真剣で私に恋しなさい~その背に背負う「悪一文字」~   作:スペル

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お待たせしました!!
いよいよ、本選開幕です

それにしても紹介疲れた・・・・・16組は鬼畜だ
取りあえず、試合開始前まで描く事が出来ました
今回は少し見ずらい部分があるかもしれませんが、ご了承ください。自分ではこれが限界です

楽しんでもらえたら、嬉しいです!!


悠介と若獅子タッグマッチトーナメント 本選(前)

全ての予選が終了し、選手たちは各自に帰路に着いていた。長くはない、僅かな休息の時間。本選出場を決めた選手たちは、各々の想いに馳せる。だが、その胸を占めるのは、最後に見せた戦闘。そして一人の男の名。

 

――――相楽悠介

 

元々本選に出場を決めた者達の大半以上が、悠介を意識していたが今回の戦いで更に意識が変わる。

 

そしてその当事者たる悠介は、己の部屋の窓から空を眺めている。傷は川神院にて完璧に癒してもらっている。その為、明日の本選に響く事はない。

 

「………………」

 

静かに拳を見つめながら右拳を上に掲げる。その中でふと…

 

「…なんか用か?」

 

視線を部屋の扉に向けながら軽く告げると――――

 

「あちゃ~、やっぱりばれてたか」

 

「すまない。邪魔をしたか」

 

部屋の影から、燕が失敗失敗といった表情で、天衣は申し訳なさそうに現れる。天衣の言葉に悠介は「気にするな」と返し、視線を切る。そんな悠介の反応に二人は各々に胸の内より感情が湧き出る。だが、その感情に蓋をして二人は悠介の背を見つめる。

 

「いよいよ明日だね」

 

「…そうだな」

 

あらゆる想いを込めて発せられた燕の言葉に、悠介は簡単な言葉で返す。

 

「ねぇ……悠介君」

 

「なんだ」

 

「私…負けないよ。絶対に勝つから」

 

それだけ告げて燕は部屋から去る。本当は色々言いたいこともあるのだが、それ以上はダメだと思い言葉を呑みこむ。

燕が去ったあと、悠介と天衣の二人は何も言わずに沈黙が支配している。

 

「…………悠「なあ、天衣」な、なんだ!!??」

 

沈黙を破らんと天衣が言葉を発しようとした瞬間、悠介が先に口を開く。いきなり名前を呼ばれ、驚く天衣。その反応がおかしいのか、少し悠介は笑みを浮かべる。その事が恥ずかしく天衣は頬を朱色に染める。

 

「そそんな事より、一体なんなんだ?」

 

流れを切ろうと天衣が改めて悠介に問う。問われた悠介は、視線を天衣に向けずに――――

 

「明日、全部が決まるんだよな」

 

ただ一言告げる。よく見れば、体が僅かに震えている。その姿に天衣は、どこか納得した様な複雑な表情を見せる。

 

「怖いのか?」

 

「ああ、スゲェ怖い」

 

何処か核心ある天衣の問いに悠介は肯定を示す。

 

「現状で持てる限りのベストを尽くした(・・・・・・・・)。だから、ちょっと怖えぇ」

 

そこで一度言葉を切る悠介。そして天衣の方に身体を向け、拳を握った右拳を見ながら――――

 

「でもどっかで楽しみにしている俺がいる」

 

相反する感情を告げる。その言葉に天衣は、満足した様な表情を見せる。初めての大一番。そしてその先にある目標。そう言ったプレッシャーがある中で悠介は楽しみ(・・・)だと告げた。

 

――――悠介…君はもう立派な武人だよ(・・・・)

 

その成長を感じ、天衣は――――

 

「悠介。明日は勝つぞ」

 

ただその思いを告げる。その言葉に悠介は不敵な笑みを浮かべ――――

 

「当然!!」

 

拳を天衣の方に向けて答えた。

 

 

夜が明ける。運命を決する、様々な想いを抱く若き獅子たちのぶつかり合いが幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

朝。悠介たちは普段通りに居間に集まり、朝食を食べている。

 

「あっ!みんな。見て見て、昨日の試合の事テレビでやってるよ」

 

「本当だ」

 

「なんたってスポンサーが九鬼だからね。注目度も段違いなんじゃないかな」

 

