天草式の来訪
この日の4時間目の授業は、とある事情で異様に長引いた。
平凡(笑)な高校生である上条当麻や神谷駿斗を含むクラスの面子が、購買や食堂に走った時にはすでにあとの祭り。これも、日本史の授業中に当麻が放った一言『へー。じゃあもしも織田信長が織田幕府を作っていたら、日本はどうなっていたんですか?』によってすべてが脱線してしまったからである。
責任を感じた当麻とその付き添いで駿斗が職員室に赴き、ヘルシーざるそばセット580円をほおばっていた小萌先生に『なんなら調理実習室を開放してください! 上条定食を開きますから! 余り物の冷たいご飯とケチャップと粉チーズであら不思議!』と懇願するも、先生は苦笑するばかりで応じてはくれなかった。
そして、その横で豪華な海鮮丼を食べている数学教師・親船素甘や、もはや昼食とはあまり関係なさそうな肉まんを多数消費している体育教師・黄泉川愛穂のせいで、昼休みの職員室には無駄においしそうなにおいだけが充満しており、2人は自分を見失う前に職員室から逃げ帰ることとなった。
残されているのは自動販売機のジュース程度。その事実をかみしめていたのは、当麻や駿斗だけではなく、青髪ピアスや土御門、この日に限って弁当を作ってこなかった姫神や通販の健康食品が品切れ中の吹寄制理を始めとした21名。
ここぞとばかりに弁当組がおいしそうなシューマイやハンバーグをもったいぶってほおばる中、彼ら空腹同盟はついに決意した。
「脱走だ! 脱走してコンビニへ行くんだ!」
いったい誰が叫んだのかは分からないが、いつのまにか食堂&購買組の男女が円陣を組んで作戦会議を実行していた。そしてこういう時に力を発揮するのは、やはり吹寄だ。
彼女の指示と、土御門が不要なプリントの裏に描いた詳細な校内の見取り図を参考に、作戦が組み上がる。そして当麻、駿斗、土御門、青髪ピアス、吹寄の5人が実行部隊として選ばれた。
携帯電話を複数人数が同時に会話できるトランシーバーモードにして接続し、デジタル時計を秒単位で合わせる。
「――行くわよ。
パンパン! と吹寄が手を鳴らすと、彼らは蜘蛛の子を散らすようにバラバラに分かれて行く。そして、実行部隊の5人は急ぎつつも、『廊下を走っているのを見とがめられる』というイージーミスを防ぐために『早歩きにも見えない動作』で廊下を突き進む。
「この作戦は時間が勝負よ」
数人の教師を笑顔でやり過ごしながら吹寄が言う。
お昼のコンビニと言えば、圧倒的な稼ぎ時だ。折角外に出ても、コンビニの棚から弁当が消えていれば元も子もない。
彼らは下駄箱へ行って
「ようし、このまま一気に脱走するぞ!」
当麻が意気込んで駆け出したその直後だった。
ブッブー、というけたたましいクラクションの音がした。何かと思って振り返ると、そこには今ファミレスで外食してきたばかりですと言わんばかりの
彼が乗っているのはファミリー用の4ドアだが、あれは人間様のために作られた物であって、無差別級のゴリラが乗ると公衆電話のように窮屈だ。
「チッ! 教職員の車両用出入り口にも裏口が使われている可能性を考慮すべきだったわ!」
吹寄は己の失態に舌打ちする。しかし、当麻はここで思ったことをそのまま叫んでしまった。
「卑怯だーっ! よりにもよって外食かよ!? あの生活指導の筋肉猛獣、俺たちにはあんなキャパ不足の食堂で骨肉の争いをさせておいて、自分だけくつろぎ空間満喫ずみーっ!」
「バ、バカかみやん。相手にすんな! ここで捕まったらみんなのお昼はどうなるんや!」
青髪ピアスの叫びでハッとする当麻。すると、駿斗が言った。
「ああ、もう! あのゴリラは俺が引き付ける! お前ら、みんなの昼食を頼んだぞ!」
