本年も μ's MUSIC BOX をよろしくお願いいたします。
なかなかがっつり書く時間を自分で作れなくて苦戦しております。
久々にMUSIC BOXのお家芸を使いますw
練習終わり、花陽は一人で帰り道を歩いていた。
なぜ、一人で歩いているかはわからない…。
なぜかトボトボと歩いていた。
「…あれは…?伊達先輩?」
花陽の視線の先には宏樹が居た。
「…隣にいる人は…?」
宏樹の隣には女性が居た。顔は丁度花陽の角度では確認することができない。
「…先輩、凄く楽しそうだな…。」
宏樹の笑顔を見ると花陽の胸は締め付けられるような感覚になる。
「…なんでだろう?辛い…。」
宏樹達が楽しそうに笑い話している姿を見て花陽の気持ちは沈んで行く…。
「はーなよちゃん!」
「はっ、はいぃ!?…って伊達先輩!?」
声を掛けられた方を向くと何故かそこにはさっきまで視線の先に居た宏樹が居た。
「せ、先輩いつの間に!?」
「いつの間に…?俺、花陽ちゃんの後ろ姿を見て話しかけたんだけど…」
「えっ!??」
首を傾げる宏樹を他所に花陽は混乱する。
「まぁ、それは良いとして…。」
------ギュッ。
「…えっ?」
突然、宏樹が花陽の手を握って来る。
「せ、先輩何してるんですか!?」
「手を繋いでるんだけど…?」
「そ、それは分かってます!!」
いきなりの宏樹の行動に花陽はあたふたと喋るが完全に冷静に話せていない。
「…手握るの嫌だった?」
しょんぼりとする宏樹の顔を見て花陽の胸が更に跳ね上がる。
「い、嫌と言いますか!…なんと言いますか…!」
「嫌じゃないんだ。」
ニコニコと話してくる宏樹。
「そうじゃなくて!私たちはまだそういう関係じゃなくて…」
------そういうのはお付き合いしてからしましょう!!
そう叫んで手を放した瞬間、
花陽の目線の先は天井になる。
「…えっ…夢?」
いつもの目覚めの時に見える景色に今までの出来事が夢だったことに気が付き花陽は赤面する。
「…凄い夢だった…。」
そう呟きながら夢の中で握られた左手を見つめる。
「…っ~~!顔を洗おう!!」
手を握られたことを思い出して更に顔の温度が上がったことを自覚し自分に言い聞かせるように花陽はベッドから飛び出した。
-----------
「はぁ…。」
「かよちんなんか今日は疲れてるにゃ。」
「どうせ、またアイドルDVD見て夜更かししてたんでしょ?」
「あはは、そんなところかな?」
「健康の為にもちゃんと寝なきゃダメよ。」
「うん、心配掛けてごめんね。」
宏樹との諸々があって目覚めが悪かったなど言えるわけもなく花陽は適当に話を合わせつつ今日の出来事をごまかした。
「おはよー」
校門の前で花陽が今一番会いたくない人の声が背中からして花陽の胸が高鳴る。
「伊達先輩おはようございます。」
「スケベ先輩おはようだにゃ。」
「アダ名ひどくね?」
いつものような幼なじみと先輩の軽い罵り合いも見れそうにない花陽はそそくさと下駄箱へ向かおうとする。
「…花陽ちゃん?」
「は、はいっぃぃ!?」
「どうしたの?なんか下駄箱に一直線に歩こうとしてるけど…?」
相変わらず宏樹は鋭い質問をしてくる。
「あ、アルパカさんの餌やりがあるので!失礼します!」
結局、宏樹の顔を見ることなく花陽は脱兎のごとく逃げていった。
「(´・ω・`)」
「可愛らしい顔で凹んでるにゃ」
「なんか久々に見たわね。1年半振りくらいの久々感だわ。」
「メタ発言はやめて…。」
何故か逃げるような対応をされた宏樹はガックシと肩を落として後輩達と下駄箱に向かった。
----------
「1!2!3!4!」
パンパンという手拍子と海未の掛け声とともにμ'sのメンバーのダンス練習が行われており俺は気まぐれで見学に来ていた。
「花陽!遅れていますよ!」
「はいっ!」
メンバーのテンポが遅れたり早くなったりすればすぐに海未のダメ出しが飛び出す。
「花陽!また遅れています!」
「はいっ!」
遅れたら即ダメ出しが飛ぶわけで…。
「花陽!」
「はいっ!」
いや、今日はダメ出し多すぎだろ!なんてことを心で突っ込みながら練習を見つめていた。
-----------
「花陽…今日は少し調子が良くなかったみたいですが…。」