久信の言葉に燕と天衣の視線はテレビに向けられる。そこには龍造寺と雪広アナがお互いのベストラウンドを3位から紹介している。

運すら味方に付ける戦術を見せる戦い。男同士の友情を見せる戦い。力と速さにぶつかる戦術の戦い。太陽の子を切り伏せる英雄の戦い。

そして偶然なのか必然なのか、一位は被った。それは――――

 

『やはり一位はこの戦いだな』

 

『はい。私もこれ以上の勝負はないと思いました』

 

『そうだろうね。武人として言わせてもらっても、此処まで信念をぶつけ合う勝負は滅多にない』

 

悠介と石田の対決。そこから色々と話題が弾んでいる。

 

「いや~すっかり時の人だね」

 

テレビを見ながら話題の人である悠介は見るが、当の本人は関係ないと言わんばかりに箸を進めている。その姿に燕は面白くないといった表情を見せる。そんな燕の顔に天衣は苦笑を零し、久信は面白そうに笑みを浮かべている。

いつもと変わらない松永家の日常。されど、その輪も数時間後には凌ぎ合う敵となる。

 

そして多くの出場者たちが住まう島津寮でも、悠介の戦いをテレビで見て、改めて決意を新たにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横浜スタジアム。昨日に続き、その戦いの舞台となるその場所には、既に満員の観客が今は今かとその時を待ちわびている。

そしてそれは此処にいる観客だけではない。日本のトップが、某国のトップたちが、歴史ある傭兵集団が、伝説の軍隊の将たる中将が、異国にて仕事に励む九鬼の猛者がその時を待ちわびている。

 

そして開幕の時を知らせる様に闘技場の中心に一人の執事が現れる。

 

「皆さま。大変長らくお待たせしました。若獅子タッグマッチトーナメント本選開幕でございます」

 

瞬間、観客たちのボルテージが跳ね上がる。

 

「私は此処横浜で執事をさせて頂いております、田尻耕(たじりやすし)でございます。今回は地元開催故のゲストとして本選での審判をさせていただきます。最後までご付き合いの程、宜しくお願いいたします」

 

立派な髭を生やした執事通称大佐。彼の紹介が終わると――――

 

「さて解説は昨日に続き、みんなのアイドル川神百代と…」

 

「西の雄天神館は十勇士の石田三郎だ。宜しく頼む」

 

「予選で惜しくも落ちた奴を解説補者に付けようと思ってな。昨日の試合を見たら、お前しかいないだろうと思って呼んでおいた。ちょうど、十勇士も何人か出ているからな」

 

「ふむ。紹介感謝する。ここならば、戦いがよく視える(・・・・・)からな」

 

「お前もどん欲だな。まあ、それがいいんだが」

 

解説役の二人が紹介を告げる。そして百代から再び大佐にバトンが渡される。

 

「そして試合の流れ弾より、皆様をお守りする壁越えの男たちを紹介します。予選と同じく強さの壁を乗り越えた一騎当千の猛者たち」

 

「ほいほい。ワシ川神院総代鉄心じゃ。今日も宜しくの」

 

「川神院師範代ルーダヨ。みなさん、今日も楽しんでネ」

 

「天神館館長鍋島だ。安心して試合を楽しんでくれ」

 

「名乗るほどの者じゃあないんですが…まあ、給金分は働きますよ」

 

偶然か必然か悠介の師たる四人がその場に揃う。誰もが楽しみを目的を持ちながらも、片隅にある存在を引っ掛けている。

 

「次世代を担う、若き獅子たちの咆哮が聴きたいか――――!!!!」

 

スタッフの紹介を終えた大佐が観客たちへと問う。その言葉に観客たちは熱狂をもって答える。

 

「それは私も同じであります。それではトーナメントを戦う、選ばれし16組の入場です!!」

 

その言葉と共に、最初に姿を現したのは――――

 

「英雄再臨。現代最高の鷹を従えて、新たな歴史の一ページを作らん。優勝候補の一角。源義経と椎名京の源氏紅蓮隊だ――――!!」

 

「その名に恥じぬ様に精一杯に頑張るぞ!!」

 

「私の仕事は文字通りの援護射撃あるのみ」

 

―――――『源氏紅蓮隊(げんじぐれんたい)