そして、ゴリラを引き付けるように近すぎず遠すぎずの距離で走り出す駿斗。彼の思惑通り、猛獣は一番手近な駿斗めがけて突進していった。
「は、駿斗ーっ!」
「行くぞかみやん! はやとんの犠牲を無駄にするわけにはいかないぜい!」
彼らは後ろ髪を引かれる思いを胸に走り出す。
一方、駿斗はゴリラとつかず離れずの距離を保ちながら逃走していた。
(そろそろ、あいつらも学校からある程度離れたか)
天使の力を『再現』している彼は無駄に強化された足を使って跳び上がると、器用に学校と外を遮る塀の上に手をひっかけ、そして体を乗り上げ外の地面に着地することに成功した。
「勝った!」
彼は勝利を確信した。回り込まれる前に距離を開けるため、駿斗は意気揚々と走り出そうとした。その直後。
ズドン! という音が背後から聞こえた。例えるなら、天から降ってきたゴリラがアスファルトに着地したような音だった。
駿斗は、後ろを振り向くことなく全速力で駆け出した。
「あの巨体で塀を乗り越えるとは、やはり
地獄の鬼ごっこが始まった。
天草式十字凄教に所属している少女、五和は彼らの高校の近くにいた。
ふわふわした羊みたいなトレーナーの上からピンク色のタンクトップを着ていて、下は濃い目のパンツ……なのであるが、パンツには巻き付くような切れ込みが入っていて、布地が捲れないように透明なビニール素材が合わせてある。学園都市最新のデザインのそれが、彼女がこの街の中にも溶け込めるように細心の注意を払った衣服の選び方だった。
天草式では、周囲と溶け込むことを第一とする。ビジネス街ならスーツだし、繁華街ならミニスカート、というのが彼らのセンスだった。
本来イギリスにいるべき魔術師の彼女が、学園都市にいる理由は2日前にさかのぼる。
今から2日前に、学園都市の上層部とイギリス清教には同じ書面の手紙が届いていた。内容は、これより上条当麻と神谷駿斗の粉砕に赴く。止める気であれば全力で臨むようにされたし……という果たし状だった。そしてその差出人が『後方のアックア』――『神の右席』の3人目だったのである。
もちろん、それだけなら偽物という可能性もあった。しかし、それとは別にイギリス清教だけに送られてきたものが、信憑性を補足していたのだ。
すなわち、『左方のテッラ』の遺体。
『それ』は最高級のビロードに美しく包まれた上で、ほのかに木の香りの漂う桐の箱に詰められて郵送されてきた。そのような高級感は敵対者に対する敬意の表れか、あるいは嘲弄か。
唯一面と向かって彼と戦った五和は、遺体の確認のために聖ジョージ大聖堂に呼び出され……そして困惑した。
原因は2つ。
1つ目は、テッラは学園都市製の兵器によって、アビニョンで焼き尽くされたはずだが、遺体の死因は明らかに腰の切断面にある。
2つ目は、その学園都市製の兵器すら凌いでいたテッラを、こうも軽々と処刑してしまった『後方のアックア』の実力についてだ。
一撃必殺。切断された傷口が、それを語っていた。
だが、そこには疑問も残っていた。
これまでの『神の右席』の2名は、いずれも搦め手を使ってきた。前方のヴェントは、当麻と駿斗に限らず学園都市のゲートを破壊して侵入し、『天罰』を使ってその警備を無力化した。左方のテッラは、アビニョンで『C文書』を使用して世界中で学園都市に対するデモを発生させた。
しかし、対して後方のアックアは一転して、古風な果たし状を送り付けてきたのだ。
そのあまりにもストレートすぎるやり方は様々な憶測を呼び、イギリス清教と学園都市は罠の可能性も勘繰った。しかし、アックアの真意は結局つかめずじまいのまま、どちらにしろ2人を狙ってやってくるというのならここで叩いておくのが最良だと思ったらしい。その結果、イギリス清教から天草式が派遣されることとなった。
