俺がアイツと戦えないのはどう考えてもお前らが悪い 作:魔法使い候補
板垣辰子
板垣姉弟の次女。竜兵とは双子で辰子が姉になる。板垣家の家事担当。普段は寝坊助を体現したような性格で、他の姉弟とは似ていない。戦闘能力は高く、特に力に長ける。レスリング系の技を使うが、姉の亜巳が許可を出すと本気になり、鈍器を使った強引な攻めに変わる。抜群の身体能力からの攻撃は非常に強力で、力だけなら百代の上をいく程。おっぱいが大きい。お尻も大きい。
ボン・キュボーン!!(°Д°)
2009年4月29日(水)
親不孝通り
ダメージが溜まった身体に鞭を打ち、辰子は鉄心を仕留める為二度目のジャーマン・スープレックスを仕掛ける。
「せぁああああ!!!!!!!!」
一度目のジャーマン・スープレックスの勢いを利用したローリングジャーマン。当然、一度目より二度目の方が勢いが強く、高い威力を誇る。
鉄心はその強い勢いを更に利用してより速く回転し、足から着地する事に成功した。
「なっ!?」
頭から落とされるのは回避したが、辰子の両手は鉄心をクラッチしたまま。早く脱出しなければもう一度投げられる。外すにしても、怪力を誇る辰子のクラッチを力で外すのは不可能に近いと言える。流石の鉄心も、既に全盛期を過ぎて長い年月が経っている現在では外せない。
(ある程度のダメージを覚悟しての自爆技しかないかのう…)
この時点で鉄心は方針を切り替えた。出来るだけ無傷で勝つ為の防御重視の戦い方から、ダメージ覚悟の攻撃を仕掛けるようになる。
「川神流、人間爆弾!!」
鉄心を中心に爆発が起こり、衝撃が辰子の身体を吹き飛ばした。
鉄心と辰子の戦いが佳境に入った頃、ルーと板垣姉妹の戦いも大詰めを迎えていた。
(よっし!!遂にウチの奇襲が決まった。アミ姉との連携攻撃で終わらせる)
(相手は天の蹴りを喰らって体勢を崩している。挟撃の好機!!)
ルーの猛攻を捌き続け、ひたすら耐えて待ち続けた末の好機。姉妹には当然、千載一遇のチャンスに思えた。致命傷を与えようと攻撃に移る。
(思った通り、挟撃で仕掛けて来たネ)
一方、ルーは時間を掛ける程リスクが高くなると判断し、体力が充分残っている内に二人同時に倒そうと考えていた。敢えて奇襲を避けず、自分の攻撃が先に当てられる程度に体勢を崩した。そして、ルーの狙い通り姉妹は挟撃を仕掛ける。
(……今ダ!!)
姉妹が二人共間合いに入った瞬間、突如竜巻が発生し二人を上空へ巻き上げた。
「バーストハリケーン!!」
板垣姉妹は竜巻に煽られ、体勢を整える事すら出来ずに地面に叩き付けられた。
「後は板垣辰子だけか」
ルーは二人が気絶しているのを確認し、離れた所で待機していた修行僧に後を任せ、自身は鉄心の加勢に向かった。
2009年4月29日(水)
島津寮102
「…技名を考えないとな」
黛との組手の後、自室で筋トレをやり終えた大和は、自身の技に名称が無い事を気にしていた。
(…やっぱり喧嘩●売の金剛と無極が良いな。あんまり長いと萎えるし)
元々、心臓打ちはこの漫画を読んで試した技だし、リミッター解除も無極の効果に入っているし覚えやすい。何よりネーミングセンスが良く、俺のテンションが上がる!!
一撃で敵を昏倒させる"金剛"
"無極"による人体コントロール
この二つの技の完全な習得が打倒武神の鍵になる。拳撃による金剛はまだ不完全、無極もサイコロジカルリミットの解除しか出来ない。もう一つ習得したい技もあるし、早く完璧に使えるようにしないと。
金剛による失神は、力の強い蹴りではほぼ確実に決められるようになっていたが、蹴りに比べると威力が低い突きでは三回に一回程度しか決められていない。不死川との決闘で決まったのは、首への攻撃と咽喉を指で押し込み、呼吸困難な状態になっていたから決まった。
(金剛は数をこなしていくしかない。チンピラの心臓を殴りまくるか…)
無極による人体コントロールは、今のところ余力を引き出す使い方しか出来ていない。自分の脳を騙す事で様々な応用が出来る技なだけに、策を用いて戦う大和に向いている技と言える。
(無極は時間さえあれば練習出来る。暇を見て練習し早く習得する。そして…)
大和がもう一つ、どうしても習得したい技も川神百代との対戦で鍵になる。技を決める為に条件をクリアしなければならないが、決まれば自分の体力が許す限り打ち続ける事が出来る。謂わば…
相手の反撃を許さない連打
その技の名は
"煉獄"
2009年4月29日(水)
親不孝通り
ドオン!!!!!!
「!?」
板垣姉妹を倒し、鉄心の加勢に向かっていたルーは突然の爆発音に足を止めた。
(一体何が起こっていル!?)