「…ごめんね。自分でも思った通りに動けなくて…。」
「調子が悪い時は無理はしないで下さい。ハロウィンイベントのパフォーマンスもありますし…」
今日散々だった花陽ちゃんをみて流石に可哀想になったので助け舟を出す。
「はいはい。あんまりダメ出ししても仕方ないだろー」
「宏樹!私は花陽の為を思ってですね…!」
「花陽ちゃんを凹ましても何にもならないから、この辺にしとこうぜ。な?花陽ちゃん?」
「えっ?…。」
二人で花陽ちゃんの方を見て様子を伺う。
「えっと…その…すみません!帰ります!!」
そう言うと花陽ちゃんは勢い良く屋上を飛び出していった。
「伊達君…花陽ちゃんに何かしたん?」
「はぁ…俺が知りたいですよ…」
避けられたと言っても仕方ない状況を見られて俺はため息混じりに東條先輩へ愚痴る。
-----------
「はぁ…はぁ…はぁ…」
また、先輩の顔が見れなくて飛び出してきてしまいました…。
「はぁ…花陽どうしちゃったんだろ…。」
あの夢以降、先輩とまともに話ができません…。夢だと自分には言い聞かせているのですが…。
「花陽ちゃん!!」
「お悩みのようだね!!」
お声がする方を見ると穂乃果ちゃんとことりちゃんが居ました。少し嫌な予感が…。
「今日の練習の様子を見たけど心ここにあらずって感じだったよ。」
「悩みがあったらお姉さん達相談に乗るよ!」
目をキラキラと輝かせつつ二人は花陽に迫ってきました。
「あはは…えっと…。」
正直、相談に乗ってもらうかどうしようか悩みました。恥ずかしいのもあるしなんでこんな行動とってしまっているか自分でも分からないままでいるから…。
「花陽ちゃん…実は何が悩みの原因かお姉さん達は分かってるんだよ…」
「えっ?」
返答に困っている花陽を見てことりちゃんがそう切り出してきました。
「ズバリ!伊達君が原因でしょ!」
「!!」
やっぱり、二人にも気が付かれていたようです…。
「伊達君に何か酷い事されたの!?どうなの!?」
皆の先輩の評価はどうなっているんだろう…穂乃果ちゃんの心配する言葉を聞いて少し苦笑してしまいました。
「先輩に何かされたわけじゃないから…。」
「じゃぁ、何があったの!?」
ドンドンと迫ってくる二人に根負けして花陽は今日の夢での出来事、それ以降先輩の顔が見れなくなってしまったこと、なんでこうなってしまったか分からないこと、それが引っかかって練習に集中できていないこと…すべてを話しました。
「花陽はどうすれば良いのかな…。」
ため息を吐きながら思いの丈を話した花陽に二人はどんなアドバイスをしてくれるのか…。
「花陽ちゃん!」
「は、はいっ!?」
ことりちゃんから少し大きな声で名前を呼ばれて驚いた花陽をお構いなしでことりちゃんは続けます。
「それは、ズバリ…恋です!!」
「鯉?やだなぁ…花陽は人間だよ。ことりちゃん。」
「あ、花陽ちゃんが現実を受け入れてない。」
穂乃果ちゃんのツッコミを聞いて少し冷静になりました…
鯉…?故意…?もしかして…恋??
「ハナヨコイシチャッタノォ?!!」
「あ、花陽ちゃんが壊れた。」
「恋ってあれだよね?お、男の人が好きでどきがムネムネ…じゃない胸がニョキニョキする奴だよね?!」
「花陽ちゃんが言い直しても間違ってるから。」
淡々とツッコんで来る穂乃果ちゃんはどれだけ冷静なの!?と思いながらことりちゃんはさらに続けます。
「恋のメイド名探偵ミナリンスキーが言うから間違い有りません!」
ビシっと指を花陽に向けてきてことりちゃんはそう言いました。
「え、ミンリンスキーって誰?」
「この件まだツヅイテタノォ!?」
-----------
「花陽ちゃん落ち着いた?」
「…うん。」
ドタバタして少し時間が過ぎましたが、少し落ち着くとができました。
「花陽ちゃんは伊達君と仲良くなりたい?」
「…。」
ことりちゃんの言葉に花陽は即答出来ませんでした。
「よしっ!」
思いついたように穂乃果ちゃんが大きな声を出しました。
「花陽ちゃん試しにデートしてみよう!」
最後までご覧いただきありがとうございます!
あと、3話位のペースで行きたいと思いましたが気がつけばシリーズ最長に並ぶレベルで草不可避。
花陽誕までに終わらしたかったけど厳しい(^q^)