天草式が学園都市に住んでいる上条当麻と神谷駿斗の護衛に来る――それはすなわち、魔術師の集団が学園都市に入ることを、上層部が容認したということだった。
科学サイドと魔術サイドの線引きを犯しかねない事態。それはつまり、『科学と魔術がラインを割ることで生まれるであろう世界的な混乱』よりも、『アックアが(恐らくは従来の「神の右席」通り「十二使徒」を3人率いて)攻めてくる』ことの方が脅威だ、と学園都市とイギリス清教の双方から判断されたということだ。
そこそこ常識と良識を持っている五和は授業中の学校に乗り込むようなまねはせず、今は彼ら2人が所属しているクラスが見える位置で待機し、放課後になってから実行する予定であった。
(……頑張らないと)
五和は自分に気合を入れる。
数日前のC文書の一件では、力量不足のために彼らを守ることができなかったのだ。当麻とは共に戦ったものの途中で意識を奪われてしまい、駿斗に至っては『十二使徒』の3人全員の相手を押し付けてしまう形となった。
その事実を払拭するためにも、今回こそプロの魔術師として民間人である上条当麻・神谷駿斗の両名には指一本触れさせない覚悟を決めていたりした。
(あの人たちは前方のヴェント、左方のテッラと、2人の『神の右席』を撃退し、その上、レビ、シメオン、ピエール、アンドレ、ジェームス、ヨハン、フィリペ、バルテルミと、8人の『十二使徒』を撃退、あるいは撤退に追い込んだという話ですけれど)
しかし、魔術というものに関わってから日が浅い彼らとは違って、自分はプロの魔術師だ。自分にも何かできることはあるはずである。
と、その時。
五和の目の前を見知った人物が勢いよく横切って行った。
「すまん、五和! どうしてここにいるのかとか、後で聞かせてくれ!」
駿斗はそれだけ言い残して、速やかに去っていく。
そしてその後ろから、何やらゴリラのような怪人が追ってくるのが見えた。
何というか、その、アクの強い洋ゲーに出てくる
どんなに強力な魔術師相手でも果敢に立ち向かってきた猛者・神谷駿斗は迷わずに逃走を選択していた。
やがて、彼女はこう判断した。
9月30日の報告書によると、どうやら後方のアックアは男性であるらしい。
(――早速現れたっ!)
五和は迅速に槍を組み立て、一気に洋ゲーへ向かって突撃を敢行した。
健康上の都合により、生活指導の災誤先生は早退されました。
「「……うはあ」」
怒涛のお昼ご飯大作戦を2人は無事に
昼休みに突如として現れた五和(槍つき)はあの猛獣にタックルを喰らわせて駿斗を守ったのだが、それは彼女の勘違いであり「あれ、後方のアックアじゃない!? ええっ、この顔で学校の先生なんですか!?」と、生徒が本人の前で口にしたらジャーマンスープレックスでも喰らわせられそうなセリフを言いながらあたふたしていた。
その後、五和は災誤先生の巨体を担いで病院へと直行してしまったため、彼は結局彼女がここにいる理由を聞かずじまいであったのだ。
「わ、私ったら、役立たずにも程があります……」
病院から戻ってきた彼女は、どーん、と真っ暗に落ち込んでいた。
駿斗としては、あの筋肉ゴリラからどうやって逃げようか決めかねていたところだったので、役に立ったかどうかで言えば確実に役に立ったと思うのであるが、五和の落ち込みポイントはどうやらそこではないらしい。
ようするに、プロが勘違いをしたとはいえ一般人を傷つけたのが許せないようなのだ。
(落石注意ゾーンで襲い掛かる岩盤を両手で受け止めた伝説があるゴリラが、一般に部類していいかどうかはすごく微妙に思えるんだけどな……)
