μ’s MUSIC BOX   作:ぶりくすむ

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お久しぶりです。

終わらそうとして頑張ったら約7000文字(^q^)
完全オーバースペック、キャパオーバーです。

最終話、楽しんでいただければ楽しんでいただければ幸いです!


#11

 

 

 

「海未ちゃんおはよー」

 

「おはようございますことり。」

 

 

 

 

私はいつもの様に友人二人と登校するため集合場所にいた。

 

 

 

 

「・・・穂乃果は相変わらず時間には来ずですか・・・。」

 

「あはは・・海未ちゃんあんまり朝から怒っちゃダメだよ?」

 

 

 

いつもの様に時間通りに来る幼馴染といつもの様に時間になっても来ない幼馴染。これが私の朝の日常だ。

 

 

 

「生徒会長になった今いつもギリギリで登校となっては生徒に示しがつきません!」

 

「そういう部分も含めて親しみやすい生徒会長なんだよ・・・きっと・・。」

 

 

 

ことりはいつもこんな感じで穂乃果をフォローする。音の木坂に通いだして幾度と無く繰り返してきた会話だ。

 

 

 

「ことりは穂乃果に甘すぎなんです!だから私がガミガミ怒らないといけないわけで・・」

 

「まぁまぁ・・海未ちゃんも伊達くんみたいにのらりくらりと穂乃果ちゃんをかわさないと。」

 

「んなっ!?・・なんで今宏樹の話題が出るんですか!」

 

「いやー想い人の立ち回りを参考にしてもいいんじゃないかなぁ・・・って」

 

 

 

ニコニコとことりは私をからかってきた。真っ直ぐな笑顔に見えるのですが、悪魔のようにも見えます。

 

 

 

「二人共ごめぇぇん!!」

 

 

 

いつもと同じくらいのタイミングで穂乃果が遅れてきました。

 

 

 

「ごめんごめん!!漫画の新刊を読んでたら次の日回ってて・・ゴメンナサイ!」

 

「行きますよ。」

 

「・・・・・えっ?」

 

 

 

ホントは怒りたかったですが、ことりのあの話題を中断してくれたので怒りづらくてそのまま登校することにしました。

 

 

 

「ことりちゃん・・・海未ちゃん体調でも悪いの??いつもなら穂乃果が怒鳴り散らされるパターンなんだけど・・・。」

 

「う~ん・・。ある意味病気かもね~」

 

「えっ!?それ大変だよ!!」

 

「大丈夫♪大丈夫♪」

 

 

 

ことりはホントに最近私と話している時楽しそうです・・・。

 

 

 

「二人共遅刻しますよ!」

 

「はいは~い♪」

 

 

 

暫くはこんな調子でからかわれる毎日なのでしょうか・・・少し胃が痛くなります・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ?なんか人集りができてるよ。」

 

「通学路がこんな感じで人だかりができるなんて珍しいね。」

 

 

 

 

二人のそんな会話を聞いて私も人集りに気がつきました。

 

 

 

 

学校に行くための道路の横断歩道の近く何かを見るために人が集まっているように見えました。

 

 

 

 

「あー!!センパーイ!」

 

「さゆり、おはようございます。」

 

 

 

人集りの中には後輩の兵藤さゆりもいた。

 

 

 

「さゆりちゃんおはよー。」

 

「おはようございます!!」

 

 

 

さゆりと一通り挨拶を終えた私達は人集りの理由を尋ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やら交通事故があったみたいで。」

 

 

 

 

 

 

 

―――交通事故

 

 

 

 

 

 

その単語を聞いて心臓が強く波打ち私の記憶をフラッシュバックさせる。

 

 

 

 

 

 

―――『あの時』の夢の記憶が。

 

 

 

 

 

 

「えー!?おっかないなぁ・・・通学路で事故って。」

 

「この感じだと回り道しないとダメみたいだね」

 

 

 

幼馴染達は他愛もない話をしている。

 

 

 

「先輩?顔色悪く無いですか?大丈夫ですか?!」

 

「・・・えっ?・・・だ、大丈夫です!!そんなことより回り道しないとダメなんですからここで寄り道しては遅刻してしまいますよ!急いで行きましょう!」

 

「ちょっ、ちょっと!先輩!」

 

 

 