川神院総代、川神鉄心を相手にまだ戦っているというのか?年老いて全盛期を過ぎたとは言うものの、未だ川神院のトップに君臨している男を相手に?いや、それよりもさっきの爆発は何だったんだ!?
ルーの頭に次々と疑問が湧くが、現在確かめる術は無い。混乱した頭は足を止めて思考する事を選択したが、疑問を払拭出来ない為冷静になる事も難しい。だからルーは再び走る!!確かめる為に!!
「ぐあぁぁ!?」
爆発の衝撃で辰子のクラッチが解け、身体が吹き飛ぶ。爆発は、衣服が焼けたり皮膚が焼け爛れる程の熱を放つ事は無かったが、爆発の衝撃と至近距離からの爆発音で三半規管にダメージを与える事に成功した。辰子だけではなく、自爆した鉄心にも平等に…
(追撃を仕掛けたいが、足が動かん。距離を詰める必要が無い技…)
「顕現の弐、持国天!!」
気で具現化した巨大な腕が辰子を攻撃する。威力は低いが絶対に命中する技の特性を利用して、辰子の動きを封じ次に放つ技を当てやすくした。
(これ以上長引けばワシが不利になるだけ。この一撃で仕留める!!)
「かわかみ波!!」
鉄心の両手から極太のエネルギー砲が放たれ、辰子の身体を飲み込んだ。毘沙門天の一撃で限界を迎えていた辰子の身体は、遂に意識を手放し気絶した。
「ふぅ、少し疲れたわい…」
(数日は大人しく過ごすかの…)
直江大和と板垣竜兵の喧嘩から始まった一連の騒動は、釈迦堂刑部、板垣亜巳、板垣辰子、板垣天使の身柄の確保、更正。板垣竜兵の逃亡という結末を迎えた。
2009年4月30日(木) 昼休み
川神学園2-S教室前
(さて、昨日まゆっちにも話しておいたし早めに不死川と交流してもらおう)
大和は黛と不死川を引き合わせる為、S組に不死川を迎えに来ていた。
(決闘で勝って命令したとはいえ、出来る事なら好意的に協力してくれた方が良い)
まゆっちは川神に来て日が浅いし、友達を増やしたいって言ってた。所持している日本刀や奇抜な腹話術で近寄りがたいが、性格には問題無いし気品も感じられる。不死川の方も交友関係は狭いみたいだし、まゆっちを気に入る確率は高いだろう。二人共女性で同性ってのも大きい。
「チィ~ッス♪」
軽い挨拶(?)をし教室に入ると、多数の視線を向けられる。殆どは敵意を孕んだモノや訝しげな視線で、空気が緊迫していく。先日の決闘の結果が尾を引いているのが伺える。
「おや?大和君じゃないですか。S組に来るなんて珍しいですね」
そんな中、緊迫した空気をぶち壊す穏やかな声が掛けられる。細身のイケメンで、腰が低く育ちの良さそうな青少年だ。
「どうしたんだ若?って、直江かよ!?」
次いで話し掛けて来たのは、爽やかハゲとでも言うべき青少年。身長は高いが、身に纏う空気が穏やかだからか威圧感は感じられない。
「葵にハゲか。不死川に用があるんだが…その前にハゲ、テメェ俺がS組に来たら何か問題でもあるのかよ?あぁん!?」
大和とこの二人は、賭場でちょくちょく顔を合わせた事がある。若、葵と呼ばれたイケメンの名前は葵冬馬。ハゲの名前は井上準という。冬馬と準の親が同じ病院の院長と副院長で、長い付き合いの幼馴染みになる。
「相変わらず手厳しいな、オイ!?」
「大和君はドSですから。それより不死川さんですが…決闘に負けたばかりですし、休み時間が始まると直ぐに教室を出て行ってしまいますねぇ」
「まあ、教室には居づらいわな。プライドが高いし、登校して来るだけでも相当無理してるんじゃねぇか?」
(ん~やっぱり教室には居ないのか。俺も早く教室を出て来たんだが…)
散々見下してきたクラスの生徒に負けた事でプライドは傷付き、面子もある程度潰れただろうしなぁ。不登校にならないのは流石だが、これはあんまり良くない状況だな。まゆっちから接触してもらった方が良いのかもしれないけど、今のまゆっちのコミュニケーション能力には期待出来ないよな。
「あ~、分かった。ありがとよ」
「あ、ちょっと待って下さい」
大和は礼を言って教室から出ようとしたが、葵に呼び止められる。
「…?俺に何か用があったのか?」
「ええ、私もS組ですから。自分のクラスが負けっぱなしというのは嫌なので…」
「!」
「大和君、私とも決闘してもらえませんか?」
板垣亜巳、板垣辰子、板垣天使が川神院に引き取られた!
板垣竜兵が入院している病院から抜け出し、逃亡を開始した!
川神鉄心はダメージで数日動けない!
大和は葵冬馬に決闘を挑まれた!
自分でも注意していますが、誤字脱字があれば教えてもらえると助かります。( ´∀`)