何はともあれ、どうして魔術サイドの住人が科学サイドの本拠地を平然と歩いているのかを聞いてみることにする。
「後方のアックア、という名前は覚えているでしょうか?」
恐る恐るといった感じに話を切り出した五和の言葉に、当麻が先に答えた。
「確か、『神の右席』の1人……だよな。駿斗は9月30日に会ったんだっけ?」
「おう。ヴェントをさらわれちまったけどな」
本人の言と駿斗の感覚が正しければ、彼は『神の右席』であると同時に『聖人』としての素質を持っている強敵だ。彼がその身に宿していた莫大な力を、感じ取っていたのは少しの間であるが、駿斗は鮮明に覚えていた。
量こそ
これまでの敵とは、格が違う。
並の『聖人』を上回る力を出すことができる駿斗の
「その、アックアがどうしたって言うんだ? まさか、またどっかの外国の街で、妙なことを始めようとしているのか?」
「い、いえ。そうではなくて……」
五和はものすごく言いづらそうにしていたが、言葉を選んでからやがて言った。
「後方のアックアの狙いは、あなた方にあるようなんです」
「「は?」」
「ええと。イギリス清教と学園都市の双方に果たし状が届いているんです。そこには、数日内に上条当麻と神谷駿斗を……うーん、襲撃するから用心しろ、と」
彼女は困ったように、説明をした。そこには、まるで親が小さな子供に対してするような、刺激の強い部分をごまかす感じが見受けられる。
「2人も撃破しておいて、残りの連中も黙ってはいないと思っていたが……まさか、果たし状だとはな。随分と古風なやり方を使うもんだ」
駿斗はそんな危機感のなさそうなことを言ったが、その表情は真剣だった。
「まあ、こんなこともあろうかと、学園都市内に色々と準備をしておいた。俺の力を強化できそうなやつ。だからまあ、今は警戒を怠らないようにした方が良いか」
「しっかし、前方、左方と来て……今度は後方のアックアか」
『神の右席』は各々の立ち位置や服装の色などを、己が対応する大天使の属性に合わせている。『前方』は
そこから考えると、今回の『後方』は
「今、英国図書館の方で彼の身元を洗っていますが、今のところ、他の『神の右席』のメンバーの情報も含めて、それらしいものは何も出ていないみたいなんです」
「まあ、秘密組織の秘密メンバーだもんな」
「詳細を掴めない『神の右席』としての力はもちろん、『聖人』でもあるそうですから。
女教皇様というのは、神裂のことだ。かつては駿斗と共に本物の天使と戦って生き残ったこともある。彼女がいれば心強いのであるが、しかし、今の天草式と神裂の間には溝がある。その上、ステイルから聞いた話からすると、聖人というのは莫大な力を持つがゆえに、そうそう簡単には動いて良いものではないそうだ。
「……でも、私達にも策がないわけじゃないんです」
当麻と駿斗は、今までに絶大な力を持った『神の右席』と『十二使徒』を撃退、あるいは撤退に追い込んでいる。それはなぜかといえば、2人の実力以外に考えられる、双方に共通していることは『科学サイドからの大規模な介入があったこと』だそうだ。
左方のテッラの時には、
魔術サイドで屈指の実力を持つ『神の右席』を揺るがしたのは、科学サイドからのイレギュラー反撃であったわけだ。
「とっ、とにかく! 後方のアックアが襲って来たとしても、私が必ず守って見せます。私達も表から陰から全部ひっくるめて護衛にあたるというのがイギリス清教の命令ですから、どうぞご心配なくっ!」
元気いっぱいに言った五和だったが、今ちょっと聞き捨てならない言葉が聞こえてきた気がする。
「なあ、五和。今俺の聞き間違いじゃなければ『護衛』って言葉が聞こえたんだけど?」
