FPS民が世界を荒らしていますが特に問題はありません 作:K.I.Aさん
許してください、なんでもしますから。次回作から本気だす、メイビー。
と自分自身の仲間たちの理解不能な言動と行動に唖然とし、ただ立つことしかできない小室孝と高城沙耶。
この二つのグループが無事目前の障害を駆逐しつくし奴らに立ち向かうために新しい仲間を増やそうと足を速めたその頃、新校舎のとある廊下にて一つの新しい生存者グループが作られた。
「ホント、いったいどうなっちゃったのかしらねー。ほんのちょっだけ噛まれたら死んじゃうだなんて……まるで変な人たちが大好きな映画みたいよ。」
「まったくその通りだな。掴まれてしまったら最後、私たちは奴らの仲間入りだ。それだけは勘弁したい。」
それが彼女ら、剣道部の全国大会で優勝するという実績を持つ私、三年生主将・毒島冴子と、大学から臨時に派遣されてきた校医の鞠川静香の二人組だった。
二人は学校から脱出する為の足として、車を使う事を思いついた。しかし高校生である私は当然、車の運転方法など知らない。学校内で車を運転できるのは全生徒数の10分の1程度しかいない、先生方だけだ。
次々と生徒がヤツらに食われ、かつてクラスメートだった生徒の亡骸がヤツらへと変貌していく中、私はたった一本の近接武器を自らの身体の一部のように扱い退け、ようやくの思いで保健室でヤツらに囲まれて立ち往生していた鞠川校医を見つけたのだ。
が、彼女は車のキーを持っていなかった。荷物を全部職員室の中に置き忘れているという大ポカを犯しているからだ。
数分前職員室前の別号館には、先生に頼るという考えを持ち助けを求めた生徒たちが大量に押し寄せていたのだ。だが部屋の中にいた先生たちはもう既にヤツらへと成り果てており、動揺してしまって逃げ遅れた生徒が大量に噛まれてしまっている。
そのため、周辺では特に多くのヤツらが徘徊するという危険な場所となっており、その中に入らなければならないと思うと溜息は本日何度目になるのか分からない溜息をついた。
ふと、視線を上げるとヤツが一体だらりとした腕をこちらに向け、私を貪り喰わんと向かってきていた。それに対し、私は手に持っていた武器で迎え打つ。
「――疾ッ!」
気迫の込めた迷いなき一閃。
その研ぎ澄まされた一撃は正面からバンザイアタックよろしく前進してきたヤツの頭をカチ割り、粉砕する。
――だけどころか、まるで衝撃砲でも受けたかのように50キログラムはあるはずの身体を軽く数10mは吹き飛んだ。
まるで物理法則なんぞ関係ないといわんばかりな凄まじい威力。そのあんまりな"ぶつりの ほうそくが みだれる!"っぷりにニュートン先生涙目である。
ちなみにそのまますっとんだヤツの身体はガラス窓を突き破って落ちていきました。
「ふッ……私は簡単にはやられない。この手にこの"バールのようなもの"がある限りな!」
そう、私がこの手に握っている武器……別名、鉄梃とも呼ばれる、まがった先端部分が赤みを帯びた銅の色をした鋼の工具、"バールのようなもの"だった
この紛うことなき神秘的な輝きを発する伝説の工具は主人公たちの相棒となり無限の力として、幾多の世界を救ってきた実績を持つ、素晴らしい神器である。
「すっご~い!毒島さんって、本当に強いのね!」
「それほどでもない。……さて、日も随分暮れてきた。早く脱出しなければな。」
「そうね、早く家に帰らないとご飯が食べられなくなっちゃうわ~。」
天然な鞠川校医のこの緊迫(?)感の感じられない言葉に苦笑いを私は浮かべながらも、前へと進みながらもジャンプをする。
そして、空中で曲線状に身体の軌道を変えるようにして移動をし、一定の速度を保ったまま空中で滑空をし。
跳躍をした後は当然重力に従って身体が落ち、地面に着地。しかし、足が地面に着地した瞬間私は再びジャンプを行った。
訓練のされてないふつうの人間なら前に歩きながらジャンプをしても疲れるだけで何の得にもならないだろう。
だが私は違う。ジャンプをした瞬間、今度は最初と逆方向へ身体を向けて再び空中で身体の軌道を変える。
再び地面についた瞬間またジャンプをし、空中で左から弧を描くようにして右に曲がり。そして足がまた地面につけばすぐさまジャンプをして、今度は右から左へと空中で曲線状に軌道を変える。
それの繰り返しをしていれば、ほら見てみろ。いつの間にか前に動こうという意思がなくとも勝手に前進することができるのだ!む、文字だからわからないだと?心で感じろ!
