俺がアイツと戦えないのはどう考えてもお前らが悪い   作:魔法使い候補

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少しずつ文字数も増えてきました。まあ目標は1話で1万くらいなのでまだまだなんですけどね(゜ロ゜;
初めて戦闘シーン書いたけど、難しいなコレ!!


レベル上げは廃人プレイの基本

宇佐美巨人

川神学園2年S組担任

川神学園で教師をしているが、本業は代行業を営んでいる。跡継ぎとして育てる為に、源忠勝の身元引受人となる。腕が立つが、普段はどこにでもいそうな中年男性といった感じ。大和には代行の仕事を手伝ってもらう代償に、喧嘩のテクニックを教えていた。

 

 

 

 

 

「お前がアイツらの言ってた男か?」

 

来た

 

獲物が罠にかかっていることに気付かずに

 

「確かに俺好みの容姿じゃねえか」

 

あまりに無防備

 

あまりに無警戒

 

「悪いが俺は男が好きでな、今からお前を抱くぜ」

 

罠は既に張ってある

 

俺が仕組んだ計画にハマっている

 

「良いぜ♪」

 

「お!?」

 

お前は既に

 

「俺に喧嘩で勝てたらな!!」

 

俺の掌の上なんだよ

 

 

 

 

 

一日前

 

2009年4月22日(水)

 

「思っていたよりかなり早かったな」

 

「忠勝が頑張ってくれたからな、明日にでも礼を言っとけよ」

 

「分かってる、頬にちゅーしてお礼言っとくわ♡」

 

 やっぱりゲンさんは頼りになるな。女として生まれてたら惚れてたわ。既に俺の好感度は振り切っている。

 

「…いや、普通にありがとうでいいだろ」

 

 この髭本当にゲンさんの里親代わりなの?あのMr.ツンデレの魅力が分からないの?

 

「それよりお前が頼んでいた奴だけど、板垣姉弟の長男坊なら誘い出せそうなんだと」

 

「ふむ、板垣竜兵か」

 

 まあそれなりに強ければ誰でも良いさ。目的はあくまで、一対一でどこまでヤれるようになったかの確認だ。

 

「板垣竜兵って奴はガチホモらしくて、今回目をつけた奴も強引に掘られたんだと」

 

「」

 

 エ?(゜д゜)

 

「ボコボコにしてほしいんだって、まあ裏切られる可能性はかなり低いな。負けたら掘られるかもしれないけど」

 

 

 

 

2009年4月23日(木)

親不孝通り 建設途中のビル

 

「ハハッ、面白えこと言うなニーチャン!!」

 

「笑っていられるのも今のうちだぜ」

 

 間隔は大体20m、事前の情報だと武器を使わず殴りにくるらしいが、何か武器に使えるモノを所持している可能性はある。まずはそれを確認する。

 

「そういう奴、嫌いじゃないぜ」

 

 こちらへ歩み寄ってきた、距離を詰められる前に上着を脱ぎ捨てる。向こうもつられて上着を脱ぎ捨てた。インナーはタンクトップ、少なくとも上半身には武器になりそうなモノは見当たらない。

 

(やっぱり脱いだな)

 

 見るからにプライドが高そうな男だ。同条件下で勝ったと俺に認めさせたいから、喧嘩が始まるまでは同調行動で誘導しやすいと思っていた。

 仮に誘導できなくても、俺を抱くつもりで来たんだ。興奮状態で体温は高く、上着を脱ぎ捨てる確率は限りなく高い。

 後は下半身、特に尻ポケットの確認をしたい。対峙した状態からは見えない位置にあり、武器を取り出しやすい。脇ポケットなどは、戦っているときは前屈気味になることが多いので、尻ポケットより取り出しにくい。取り出した後も腕を後ろに引いていないので、間が空き攻撃へと繋ぎ辛い。何より取り出す動作が丸見えだ。所持しているなら後ろしかない。靴に鉄板を仕込んである可能性もあるが、屋外で脱がせるのは難しい。こちらは蹴られないように警戒するしかないな。

 

「あまり粘るなよ、ボコボコになった顔じゃ萎えるかもしれねえ」

 

「ほざけ、ボコボコになるのはてめえだ」

 

 対峙したままでは確認できない。せめて半身に構えさせて、視界だけででも確認しておきたいが良い策が浮かばない、ここは俺から仕掛ける!!

 

「二度と男を抱くなんて言えないように、睾丸潰しておんn」

 

 会話を途中で切り、サイドステップの要領で右側から僅かに背中が見える位置まで回り込み、蹴りの体勢に入る。ポケットの部分を見る。少し膨らんでいるが、あの程度なら財布の可能性が高い。

 

「!?」

 

 会話に耳を傾けていたのか、奴の反応が一瞬遅れる。

 深手を負わせる為の蹴りではない。野郎のケツ、正確にはポケットの中を確認する為の蹴り。あわよくば、体勢が崩れるのを期待しての蹴り。

 

ドスッ!!

 

「…?」

 

「チッ!!」

 

 体勢を崩すことはできなかったが、確認はできた。十中八九財布、少なくともスタンガンや警棒などの武器ではない。

 

「おいおい、どこ狙ってんだ?」

 

 嘲笑いながら板垣が言う。こちらの意図を悟らせずに済んだのも大きい。ここまでは計画通り。

 

「ケツなんか蹴っても痛くも痒くもないに決まってんだろ!!」

 

 お返しとばかりに突っ込んできた、強引に殴り倒すつもりか?

