FPS民が世界を荒らしていますが特に問題はありません 作:K.I.Aさん
誰も見てないよな…?
よし、名前変えたし誰もわからんだろ…。
ほれッ(投稿)
ベトナムでの戦いを想う時……俺は気持ちの高まりを抑えることができない。
前作バ○ルフィールド1942にのめり込んじまった仲間も多いと思うが、第二次世界大戦以降、二十年以上の歳月は戦争の様相を思いっきり変えちまった……。
空を切り裂くジェットの轟音、翼を広げ獲物を狙う猛禽類のようなヘリの爆音、地を焼き尽くすナパームのガソリン臭……。
命を削るようなジャングルでの恐怖感さえもが、懐かしい友のような印象を俺の体に刻み込んじまったようだ……
ど う だ い !
この人間としてのギリギリの緊張感、体験してみてぇとは思わないか?
バト○フィールドシリーズの新しい舞台はズバリ、ベトナム!!その名も……バトルフィ○ルドベトナ――
「ヒャッハーッ!(ズドン!)」
そんな声がした瞬間、僕が見ていたテレビが一瞬にして木端微塵となり、見るも無残な形へと成り果ててしまった。
思わずびっくりし、奇声の聞こえた方向へと思わず振り返れば……一言でいうならば宇宙で着るような分厚いスーツを金属で部分的に強化した武骨な物を着て、どこぞの中世時代の西洋騎士の兜を近代化したようなモノを被っている――誰だ?
「お前誰だー!?」
『僕だよ小室、平野だよ!』
いや、それはおかしいだろ!その手に持っている謎のビーム武器はまだ数百万歩譲って納得はしたけど、どこからそんなめっちゃ丈夫そうなスーツを持ってきた!?
それになんで今の状況で貴重な情報収集の手段を壊したんだ!?思わず平野に詰めかかる、が簡単に押し返された。
「なんでテレビを壊したって言いたそうな顔だね。それはね、テレビが破壊可能オブジェクトだったからさ。」
「いや言っている意味がわかんねーし!ちゃんとわかるように説明しろ!」
「いやだってさ。壊れる物って壊したくなるじゃん?」
スーツを着たままやれやれとジェスチャーをする平野(?)。なんだろうか、めっちゃムカツク……!そして、おかしいな。日本語なのに言っている意味が分からないんだけど。
そんな心理があったら日本は、いや世界はモヒカン溢れる世紀末一直線待ったなしだ。ありえない、こんなの絶対にありえない!
「まさに真理だな、平野君。君の言っている事は正しい。」
「壊れる物は壊す。こんなの当たり前すぎて泣けて来るわ。」
「もしかしたら回復アイテムも出るかもしれないから~。お、グリーンハーブゲット!」
――ありえない、絶対にありえない、筈なんだ……。なんでや、僕がおかしいのか!?脳裏に器物破損罪なんてなかったんや……いう文字が流れる。
花瓶を、樽を、そして雑草を切る殴る蹴る撃つ投げる等々などの攻撃手段で次々に物品を破壊していく僕の仲間達。
そして、彼ら彼女らがものを壊す度にたまに現れる弾丸箱(勿論実弾)やらすごくケバケバしい色をした謎の草(緑と赤はまだわかるが青とか黄色とかはわけわかめ)が突如現れているのだ。
非常識な彼ら彼女らに驚愕を隠せない。そんな僕に背中から肩を優しくトン、と叩く誰か。振り返ってみればそこにはもう一人の幼馴染、高城が本当の仲間を見つけたかのような目でじっと見つめられる。
「小室、アンタの言いたいことは分かるわ。でも今は堪えなさい。」
「た、高城?お前は"アイツら"じゃないのか?」
「……アンタも大変だったわね。同じように私も大変だったわ。」
「高城……!」
「小室……!」
たった一人の同類に思わず差し出された彼女の手を両手で優しく包むようにして掴んでしまった。同類がいたという安心感は理不尽と不条理でズダボロにされた心を癒してくれる気がした。
本当によかった、本当によかった……。僕がおかしいわけじゃないんだ……!と。RPGゲームだったならSAN値が回復しただろう、それのお蔭かやや思考が正常に戻る。
そして、自分が女の子の手を大切に握りこむというとても勇気のある事をしていることに気が付き、羞恥を覚えた僕は高城の手を離した。
顔の照れを誤魔化すように当たりを見廻し、その際にある一つの事に気が付いた。
――あれ?一人足りなくね?と。
「麗。永のヤツがいないけど何処に行ったか知ってるか?」
「あぁ、ロスコネしたわ。最近PCの調子が悪くて萎えるだそうよ。」
「高城ぃ……!」
「小室……今度から名前で呼んでいいわよ、ね?」
拝啓、母さんへ。今まで意識すらしてなかった、まともな幼馴染みがとっても癒しです。
動く死体であるヤツらの数は尋常じゃない。それに対して僕ら人間の数は余りにも少なく、そして弱い。
そんな中で僕ら生き残るには、この変わり果ててしまった無情な世界で生き残るには生き残った人間たちでチームを組み、好き勝手な行動はせずに力を合わせなければならないのだ。
そこで僕たち6人はチームを組んだ。取り敢えずの目標としてこの学校を脱出するというものを立てて。
「ここから駐車場に出るのに一番早い道は正面玄関からよ。でも――」
「その分ヤツらも集まっている、という訳か。」
「となると火力が足りないな、果てさてどうしたものか……。」
「火力が、足りな……い?」
どこがだろうか。当たったものすべてを解体するビーム工具に、弾丸が爆発するショットガンがあるのに?これでも火力が足りないと申すかこの先輩は。
もしかしてあれか?先輩の目は節穴なのだろうか、あまりに剣道をし過ぎて銃器が全て鉄の塊にしか見えて無いのだろうか。剣>[越えられない壁]>遠隔武器という考えでも持ってるのだろうか。
線で攻撃してくる剣と違って銃弾は点での攻撃だから避けやすいとか言ってしまうタイプのファンタジー製な人間なのだろうか?