この場にはもう居たくありませんでした。急いで登校して宏樹の身の安全を確認したい。その気持ちで頭がいっぱいで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果とことりを半ば引きずるような形で急いで教室まで来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宏樹の机を見ると登校している様子はありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は自分の身体から血の気が引いいていくことがわかりました。

 

 

 

 

 

 

「澤村くん・・・宏樹は一緒じゃないんですか?」

 

「お、園田さんおはよ。今日アイツ日直で早めに登校するって言って別々だったんだけどアイツまだ来てないみたいなんだよね。前日ゲームしすぎて寝坊とかしてるとかかもしれないから電話かけてるんだけど全然取らなくてさー・・・って!?園田さん!?どこ行くの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

澤村くんの言葉を聞いた私は気がついていたら教室を飛び出していました。教室を全速力で走ったことなんて初体験です。

 

 

 

 

 

 

 

 

多分このままだと学校は欠席扱いでしょう。そんなことどうでも良かった。

ともかく『あの夢』が正夢になって欲しくなくて自分の目ですべてを確認したくて学校を飛び出していました。

 

 

 

 

 

こんな全速力で走って体力が持たないんじゃないかと思いましたが、事故現場に着くまで私は全速力で走ることが出来ました。

 

 

 

 

 

息を切らして現場に着くとさっきのような野次馬はいなくなり鑑識と思しき人達が現場検証をしているようでした。

 

 

 

 

「どうしました?えらく走ってきたみたいですが・・・。」

 

 

 

 

心配してくれた鑑識官の人に声をかけられ振り向くと

 

 

 

 

 

 

 

 

鑑識官の人は宏樹のカバンを持っていました。

 

 

 

 

 

 

 

目の前が真っ白になるのではないかと思うくらいの絶望感・・・私は一瞬言葉を失っていました・・・。

 

 

 

 

「あの・・大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫です!そ、そのカバンの持ち主の知り合いなんです!」

 

 

 

身分証明をしないといけないと学生証をだして事情を説明しました。

 

 

 

「そうなんですか!そうしたら急いで届けてあげてください!西木野総合病院へ行ってるはずですよ。」

 

 

 

カバンを受け取り私はまた走りだしました。心臓が破れるのではないか?と思えるような苦しい状態でしたがともかく宏樹に会いたい。このままお別れはしたくない。そんな気持ちだけで走りました。

 

 

 

向かう途中、何度も夢で見た血まみれの宏樹がフラッシュバックして泣き出しそうになりました。でも、諦めたくない気持ちが勝っていました。1%でも可能性があるならそれにかけたい・・・すがるような気持ちでした。

 

 

 

 

 

 

 

私は西木野総合病院に着くなり駆けこむように受付に向かい受付の方に主旨を話しました。

 

 

 

「伊達宏樹の知り合いです!彼はどの部屋にいますか!?」

 

「お、落ち着いてください・・・。伊達さんなら奥の手術室に入ると思いますので・・・って院内は走らないで!!」

 

 

 

普通に考えれば非常識な行動の連発です。礼の一つも無く院内を走り回る最低な行動。

でも、そうしてまでしないと私は宏樹にはもう会えないと思いました。

 

 

 

 

 

言われた手術室前まで走り私は前室の扉を勢いよく開けました。

 

 

 

 

 

「っ!?海未!?」

 

 

「・・・えっ?」

 

 

 

 

手術室の前室を開けると私が命の心配をした彼が元気な姿で座っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諸々の出来事を半ば強引に受けてしまった俺は手術室で手術が終わるまで前室のベンチに腰掛けていた。

 

そこの普通に考えれば来るはずのない幼馴染が血相を変えて駆け込んで来ていた。

 

俺は激しく混乱した。あれ?今もう授業始まってるよな??