――要は、回避行動をとりながらも普通に走るよりももっと早く移動する方法である。その変態機動を行うそれはマグロのように跳ねながら直進する姿はまごうことなき変態であり、まさしくFPS界のドゥエリストの誕生ですねわかります。
念のため確認しておくが、この世界は悪魔城ではない。奴ら溢れるバイオティックな世界だ。一応の念押しである、覚えておくように。
とにかく、私達は通常の数倍以上の加速度を持った移動速度(当社比)で先を急いだ。その気になれば窓から直接職員室に直行することもできるが、今回は自粛します。
ついでに、廊下の端っこで落ちていたアイテム幾つかを拾っていくことにするのも忘れずに。新しいエリアを見つけたらアイテムの探索を行うのは基本だからな。
ありあわせの鉄屑、基盤。そして材料とベースとなった釘打ち機からどうして作れたと言わんばかりな武器、名前はプラズマカッターとの本人から確認……を見事作り出した平野。
平野は宇宙のエンジニアを目指す物ならばこれぐらい現地調達できて当然と言っていたが、そんな訳はないだろう。それが現実だったらすでに人類は宇宙に進出できるほどの技術力を持っているのは間違いないし……もう頭が頭痛でどうにかしてしまいそう。
どうして弾は釘なのに銃口からはプラズマが発射されるの?とか工具なのに手足が簡単に吹き飛ぶその過剰な威力は何?とか突っ込み所は絶えなかったが、私たちは漸く奴らに対抗できる武器を手に入れることができた。
だが、私たちが学校を脱出する方法を探る中。職員室の前を通り過ぎようとした際に……ヤツらに囲まれてしまった。
「ひ、平野、早く倒しなさいよッ!その意味不明理解不能工具のバカでかい銃声で奴らが集まってきてるわよ!」
「お願いですから高城さんも戦ってください、もうマガジンが空になってしまいそうなんです!」
「なら早く弾を詰め替えなさいよ!どうして私が戦わなくっちゃいけないのよ!」
ズダン、と再びプラズマカッターを射撃する平野。幅広のプラズマ弾は一番近くまで来ていたヤツの首に命中。
まるで粘土でも捩じり切るかのように簡単にねちゃりと頭がすっとび、切断口からはドス黒い鮮血が飛び散った。
そして、全身に指示をする大切な器官を失ったからなのか……身体はゆっくりと崩れ倒れていった。その距離大体10メートル。
……私たちはそこまでヤツらの接近を許しており、非常に危険な状態だ。
それに私は平野のように銃撃戦を行える自信は全くない。ゲームセンターの銃しか握った事のない私が突然実銃を持たされて使わされても当てることは無理というもの。
隠れたり画面の外に向けるだけで無限にリロードできるゲームと違い、弾薬の限りもある。こんなサバイバルな状態で無駄弾を出すことだけは絶対に避けたいのだ。
「で、ですが……。」
「私に銃を握ろっていうの!?無駄弾を出すことだけは絶対に――ッ!?」
私は言葉を続けず、止めた。何故って?それは私の身体を何かに締め付けられながら引っ張られたからだ。
人間の力とは思えないその引っ張る力は、私の力では遠く及ばず簡単に引っ張られていく。引っ張られていく方向に目を向けてみれば……そこには今まで見たこともない姿をしたヤツがいる。
そして、そのヤツが私にロープでも括り付けて引っ張るかのように舌を伸ばして私を捕まえていたのだ。
なんだあれは、突然変異か何か!?もうわけがわからない!せめてもの抵抗をするも全く抗えず、そのまま引きずられていく私。
「こ、この!放しなさい!放しなさいよこの変態!」
「スモーカーッ?!くそッ、マガジンが……!」
平野は引っ張られていく私に気が付き、突然変異したヤツにプラズマカッターを向ける……が弾がなかった。弾のない銃はただの鈍器、私はどうすることもできない。周りには平野以外誰もいない。
一体どうすればいいの!早く、誰か……誰か、助けて!!