 

「続いての登場は、筋骨隆々こそが起源にして頂点。原始なる力をもって頂点を掴む。長曾我部宗男と島津岳人の400万パワーズだ――――!!」

 

「俺の強さと四国の素晴らしさをしかと見せてやるぞ!!」

 

「俺様に惚れた女子がいたら、いつでも連絡待ってます」

 

――――『400(まん)パワーズ』

 

「両方とも日本でも指折りの名家出身。その技と格闘技は最早完成されている。黛由紀恵と武蔵小杉のザ・プレミアムズだ――――!!」

 

「この絢爛な場こそ、プレミアムな私の実力を示すにふさわしいわ」

 

「お、おおおお友達も…ぼ、ぼ募集しています」

 

――――『ザ・プレミアムズ』

 

「どんな敵だろうが射貫いて見せる。天高く舞う鷲の一撃を見よ。那須与一と葉桜清楚の桜ブロッサムだ――――!!」

 

「足手まといにならない様に、全力で頑張ります。頑張ろうね、与一君」

 

「チィ…こんなデカい大会だと、奴らが攻めてきた時に守り切れんぞ」

 

――――『桜ブロッサム』

 

「何でもあり。ルール無用。なれば忍びの土俵成り。福本郁郎と鉢屋壱助の無敵童貞軍。なんと、予選は全て不戦勝」

 

「己の役目。しかと果たせて見せよう」

 

「写真も優勝も俺にはできる」

 

――――『無敵童貞軍(むてきどうていぐん)

 

「正体不明。しかし参加資格は満たしている。お前らは一体誰なんだ。名前不明のミステリータッグチーム――――!!」

 

「………………………」

 

「………………………」

 

――――『ミステリータッグチーム』

 

「戦を知る軍人こそが、戦場の頂点。優勝なんてイージーオペレーション。マルギッテ・エーデルバッハとクリスティアーネ・フリードリヒの大江戸シスターズだ―――!!」

 

「自分とマルさんの実力を見せてやるぞ!!」

 

「全力で狩りにいくので、そのつもりで」

 

――――『大江戸(おおえど)シスターズ』

 

「でぇかぁあい…胸が。全てにおいてド迫力。優勝候補最有力の武蔵坊弁慶と板垣辰子のデス・ミッショネルズだ――――!!」

 

「宜しく。元ネタは…想像に任せるよ」

 

「うぅ~眠いけど頑張るぞ~~~」

 

――――『デス・ミッショネルズ』

 

「己の強さを示す機会は此処にあり。不死川心と榊原小雪のK・Kインパルスだ――――!!」

 

「にょほほ。此方の美しい投げ技を見るのじゃ」

 

「僕たちの戦いは此処からだ~~~!!」

 

――――『K・Kインパルス』

 

「頂点は常に王のモノ。己の器を証明するために、王自ら従者を従え戦場へやってきた。九鬼英雄と井上準のフラッシュエンペラーズだ――――!!」

 

「ふはははは。我に遠慮せずにぶつかって来い庶民どもよ。我は逃げも隠れもせん」

 

「遠慮してほしいね。護る身としては堪えるぜ」

 

――――『フラッシュエンペラーズ』

 

「川神の裏の街の女王が下僕を引き連れ参戦。板垣亜巳とクッキー2のアーミー&ドックだ――――!!」

 

「ひと稼ぎするチャンス。食らいつくまでさ。行くよ、豚」

 

「くぅっ…公衆の面前でマゾ呼ばわりとは…屈辱」

 

――――『アーミー&ドック』

 

「街で磨かれた喧嘩殺法と歴史ある武術のコラボ。川神一子と源忠勝のチャレンジャーズ

だ―――!!」

 

「オッス!!優勝目指して勇往邁進よ」

 

「俺は一子のサポート。…出来る限りやってやるさ」

 

――――『チャレンジャーズ』

 

「疾風と爆炎。大会に熱い嵐を巻き起こせるか。風間翔一と大友焔のファイヤーストームだ―――!!」

 

「西方十勇士大友ぞ。西の気骨を見せてやる。大友の名をよく覚えておけ!!」

 

「運命は俺の味方。やってやろーじゃねぇの」

 

――――『ファイヤーストーム』

 

