やっぱりこの辺から難しくて遅筆になってきました(^q^)
拓哉との話をした次の日、俺は海未との取材のために待ち合わせ場所に居た。
時間を見ると集合時間の1時間前である。
情けない話あれからあまり寝れない上に早く目が覚めてしまった。
『じゃあ・・先輩は園田先輩のことどう思ってるんですか?』
『実際お前は園田さんのことどう思ってるん?』
昨日は二人に言われたこの言葉がずっと頭を巡った。
そして自分では結局答えが出せなかった。
まぁ、今日はこのことを忘れて取材に集中するか・・・。
そう自分に言い聞かせてのんびりと行き交う人を人間観察しつつ海未を待つことにした。
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「すいません。待ちましたか?」
開口一番海未は謝罪をしつつ待ち合わせ場所にやってくる。
「いやいや、まだ集合時間の30分前だろ」
苦笑しつつ海未に言葉を返す。
「でも、待たせたのは事実ですし・・。」
「・・・俺が時間通り来てたら海未は30分待ってたわけだよな?」
「はい。」
「それで俺が謝って来たらなんていう?」
「私が勝手に早めに来たから・・・あっ。」
苦笑してる理由がわかったようで海未はハッとする。
「そーいうこと。俺が早く来てただけだから気にすんな。」
「ですが・・どうも謝らないと気がすまないようで・・」
「相変わらず変な所頭が硬いなあ・・」
俺は苦笑しつつ喫茶店へ向かう。
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海未の行きつけの喫茶店はオープンテラスがあるオシャレな喫茶店だった。
混みそうな時間は避けていたので客は殆ど居ない。
「すげぇオシャレな喫茶店だな・・おい。」
「はい。すごくお気に入りなんです。」
海未は嬉しそうに話してくる。
「そんじゃ、まぁ入りますか。」
「はい。」
海未が店に入りマスターと話している。お気に入りと言っていただけあって行きつけのようでかなり仲良く話している。数分話した後オープンテラスの席に案内される。
「ごゆっくり、ご注文が決まったら声をかけてね。」
マスターはメニュー表を俺達に渡し店内へ戻っていく。
マスターが戻ったのを見て回りを見回す。
オシャレな雰囲気のイスやテーブル、外にいながら外の世界と若干隔離されている感覚に襲われる感じたことない感覚だった。
「あんまりキョロキョロするとみっともないですよ。」
海未は珍しがってキョロキョロする俺を見てくすりと笑う。
「こんな雰囲気の店、自分じゃ絶対いかねぇからな。」
苦笑してメニューに目を向ける。
「オススメはどれ?」
色々とこういう事に疎いので海未にアドバイスを求める。
「そうですね・・・。この店はパンケーキが人気みたいです。あと、モンブランは美味しいですよ。」
「むぅ・・・迷うなぁ・・・。」
「それじゃぁ、私がモンブラン頼みますから宏樹はパンケーキを頼んで下さい。二人で分けましょう。」
「おぉ!マジで!?さんきゅー♪」
こんなことでウキウキしてしまう自分が若干情けないが美味しいものを沢山食べれるチャンスのは滅多に無い。
注文をしようとマスターを呼んだ時マスターが話しかけてくる。
「この席は海未ちゃんの特等席なのよ~」
「へ~。そうなんですか。」
「作詞してる時は黙々とこの席で作業しててね・・」
「ちょっとマスターあんまり変なことは・・」
マスターが普段の海未の姿を喋ろうとすると海未はタジタジしだす。
「たまに変な輩にナンパされたり・・・」
「そりゃ、けしからん輩ですな~」
「でしょ~!だから毎回私が全力で追っ払ってるのよ~」
「すんませんねぇ・・・どうせコイツが断れなくて困ってるのを見かねてって感じですよね?」
「よくわかってる!そうなのよぉ~」
二人で会話が盛り上がると海未は下を向いてしまい何も答えなくなった。
「でも、今日はその心配はないわね!彼氏さんがいるし!」
「「・・・・え?」」
唐突に言われた言葉に海未と二人して固まる。
「いやいや!今日は取材で来てですね!!」
「そうです!私と宏樹は幼馴染で!」
「あらあら~焦ると余計怪しいぞぉ~」
大人のお姉さんにいいように遊ばれている・・・。
マスターは俺達をイジるだけイジって注文を受け去っていった・・・。
「あの人かなりのやり手な気がする・・・。」
「はい・・・。さすが接客業のプロです・・・。」
若干の疲労感を感じながら俺達は適当に喋りつつ注文を待つことにした。
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「美味っ!」
十数分待つと注文のものが運ばれてきて俺はパンケーキを食べていた。
コンビニで適当に打ってるものやファミレスで食うものとは大違いの旨さに一言だけ喋って黙々と食べてしまう。
