食を奢らされた銀髪のシスターだった。そして、彼は木原数多の部下である黒服の男たち――猟犬部隊(ハウンドドッグ)の気がそれたその瞬間を見逃さない。

 

「っ! 打ち止め(ラストオーダー)ァ!」

 

 間一髪で、回収されかけた打ち止めを風によって吹き飛ばす。

 

(誰か、あのガキを……)

 

 一方通行は誰に願うともなく、願った。

 

 

 

 

 

「くそ、インデックスの野郎、どこにいったんだ……?」

 

 上条当麻は雨の中を走り回っていた。今日は傘を持っていなかったのだが、インデックスを頬っておくわけにはいかない。

 

 彼女は完全記憶能力もちにもかかわらず、なぜか迷子になるのだった。

 

 このままでは確実に、なぜかいつもよりも数の多い『警備員(アンチスキル)』の補導対象になる。ものすごく面倒な事態になる。

 

 今は、駿斗と電話をしながら夜道を走っていた。

 

「ああ、実はさっき打ち止めに会ったからな。今はインデックスを追いかけているけど」

 

 持たせている0円ケータイにも通じないし、とりあえず探してみるしかなさそうだ。

 

 と、そう思ったその時。

 

 ゴトリ、と妙な音が耳に着いた。

 

(何が……?)

 

 当麻は頭に疑問符を浮かべながら辺りを見渡す。すると、そこには異様な光景が広がっていた。

 

 何人もの人が地面に倒れている。それも……

 

(警備員?)

「ど、どうしました? もしもし、もしもし?」

 

 当麻は、すぐに彼らの1人の下に駆けつけて、重体でないことを確認する。

 

「おい駿斗、急に近くの警備員アンチスキルが倒れて――」

『魔術だ! 大規模な魔術が発生している!』

 

 駿斗が慌てたように叫んでいた。

 

 ちょっと待て、魔術だって?

 

 ただ単に、人が倒れたようにしか見えないのに?

 

『とりあえず、俺はすぐに佐天さんを寮に送り届ける。その後、一度合流してインデックスを探すぞ!』

 

 親友の、切羽詰まった声が聞こえてくる。

 

 すると、倒れた警備員の無線機から、雑音と共に声が聞こえてきた。

 

『……入。繰り返す……、ゲートの破壊を確認! 侵入者は市街地へ。こちらも正体不明の攻撃を――』

 

 ザザッ! というノイズと共に通信が切れる。

 

 侵入者。その言葉から、当麻は今日の昼に駿斗から渡された『硬化手袋(フリックグローブ)』を思い出して、すぐに身に着ける。

 

(つまり、魔術師。それも駿斗の睨んでいたように、ローマ正教のやつの可能性が高い。もしかしたら、シェリーのように独断行動の魔術師かもしれないけれど)

 

 しかし、それでもここまで大規模な魔術を発動させるとなると、単なる個人的な暴走をした魔術師よりは、世界で最大の十字教宗派であるローマ正教の可能性が高いだろう。

 

(駿斗は、たとえ襲われても自分で何とかできるかもしれない。だけど、インデックスは大丈夫なんだろうな……)

 

 彼女にも『強制詠唱(スペルインターセプト)』や『魔滅の声(シェオールフィア)』といった、魔力を必要としない攻撃手段を備えてはいるが、それがあるからといって決して安心できるわけではない。

 

 しかし、そう考えた時当麻の下腹部に衝撃が走った。

 

 彼がそれを見下ろすと、10歳前後程度の容姿をしている少女がそこにいた。

 

「助けて……!」

 

 彼女は、当麻がしばらく前まで一緒にいた少女であった。

 

「お願いだからあの人を助けてって、ミサカはミサカは頼み込んでみる!」

 

 そして、彼女は打ち止めと呼ばれている少女であった。

 

 

 

 

 

 黄色い装束を身にまとった、1人の女が3人の男を引き連れて、夜の街を歩いていた。

 

 彼らは周囲に倒れている警備員を見ても、それが風景の一部、あるいは当然の光景であるかのように通り過ぎようとし、その前に1つの無線機を手に取った。

 

 彼らが倒れている警備員たちに対して無反応である理由は酷く単純なものだ。つまり、彼らがこの事態を引き起こしているのだった。

 

「ハーイ、アレイスター!?」

 

 女は無線機に向かって呼びかける。

 

 彼女が何か操作をしているわけではないが、その言葉は目的の相手にも届いていた。つまり、アレイスターはこのような回線にも潜り込んでいるだろう、と予想していたのだ。

 

『何の用だ』

 

 彼女の予想通り、返事があった。

 

 学園都市の長。統括理事長、アレイスタ=クロウリー。

 

「統括理事会の顔を3つほど潰してきたとこなんだけど」

『補充なら利くさ。いくらでもな』

 

 両者は、ゆっくりと話している。

 

 それは、互いに『化物』『怪物』などと呼ばれるレベルに達した存在同士の対話だった。

 

「私の素性は分かってる?」

『さあな』

「『神の右席』。白を切るってのなら、それでもいいけど」

 

 彼女は、自分の舌に長い鎖でつけられた十字架を下にたらす。

 

『この街を甘く見ていないか』

「ああら、自分の街の現状すらつかめていないのかしら。警備員に風紀委員(ジャッジメント)だっけ? そんなちゃっちなもので身を守ろうとするからあっさり首を取られるのよ?」