「このときに限りその職を忘れ、獰猛な虎として戦場を駆ける。ステイシー・コナーと武田小十郎のワイルドタイガーだ―――!!」

 

「うらぁぁぁ!!揚羽様…頑張ります!!!」

 

「へへへ。大佐お久しぶりじゃないか」

 

――――『ワイルドタイガー』

 

「強さの形は一つじゃない。対策と粘りで優勝目指す。松永燕と直江大和の知性チームだ―――!!」

 

「はーい。仲良く楽しく楽しみながら、一生懸命に頑張ります」

 

「チームの勝利に少しでも貢献したいと思います」

 

――――『知性(ちせい)チーム』

 

「さあ、いよいよ最後のチームの登場です。最速の武人と共に頂点へと殴り込む。前日の激闘は記憶に新しい。相楽悠介と橘天衣の赤報隊だ――――!!」

 

「私にできる限りを尽くすぞ」

 

「めんどくせぇのはたったと終わらせて、さっさと始めようぜ」

 

――――『赤報隊(せきほうたい)』以上16組が現れる。

 

「こうしてみるとそうそうたる面々だな。あの場に立てないのが、悔しいぐらいだ。というか、一組おかしいのがいないか?」

 

「まあ、こういう展開にはお約束なんじゃないか」

 

若き面々の登場に会場のボルテージは更に上がってゆく。そして何より顔見知りの多くいる川神学園の面々のテンションはより上がってゆく。

 

「参加者の法則にお気づきでしょうか、皆さま?そう!そのほとんどが川神市内に住んでいる人間なのです」

 

「外国人の選手たちはくじ運が悪かったからな~~」

 

「あと、なぜか会場に現れなかったという…まあ少し情けない面もあるがな」

 

「まさかここまで川神に染まるとは……情けねぇ」

 

「年齢制限のせいもあるじゃろ。世界でも名をはせる格闘家の皆さんのほとんどが25歳以上じゃからな」――――まあ、ある意味で次世代の四天王を選ぶために腰を据えれるのぉ

 

「こういうと強運というのは厄介なパラメーターだな。本選出場の何人かはそれにあたりそうだな」

 

「まあ、運も実力の内というしな」

 

「厄介なものだ…運というのは」

 

「それではトーナメントの組み合わせに移りましょう。巨大モニターにご注目を」

 

大佐の言葉と共に全員の視線が巨大なモニターに向けられる。そして瞬間、そこにトーナメント表が映し出される。

 

 

<知性チーム>VS<デス・ミッショネルズ><チャレンジャーズ>VS<フラッシュエンペラーズ>

 

<ザ・プレミアムズ>VS<桜ブロッサム><ミステリータッグ>VS<K・Kインパルス> 

 

<源氏紅蓮隊>VS<アーミー&ドック><400万パワーズ>VS<無敵童貞軍>

 

<ファイヤーストーム>VS<大江戸シスターズ><ワイルドタイガー>VS<赤報隊>

 

映し出されるのは、コンピューターが無差別に組んだ組み合わせ。

 

「ほぉ。これはだいぶ偏ったな」

 

「ああ、まさかクローン組が集まるとはな」

 

解説役の二人が映し出されたトーナメント表に軽く解説を入れる。同じく選手たちもそれぞれの反応を見せる。

 

「げぇ!!」

 

「あちゃ~これは…くじ運なさすぎるね」

 

「なっ!なんと、初戦の相手は一子殿ではいないか!!いきなり最愛の一子殿と闘う事になるとは…我は悲しい」

 

「あぅ…九鬼君か……誰だろうと全力は当然なんだけど」

 

「まあ、やりずらいだろうな」

 

「主と同じ組か…まあ、ベスト4なら十分でしょう」

 

様々な反応を見せる選手たち。そして肝心の悠介はというと…

 

「チィ」

 

「あははは。普通は逆じゃないのか」

 

不満そうに舌打ちを零す。その姿に天衣は真意を理解し、乾いた笑みを浮かべている。そんな中で再び大佐がマイクを使う。

 

「え~これが()のトーナメント表となるわけですな」

 

仮。その言葉に誰もが首を傾げる。そんな疑問に答える様に大佐は更におと場を続ける。

 