場所変わって学校から数百メートルは離れたとある高層ビジネスビルの場所にて。
大量のヤツらの肢体と踏み場所がなくなるほどの大量の薬莢が転がっており……その部屋には枯葉の中に紛れるための偽装服、ギリースーツを着たアイツらが寝っ転がっていた。
この服を着た者は森の妖精の祝福を受け、決して敵の目に見つかることは無い。――書物もパソコンが並ぶこのビル内でモゾモゾ動くと逆に目立つ気がするが細かい事はおいておこう。
過去に確かな実績があるのだから間違いはない。そう、間違いはないのだ。そんな彼らは手には大きな狙撃銃を手にし、己の的を狙うためにやはり伏せたままスコープを除いてモゾモゾ動いていた。
『
『
『
ラジオからしつこいほど前進しろという指示なんてまったく聞こえない。聞こえないったら聞こえない。潜水艦?こんな市街地にそんなもの現れるわけがないでしょう(困惑)。
そんな命令を軽く無視する彼らの中、より一層輝くようにして熟練し圧倒的なオーラを放っている一組のグループ。
狙撃手は対物狙撃銃であるバレットM82A3を。数十キロもある本銃に標準装備されている
一度バレットのコッキングレバーを力強く引き、ドでかい50口径のライフル弾の初弾を薬室内に送り込んだ。
現行小銃弾の5.56NATO弾の数十倍ものエネルギーを持つこの弾丸は、2000m先の兵士の肢体を引き裂いたという逸話を持つほどの威力を持つ。
そのすぐ隣には双眼鏡を構えた観測手が射手に情報を伝える為に位置情報、気象、風向きを伝えているのだ。
そんな彼らが狙っている次の目標は?射手のスコープは望遠するその場所は……藤美学園。
狙撃手が覗いているスコープのレティクルの中心に捉えている対象。 手によく分からない武器を握ってヤツらと戦うデb――もとい体格の良い男子高校生の隣でヒステリックに叫ぶピンク髪のツインテールをした女子高生だ。
そんな女子高生に十字レティクルの照準のクロスしている部分を合わせ、緑ムックの狙撃手は呟いた。
「――ビューティフォー……ッ!」
「大気中の湿度変化と風力が弾道に与える影響……それにこの距離だ。コリオリ効果も考慮しなくては……おい少尉、任務中だぞ。一体何をしている。」
そんな相方の変態行為に気が付いたのか気が付いてないのか、観測手が狙撃手に注意を行う。すぐに狙撃手はレティクルの中心から女子高生(高城沙耶)から狙いを外した。
今度はちゃんと怒られないように、ターゲットである蠢く屍へと十字レティクルを向ける……事もなく、そのまま女子高生を覗き続ける少尉であった。
美少女とは触らず、眼で見て愛でるもの。といえば米国紳士として聞こえはいいかもしれないが、やっぱり行動的には変態である。ニヤニヤとニヤけながらもそのまま彼女の観測を続ける狙撃手。もう除名させたほうがいいんじゃないかな。
「今しかない、撃てッ!!!」
だが観測手のその言葉を聞いた瞬間、狙撃手のマジモードにスイッチが入った。撃て、という言葉の認識が頭に入った途端、ニヤけていた目つきが突然鷹のように鋭く研ぎ澄まされたモノへと変貌した。
そして、一瞬でいまさっきまで覗きを行っていた少女に襲い掛かるヤツらにスコープを合わせ、バレットM82A3のトリガーにかけていた指に力を加えた。
