望んでないのに救世主(メシア)!?   作:カラカラ

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にじファンより転載です。多少加筆&修正をしながら更新をしていきます。


プロローグ
第01話:こうして魔改造救世主が誕生した。


 ―――まるで突然目の前に太陽が現れたかのような眩しさを感じたあと。

 

『集まったようだな。』

「え?」

 

 ―――突然声をかけられ、周囲を見回してみるが、前後左右上下共に真っ黒な空間で一切の光を感じることができなかった。

 

『どうやら意識は構成できたようだな。それではソナタの初期設定をこれから開始する。まずはソナタの魂魄規模を計測するぞ…』

「おっしゃることの意味がわかりませんが?」

『気にするな。と、言っても戸惑っていては設定できぬな。よろしい、状況を説明しよう。』

 

 ―――本来は世界に存在できる生命体は存在規模応じてはいるが、死亡と誕生の総数はほぼ一定であるらしい、従ってシステムの容量も転生数に見合った規模で製作されているそうだ。どうやら俺?という存在は一つの世界で短期間に多くの生命が失われ、その魂の輪廻転生システムが過負荷で捌ききれなくなりオーバーフローをおこした魂魄たちの融合体らしい。このような事は本来、世界大戦クラスの戦争が勃発しても起こらないはずであったが、とある次元世界で意識体が全て殺害されるという、強引な魂の数量変更事象が発生したため一気にシステムへ押し寄せた魂魄のオーバーフロー分を1つの器に押し込めて数合わせをすることにしたようだ。

 

「寄せ集めってことですか。」

『言い方は悪いがその通りだ。過去の記録によれば、寄せ集めで発生した者は【英雄】【大罪人】【聖人】【魔王】【天子】など規模こそ其々だが何らかの形で必ず歴史に名をのこしている。また、魂魄数が10,000倍以上の者は【海を割った】・【手をかざすと他人の傷が癒えた】・【世界を征服した】等、特殊な行いができた者もいる。』

「どこの厨二ですかそれ…」

 

『…どうやら自我の構成は♂型|(厨二卒業済み)で固定したようだな。で、ソナタの魂魄規模は…』

「規模は?」

『………ヨシ!ソナタの希望はなんだ?』

「規模はどうだったんです?」

『いいから希望の人生を言え。』

「はあ、取りあえず思いつくのは、【衣食住に困らない事】、【俺が愛している者たちと末永く健康に過ごす】ですね。因に連れ合いは自分で見つけますので。」

『フム。判った。【衣食住に困らない事】、【ソナタが愛している者(♀とその子孫)たちと末永く健康に過ごす。但し、♀は自分で現地調達】だな?他にも希望はあるか?追加できるのは今回限りだぞ。』

「表現が……いえ。特には思いつきませんね。」

 

『ところで、経験と成長の関係は?』

「経験を積まない成長ってあるのですか?成長に一番必要なことと思いますが。」

 

『相判った。ソナタの希望を(ソナタの存在規模に合わせて)叶えよう。』

「うん?何か副音声があったような?」

『気にするな。では転生を開始する。ソナタには世界の危機排除を期待する。「え?」では、さらばだ。』

 

 ―――俺は眩しい光に目がくらんだとたんに再び意識を手放した。

 

『逝ったか。全く、とんでもない魂魄規模を持った存在になったものだ。では奴の希望を規模に合わせた形で実現してやろう。フフフ…それにしても【末永く】と【困らない】ときたか、自分の規模を知らないからこそそう表現できたのであろうな…だが、希望を実現するためには奴は一人では手が足らぬな。ならば魂魄規模から少し抜き取って奴を導く従者を付けてやろう。殻は…従者の好みに合わせて奴の外殻を与えよう』

 

 ―――こうして俺は知らない間にとんでもない魔改造と地獄への片道切符をつかまされていた。




主人公の姿はファイブスター物語の彼ですが、中身(心と性格)はちがいます。

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