μ’s MUSIC BOX   作:ぶりくすむ

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#10

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだかなぁ・・・。」

 

「あんだよ?」

 

「お前、全然頑張ってないけど色々転がり込んでるだけじゃんとか思ってなぁって」

 

 

 

海未との取材を終えた翌日、俺は相も変らず拓哉と通話をつなぎながらオンラインゲームをしていた。

 

 

 

「それ俺が1番気にしてるから。」

 

「やっぱり?」

 

 

 

俺の返答を聞いて拓哉は苦笑する。

 

 

 

「次のデートを取り付けたけど、相手からのお誘いだもんなぁ・・」

 

「言葉にされると来るものがあるわ・・・」

 

 

 

普通なら次のデートをどうしようという話になるものだが拓哉は俺の最後の立ち振舞に対して許してくれなかったようでダメ出しをしてくる。

 

 

 

「ちったぁヘタレ卒業すると思ったのに変わらずじまいか。」

 

「うるへー。」

 

 

 

自分でも自分に腹が立っていることなので言い返せない。

 

 

 

 

「んでさ。」

 

「ん?」

 

 

 

少し間をあけて拓哉が聞いてくる。

 

 

 

 

「改めて聞くけどさ、実際の所お前は園田さんのことどう思ってるの?」

 

 

 

前回答えられなくてめんどくさいと一蹴された質問。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・好きだよ。・・・幼馴染じゃなくて異性として。」

 

「そっか。」

 

 

 

頑張って答えたのにそっけない拓哉の返答に少しイラッとする。

 

 

 

「まぁ、知ってたけど。」

 

「へっ?・・・そうなの??」

 

「二人が幼馴染なのずっと知ってた俺からすれば今更感がすごくてな。」

 

 

 

そんなバレバレな感じだっだったのか・・・と自分の振る舞いを振り返ってみる。思い当たるフシがないんだが・・・。

 

 

 

「環境が環境だけに色々不自由な事もあったしなここ2年は」

 

 

 

笑いながら拓哉は2年を振り返るようなトーンになる。

 

 

 

海未からお願いされて学校では幼馴染であることを『封印』して。

 

 

 

俺は同時に幼馴染の関係が壊れるのが怖くて『好き』という感情を『封印』した。

 

 

 

「余所余所しい二人とか最初は見てて面白かったけどなー」

 

「その話は止めるわけにはいかないか?」

 

 

 

今普通の関係に戻った事を思えばここ2年の芝居はホントに恥ずかしい意外の何者でもない。

 

 

 

「まぁ、普通に戻っただけだけどな。」

 

「最近、拓哉はホントに痛いとこ突くなぁ・・。」

 

「荒治療せんとヘタレさんは頑張らないだろうからねぇ・・・。」

 

「ぐうの音も出ません・・・。」

 

 

 

海未関連のこの話になると拓哉は親身になってくれる反面、異常に厳しくなる。

俺の性格を加味してケツを叩いてくれてると思ってるんだが・・・やはり一言一言がメンタルに来る。

 

 

 

「何とかして行動は起こすからさ・・・」

 

「ほぉ・・・いつよ?」

 

「そ・・それはその・・決めてないけどさ・・。」

 

「はぁ・・・・」

 

 

 

PCの画面上でジト目をしてる拓哉が想像できる。

 

 

 

「次のデートな。」

 

「・・・えっ?」

 

「次のデートを実現させてその時に行動を起こすこと。いいな?」

 

「ちょっ、急すぎるだろ!!」

 

 

 

あまりにも唐突な言葉に焦る。

 

 

 

「知らん!お前が行動を起こすって言ってタイミングを決めてなかったから俺がアドバイスしただけだから。」

 

「き・・気持ちの準備が。。。」

 

「準備ができたら行けるんですかねぇ??」

 

 

 

的確すぎるツッコミに返す言葉がない。

 

 

 

「はい!この話おわり!頑張れ!以上!」

 

「えぇ・・・」

 

「そうそう、明日お前日直だから忘れんなよ。」

 

 

 

話をぶった切られ日直の話を振られるが心ここにあらず状態だった。

 

 

 

 

 

 

この1週間で海未を今まで以上にしれて今まで以上に近く感じれて

 

今まで以上に好きになったからきっと気持ちは伝えられる!!!!