 

 

 

 

 

「宏樹・・・。」

 

「お、おう。」

 

「無事なんですね・・・?」

 

「見ての通りピンピンだぞ俺は。」

 

 

 

 

 

苦笑いしつつ力こぶを作る動作をする。でも海未の雰囲気はそんな冗談も通じるような雰囲気ではない。

 

 

 

 

 

「どうして連絡してくれないんですか!」

 

「いや・・その・・・色々と立てこんでてな・・・ってか俺、カバンねぇじゃん!?」

 

 

 

ふと冷静になった時携帯を持ってない元よりカバンを持ってないことに気がつく。

 

 

 

 

「イテッ!!!」

 

 

 

 

海未は無言で俺にカバンを押し付けてくる。

 

 

 

「さ、サンキューな・・・」

 

 

 

ものすごく気まずい時間が流れる。

 

 

 

 

「あのー・・・伊達くんをあまり悪く言わないであげて貰っていいですか?」

 

「えっ?」

 

 

 

ひょっこりと横から看護婦さんが現れ海未に話しかける。

 

 

 

 

「伊達くんは事故に遭われた方の応急措置とか救急車を呼ぶとか最低限求められことを全部やってくれたみたいなんですよ。」

 

「いや、あの時は周りに俺しかいなかったんですよ。」

 

 

 

正面から褒められるので少し誤魔化す。

 

 

 

「普通の人だと出来ないし、必死でやってくれたと思うんです。それこそ自分のカバンをほっぽり投げるくらいに。」

 

 

 

看護婦さんはすこし茶目っ気のある笑顔で海未を諭すような話し方で話しかける。

 

 

 

「だから連絡できなかったことは多めに見てあげて?ね♪」

 

「は、はい・・・。怒鳴ってしまってスミマセンでした。」

 

 

 

 

優しい雰囲気の看護婦さんに諭されて海未も冷静なったようで安心する。

 

 

 

 

「あ、伊達くん負傷者の方のご家族来られたからもう大丈夫ですよ。」

 

「了解です。そしたら学院に行きます。」

 

「欠席の件は病院から何とか言ってもらうようにするからー」

 

「別にいいですよ。欠席の1つくらい。」

 

 

 

 

冗談を飛ばしつつ病院を後にしようとする。

 

 

 

「海未ー行くぞー。」

 

「・・・へっ? は、はいぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院を出てからというもの海未は一切喋らない。

しかも、隣ではなく少し俺の後ろを歩いている。何となく話しかけづらいし気まずい・・・。

 

 

 

 

「どうせ午前中欠席確定だし少し寄り道しようぜ。」

 

 

 

 

苦肉の策でごきげんを取ろうとしたが返事はない。だが、ついては来てくれるようだ。

 

 

 

 

平日しかも朝っぱらの公園は閑散としている。海未の機嫌を戻すにはどうしたもんか・・・。

 

 

 

 

「心配かけたしジュースの一本でも奢るぞ。何がっ!・・・」

 

 

 

『何がいい?』と聞こうとした時俺は海未にぶつかられていた・・・

 

いや、ぶつかってなかった・・・・背中に抱きつかれていた・・・・。

 

 

 

 

「ちょっ!!ちょっと!海未さん!!?!?!?」

 

 

 

あまりの突拍子もない出来事に動揺して敬語になってしまう。

 

 

 

「あ、朝っぱらに公園で抱きつかれたりなんかしたらものすご~くヤバイ気がするんですが・・・」

 

 

 

周りの人に何て思われてるんだろ・・・なんて考えてると。

 

 

 

「・・・き」

 

「んっ?」

 

 

 

 

蚊の鳴くような声で海未が喋り出す。

 

 

 

 

「登校した時・・・交通事故をみて・・・あの時の事を思い出しました・・・。」

 

 

「夢の事か?」

 

 

 

朝いきなり海未に抱きつかれたあの日。海未は俺が交通事故に遭う夢を見ている。

 

 

 

「交通事故と聞いただけで胸騒ぎが止まらなくて・・・教室に入ったら宏樹はいなくて・・澤村くんに聞いたら連絡が付かないと言われて・・・それを聞いたら居ても立ってもいられなくて・・・。」

 

 

 

俺が知らない今日の海未と出会うまでの海未の状況をしっかりと聞く。

 

 

 

「事故現場に行ったら宏樹のカバンがあって・・・それを見ただけでもう怖くなって泣きたくなって・・・。」

 

 

 

「病院に着いたら元気な宏樹がいるのに怒鳴って・・・・ゴメンナサイ・・・。」

 

 

 

「いや、俺も連絡してなかったし心配かけて悪かった。」

 

 

 

 

海未が泣きながら心境を吐露してことの重大さに俺は気がついた。自分の行動がこれだけ幼馴染を苦しめてしまったんだと。

 

 

 

「宏樹は・・悪くないんです・・・。私が・・・ワガママなだけなんです・・・。」

 