 

「オラァッ!!」

 

 大振りだが、正確に顔面を狙ってきた。連打されると面倒だ、前蹴りで距離をとる。

 

「ぐぅ…」

 

「!?」

 

 腹部に蹴りを入れられながらも、強引に打ち返してきた。体軸がブレないから、素早く次のパンチを繰り出してこれるのか。

 何かヤっていた というよりは、フィジカルが強いからか。ガンガン前に出てこられると対処が難しい。

 

「なんだよ、やればできるじゃねえか」

 

 身長は俺と同じか、野郎の方が少しデカイ。体格差はほぼ無いと言えるが、俺は一度自分より小さい女にボコボコにされている。見た目で判断はできない。

 

「その調子でガンガンこいよ!!」

 

 こいつに苦戦するようでは、アイツには勝てないどころか戦いにすらならない。俺にとってこの喧嘩は試金石、それを忘れるな。

 

板垣に何もさせずに倒す!

 

おっさんとの訓練を思い出せ!!

 

 

 

 

 

 

一年前

2008年6月3日(火)

 

「喧嘩で勝つために一番必要なモノ?」

 

「そ、直江は何だと思う?」

 

「………」

 

「まあ各個人で意見は変わるだろうが、最も必要なモノとなれば攻撃性。敵を徹底的に攻撃できるかどうかだと俺は思う」

 

「どんな戦い方だろうが、結局はソレが必要になる。今の日本のような比較的治安が安定している国では特にな」

 

「人が人を攻撃するにはボルテージが必要だ。比較的殴り慣れてるヤクザやチンピラでも、ある程度は必要になる」

 

「ボルテージが足りないまま攻撃しようとしても、意識的に力をセーブしてしまう。ケガをさせてしまったらどうしよう、という感じで」

 

「じゃあどうするんだよ?」

 

「お前さんには、ボルテージを上げる良いオカズがあるだろ?」

 

「!?」

 

「復讐を誓う程、殺したいと思う程、憎い奴が」

 

「……」

 

「脳には心理的限界(サイコロジカルリミット)がある。無意識に自分の力を抑制するはたらきがある。このリミッターを外す為にそいつを使う」

 

「殺したい奴のことを思い出せ、死ぬ直前の映像を想像できるようになれ」

 

「できるようになれば、自分自身で大量のドーパミンが出せ、一瞬とはいえリミッターを外せる」

 

「ボルテージも否応なしに上げられる」

 

「使いどころはよく考えろよ、リミッターを外した人間は一般の女性が車を持ち上げるくらいだ。下手すりゃ相手が死ぬ、火事場の馬鹿力を甘く見るなよ」

 

「……」

 

 

2009年4月23日(木)

親不孝通り 建設途中のビル

 

 板垣は様子を見ている。痺れを切らす前に俺から仕掛け、一気に勝負を決める。勝算は既に考えている。

 

 俺はボクサーのように拳を顎の前に構え、一歩踏み出しジャブを打つ要領で左の拳を開きながら繰り出す。

 

「なっ!?」

 

 フィンガージャブで板垣の両目を狙うも、勿論ガードされる。だが、板垣の視界を左手に集中させることに成功。本命は両目を潰すことではなく、視界から外した足による…

 

金的!!

 

ドズッ!!

 

「ぁが!?」

 

 きれいに金的が決まり、板垣が前屈みになる。頭が下がり、両手が股間へ。がら空きの両耳へ…

 

イヤーカップで鼓膜を破る!!

 

パァン!!

 

 そのまま左耳を掴み、引き倒してマウントをとる。気絶しているように見えるが、徹底的にやる!!

 俺が絡んでくるように仕向けた為罪悪感が少し湧いたが、あの女が俺を見下している映像を想像する!!

 

 

 

 

 

 

『弱いクセに強いモノに楯突くからだ』

 

 

 

 

 

 

【ぶっ殺してやる!!!!】

 

ゴォン!!

 

 渾身の頭突きで鼻を潰す。

 

ゴォン!!

 

(マウントをとったら一気に決めろ)

 

ゴォン!!

 

(マウントで時間を掛ければ掛けるほど逆転される確率が上がると思え)

 

ゴォン!!

 

(ちまちま削るのではなく、一発で壊すつもりで打て)

 

グチャッ!!

 

(敵に行動させる間を与えるな)

 

……………

 

 

 

 

 

 

 

2009年4月23日(木)

親不孝通り 建設途中ビル前

 

「もう終わったかな?」

 

「板垣竜兵がビルに向かってから一時間近く経ったし、どちらに転んでも終わってる頃でしょ」

 

「それにしても、本当に美味い話だったな」 

 

「ああ、まさかマジで誘導しただけで金が貰えるとはな」

 

「負けても、戦ってる奴は俺らの顔も名前も知らねえし、万が一勝ってくれれば溜飲が下がる」

 

「ノーリスクハイリターンとはこのことだな!!」

 

「お、そろそろ聞こえるかもしれねえ。気を付けろよ」

 

「ウェーイ!!」

 

「竜兵さーん、まだやってんスかー?」

 

「もう日が変わりますよー、続きはホテルか家にしm」

 

「誰か発見♪倒れてるしー、満足するまでもたなかったんかな?」

 

「しょうがねえな、さっさと竜兵さん見つけて救急車呼んでやろうぜ」

 

「ちょっと待ってー、どんな面してるかはーいけーん♪」

 

「エ?」

 

 

 

うわぁああああああああああああ!?

 

 

 

 

 

大和は板垣竜兵を倒した!

ちゃらららっちゃっちゃっちゃーん♪

大和はレベルが上がった!

大和は"リミッター解除"を覚えた!

大和のちからが1上がった!

大和のかしこさが2上がった!

大和のやさしさが4下がった!


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