弾道予測線を予測し、音速を超えて飛んでくる鉛弾をその手に持つ刀で叩ッ斬るブラッキーなキリット君のような事をしれっとやらかす人なのだろうか。
バールのようなものがあれば十分とでも言いたいのだろうか。
「ん~、あ。そうだ!あの人に頼めば大丈夫よ~絶対!」
「あの人?鞠川先生、あの人とは誰よ?」
「こっちよ~、こっちこっち。ついてきてー!あ、高城さんもね!」
そう言って鞠川先生は僕と沙耶を手招きし、一つの机の前に立つ。そして、受話器を手にし、おもむろにボタンを押し始めた。
「……鞠川先生?」
「ちょっとまってね~。 えぇっと、確か秘密のパスワードは1、1、1……それで1!」
それはもうパスワードじゃねぇだろと突っ込もうと思った瞬間、机が中心から半分に割れ……中からどこか地下へと続く階段が出現した。
オイ待ておかしいだろ、ここ三階だぞ。なんで地下への道が出て来るんだ。二階と一階はどうした。そもそもなんで隠し部屋が学校に存在する。そしてどう考えても次元がネジ曲がってんぞ!
だが当然のように鞠川先生はその階段を降りていってしまったので、突っ込む間もなく仕方なく僕と沙耶も後へと続くしかなかった。
階段を降りた先は……僕の知らない、異世界でした。
青色の灯火で照らされた如何にも隠れ家というような部屋。天井にはすでに腐りかけた木材が天井を支えている。
そんな空間にどこにでもありそうな露店のようなお店がぽつりと一つ。だがしかし、店並びが異常以上に異常だった……!
まず目に入ったのはショーケースにところせましと並べられた無数の弾薬箱。赤緑青実に様々な色をしたケースが乱雑に積まれており、きっちりと中には大小色々な銃弾が込められていた。
いったいどこからかき集めてきたし。
そして、壁に掛けられた無数の武器。警察が腰に提げていそうなピストルからいつの日かテレビで見たことのあるマシンガンまで、果てにはロケットランチャーがびっちりと掲示されていた。
もはや、一人戦争ができるレベルである。
「ンゥウェェェルカァァム! たとえパンデミック中だろうとお客様は神様だ! いい武器揃えてるから見ていってくれよ!」
さらには、店主ともいえる人物。黒いローブを身に纏う如何にも怪しすぎる人物。
どう考えてもまともじゃない。
そして、そんなことも気にせず商品を物色する仲間達はもっとまともじゃない。
気が遠くなって後ろのめりに倒れそうになった僕を颯爽と支えてくれた幼馴染みがたった一つの支えであった。
「で、アンタだれよ?」
「俺か? 俺はただのしがない武器商人だぜ、お嬢ちゃん! 武器改造から物品の仕入れまでなんでも任せろ!」
「いや、なんでよ! なんでこの日本で銃を仕入れてるのよ! 犯罪よ犯罪!」
『いえ、高木さん。銃をそのまま輸入するのはアウトですが、パーツを一つずつ手に入れるのは問題な――』
「それでも限度というものがあるでしょ限度というものがッ!! 思いっきり銃刀法違反してるわよコレ!」
気の強い幼馴染みでさえこの状況は耐えられるものではないらしい。いつまでも一緒に強く生きよう、沙耶。
甲高い怒声を背に、ガリガリと削れる自分のSAN値を実感しながらも、せっかくの武器が並んでいるからと僕もよさそうな武器を選ぶこととした。
だが、銃なんてゲームやアニメやテレビの中でしか見たことがない僕には違いがよくわからない。
困っている僕を見て、麗が一つの銃を僕に向けて手渡した。
「銃持ったことないんでしょ? ならこれがいいわ。」
渡されたそれは、なんというか。とてもゴツかった。おそらくこの銃の元となる銃がケースに飾られているが、それよりも遥かに短かった。
ストックはほぼ完全に切り落とされパイプのようなものだけで、さらに銃身もほとんど見えないほど短く、そのかわりと言わんばかりとドでかい弾倉が取り付けられていた。
銃については素人な自分でも、これは明らかに異色な物を渡されてしまったようだが……。
「……なにコレ。」
「見てわからないの?ほらこのマガジン、∞の形をしてるでしょ?」
そういって、彼女は弾倉部分を指を指した。確かに正面から見れば∞の形に見えるが……それがどうしたのだろうか。
「つまり、装填数が∞なのよ。」
…………。そうか。遂に彼女は現実と幻想の狭間が分からなくなったか。
