真剣で私に恋しなさい~その背に背負う「悪一文字」~   作:スペル

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お待たせしました!!
創作時間と意欲が削られてなかなか進まなかったのですが、どうにか書けました
結構単純で中身無い文となっていると思うのですが、ご了承下さい。





悠介と水上体育祭 その1

休み明け、川神市某浜辺。そこに、川神学園の生徒達は集まっていた。

 

「水上体育祭開幕だぜ―――――ッ!!」

 

そう本日は、水着が乱れ舞う水上体育祭。開始前から、男達のテンションはMAXだ。そんな中でも悠介は、眠たそうにしている。どうやら前日夜遅くまで修行していたようだ。

そんな悠介に迫る影が一つ。

 

「よう、悠介。どうだ?私の水着姿‥‥じっくりとねっちょりと見てもいいんだぞ」

 

自分の豊満な体を見せつける百代。肝心の悠介は、全くもって反応しない。

 

「あ~~、暑苦しいからよ。離れてくれ」

 

「なっ!!こんな美少女が見てもいいと言ってるのに…何だその反応はッ!!」

 

「うるせえ…昨日遅くてねみぃんだよ」

 

「む~~」

 

良いようにあしらう悠介に百代は、がばっ!と抱き付く。

 

「うおっ!!抱き付くんじゃねえよ」

 

「聞こえな~~い」

 

薄い水着越しから伝わる感触。しかし、この暑さの中では辛い事この上ない。しかし、百代はそれには気がついていないのか、笑みである。

そんな光景を野郎どもが嫉妬の視線を向けているが、当の本人たちは全く気にしていない。

 

「つか、そろそろ開会式だろうが!!いい加減自分のクラスに戻れよ!!」

 

「いやだ~~」

 

「直江、一子!!お前らの姉貴がウザイ!舎弟と妹なら、助けろ!!」

 

悠介の懇願。しかし、それに答えたのは二人ではなく

 

「モモちゃん。そろそろ戻るよ」

 

「燕か‥‥わかったよ」

 

同じクラスだった燕だった。燕の言葉に渋々頷き、悠介から離れる。

 

「助かったわ」

 

「ふふん。貸し一だよ」

 

「それが無かったら、最高だったのによ…」

 

悠介の耳元に囁かれた言葉に、開始前から悠介は疲れた様にため息を吐いた。

 

 

さまざまな欲望を絡みながら、いよいよ水上体育祭開幕ッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順調にプログラムが消化される中、悠介の出番。プログラム『水上丸太走り』が始まる。

ルールは、海の上に置かれた丸太の上を落ちずに走り切ると言うモノ。

 

「おお、いい感じで盛り上がってるじゃねえか」

 

自分の順番が来るまで、悠介は自陣の場所で他のメンバーを応援している。

 

「そう言えば、悠介は何でこの競技に出ようと思ったんだ?」

 

「いや、体幹を鍛えれるなと思ってな」

 

「なるほど…そう言う考え方もあったのね」

 

「まあ、そう言う事だ」

 

クリスの言葉に悠介は答える。ワン子は、悠介の言葉に体育祭のそう言った面がある事になるほどと言った様な表情を見せる。

 

「おっ!直江が走る番か」

 

「大和---頑張って――――ッ!!」

 

「‥‥椎名の奴はブレねえな」

 

大和の番と言う事になり、京のテンションが上がる。その光景に悠介は、ある意味尊敬の感情を見せる。

結果は

 

「うおっ!」

 

「あ、落ちたわ」

 

「ゆっくり行き過ぎたな」

 

丸太の動きに注意しすぎて、海に落ちてしまう。

 

「失敗した大和も素敵」

 

そんな大和の姿を見て京がそう呟く。

 

「そろそろ出番だな。行くか」

 

「頑張ってね!!」

 

「敗けるなよ!!」

 

クリスと一子の応援をに対して手を振り答える悠介。

 

「負けんじゃねえぞ!!」

 

「普段はムカつく奴だが、こういう時ほど頼りになるな、モロ!!」

 

「…ガクト」

 

応援とは言えないガクトの言葉にモロは、呆れた表情を見せる。何気に声援を送ってくれるので、悠介のやる気が上がる。

そして最後にゲンが、小言で

 

「負けんなよ」

 

声援を送る。ほぼ全員からの声援に悠介は、手の平に拳をぶつける。

 

「任せろ」

 

そうして悠介の番が来る。相手は、陸上部など運動系の男子たち。しかし最も注意すべき相手は

 

「ユキ。頑張って下さい」

 

「無茶だけはすんなよ――」

 

「ふぉーい」

 

二年S組の榊原小雪。

 

「おお、何気に一番の激戦区じゃねえか」

 

二次元ラブの大串スグルの発言に誰もが同意する。

 

「それでは、位置について…」

 

ルーの発言に選手達は、ゆっくりと走る準備を整える。

 

「よーい、ドンッ!!」

 

その合図と共に、一斉に走り始める。

 

「お!いいスタートダッシュ!!」

 

