FAIRY TAIL転生記~炎の魔王の冒険譚~   作:えんとつそうじ

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どうも、最近資格習得に就職活動にと忙しい、えんとつそうじです。


すいません、いまだにリアルが忙しいのですが、このままでは忘れられると思って、時間の合間に一話書いてみました。


久しぶりなのと話の区切り上、短くなってしまいましたが、それでもよろしければ暇つぶしにでもお読みください。


※後書きに原作FTのネタばれがありますので、ご注意ください。


第十五話 ルーシイ・ハートフィリア

 港町リオの郊外にある倉庫街。ここには、一時的に自分たちの所有する物資や商品を預けるために、様々な人物、集団が保有する倉庫が建ち並んでいる。

 

 

 そんな倉庫街の一角に、一つの古びた倉庫が存在する。

 

 

 倉庫街の隅に、ひっそりと存在するその倉庫は、かつて大手の運輸会社が使用していたのだが、その会社が突如倒産してしまい、壊すのも建て直すのも手間であると、今はそのまま放置されている。

 

 

 本来ならば、誰もいないはずのその倉庫に、その男たちの姿はあった。

 

 

「いやー、しかし今回の仕事は楽勝だったぜ」

「全くだぜ」

 

 

 男たちはげらげらと下品な笑い声を上げながら、今回の仕事の感想を述べる。

 

 

 そんな、彼らの様子に、怯えの表情を浮かべる一人の少女の姿があった。

 

 

 布のようなもので、口を塞がれ、両手両足を縛られたその少女の名は、『ルーシイ・ハートフィリア』。かの大財閥、ハートフィリア財閥総帥の一人娘である。

 

 

 彼女は自分を浚ってきた彼らの姿を見ながらも、思わずにはいられなかった。いったい、どうしてこうなってしまったんだろうと。

 

 

 少女がこの街に来たのは、この街に彼女のうちの別荘があり、母親である『レイラ・ハートフィリア』と共に、遊びに来たのだ。

 

 

 本来なら、父親である『ジュード・ハートフィリア』も共に来るはずだったのだが、仕事が忙しく、なので彼女は少しの使用人を連れて、母親と二人でこの街にやってきたのだ。

 

 

 彼女は、それを残念に思っていたが、しかし、大好きな母親と共に遊べるとあって、大はしゃぎだったのだが、今日は母親の体調が悪いということで、仕方なくお小遣いでお見舞いの品でも買おうと、使用人と二人でこの街に散策にやってきたのだ。

 

 

 しかし、少し使用人と離れた瞬間に、この男たちに浚われてしまい、こうしてここに囚われているというわけである。

 

 

「(本当にどうしてこんなことになっちゃったのかしら……)」

 

 

 その瞳に大粒の涙を溜めながら、ルーシイは心の中でそう嘆くが、そこで彼女は、男たちの中の一人が、自分をジッと見つめていることに気づいた。

 

 

 その男の視線にルーシイは嫌な予感を感じ、背筋を凍らせる。

 

 

「(な、なにあの人の視線、気持ち悪い……。まるで、父さんにいわれて参加したパーティで会った、あのおじさんたちみたいな)」

 

 

 そして、そんなルーシイの悪い予感は的中することになる。

 

 

「な、なあなあ。ボスがこの街に到着するまで、このお嬢ちゃんの味見してもいいかな?」

「なんだ、お前。そんな趣味だったのか?」

「がははは、まあいいんじゃねえか?だけど、あんま激しくすんじゃねえぞ?」

「(なに?なにいっているの?この人たち……?)」

 

 

 未だ、幼いルーシイは、男たちがなんの話をしているのかわからなかったが、何か、自分に対して良からぬことを考えているのは理解できる。

 

 

 そして、その男は、他の男たちの同意を得られたのを感じると、懐からナイフを取り出し、ルーシイに近づくと、何が起こったかわからず、呆然と男を見ていた彼女の服を、そのナイフで切り裂いた。

 

 

「む!?むううう!むううううううう!!?」

「おいおい、大人しくしといた方がいいぜ?下手に暴れて死にたくないだろ?」

 

 

 男の突然の蛮行に、ルーシイは訳がわからず、暴れ出すが、いやらしい笑みを口元に浮かべた男がそういうと、その恐怖から、体を硬直させてしまう。

 

 

「へへへへへ。そうそう、そんな感じで大人しくしときゃあいいんだよ」

 

 

 そんなルーシイの様子に、男は自分のベルトに手をかけると、ズボンをずり下ろし、下半身を露出する。

 

 

「むぐうッ!?」

「うへへへへ。それじゃあ、味見味見っと」

 

 

 そして男の魔の手がルーシイへと迫る。

 

 

 ルーシイは、体を恐怖で小刻みに震わせながら、自分に向かって、刻一刻と迫る男の手を見ながら、心の中で助けを求める。

 

 

「(―――誰か、誰か助けて!!)」

 

 

 だが、男はそんなルーシイの様子を気にすることなく、歪んだ笑みを浮かべながら、ルーシイにその手をかける―――その時だった。

 

 

 

 

 

 

「―――”炎魔の轟拳”!!」

 

 

 

 

 

「ぐべええ!?!」

 

 

 その男が、突如炎を纏った拳に吹き飛ばされたのは。

 

 

「………む(へ)?」

 

 

 ルーシイは突然の事態に、思わず呆けた声を出す。

 

 