閃光と暗黒の龍絶刀と書いてブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・サムライソードとルビを振る武器を持ち、はしゃぐ大人を見るように可哀想な目で麗を見てしまった僕は決して悪くないはずだ。
一度にっこりと笑ってゆっくりと彼女に銃を返し、僕は無言で背中を向け、一人で武器のチョイスを再開した。もう だれにも たよらない。
「ちょっと何でよ! なんで無視するのよ! ホントだから、この銃本当に無限に弾を撃つことができるのよ!」
後ろがなんだかうるさいが聞こえない。聞こえないったら、聞こえない。あー、きこえないなぁ、まる。
本当に僕が知っていた、そして恋した宮本麗はどこへいってしまったのだろうか。
とりあえず手に取った無難そうな拳銃のフレームがなんだが歪んで見えた。
「お客さん、その銃は4000円だぜ?」
あ、はい。お金取るんですか。そうですか。
というかなんでそんなに安いのかとっっっても疑問なのは頭の隅から放り出しておこう。考えたらきっと負けなんだ。
きっと儲かってるんだろうなぁ、だから大量生産できるから安いんだよと(白眼)な状態で財布の中から4枚ほど札を引っ張り出した。
ふと、仲間たちはどんな武器を買ったのだろうかと後ろを振り返る。
そして後悔した。
「
「
「
見ちゃいけなかったんだ。あの領域は決して侵してはならない世界だったんだ。
だから、火炎斧に舌なめずりをする毒島先輩に。火炎放射器を手に持ってガスマスクをつけた鞠川先生に。
背中に背負った黒光るロケットランチャーを恋人を見るかのような愛しい目をする麗なんて。どこにもいないのだ。
さっと見なかったことにし、明鏡止水のようにとっても静かな心のまま紙幣を商人さんに手渡した。
不気味な笑い声をあげた後、センキューカムバックエニータイムと言い、僕の仲間のほうへと向かっていった。
あぁ……なんでこんなことになったんだろう、と。松明の炎で照らされた天井を仰ぐ。
手に持った拳銃のフレームどころか世界が歪んで見えた僕は、絶対に悪くない……。
悪くないっちゃ、悪くないんだ……!
"ベトナムでの~"『バトルフィールド・ベトナム』
バトルフィールドシリーズの黒歴史ゲーム。
PVだけ草が生えるぐらい力を入れてる謎作。
"宇宙で着るような分厚いスーツを~"『デッド・スペース』
宇宙の工兵さんの必需品の防具。
知ってるか?これ作業着なんだぜ?
"壊れる物って壊したくなるじゃん?"『たいていのゲーム』
色んなゲームの勇者「もっともで。」
"グリーンハーブ"『バイオハザードシリーズ』
植木の中から氷山の中、溶岩のすぐそばやウイルス散らばる中まで極限の気候の中を逞しく自生する植物。
緑、赤、青、黄が発見されている。また昔は紫色の物もあった模様。
そしてミニガンに撃たれた銃創からロケランによる火傷まで一瞬で治療し、スタミナを消耗してヘタっていてもすぐに元気になるスペシャルな効果を持つ。
ご使用方法はそのままもしゃもしゃ食べる、スプレーにして振りかける、タブレットにして携帯する等万能性抜群。
"ロスコネ"『オンラインゲーム全般』
正式名称ロストコネクション。いわゆる通信エラーが発生しました。
オンラインだとたまによくあるから仕方ないね。
"ブラッキーなキリット君"『ソードアートオンライン』
最近はもはやソード関係ないとあるライトノベル。脳筋装備でスターなんとかストリームという十どうとか回ぐらい連続攻撃を繰り出す黒っぽい人。
いったい何ト君なんだ……!
"中からどこか地下へと続く階段が出現した"『ゼルダの伝説』
テレレレテレレレン♪(恒例の謎解きBGM)
"ンゥウェェェルカァァム!"『バイオハザード4』
武器商人の人。断じて銀髪碧眼の女の人ではない。
お金があればいろんな武器を撃ってくれるとっても親切な人。
"装填数が∞"『メタルギアソリッド3』
とっても有名なあの銃。モデルはM16系を魔改造したもの。
弾数は確かに無限というチート武器。
"ホロホロホー"『チームフォートレス2』
火炎放射器のアイドル、パイロちゃん。彼には見える世界がすべてメルヘンチックに見えているらしい。
詳しくはMeet the Pyroでようつべで。(広告乙)
FPSやってると口が悪くなるのは基本。
あ、CMのあたりはさすがにやばいですかね?
6/28日 12:31追記
[閲覧数]カチッ
26日578
27日690
28日2045
いったい何が……!?
こ、この流れなら言える!
( ・∀・)< ぬるぽ