「やったわ!!トップよ」

 

「凄いな、全然身体がグラついていないぞ」

 

「それだけ体幹を鍛えていると言う事だな」

 

誰もがトップを取った悠介を応援する中、肝心の本人は

 

―――思ったより足をとられるな、これ

 

波よって動く不安定な足場に舌を巻いていた。こう言った場所では滅多に修行が出来ないのだ。

 

―――こう言ったチャンスをチャンスをモノにしねえとな

 

更に意識を身体に向ける悠介。そんな悠介の後方から

 

「待て待て―――」

 

「チィ。やっぱ、そう簡単にトップは獲れねえか」

 

小雪が猛スピードで彼に迫る。

 

「あわ!榊原さん…凄いスピードです」

 

「ユキの奴は、テコンドーをかじっているんで、体幹が鍛えられているんですよ。委員長」

 

「って、なんでおめえが居るんだよ。井上」

 

「ふぅ‥‥委員長の悩みに答える為ならば、俺は敵味方の枠を超えるのさ」

 

甘粕の質問に何処からか現れた準が答える。そしてそんなやり取りの間に、悠介と小雪がトップを争うに走る。

 

「他のメンバーは争いからは脱落してんな」

 

スグルの言う通り、他のメンバーは完全にトップ争いから脱落している。

 

「でもギリギリ悠介のリードしているぞ」

 

クリスの言う通り、僅かに悠介がリードしている。

そしてそのままに

 

「よっしゃッ!!」

 

「あ~~あ。敗けちゃった~~」

 

悠介がトップでゴールする。

 

「よし!!よくやった、相楽」

 

「おう、お前次だろ。勝てよ」

 

「おうよ。風は何人も捕らえられねえぜ!!」

 

次に走る風間にエールを送り悠介は自陣に戻る。

 

 

 

『水上丸太走り』からプログラムも順調に過ぎていき、現在『水上借り物競争』

ルールは、普通の借り物競争と同じ。

 

「これって結構得点高いから、頑張ってほしいな」

 

悠介の言葉通り、何気に午前の部の中では一番得点が高い。

 

「お!清楚先輩だ。ヤバイ、水着姿ですら清楚だぜ―――ッ!!」

 

「何つうか、テンションの差がスゲェな」

 

清楚の登場にクラス学年を問わず野郎どものテンションが上がる。その姿を悠介は、一部の男子と一歩下がって見ている。

 

「ホント、男ってバカ」

 

小笠原の言葉は、たいていの女子達の想いを代弁していた。

 

「うん?清楚先輩…こっちに近づいて来てねえか?」

 

ガクトの呟き通り、清楚がF組の自陣に近づいてくる。

 

「ごめんね。悠介君いるかな?」

 

近づいて来た清楚は、悠介の名前を出す。自分の名前が呼ばれ、戸惑いながらも清楚の前に出る。

 

「なんすか、先輩」

 

「えっと、借り物のお題が、名前にヤ行のある後輩なんだけど‥‥悠介君なら、それに合うから来てくれないかな?」

 

顔を僅かに赤らめながら上眼遣いで見て来る清楚。その余波で、ガクトを始めたF組の男子たちがノックアウトとする。

肝心の悠介は、ボリボリと頭を掻きながら、すまなそうに告げる。

 

「すんません。手伝いたいのは、山々何ですけど…軍が違うので」

 

「あ!そっか…そうだよね」

 

悠介の言葉に清楚は残念そうに顔を見せる。それがとてつもなく居心地が悪い。

 

「えっと、義経もそれに合うからそっち行けば、いいんじゃねえんじゃねえんすか?つか、そもそも何で俺が一番に出たんすっか?」

 

「え…えっと、その…ごめん!!今すぐ、義経ちゃんのとこ行かないと!!本当にごめんね」

 

「まあ…いいすっけど」

 

悠介の言葉に戸惑いながら答えを濁し、Fの自陣から去る。その姿を見送った悠介は、深く息を吐き、身体を回し…

 

「死ねぇぇッ‥ぐはっ」

 

襲いくるガクトを沈める。

 

「島津ってバカでしょ」

 

「ガクト!!俺はお前の気持ちがよくわかる…だから俺はお前を称えるぜ!!」

 

「はあ、勘弁してくれよ」

 

「大変だな」

 

悠介を労わる様に、ゲンが肩に手を置いた。

そして遂に二年の番が来た。

 

 

「さて、俺も頑張るか」

 

「頑張ってね、悠介君」

 

「これで一着になればトップと並ぶ。勝てよ、悠介」

 

「おうよ」

 

声援を受けながら悠介は、スタートラインに立つ。

 

「位置について…始メッ!!」

 

ほぼ完ぺきと言えるスタートダッシュで一番に借り物が書かれた紙の所まで来た悠介。そして一枚を選び、お題を見る。

そこに書かれていた内容に悠介の表情が無に変わる。

 

『水着美少女の写真十一枚(スク水限定)』

 

相楽悠介。最大のピンチ?




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