「ええ。ですから護衛に来たんですよ。泊まり込みで」
天草式十字凄教教皇代理・建宮斎字は物陰に隠れたまま、双眼鏡から目を話した。
『周囲に溶け込む』ことを得意とする彼らがいるのは、小さな映画館のすぐそばだった。近くにある細い横道を視界から遮るように宝くじの売店が設置されているため、人ごみの中にあるのに人目に付きにくい、奇妙なポイントだった。
「……つまらんのよ」
そう言った建宮の言葉に、隣で雑誌を読んでいるふりをしている男、牛深も頷いた。
「五和の野郎……さっきから業務連絡ばかりで、ちっともアタックしませんね」
「まったくよな。せっかく神谷駿斗にアピールできるチャンスを与えてやったというのに、アピールを開始しないどころか、あいつ、自分の武器にも気づいていないと見えるのよ」
「なんすか五和の武器って?」
ポップコーンをほおばっている少年、香焼がそう尋ねると、建宮は傍らに置いたバッグの中からフリップボードを取り出し、クイズ番組の回答者のようにマジックペンを走らせる。
「――そう、それは『五和隠れ巨乳説』っっっ!」
クワァ! と建宮が目を見開いて宣言すると、周囲にまんべんなく展開していた初老の諫早や既婚者の野母崎といった男衆までもが、ガタガタッ! とまんべんなく建宮に食いついてきた。
そんな男衆に、建宮は自分が決行した『マッサージ大作戦』から彼女の肩こり指数の予測最大値37に対して実測値40という差が発生したことを説明する。つまり、この差、3こそが『隠れ巨乳説』の証明だ……!
そんな解説を建宮がしている中、少し離れた場所で立っていた金髪の女性、対馬がバカにしたような息を吐いた。
「……くだらないこと言ってないで、護衛対象のマークに集中しなさいよ」
しかし、そんなことをいった彼女は、男衆に自分の体を頭の上からつま先まで見られたうえでこんな言葉を受けた。
「対馬先輩って、どっちつかずで需要なさそうすよね」
「なっ!」
「如何にも。せめて胸はデカくて背も高いか、胸は小さくて背も低いか、だったらよかったものを。対馬はキャラ付けが固定されておらん。それでいったいどうしろというのだ」
口をパクパクさせている対馬の横で、建宮はさらに新しいフリップボードを取り出して、『対馬脚線美説』などという得体のしれないことを説明し始めようとする。対馬はそんな教皇代理の股間を蹴りあげて黙らせた。
「でも、いいんすか? 五和の野郎、まだおしぼり作戦続けるみたいすよ」
「確かに五和は奥手すぎる。これでは埒が明かんな……」
香焼の言葉に歯噛みする初老の諫早。そこへ仲間の女性から大ダメージを喰らって涙目になった建宮が、再び会話の主導権をもぎ取った。
「そう、五和特大オレンジ説を最大限に発揮するためには、このままではいかんのよ」
「え……特大オレンジですか!? せいぜいリンゴくらいだと思っていたのに!」
うろたえる牛深の横で、香焼は質問を重ねた。
「でも教皇代理。これって外野がわーわー言ってなんとかなる問題なんすか? 五和の奥手っぷりは、筋金入りすよ」
「ふっ、だからこそ、秘策を用意したってのよ」
ニヤリと笑った建宮が、自分のバッグから白黒のボールを取り出した。
「……サッカーボール?」
「このフィールドの狙撃手・建宮斎字がフリーキック大作戦を提案するのよな」
そんな訳で、彼はアスファルトの地面にサッカーボールを置き、傍らの数人と頷き合って2,3歩の短い助走をつける。そして、そのまま思いっきりフリーキックを放った。鋭いスピンを受けたボールは、そのまま駿斗の側頭部に激突するルートを取っていた。
――しかし、それは駿斗本人によってあっさりと弾かれた。