未来人の選択   作:ホワイト・フラッグ

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初投稿になります、拙い文才・展開ですが、温かい目でご覧ください。


一章 配色
1.山田晃助


現代

 

「ふぅ……今日はこのくらいにしておくか」

 

山田晃助(やまだ こうすけ)は時間を確認する。

時計を見ると二十時半だ、俺は着替えと片付けを済ませた。

道場にいる他の部員に挨拶をして自転車に跨る。すると後輩が声をかけてきた。

 

「先輩! 今日は早いですね何か用事ですか?」

「早えつっても三十分じゃん、用事は……早めに寝たいから」

「あぁ、先輩らしいですね。お疲れ様でした」

「おう、お疲れ」

 

何気ない会話を打ち切り俺は家に向かって三ギアでペダルを踏んだ。

用は全速力だ、早く寝たいなんて嘘だ本音はゲームがしたい!!

家に着くと母上が出迎えてくれた。

 

「お帰り今日はいつもより早いわね」

「いつもより疲れを感じてねそれで早く帰ってきたそれより晩飯は?」

「もうできているよ、手を洗ってきなさい」

 

この山田家は父上、母上、俺、の家族構成だ。

父上は現在単身赴任で家にいないので母上と二人で食事をした。

ちなみに親の呼び方だが、晃助が父親の影響で歴史をカジリだし、ネタとして呼んでいたのだが、

そのうち定着してしまった。

晃助はさっさと食べ終わるや否や、自室に駆け込んだ。

 

「ウッシャア! 上杉潰すぞ!」

 

昨日、大人気歴史シュミレーションゲーム [織田信長公の野望] で遂に残り二勢力まで進めたのだ。

苦しい展開もあったが、上杉軍の強力な突破力をギリギリでいなし西日本統一まで時間を稼いだ。

 

「さぁ、お待たせして申し訳ない謙信公ようやくあなたと四つに組んで戦える。

 時間稼ぎで散っていった細川藤孝(ほそかわ ふじたか)滝川一益(たきがわ かずます)

 すまないそしてよくやった、これより弔い合戦じゃ。

 励めよ若き配下黒田長政(くろだ ながまさ)鍋島勝重(なべしま かつしげ)、親に負けぬ働きを期待する」

 

北陸戦線・東海戦線を破られ今は近江・尾張のそれぞれで戦線を再構築し九州から兵を大量輸送している。近畿・四国で集めた予備兵力でどれだけ戦えるか且つどれだけ損害を与えられるか、これが今夜の課題だ。

兵数と将の配置、闘志を管理し計略を発動するタイミングと相手、退却の頃合いとタゲの変更、など昨日より細かい指揮が必要なため、わずかでも早く行動したのだ。

はたから見たら只の阿呆である、しかし彼の顔は真剣そのものだ、彼の戦いは日付が回ってようやくひと段落した。

 

 

それから三日後ある異変が起きた、正確には気付いただが、二つ隣のクラスの同級生相良良晴(さがら よしはる)が高校に来ていないということ。

噂によると家にも帰っていないらしく彼の親は警察に捜索願いを届けたらしい、確かにあまり交流はなかったが非行に走るような奴じゃなさそうだし、犯罪に巻き込まれた可能性が高そうだ。

晃助はそう考えたがそこまでだった、晃助にとって良晴は[ドッジボールで避けるのうまいな、あとサル顔]くらいにしか印象が無かったからだ。

 

「まあ、そのうち帰ってくるかな、帰ってこなくても別にいいや」

 

彼はそう言うや良晴の噂に関して興味をなくし授業の準備をした。

 




主人公の現代での暮らしぶりです、ちなみに彼は弓道をしています。

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