μ’s MUSIC BOX   作:ぶりくすむ

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まさかの2連投\(^o^)/


そんなわけで希編の最後でございます。


# 09      

 

 

 

 

 

 

--------コンコン

 

 

 

穂乃果に呼び出しを受けた放課後、宏樹は生徒会室のドアをノックしていた。

 

 

(最近は手伝いで当たり前の様に使ってたからノックするのはなんか違和感あるな。)

 

 

 

「どうぞ!」

 

 

 

元気の良い穂乃果の声がドア越しに聞こえ宏樹は生徒会室へ入る。

 

 

 

 

「伊達くん、わざわざ放課後にごめんね。」

 

「別に予定なかったし気にしなくていいよ・・・ってか真姫ちゃんもいるんだな。」

 

 

「何よ。いたら悪いの?」

 

 

 

穂乃果しかいないと思っていた生徒会室には真姫もいた。

 

 

 

「別に悪いわけじゃねーよ。高坂だけかと思っただけ。」

 

 

 

宏樹はムスッとした真姫を見て苦笑しながら答える。

 

 

 

「んで、今回は何の用なんだ?」

 

「うん、実はね・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「決勝が終わったら・・・μ'sを続けるべきか終わらすべきか考えてるの・・・。」

 

 

 

 

 

衝撃の言葉に宏樹は声には出さないが驚き息を呑む。

 

 

 

 

 

決勝が終われば希は・・・3年生は卒業。

μ'sを続けるか、どうするかメンバー内でも意見は割れており宏樹にも意見が欲しいというのが穂乃果の相談内容だった。

 

 

 

 

 

 

 

「だから宏樹の意見も貰って考えたいなって・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「お前らで結論を出せ。」

 

 

 

 

 

 

 

「えっ!?」

 

 

 

 

 

 

意見をもらおうとしている真姫に対し宏樹は被せ気味に結論を出す。

 

 

 

 

「そーいえば、今日希さんとデートだったわ。それじゃ。」

 

 

 

 

「ちょっ!!ちょっと!!!ふざけないで!!」

 

 

 

 

真姫は怒号にも似たトーンで荷物をたたんで部屋から出ようとする宏樹を呼び止める。

 

 

 

 

 

「これだけ私達と関わってて他人みたいな態度とかあんまりじゃない!!」

 

 

 

 

 

「・・・これは1年と2年の残されたメンバーで結論を出さなきゃダメだ。」

 

 

 

宏樹は二人に背を向けたまま喋る。

 

 

 

「・・・伊達くん・・・。」

 

 

 

「ラブライブ!に出ると決めた時・・・ユメノトビラ、Snow halation、μ's皆で作って皆で決めたんだろ?」

 

 

 

「だから俺の意見なんか参考にしないで残されたメンバーで答えを出せ。」

 

 

 

 

 

 

「・・・・はぁ・・・。」

 

 

 

エラく突っぱねるのはそういう事かと宏樹の態度に納得し溜息を付く真姫。

 

 

 

「私も、希もめんどくさい性格って事になったけどアンタも大概ね・・・。」

 

 

 

真姫は呆れ気味に宏樹に言い放つ。

 

 

 

 

「よく言われるよ。」

 

 

 

 

宏樹は振り返りつついつもの笑顔をして教室を出て行った。

 

 

 

 

(まぁ、今の9人以外がμ'sやるなんて想像できないけどな。)

 

 

 

宏樹は心で呟きつつ生徒会室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

❏❏❏❏❏❏❏

 

 

❏❏❏❏

 

 

❏❏

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業式の前日ウチは彼と『いつもの様に』生徒会室で話していた。

 

 

 

 

 

「あー希さんの泣き顔見たかったなぁ・・・。」

 

「あんなもん人に見せるもんちゃうよ。」

 

「やっぱ泣き顔なんてレアじゃないっすかー」

 

 

 

 

穂乃果ちゃんがμ'sをおしまいにすると言ったあの日・・・人目も憚らず泣いたウチ。その姿を見たかったらしい・・・この彼氏はウチを泣かしたいのか・・・。

 

 

 

「そもそも女を泣かすなんて最低やん。」

 

「あっ、確かに。」

 

「・・・。」

 

 

 

たまにこんな残念な天然なところを見せるのが彼のいいところでもある。

 

 

 

「最近思うことあるんよねー」

 

「何がです?」

 

 

 

 

 

 

 

「もっと早く素直になってればなぁ~・・・って」

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会の仕事をしていた彼の手が止まる。

 

 

 

「素直になれなかった時間すごく無駄じゃなかったかなぁ・・・って」

 

 

 

なんちゃってという顔をして彼を見るが彼は至って真面目な顔である。

 

 

 

「無駄なことなんてないでしょ。」

 

 

「そうかな?」

 

 

「先輩は今までの経験でこうやって今優しく、素直になれたんですから・・・。地面を向いてた時期は長かったかもしれませんけど。」

 

 

 

 

 

「その時足りなかった気持ちや、いらないと思った気持ちにもきっと意味がありますから」

 

 

 

 

 

そう言って彼は優しい笑顔になる。

 

 

 

 

 

「はぁ~・・・ヒロ君は相変わらず面白い発想やな。」

 

「そうっすか?」

 

 

 

 

キョトンとする彼を尻目に自分を分かってもらえる彼と一緒になれてよかったなと実感する。

 

 

 

「そろそろ帰る?」

 

「そうですね。明日は卒業式ですし。」

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

 

 

 

校門をこうやって二人で出るのも多分最後だろう・・・でもウチは寂しくは思わなかった。

 

地面を向くことも他人みたいな振りも必要ない自分の為の道を彼と一緒に歩むから。

 

 

 

 

「ヒ~ロ君!」

 

 

 

彼の名前を呼びながら手を握る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何もなかった世界からウチは

 

 

 

 

 

 

 

『好き』と言える世界と

 

 

 

 

 

 

 

『愛してる』と言える世界へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとね。」

 

 

 

ウチは心の底から彼に感謝の気持を伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後までご覧いただきありがとうございます。
あとがきはここもしくは活動日誌にしっかり書く予定です。

なんとか年越しまでに終わったぞ(^q^)





なんとなくこっちに言い訳なんか書いてみます。

今回の希編は
・8話ストーリーを絡める。
・主人公は曲作りには原則ノータッチ
・『μ'sは9人』でしか成立しないという考え
・原作で言われる『奇跡』の定義に対する自分の考え

みたいな部分を自分なりに課題にして作りました。

ともかく自分の中では主人公はμ'sの10人目と言う感じでは扱いたくなかったので
そこはともかくこだわりましたwそもそもそういう流れが嫌いなのでw

公式もライバーが10人目というアナウンスだったりするんですが、
名前の元とか考えたら・・ね・・?

元々ハーレム作品も作りたくなかったし、μ'sに主人公をぶっ込むっていうのは
やりたくなくてあのプロローグで書いて、
今回は自分的な今シリーズを通したμ'sの扱い的な部分を書けたらなってのが
ありました。どれだけ伝わったかわかりませんがw


今回のインスパ曲を改めて

鷲崎健 I love youのある世界
https://www.youtube.com/watch?v=7zYSbEHC1n8

そして #07 で使用した題名の曲は
鷲崎健 - !!!!!
http://www.nicovideo.jp/watch/nm10641517

となっています。改めて聞いていただければ楽しんでもらえるのでは?と思いつつ。。


今シリーズは海未編よりスラスラとかけてすごく楽しかったです。

そして次回は!Lily White編ラスト!

Hurdle Race 星空凛編です!!

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