『そんなものでこの街の包囲網を砕けたと思っているのなら、全くおめでたいな。君はこの街の本当の姿をまるで理解していない』

 

 淡々とした調子の声に、女は「へえ」と不敵な笑みを浮かべた。

 

『隠し玉を持っているのは、君だけではないということだ』

「何であれ、私は敵対するものを全て叩き潰すわ」

 

 彼女は歩むのをやめて、後ろにいる3人の男たちの方へと向き直る。

 

「私は『前方のヴェント』。ローマ正教20億の中の最終兵器」

 

 そして、宣言を続けた。

 

「この一晩で全て潰してあげる。アンタも、幻想殺し(イマジンブレイカー)も、幻想創造(イマジンクリエイト)も、禁書目録も、全てをね」

 

 彼女は手に持っていた無線機を握りつぶすと、男たち――それぞれピエール、アンドレ、ジェームスという名前があったが――『十二使徒』に命令を下す。

 

「さあ、さっさと幻想殺しの死体を持ってきなさい。幻想創造については、前に言った通り私がもらうわ」

 

 そして、ヴェント、ピエール、アンドレ、ジェームスは、各々の目標に向かって行く。

 

 

 

 

 

 駿斗は、佐天を無理矢理彼女のアパートの部屋へと押し込めた。

 

「いいか、絶対に外に出るんじゃないぞ。どうやら、警備員が次々に襲われているらしい」

 

 その真剣な声に、佐天が目を見開く。

 

「神谷さんっ!」

 

 だが、彼はそのまま外へと飛び出そうとする。そこを、間一髪で腕をつかんだ。

 

「おい」

「だったら、神谷さんだって危ないじゃないですか!」

 

 佐天の声が、アパートに響いた。

 

 彼女は知らない。彼が幻想御手(レベルアッパー)事件以降から、『魔術』というものと関わってきたことを。

 

 彼女は知らない。彼が世界に20億人の信徒を誇るローマ正教から抹殺命令が出ていることを。

 

 そう……彼女は何も知らない。そして、知らされない。

 

 駿斗が、彼女を巻き込むまいと考えているからだ。

 

 だから、駿斗は言った。

 

「俺なら、大丈夫だ。俺は1人じゃない」

 

 今回の事件にも、やはり親友と立ち向かえる。さらに、恐らくはインデックスも関わって来る。

 

 それに、多分御坂もまだ学生寮に帰ってない。最愛と海鳥も、まだ帰っていないことを電話で確認している。

 

 しかし彼女たちなら、恐らくこの街で今起こっている騒動の1つや2つに突っ込んだ挙句、無傷で帰って来るだろう。そう信じていた。

 

 駿斗にとって、最愛や海鳥と比べた時の佐天の違いはそこだ。

 

 幼馴染は、たとえ面倒事に巻き込まれたとしても彼女たちの実力を信じ、待つことができる。その反面、佐天に対しては、まず彼女を安全地帯まで連れて行こうとする。

 

 彼女を信頼していないわけではない。駿斗は、彼女を巻き込みたくないのだ。

 

 彼の知り合いのほとんどが享受できていない、『平穏』と呼べる生活を送っているのが羨ましいから。

 

「悪いけれど、佐天さんはこのままこの部屋にいてくれ」

 

 駿斗は、そう言われても彼の腕をつかむ佐天に対して、睡眠へ誘導させる術式をかけて眠らせるとベッドに寝かせ、その部屋に鍵をかけて学生寮を飛び出した。

 

 彼はこの街に流れる力を順番に感じ取ってゆく。

 

(AIM拡散力場は平常通り。地脈、龍脈も同様。奇妙なのは、この街にかなりの量の天使の力(テレズマ)が流されていることか。やはり魔術……それも、威力の高い天使の力に特化した術式)

 

 複雑な聖書や神話については未だに勉強が追いついていないものの、駿斗は魔術について基本的な事柄についてはほとんどマスターしていた。それは、駿斗が熱心に勉強したからでもあるし、インデックスという優秀な先生がいるからでもあるし、幻想創造(イマジンクリエイト)によって『力』の流れを正確に感じ取ることができるからでもある。

 

 彼は『幻想核杖(イマジン・コアロッド)』を取り出して、その右手に握る。そして、高速移動術式と身体制御術式を発動させて街の中を駆けて行く。

 

 『幻想核杖』。

 

 駿斗が、『幻想創造』という力を最大限引き出すために用意した霊装。

 

 それは杖――火の象徴武器(シンボリックウエポン)の形をしているが、それは見かけだけであり、実際には四大元素の象徴武器、杖、杯、短剣、円盤――それら全ての要素を抽出して全属性に対応できるように作られている。

 

 さらには変形機構も備えており、西洋系の術式だけでなく東洋系の術式にも対応が可能だ。

 

 他にも治療術式にも使える形態もあるし、さらには今までの構成変換(コンスチチュートチェンジ)念動力(テレキネシス)系統の能力や原子変換系の能力を加えることで完成させた新たな力、自在変換(マテリアルハンド)によって、別の武器へと変化させることすらもできる。

 

 駿斗の手の中で、その武器が赤、青、黄、緑――四大属性を象徴する色に光る。

 

「まずはあいつらと合流しねえと……!」

 

 駿斗は、親友と1人の少女を目指して走る。


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