真剣で私に恋しなさい~その背に背負う「悪一文字」~ 作:スペル
まだ、修正も終わってないのに大丈夫かな?
今回は、百代との戦闘回です。
皆様の期待に添えれるか疑問ではありますが、楽しんでくれたら嬉しいです。
果たしてどうなるか?
突如として始まった、川神百代と相楽悠介の勝負。当然だが、周りに居た生徒達は驚愕と困惑を覚えたが、直ぐに誰もが悠介の敗北を想像した。
それはこの橋で何度も繰り広げられた光景が故の確信。だからこそ、誰もがその光景を信じられなった。
当事者である二人を除いた、あちゃーと言うように頭を叩いた少女とやれやれと深い溜息を吐いた老人の
二つの拳がドン!と鈍い音を立てると同時に、彼らにとっては驚愕の光景が映りこむ。
「うそだろ!!」
「ありえん」
「お姉様が力負けした…」
一子の言葉を裏付ける様に、激突した両者の内、百代だけが僅かに後ろに後退する。これが逆ならば、誰もが驚きの声を上げ相手を賞賛しただろう。しかし目の前で起きたのは真逆である最強の存在が後退するというあり得ない事実。それはある意味合ってはならない光景だ。学園に通う誰もが最強と認める存在が後退するという事実を、誰もが受け入れられずにいるなかで、そんな事知った事か言わんばかりに、二人は戦いを続ける。
「ッ!?」
「休ませねえぞ!!」
「はっ!誰が休むか!」
自身が力負けした事に驚愕した百代に、追い打ちを仕掛けるように悠介は左の拳を放つ。しかし百代も直ぐに意識を切り替え、放たれた悠介の拳に自分の拳を放つ。
ダン!と甲高い音が辺りに響く。一瞬の硬直。二人は、すぐさま行動を起こす。
「おらぁ!」
「はあっ!」
悠介の右拳が百代の回し蹴りが、同時にお互いの身体に激突する。
「ちぃ!」
「ぐぅ!」
お互いに苦悶の声を漏らすが、決して動きは止まらない。否、止めてられない。
悠介は回し蹴りを放った百代の足を掴んで、そのまま投げようとする。しかしその動きを察した百代も残りの足でカウンター気味に悠介の顔面に蹴りを放つ。
「てぇな」
「マジかっ!!」
無防備に百代の蹴りが直撃し、バチン!と乾いた音が周りに響く。その一撃が大の大人すら容易く吹き飛ばす位置であるが、悠介の行動は止まらない。そのまま百代を投げ放つ。更に投げ終わると同時に、即座に地面を蹴り百代の元に駆ける。
駆けだした悠介は、百代が地面と激突したと同時に自分の拳を振り抜く。
「だぁ!」
だが、その拳が百代に通る事は叶わなく。ズン!と鈍い音を立てながら地面に激突した。
空を切った拳が辺りに土煙をうむ。
「なっ!何処だぁ!?」
百代の姿が消えた事を確認すると同時に辺りの気配を探るが、僅かに硬直した時間は悠介にとっては致命的すぎた。
「川神流 無双正拳突き!!」
悠介の右後方に現れた百代は自分が最も得意とする正拳突きを放つ。奥義にまで昇格したその一撃は正に必殺。その事実放たれた拳は、百代が多くの敵を倒してきた一撃だ。
だが、その必殺の拳を受けた悠介は…
「ぐぅ!」
苦悶の声を上げ、ザザと後退しながらもその身一つで受け止めてみせる。
「モモ先輩の一撃に耐えた!!」
その光景を見たクリスの驚愕の言葉に同意するように、周りに居る全員の顔が驚愕で染まっている。。それほどまでに、信じられない光景が連続として彼ら彼女らの前に繰り広げ続けている。
「止まってんじゃねんぞ」
「しまっ!!」
ガシィ!と自分に打ち込まれた腕を掴んだ悠介は腕を引き寄せて百代に頭突きを放つ。ガン!と鋭い頭突きを喰らった百代だがただでは倒れない。よろめきながらも、右拳を悠介に向かって打ち込む。
体勢が崩れて放った一撃であるが、並の武芸者なら問答無用で沈める威力を秘めている。しかし悠介には、あまりに軽すぎるはずだった。
だが、百代の拳を受けた悠介がよろめく。
百代の一撃は、悠介の腰に直撃した。頭突きをした事で重心が前に乗っていた悠介にとって、体幹の中心と言える腰への攻撃は、悠介をグラつかせるには十分だ。
そして、その一瞬を百代は見逃さない。
「致死蛍」
キラキラと夜に光る蛍の光の様に輝く気弾が悠介に直撃する。煙が上がる中、百代は静かに拳に気を集める。その行為は、信頼ゆえの行為。この程度では、あの男は、悠介は倒れないと言う絶対の確信。
百代の決断が正しかった事を、証明するように煙が渦を巻き始める。
「まだだぁ!!」
煙を拡散させるほどの速度で突き進みながら、悠介の右拳が放たれる。事前に対策を取っていた百代は、気を纏った左手で受け止めつつ、空いた右拳を放つ。
だが、悠介も左手で受け止めてみせる。
「へっ!」
「はっ!」
お互いに拮抗した状態で二人は笑みを浮かべる。二人とも浮かべる笑みは同じでも、意味は全く違う。
一人は待ちわびたライバルと戦える事への歓喜から、もう一人は今も変わらず自分と戦ってくれるライバルへの感謝。
似ている様で全く違う笑みである。待ち受ける者、挑む者。真逆の二人が今、笑みを浮かべ相手を見据える。
「何笑ってやがる」
「それはお互い様だろ」
二人が笑みを消した瞬間、二人はゴン!とお互いに額をぶつけあう。悠介と百代の二人は、決して自分からは後ろに下がらない。
同等の相手と戦うならば、間合いの取り合いは必須である。だが二人は敢えてそれを選択しない。
それは戦いにおける
ふっと笑みを浮かべた二人は、
それは今の状態では何も変わらずに時間だけが浪費されると判断してのこと。
意地の張り合いにおいて、引くことは負けを意味するが、それが次の段階に移ったならば何の問題も無い。
間合いを取った二人は、静かに瞳を閉じ拳を握る。二人の闘気が研ぎ澄まされて行く。
僅かな沈黙が場を支配する中、再び瞳を開けた二人は、同時に地面を蹴って吠えた。
「「はぁぁぁああああああああああああ!!」」
二人の拳がぶつかる直前
「
巨大な神仏の足が二人を押しつぶした。
どうだったでしょうか?
良かったら、感想をお願いします