FAIRY TAIL転生記~炎の魔王の冒険譚~   作:えんとつそうじ

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どうも、最近お気に入りのTRPG動画を見つけたえんとつそうじです。

その名も「ゆっくり妖夢の本当に怖いクトゥルフ動画」という動画。なんとコミック化もしたほどの有名な動画で、ニコニコからは消されていましたが、youtubeではまだやっていましたのでぜひ見てみてください。(ステマ?)

さて、今回のお話ですが、まあぶっちゃけつまらないので飛ばしてくださってもかまいません。(おい)

それでも構わない方は暇つぶしにでもお読みください。

※少し最後のほう修正しました。


第二十二話 港町との別れ。そして旅は新たな舞台へ。

 有名な観光地でもある港町リオが、”貴賊”のシャルバ率いる海賊たちの襲撃にあってから既に一ヶ月が過ぎようとしていた。

 

 例の海賊たちはこの辺りでは有名で、凄腕の魔導師であるシャルバが率いているだけあり構成員の多くが魔導師で構成されており、その戦力は一ギルドに匹敵するといわれていた。

 

 なのでここいらの海賊の中ではかなりやっかいな存在として知られていたのだが、このリオに所属している警備隊が、有名な観光地を護るだけあり精鋭で揃えられていたためいくら魔導師が相手とはいえ襲撃してきた海賊の集団にも負けることはなく、また一番厄介な存在であるシャルバがある子供の魔導師(・・・)にまさかの敗北を喫したことにより、それを知った海賊の多くが逃走を開始し、そのおかげか警備隊の面々は無事に犠牲も出さずに撃退することに成功する。

 

 そして一ヶ月たち、海賊たちとの先頭によりところどころ破壊された街の復旧も順調に進み、殆ど元通りに近い状態になっているのだが、そんな街の入り口にその少年はいた。

 

 旅支度なのか年齢に対してかなり大きい荷物を手元に持つその少年の名はユーリ・クレナイ。そう、シャルバをその手で倒した子供の魔導師とは彼のことである。

 

 彼はシャルバとの戦いの後、残っていた海賊たちの残党退治を手伝い、その結果シャルバにかけられていた賞金、そしてこの町の町長から街を守護に多大な貢献を果たしたということで謝礼金を貰ったために旅の資金が貯まり、そのためシャルバたち海賊たちとの戦いで受けた傷をゆっくり癒し、そして今日楽園の塔を出てからずっと生活していたこの街から旅立とうとしているというわけなのである。

 

 街の大ピンチを防いだことにより、街の英雄として大人気となった彼の旅立ちということもありたくさんの見送りが来ており、その先頭には今までユーリが世話になった定職屋の主人であるシドウにメグ。そして楽園の塔を追い出されてから初めての同年代の友人であるルーシィとそのメイドのスペットがいた。

 

 本当はルーシィの母親であるレイラ・ハートフィリアも見送りにこようとはしていたのだが、彼女は現在重い病を患っており、そのためか今日は体調が悪く外に出れないために、見送りにはルーシィとその付き添いのスペットだけ来ているというわけなのである。

 

 見送りの面々を代表して、店を休みにしてまで見送りにきたシドウがどこか感慨深げに口を開く。

 

「――――そうか、もう行くのか」

「ええ。お世話になりました」

 

 ユーリが今までの感謝の念を込めながら頭を下げる。そんな彼の姿を見てしかしシドウは苦笑を返す。

 

「かかかか。世話になったのはむしろ俺らの方さ。海賊の親玉を追っ払ってくれたのはもちろんうちの場合は新しいメニューやら、店のマニュアル作りとかいろいろしてくれてたし」

「そうだよ?だからそんなこと気にすんのはやめな」

 

 シドウのその言葉に、彼の妻であるメグもそう答えて彼に同調する。

 

 実際、ユーリが店に来てから店の売り上げが伸び、回転効率もかなり上がったために、この2人は海賊撃退の件もありユーリに大きな恩義を感じていた。

 