 

 

 

 

 

・・・といいなぁ・・・。

 

 

 

 

 

溜息を吐きつつ俺は拓哉とオンラインゲームの続きをやるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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練習がお休みの休日私は幼馴染の穂乃果の家に呼び出されていた。

 

 

 

「穂乃果・・・。要件も言わずに呼ばれたわけなんですが・・・。」

 

「今日はね!海未ちゃんから沢山お話を聞きたいんだ!」

 

「そうそう!」

 

 

 

同じようにことりも呼び出されたんでしょう・・・。ですが、何故かノリノリです。

 

 

 

「聞きたいって別にそんな普段から一緒にいるんだから特別話すことなんて無いでしょう?」

 

「もぉ~分かってないなぁ!デートだよ!デート!」

 

「へっ?」

 

「昨日のデートの報告を聞きたくて!ことり今日が楽しみであんまり寝れなかったよ~」

 

「で、デートではなくて!アレは取材だと言ったじゃないですか!」

 

 

 

 

やっと自分の置かれてる状況に気が付き逃げたくなりました・・・。

 

 

 

「その割にはことりちゃんに着ていく服を相談したりねぇ?」

 

「うん!メッセージからも焦り具合が伝わって面白かったよ~」

 

 

 

二人は前日の私の相談を面白そうに振り返ります。

 

 

 

「そ、それは!取材の写真ですから恥ずかしくない格好で行きたかったからです!」

 

「う~ん・・・伊達くんが気に入ってくれるか気にしてたようなするなぁ・・」

 

 

 

ことりはニヤニヤと私を見て穂乃果に話題を振ります。

 

 

 

「私をからかう為だけに呼んだのなら帰ります!」

 

「まぁまぁ、落ち着いて・・・。」

 

 

 

本当に穴があったら入りたいとはこの事を言うのですね・・・。

 

 

 

「そもそも、デートと舞い上がってのは私だけです。」

 

「「(デートって簡単に認めるんだ・・。)」」

 

「宏樹はホントに取材の為に私の予定を聞いて・・って感じでしたし・・。」

 

 

 

自分で言ってるのですが言葉にすると少し辛いですね・・。

 

 

 

「う~ん・・。それは違うと思うなぁ・・・。」

 

「ことりもそう思う。」

 

 

 

二人は私の意見を受け入れてくれませんでした。

 

 

 

「伊達くんって天然な所あるから誘ったあとにデートってことに気がついてそう!」

 

「そんな感じするなぁ~♪」

 

 

 

二人は息があったようにウキウキと話しています。

 

 

 

「そうですかね・・・。」

 

 

 

二人が言うと少し希望が持てそうです。

 

 

 

 

「「(前日に澤村くんから伊達くんの天然ボケの連絡を受けたとは言えない・・・。)」」

 

 

 

 

「そんなことより!」

 

「何ですか?穂乃果。」

 

 

 

 

 

 

「いつ告白するの!?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・は?」

 

 

 

穂乃果の突然の言葉に私は固まりました。

 

 

 

「告白だよ!告白!!」

 

「ことりも気になってたの~。あとは何回かデートしてタイミングを見て告白するだけかなぁって。」

 

「ちょっ、ちょっと待ってください!話が飛躍しすぎてます!」

 

 

 

こんな感じで1日穂乃果の部屋で質問攻めをされ、次のデートの約束の事まで聞き出されました・・・・。

 

これが世に言うガールズトークというものなのでしょうか・・・。

 

参加して楽しい物なのでしょうが、質問攻めされる側にはなりたくないですね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ふあぁ~・・・ねみぃ・・・。」

 

 

 

いつもの登校時間より30分ほど早い時間に宏樹は通学路を歩いていた。

 

理由は昨日拓哉に言われた日直の業務をこなすため。

 

 

 

「週の初めの日直は色々やる気でないからやめて欲しいわ・・・。」

 

 

 

お休みでダラけた体にいつもより早い起床は堪えるなとぼやきつつ

 

昨日の出来事をぼんやりと思い出しながら淡々と学院へ向かう。

 

 

 

デート、告白・・・。未経験な事にチャレンジしなければいけない・・・色々な感情が頭をグルグルと回り溜息を付く。

 

 

 

「海未は俺のことどう思ってるんだろうなぁ・・・・。」

 

 

 

通学路の途中、信号待ちをしながら呟く。

 

どんなに自分の気持が好きだとしても向こうがそうじゃなきゃ意味が無い・・・。

 

でも、そこにビビっても仕方ない。やはり簡単には答えは出ない。

 

 

 

信号が青に変わり歩き出そうとした瞬間、宏樹のカバンから何かが落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ・・・ったくついてねぇなぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう呟いてそれを拾おうとした瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キキィーーーーという、けたたましいタイヤの擦れる音と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャン!!!と爆発にもにた激しい激突音が通学路に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後までご覧いただきありがとうございます。

とりあえず次で終われるかな?

勉強が終わっても研修とかもぶっこまれて最悪

お仕事の応援とかもぶっ込まれそうで

ダレカタスケテーー状態です。

なんとか終わらせて次も書きたいぞ!

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