 

 

「ワガママなのは分かってるんです・・・分かってるんです・・・でも・・・私を一人にしないでください・・・急に何処かにいったりしないで・・・。」

 

 

 

 

消え入るような声で自分の気持ちを吐き出した幼馴染の言葉を受けて俺は空を仰ぐ。

 

 

 

 

手をほどいて海未の正面に立つ。

 

 

 

 

「ゴメンな・・・俺は何処かに行ったりしないから安心しろ」

 

 

 

 

そうやっていつもの様に笑う。

 

 

 

「・・・・はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか??」

 

「・・・はい。取り乱してすみませんでした。」

 

 

 

 

 

海未は先程の出来事が若干恥ずかしかったようでこっちを見てくれない。

 

 

 

 

「あのな。実は俺言ってないことがあるんだわ。」

 

「何ですか?」

 

 

 

 

海未が心境を吐露した・・・。俺も思いの丈を全部喋ろうと決めた。

 

 

 

 

「実はあの抱きつかれた日。俺も夢を見てるんだ。」

 

「えっ?!」

 

「自分が血まみれで恐らく死んでいくんだろうなーって夢」

 

 

 

物騒な夢なのでおちゃらけた顔で話す。

 

 

 

「何の因果か知らないけど多分海未と同じだろうなー」

 

「な、なんでそれを言ってくれないんですか?!」

 

「言ったってなんも変わらんだろうが。」

 

「そ、そうですけど。」

 

 

 

適当に海未を納得させつつ話を続ける。

 

 

 

「死ぬとか夢だし別にどうでも良かったんだよ。」

 

「・・・良くないです・・・。」

 

「もっと大事なことが夢の中であったんだよ。」

 

「何ですか?」

 

 

 

 

 

「海未を泣かした。」

 

 

 

 

 

「・・・はっ?」

 

 

 

 

自分的には非常に由々しき事態なのだが海未には理解できないようで目を点にされる。

 

 

 

「海未を泣かしちまったなーって。俺最悪だなーってさ。」

 

「仮にも夢ですし自分が死んでいくかもしれない中でそんなこと憂いている場合じゃないでしょう!」

 

「大事なんだよー・・俺はさー・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海未の笑顔が好きだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の言葉に一瞬時が止まる。

 

 

 

 

「・・えっ。・・・・えっ??」

 

 

「あれ?割りと一世一代の頑張りだったんだけどな・・・分かりづらかったかな??」

 

 

 

 

こうなりゃ自棄だ!

 

 

 

「伊達宏樹は!!園田海未の笑ってるとこ!怒ってるとこ!困ってるとこ!泣いてるとこ以外全部引っ括めて大好きです!!!」

 

 

 

 

公園に響き渡るアホみたいな告白。

 

 

 

告白された当の本人は固まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・えっ・・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

これまた公園に響き渡るアホみたいな大声。そりゃいきなり言われたらこうなるわな・・。

 

 

 

 

 

 

「海未・・・あの・・・返事なんだけど・・・。」

 

 

 

 

 

「あ・・・え・・その・・・あばばっば」

 

 

校内放送で喋らされた時のようにおかしな状況になっている海未から言葉を待つ。

 

 

 

 

「わ・・・・ひ・・・・・す。」

 

「えっ?」

 

 

 

返事をしてくれたがよく聞こえず聞き返す。

 

 

 

 

「私も、宏樹のことが好きです。幼馴染ではなく一人の異性として!!」

 

 

 

 

返事は予想出来うるうちの中で最高の返事だった。

 

 

 

「マジで?」

 

「・・・はい。」

 

「よかったぁ・・・・・。」

 

 

 

告白がうまくいって安心してその場にへたり込む。

 

 

 

 

「なんだよ・・・・両思いだったのか俺達」

 

「・・・そうみたいですね。」

 

 

 

 

へたり込んだ俺を見て海未はクスリと笑って答える。

 

 

 

 

 

 

秋を前にしてまだ暖かい公園で二人で笑い合う。

 

 

 

 

こうして俺は幼馴染の園田海未と晴れて付き合うこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――き・・・宏樹、起きてください。」

 

 

「・・・・ん?」

 

 

 

ある朝、目が覚めると誰かに起こされていた。

 

 

 