「本選開始は、今から一時間後。しかし開始30分前までに、互いの了承があれば組み合わせの変更を認めます」

 

その言葉に反応する面々。特に反応を見せるのは、燕と悠介の二人。

 

「そういう事だから、組み合わせの解説は正式なものになってからだな」

 

「まあ、そう簡単には変わらんと思うが…現状に満足していない輩がいるからな。どうなるか楽しみだ」

 

「さて、正式な組み合わせ発表までの間、皆様が退屈せぬように、鉄心さんや鍋島さんの拳舞を御覧に入れましょう」

 

「やれやれ、この仁王と呼ばれた俺が前座とはな…贅沢なもんだぜ」

 

「ぼやくな。九鬼からたんまり礼金出るじゃろ」

 

選手たちが控室に戻ると同時に鉄心と鍋島が闘技場のステージにて拳舞を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闘技場で拳舞が披露されているなさか、選手たちの控室は意外にも和気あいあいとした空気となっている。旧知と親交を交わす者。普段通りに話し合う者とあまり殺伐とした空気は感じない。

その中で大和は冷静に選手たちを見渡している。そしてこっそりとその場を離れると、燕のいることろに向かう。

 

「あ!大和君。どうだった?」

 

「ダメですね。義経や弁慶たちは動くつもりはないみたいで…ほかのメンバーも変えようとは思っていないみたいで」

 

すまなさそうな大和の言葉。前日の予選では何もできなかった分、本選では少しでも力になりたいと思っていた分、落胆は大きい。しかし―――――

 

「ううん。それが確認できただけでも十分だよ」

 

予想に反して燕は笑みを浮かべる。その事に疑問を持つ大和だが…

 

「と言う訳だから、こっちの心配もなくなったし問題ないよ」

 

燕が振り向きその言葉を告げる。大和が視線をそちらに移せば、そこには悠介の姿。

 

「サンキュー助かるぜ」

 

「いいよ。こっちにはメリット大きいし」

 

軽く会話をし、その場を離れる悠介。話から察するに組の変更は成功したようだ。全く理解できないその変更に大和は、その背を見るしかできなかった。

 

そして一方で――――

 

「あん?なんだお前たち…なんか用か?」

 

「………………」

 

動く組がもう一つ。そして時が過ぎ――――その時が幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして開会式から30分が経過し、再び大佐が闘技場に現れる。

 

「皆さま。お待たせいたしました。こちらが正式なトーナメント表となります」

 

大佐の言葉と同時にモニターに再びトーナメント表が映し出される。

 

<赤報隊>VS<デス・ミッショネルズ><ミステリータッグ>VS<フラッシュエンペラーズ>

 

<ザ・プレミアムズ>VS<桜ブロッサム><チャレンジャーズ>VS<K・Kインパルス> 

 

<源氏紅蓮隊>VS<アーミー&ドック><400万パワーズ>VS<無敵童貞軍>

 

<ファイヤーストーム>VS<大江戸シスターズ><ワイルドタイガー>VS<知性チーム>

 

 

「ほお。四組動いたか。予想していたより、多く動いたな」

 

「片方は順当だったが、ミステリータッグが動いたのは予想外だな」

 

「一回戦の大注目カードは、やはり第二試合の剣聖の娘と英雄の戦い。そして何より…」

 

「いきなり優勝候補最有力とぶつかる…いやぶつかりに行った(・・・・・・・・)、相楽達に注目だな」

 

「ああ、悠介の奴。動くと思っていたが、こうも予想通りに動くとはな」

 

解説役の二人がトーナメント表に対する解説と注目カードを紹介する。そして示されたトーナメント表に選手たちも思いをはせる。愛する者のために戦わんとする者。やる気を充実させる者。不敵な笑みを浮かべる者。暗躍する者。意識を切り替える者。

 

そして遂に、開会式から一時間が経ち―――――

 

「それでは早速まいりましょう。一回戦、第一試合『赤報隊(せきほうたい)』VS『デス・ミッショネルズ』!!」

 

若き獅子たちの戦いが幕を開けた。




如何でしょうか?
こういう流れとさしてもらいました
改めてみると、厳しくね?

あと報告なのですが、悠介以外の試合は軽く流すつもりです
描くとなると、負担がヤバいので、すみません

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