FAIRY TAIL転生記~炎の魔王の冒険譚~ 作:えんとつそうじ
すいません、いまだにリアルが忙しいのですが、このままでは忘れられると思って、時間の合間に一話書いてみました。
久しぶりなのと話の区切り上、短くなってしまいましたが、それでもよろしければ暇つぶしにでもお読みください。
※後書きに原作FTのネタばれがありますので、ご注意ください。
港町リオの郊外にある倉庫街。ここには、一時的に自分たちの所有する物資や商品を預けるために、様々な人物、集団が保有する倉庫が建ち並んでいる。
そんな倉庫街の一角に、一つの古びた倉庫が存在する。
倉庫街の隅に、ひっそりと存在するその倉庫は、かつて大手の運輸会社が使用していたのだが、その会社が突如倒産してしまい、壊すのも建て直すのも手間であると、今はそのまま放置されている。
本来ならば、誰もいないはずのその倉庫に、その男たちの姿はあった。
「いやー、しかし今回の仕事は楽勝だったぜ」
「全くだぜ」
男たちはげらげらと下品な笑い声を上げながら、今回の仕事の感想を述べる。
そんな、彼らの様子に、怯えの表情を浮かべる一人の少女の姿があった。
布のようなもので、口を塞がれ、両手両足を縛られたその少女の名は、『ルーシイ・ハートフィリア』。かの大財閥、ハートフィリア財閥総帥の一人娘である。
彼女は自分を浚ってきた彼らの姿を見ながらも、思わずにはいられなかった。いったい、どうしてこうなってしまったんだろうと。
少女がこの街に来たのは、この街に彼女のうちの別荘があり、母親である『レイラ・ハートフィリア』と共に、遊びに来たのだ。
本来なら、父親である『ジュード・ハートフィリア』も共に来るはずだったのだが、仕事が忙しく、なので彼女は少しの使用人を連れて、母親と二人でこの街にやってきたのだ。
彼女は、それを残念に思っていたが、しかし、大好きな母親と共に遊べるとあって、大はしゃぎだったのだが、今日は母親の体調が悪いということで、仕方なくお小遣いでお見舞いの品でも買おうと、使用人と二人でこの街に散策にやってきたのだ。
しかし、少し使用人と離れた瞬間に、この男たちに浚われてしまい、こうしてここに囚われているというわけである。
「(本当にどうしてこんなことになっちゃったのかしら……)」
その瞳に大粒の涙を溜めながら、ルーシイは心の中でそう嘆くが、そこで彼女は、男たちの中の一人が、自分をジッと見つめていることに気づいた。
その男の視線にルーシイは嫌な予感を感じ、背筋を凍らせる。
「(な、なにあの人の視線、気持ち悪い……。まるで、父さんにいわれて参加したパーティで会った、あのおじさんたちみたいな)」
そして、そんなルーシイの悪い予感は的中することになる。
「な、なあなあ。ボスがこの街に到着するまで、このお嬢ちゃんの味見してもいいかな?」
「なんだ、お前。そんな趣味だったのか?」
「がははは、まあいいんじゃねえか?だけど、あんま激しくすんじゃねえぞ?」
「(なに?なにいっているの?この人たち……?)」
未だ、幼いルーシイは、男たちがなんの話をしているのかわからなかったが、何か、自分に対して良からぬことを考えているのは理解できる。
そして、その男は、他の男たちの同意を得られたのを感じると、懐からナイフを取り出し、ルーシイに近づくと、何が起こったかわからず、呆然と男を見ていた彼女の服を、そのナイフで切り裂いた。
「む!?むううう!むううううううう!!?」
「おいおい、大人しくしといた方がいいぜ?下手に暴れて死にたくないだろ?」
男の突然の蛮行に、ルーシイは訳がわからず、暴れ出すが、いやらしい笑みを口元に浮かべた男がそういうと、その恐怖から、体を硬直させてしまう。
「へへへへへ。そうそう、そんな感じで大人しくしときゃあいいんだよ」
そんなルーシイの様子に、男は自分のベルトに手をかけると、ズボンをずり下ろし、下半身を露出する。
「むぐうッ!?」
「うへへへへ。それじゃあ、味見味見っと」
そして男の魔の手がルーシイへと迫る。
ルーシイは、体を恐怖で小刻みに震わせながら、自分に向かって、刻一刻と迫る男の手を見ながら、心の中で助けを求める。
「(―――誰か、誰か助けて!!)」
だが、男はそんなルーシイの様子を気にすることなく、歪んだ笑みを浮かべながら、ルーシイにその手をかける―――その時だった。
「―――”炎魔の轟拳”!!」
「ぐべええ!?!」
その男が、突如炎を纏った拳に吹き飛ばされたのは。
「………む(へ)?」
ルーシイは突然の事態に、思わず呆けた声を出す。