 だが、それも仕方がないだろう。危機が去ったのはいいが、このような形で助かるとは、普通誰も思わないからだ。

 

 

 そして、その突然の事態に驚いたのは、ルーシイだけではない、この倉庫にいた他の男たちもだった。

 

 

「な、なんだ!?」

「何が起こった!!」

 

 

 男たちは各々の武器を持ちながら、咄嗟に警戒の態勢を取る。

 

 

 そして、その場にいた全ての人間は、男が吹き飛ばされた衝撃のせいで発生した土煙に視線を向ける。男を吹き飛ばした人間の正体を確認するために。

 

 

 ……だが、

 

 

「え?」

「な!?」

「これは!!」

 

 

 煙の中から出てきた人物の姿に、ルーシイたちは驚きの声を上げる。

 

 

 それは、その人物の姿が、この場にいる全ての人間が予想していた姿と、あまりにかけ離れた姿だったからだ。

 

 

「げほッ、げほッ!!やべえな、少しやりすぎたか?」

 

 

 その人物(・・・)は咳き込みながら、白目を剥いて壁に張り付いていた男を見ながら、そんなことを呟いていたが、やがて、その場の人間の全ての視線が自分に集まっているのに気付いたのか、「ん?」と後ろを振り向く。

 

 

 その人物は、その場の人物全ての視線を受け、一瞬瞠目したが、やがてこうなった原因に思い当たったのか、「あ~……」とめんどくさそうに頭の後ろを掻きながら辺りを見渡すが、やがてその視界に、ルーシイの姿を入れると、僅かな笑みを浮かべて、近くに会った大きな布を手に取ると、彼女の元へゆっくりと歩み寄る。

 

 

 先ほど、男に襲われかかった影響か、ルーシイは体を一瞬硬直させる。

 

 

 その人物はそれに気づいたのか、一瞬その場で止まったが、その場で跪き、手に持っていた布で、ルーシイの体を覆い隠すと、彼女の両手両足の拘束を外し、彼女の口を覆っていた布を取り外す。

 

 

「お前さんが、ルーシイ・ハートフィリアであってるか?」

「え、ええ。そうだけど……」

 

 

 場にそぐわぬほどに穏やかな笑みでそういわれたルーシイは、思わず先ほどまでの警戒心を解き、その人物の言葉にそう答えると、その人物は、ルーシイの言葉に安心したのか、さらに笑みを深める。

 

 

「よかった。間に合ったようだな。俺は君を連れていたメイドの人にいわれて君を探しに来たんだ」

「スペットさんから!?」

「ああ」

 

 

 スペットとは、ルーシイがこの街に来るさい、お目付役として一緒に来ていた中年のメイドのことで、その名前を聞いたルーシイは、その人物の口から、知り合いの名前が出てきたことに、安堵の表情を浮かべる。

 

 

 それとは逆に、男たちはその人物の言葉を聞いて激昂する。その言葉が正しければその人物は、男たちにとって正しく敵だからだ。

 

 

「なんだと!?」

「てめえ、どこの回し者だ!」

「名乗りやがれ!!」

 

 

 各々武器を構えて警戒しながら、男たちはその人物に向かって、口ぐちに言葉を叩きつけるが、その人物がルーシイから視線を外し、男たちに視線を向けると、途端に黙り込む。

 その視線が、男たちを黙らせるほどの、物理的圧力を持っていたからだ。

 

 

 そんな、男たちの様子が滑稽だったのか、それとも別の要因があるのか、その人物は男たちの言葉に、不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「名乗りやがれだと?―――いいだろう。本来なら、お前らみたいな屑どもに名乗る必要はないんだが、今回だけは特別だ」

 

 

 そういうと、その人物、宝石のように輝く紅眼を持つその少年は、片手に炎を纏わせながら、静かな怒りを持って告げる。

 

 

 男たちに無慈悲な判決を下す裁判官である、自らの名を。

 

 

 

 

 

 

「―――俺の名前は、ユーリ・クレナイ。通りすがりの炎の魔導師だ」




そういえば、冥府の門の女王様、もとい九鬼門のリーダー格である「キョウカ」の能力がついに明らかになりましたね。



――――――


呪法「強化」


・一秒ごとに自身の力を上げる。痛覚などの単純な力以外の物も強化可能?


――――――



これを知ったとき、少しホッとしました。主人公の能力を一誠のものにしなくてよかったと。


実は、この作品は、主人公を悪魔の力を持つということで、ハイスクールD×Dの登場人物の能力を持たせることは決めていたのですが、実は主人公の能力の候補として、サーゼクスの能力のほかにも、主人公一誠の赤龍帝の力と、そのライバルであるヴァーリの白龍皇の能力のどれにしようと思ってたんですけど、今週号のマガジンで、キョウカの能力を見て、これだと赤龍帝の能力と被ってしまうから、赤龍帝の能力にしなくてよかったなあと思ったわけです。


ただ、キョウカと対になるように、白龍皇の半減を主人公の能力にしてもよかったですかね?半減なら今の主人公の消滅の能力とは違って、応用が効きそうだし。


その場合は主人公はまんま悪魔で、フェアリーテイルをずっと見守る感じのパターンにしようかな。


元冥府の門所属にして、ヒロインは初代とヤンデレ化したキョウカ。その他もろもろみたいな。


でもまあ、いろいろ妄想垂れ流しましたが、その前に資格とって就職決めないと。









………はあ。

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