 それに短い期間であったが一緒に住んでいたことにより、いつの間にか彼ら2人はユーリのことをどこか息子のように考えていた。

 

 だからこそ、彼らは慈愛の視線をユーリに向ける。

 

「仲間を探すのもいいが、気が向いたらまた顔でも出しに来い。ここはもうお前の家も同然なんだから」

「そうそう。いつでも帰ってきてもいいんだから」

「はは。ありがとうございます」

 

 2人の言葉に笑いながらユーリはそう答えると、次は先ほどから無言で俯いているルーシィへと視線を向ける。せっかくできた友達との別れに、その大きな瞳から大粒の涙を流していた。

 

「……ルーシィ」

「ユーリ。本当に行っちゃうの?」

 

 本当に悲しそうに上目遣いで見上げてくるルーシィの姿はさすがにユーリにもつらいものがあったが、しかし彼にも譲れない目的があり、そのためにユーリは心を鬼にしてぐっと堪える。

 

「ああ、俺も名残惜しいが、一刻も早く仲間たちを助けなければいけないからな」

 

 そしてユーリが思い返すのは、彼と同じく楽園の塔を追放されてしまったエルザと彼とエルザを楽園の塔から追放したジェラールの姿。エルザの行方はもちろんジェラールの豹変の理由も突き止めなけらばならないと考え、ユーリは決意を新たにする。

 

 ルーシィにもそんな彼の決意の固さはなんとなくわかっていたのだが、しかしそれでも初めての友達との別れはつらいのか、その場で少しぐずりだす。

 

「でも、でも……ッ!!」

「わかってくれ、ルーシィ。――――それにこれでお別れということじゃないだろ?」

「え?」

 

 ユーリの言葉に涙目になりながらも不思議そうに首をかしげるルーシィ。ユーリはそんな彼女の首からペンダントのようにぶらさがっている金色の鍵(・・・)へと視線を落とす。

 

 実は今回の件でユーリがシャルバと命がけの戦いをしていたことを知り、もう友達が戦っている時に何もできない自分は嫌だと、前々からレイラに頼み込んでいたらしいのだが今回の件がきっかけで、星霊魔法を習うことにしたらしいのだ。

 

 そして彼女の首からぶらさがっているのは「黄道十二門」という星霊魔法を使うために必要な鍵の中でも最も希少な12つの鍵の内の一つで、元々はレイラの持ち物だったらしいのだが、今回ルーシィが星霊魔法を習うということで、その記念として彼女から譲られたのだとか。

 

 現在のルーシィの魔力では残念ながら使用することはできないが、しかしせっかく母がくれた物だということで満足に使用できるまで、お守り代わりとして首から下げているということらしい。

 

「それに将来立派な魔導師になっていろんなところを旅したいっていっていただろう?それならいつかまた会えるだろ。な?」

「……うん、わかった!そうだよね、また会えるよね?」

「ああ!」

 

 ようやく涙を拭き満面の笑顔になったルーシィの姿を見て、ユーリも満足げな笑みを浮かべながらもその場で立ち上がった。

 

「それじゃあ、そろそろ」

「ああそうか。……わかった、元気でな?」

「ええ」

 

 そうしてユーリはそのまま歩き出そうとしたのだが、一旦その場で立ち止まり再び見送りに着ていた面々に再び向き直ると勢いよく頭を下げた。

 

「――――今までありがとうございました!!」

 

 こうして紅の少年ユーリの冒険は次の舞台へと移り変わる。

 

 だが、彼は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――実は今回の事件には裏で暗躍していたある存在がいたことに。




どうでしたでしょうか?短くて本当にすみません。本当はこの後に続く話があったのですが、内容的に分けて考えた方がいいかな?と思ったのでこの後の閑話にさせていただきました。

それでは感想や誤字脱字の報告。アドバイスなどがありましたら、ぜひよろしくお願いします。

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