だが、それも仕方がないだろう。危機が去ったのはいいが、このような形で助かるとは、普通誰も思わないからだ。
そして、その突然の事態に驚いたのは、ルーシイだけではない、この倉庫にいた他の男たちもだった。
「な、なんだ!?」
「何が起こった!!」
男たちは各々の武器を持ちながら、咄嗟に警戒の態勢を取る。
そして、その場にいた全ての人間は、男が吹き飛ばされた衝撃のせいで発生した土煙に視線を向ける。男を吹き飛ばした人間の正体を確認するために。
……だが、
「え?」
「な!?」
「これは!!」
煙の中から出てきた人物の姿に、ルーシイたちは驚きの声を上げる。
それは、その人物の姿が、この場にいる全ての人間が予想していた姿と、あまりにかけ離れた姿だったからだ。
「げほッ、げほッ!!やべえな、少しやりすぎたか?」
その
その人物は、その場の人物全ての視線を受け、一瞬瞠目したが、やがてこうなった原因に思い当たったのか、「あ~……」とめんどくさそうに頭の後ろを掻きながら辺りを見渡すが、やがてその視界に、ルーシイの姿を入れると、僅かな笑みを浮かべて、近くに会った大きな布を手に取ると、彼女の元へゆっくりと歩み寄る。
先ほど、男に襲われかかった影響か、ルーシイは体を一瞬硬直させる。
その人物はそれに気づいたのか、一瞬その場で止まったが、その場で跪き、手に持っていた布で、ルーシイの体を覆い隠すと、彼女の両手両足の拘束を外し、彼女の口を覆っていた布を取り外す。
「お前さんが、ルーシイ・ハートフィリアであってるか?」
「え、ええ。そうだけど……」
場にそぐわぬほどに穏やかな笑みでそういわれたルーシイは、思わず先ほどまでの警戒心を解き、その人物の言葉にそう答えると、その人物は、ルーシイの言葉に安心したのか、さらに笑みを深める。
「よかった。間に合ったようだな。俺は君を連れていたメイドの人にいわれて君を探しに来たんだ」
「スペットさんから!?」
「ああ」
スペットとは、ルーシイがこの街に来るさい、お目付役として一緒に来ていた中年のメイドのことで、その名前を聞いたルーシイは、その人物の口から、知り合いの名前が出てきたことに、安堵の表情を浮かべる。
それとは逆に、男たちはその人物の言葉を聞いて激昂する。その言葉が正しければその人物は、男たちにとって正しく敵だからだ。
「なんだと!?」
「てめえ、どこの回し者だ!」
「名乗りやがれ!!」
各々武器を構えて警戒しながら、男たちはその人物に向かって、口ぐちに言葉を叩きつけるが、その人物がルーシイから視線を外し、男たちに視線を向けると、途端に黙り込む。
その視線が、男たちを黙らせるほどの、物理的圧力を持っていたからだ。
そんな、男たちの様子が滑稽だったのか、それとも別の要因があるのか、その人物は男たちの言葉に、不敵な笑みを浮かべる。
「名乗りやがれだと?―――いいだろう。本来なら、お前らみたいな屑どもに名乗る必要はないんだが、今回だけは特別だ」
そういうと、その人物、宝石のように輝く紅眼を持つその少年は、片手に炎を纏わせながら、静かな怒りを持って告げる。
男たちに無慈悲な判決を下す裁判官である、自らの名を。
「―――俺の名前は、ユーリ・クレナイ。通りすがりの炎の魔導師だ」
そういえば、冥府の門の女王様、もとい九鬼門のリーダー格である「キョウカ」の能力がついに明らかになりましたね。
――――――
呪法「強化」
・一秒ごとに自身の力を上げる。痛覚などの単純な力以外の物も強化可能?
――――――
これを知ったとき、少しホッとしました。主人公の能力を一誠のものにしなくてよかったと。
実は、この作品は、主人公を悪魔の力を持つということで、ハイスクールD×Dの登場人物の能力を持たせることは決めていたのですが、実は主人公の能力の候補として、サーゼクスの能力のほかにも、主人公一誠の赤龍帝の力と、そのライバルであるヴァーリの白龍皇の能力のどれにしようと思ってたんですけど、今週号のマガジンで、キョウカの能力を見て、これだと赤龍帝の能力と被ってしまうから、赤龍帝の能力にしなくてよかったなあと思ったわけです。
ただ、キョウカと対になるように、白龍皇の半減を主人公の能力にしてもよかったですかね?半減なら今の主人公の消滅の能力とは違って、応用が効きそうだし。
その場合は主人公はまんま悪魔で、フェアリーテイルをずっと見守る感じのパターンにしようかな。
元冥府の門所属にして、ヒロインは初代とヤンデレ化したキョウカ。その他もろもろみたいな。
でもまあ、いろいろ妄想垂れ流しましたが、その前に資格とって就職決めないと。
………はあ。