「そんなに慌てて食べなくても・・・。モンブランもありますからね・・。」
海未はそう言いつつモンブランを分けてくれる。
「さんきゅ!・・・・これも美味っ!」
普段の自分の安舌が悲しいくらい美味いものを食べることが出来幸せな気分になる。
俺はあっという間に注文のものを平らげてしまった。
「はー・・・美味かった。。」
「もっと味わえばいいに・・・」
苦笑しながら海未はゆっくりとモンブランを食べている。
「でも、宏樹に喜んでもらえて良かったです。」
「いやー海未がいなきゃこんな美味いものには出会えなかったわ。ありがとな。」
ニカっと笑って感謝を伝えた時、ふと主旨を思い出す。
「ってかそういえば今日は取材だったな・・・。」
「なんでそもそもの主旨忘れてるんですか・・・。」
「いやー完全に海未に『美味しいお店を教えてもう会』になってたから・・。」
わりぃわりぃと笑いつつカメラを出して写真を撮りだす。
「ちょっと!食べてるところを撮らないで下さいよ!」
「いいじゃん、作詞の時はこうやって息抜きしつつってことでさ・・」
「し、仕方ないですね・・・。でも、撮られてると思うと落ち着かないですね・・。」
「まぁ、普通に俺と食ってると思ってさ!」
適当に海未を誤魔化しつつシャッターを切る。
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「さーて一通り写真はオッケーかね?」
「やっぱり意識すると疲れますね・・・。」
「お疲れさん。」
海未を労いつつ俺はカメラをしまう。
「やることは終わったしのんびりしよーぜ」
「そうですね。」
一息ついたのでコーヒーで一服しつつまったりした雰囲気になる。
「そーいや、次の曲の作詞の調子どうなんだ?」
「・・・まだ出来てないですね。真姫から曲は貰ってるんですが・・。」
「ファッションショーでのLIVE用の曲だっけ?」
「そうですね。」
作詞というジャンルは俺には到底理解できない世界なのでどうアドバイスをしていいやら迷う。
「あんまり根詰めるなよ。気を抜きすぎると某先輩に『合宿よ~!』とか言われそうだけど。」
「確かにそうですね。」
二人で笑いあった後でも海未の顔はすぐれない。
「その様子だとかなり悩んでるみたいだな。」
「はい・・・。」
そう答えつつ海未は徐ろに作詞ノートを見せてくる。
「読んでいいのか?」
「今考えているところのページだけなら・・・。」
そう言って俺に指定したページだけを見せてくる。
何々・・・・
『君が視界に入ると いつも変な気分
でも君に会いたくて おかしくなりそうなんだ
これが何なのか誰か教えてくれないか? まさか恋ってやつ?
君が僕の名を呼ぶとき いつも雷を受けたみたい・・・・・』
「これって・・・ラブソングだよな・・・?」
「はい・・・。」
「お前こういうの苦手なんじゃ・・・・?」
「確かに苦手です!・・・ですけど!何故か作詞をしようとするとこういう話ばかり筆が進んでしまって・・・・。」
「そんでもって上手いこと作れないと・・・。」
海未は顔を真っ赤にして話してくれた。別に恥ずかしいことじゃないんだけどな。
「あまりラブストーリーが好きではないのに、
頭の中はラブストーリーでいっぱいで・・・・。
自分が自分じゃないみたいで・・・・・・。」
「・・・・別にいいんじゃねぇの?」
深刻そうな海未に対しあっけらかんと言葉を返す。
「そんな軽々しく答えなくても・・・!」
「軽くなんて見てねぇよ。」
俺は海未の目をしっかり見据え答える。
「空だって晴れの時もあれば土砂降りの時もあるだろ?
人間だって同じ。悲しい時は悲しい言葉を話したくなるし嬉しい時は嬉しい言葉を話したくなるさ。
今回、海未はラブストーリーに挑戦したくなっただけだろ?」
「きっとさ・・・今、園田海未の歴史が変わろうとしてるんじゃねぇか?」
「えっ?」
「ラブストーリー食わず嫌いだった海未の歴史が。」
海未は俺の言葉を無言で聞いて答えてくれない。
「まぁ、その歴史を変えれるのは海未自信だけだけどな」
少しふざけて笑う。
「宏樹は・・・宏樹の言葉は・・・私の世界を変えてくれますね・・・。」
曇ってた海未の顔が笑顔になる。
凛々しい顔、真面目な顔、ふざけた顔色々な顔を取材で見てきたけど
やっぱり、俺の中の海未は自然か笑顔が1番だと思う。
最後までご覧頂きありがとうございます!
これといってイチャコラはありませんでしたが最後に爆発させれたらいいなと(^q^)
あと2~3話くらいで終わらせたいな・・・。
因みに今回は今までで1番時間がかかりました。役3日あーでもないこーでもないと書き直しまくってこのザマです/(^o^)\ナンテコッタイ
ダラダラと活動日誌も書いておりますのでまたよろしくです(^q^)