「もう、起きないと大学に遅れますよ。」

 

「あと10分・・・。」

 

「そんなこと言ってどうせサボろうとしてるんでしょう!ダメです!」

 

 

そう言いながら布団を引剥してくる。

 

 

「う~海未さんのケチ~」

 

「ふざけてる時間があったら起きてください・・・あっ」

 

 

 

何か思いついたような顔で海未がこちらを見てくる。

 

 

 

「もしかして・・・目覚めのキスが欲しいんですか?」

 

「へっ?」

 

「もう・・・仕方ないですね・・・。」

 

 

 

顔を赤らめながらまんざらでもない顔で海未が迫ってくる。

 

 

 

「いやいや、お前そういうキャラじゃないじゃん!」

 

「何言ってるんですか・・・いつものことじゃないですか・・・。」

 

「何かがおかしい!キャラ変わりすぎや!」

 

 

 

俺のツッコミなど意に介さず海未の顔が近づいてくる・・・。

 

 

10センチ・・・・

 

 

 

 

5センチ・・・・

 

 

 

 

あー俺キスしちゃうんだー・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!!!!!!」

 

 

 

今にも海未と思わしき人物とキスをする直前になって目が覚める。

 

 

 

 

「・・・夢か・・・。」

 

 

 

 

漫画みたいなコメントしてる自分に笑ってしまう。なんつー目覚めや・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの事故云々の一件がきっかけで俺と海未は付き合うことになった。

 

事故自体は死者は出ず自分の応急措置が効いたか効かずかわからないがけが人の方は無事な様子。

 

事故の時の行動が話題を呼んで何やら表彰してくれるとかなんとか・・・。

 

そんなことはどーでもよく。問題はそのあとのμ'sのメンバーへの付き合うことになった説明をすることだった。

 

矢澤先輩なんて恋愛ご法度なスタイルだからきっと反対だと思ったんだが、μ'sのメンバーは歓迎してくれた。

 

話を聞いてみるといい加減くっつけよのテンションでずっと俺達を見ていたとのこと。メチャクチャ恥ずかしいんだが・・・。

 

で公にバレなきゃ問題無いでしょとのこと。エライ軽いな。おい。

 

 

 

 

そんなこんなで若干の時は流れてお互い恋人としての距離感が分かってきてあの夢である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってきまーす。」

 

 

 

 

 

 

なんとも言えない夢のせいで今日は海未の顔が見づらいなーと思いつつ家をでる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、宏樹。おはよう御座います。」

 

「Oh・・・・。」

 

 

 

一番会いたくない人にちょうど鉢合わす。なんか海未もバツが悪そうな顔してるんだが・・・。もしかして・・・。まさかね・・・。

 

 

 

 

「なんですか、彼女を見て微妙な顔は!」

 

「いや、そのさ・・なんつーの外的要因でさ・・・。てかお前も微妙な顔してんじゃねーか!」

 

「わ、私はいつもどおりです!」

 

 

 

 

 

絶対普段通りじゃない。彼氏の俺が保証する。

 

 

 

 

「ゆ、夢を見たんです。」

 

「へ、へぇ・・・また俺が死ぬのかな?」

 

「そういう夢じゃないです!」

 

 

 

もう大体予想がついた。

 

 

 

「どんな夢だったんだ?」

 

「その・・・少しくだらないけど・・・」

 

「けど?」

 

 

 

 

 

「・・・・すごく幸せな夢でした。」

 

 

 

「・・・そっか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、俺と同じ夢を見てるなら・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その夢・・・正夢になるといいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の大好きな彼女の笑顔は相変わらず眩しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正夢にできるように頑張らないとな。

 

 

 

 




最後までご覧いただきありがとうございました!

なんかやりたいことまだあったような・・・ww

忘れてしまうあたりがぶりくすむクオリティw


今回の総括のあとがきはまた、活動報告にてさせて頂きます。
できれば皆さんに見ていただきたいので後日報告のURLも貼ると思います。
次回のシリーズも多分そのとき発表かな?

いやはや、ともかく終盤は難産かつ自分の文章能力のなさに悩まされました(^q^)

追記:伏線回収終わってなかった(^q^)ってことでまだもうちょっとだけ蛇足が続くんじゃ。

追記2:活動日誌書きました。http://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=54071&uid=70374

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