ワンショット・ワンキル、一射必殺。爆ぜるようにしてコンクリート内の建物を反響する轟音。マズルブレーキから放出される猛烈な発砲煙。そして共に放たれたたった一つの銃弾は――寸法違わずヤツに直撃。
音速を超えた速度を持つ攻撃を受けた対象の身体はまるでおもちゃのように吹き飛び、身体の一部分は千切れた。そしてそれ相応の血が周辺にまき散らされ、コンクリートの壁を。床を。そして彼女の服を朱に染めた。
目の前で起こった惨状に唖然とする女子高生。それを余所に射撃手は次々とヤツらに照準を合わせ、連続射撃を行う。
「そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる!!」
あるヤツは頭を貫かれ、肉片へと変貌し。またあるヤツは胸に大きな風穴を開けて、動かなくなり。そしてまたあるヤツは足を貫かれて転倒してしまったところを男子高校生の謎の武器で解体されていく。
ところでヤツらの顔が到底綺麗だとは思えないのだが、これ如何に。
しばらく、その蹂躙は続きやっとのことで爆音が収まったかと思うと……すでに蠢くヤツらはすべて駆逐され廊下には再び屍へと帰った肢体が大量に転がり、いまだ油断せずに謎の武器の残弾数を確認する男子高校生、放心し、まるで動かない女子高生。
そして、あの場所の騒動を聞きつけてたのか、各々武器を持った生存者たちが集まっていた。
その様子を見て、己の任務は終わったのを確認した狙撃手はやっとのことでスコープから目を放す。
『あるふぁ6の け"んせんいきて"の さくせんは すべてかんりょー、きかんされたし、まる。』
無線ラジオから聞こえた指揮官の声、そしてやっとのことで出た帰還指示にようやく彼らは一息が付けると笑いあい、お互いに拳を合わせるのだった。
【~軽く数10mは吹き飛んだ。】"FPS"
FPSでは近接武器は下手な銃器よりもやばいぐらいの威力を持っているのはよくある事。事実、ホラーゲームとかならこれ一本でも世界を救える。
【ぶつりの ほうそくが みだれる!】"ファイナルファンタジー5"
元ネタはラスボス、エクスデスの"宇宙の 法則が 乱れる!"からである。うごごごご……。
【バールのようなもの】"HalfLife その他のゲーム"
みなさんご存知物理学者愛用の近接武器。"約束された勝利の工具"と書いて"エクスカリバール"と読む、FPS界でRPGでいう最強の武器に値するすごい武器。知ってるか?これ工具なんだぜ?宇宙のエンジニアホイホイ。
【それほどでもない】 "ブロント語"
何いきなり話しかけてきてるわけ?
【回避行動をとりながらも~】"HalfLife系等のゲーム"
バニーホップと呼ばれる技。普通に走るよりもより早く、そして同時に回避行動をとれるメリットがあるが、激しく動くのでこちらの攻撃の命中精度もお察しの通り。気になる人はHalfLifeのTASを見てみよう!(宣伝ぉぃ
【マグロのように跳ねながら~】"悪魔城ドラキュラ"
ペポゥ ズサーズサーズサーズサー ホァイ いつもの曲 キシン流奥義! ヴォー プリッ NKT…… デレデレデェェェン IGAAAAAAAAA
↑ここまでテンプレな、いつもの悪魔城
【スモーカー】"レフト4デッド2"
断じてワンでピースな世界の煙マンでも無いし、煙草を吸っている人でも無い。
レフト4デッドで出現する突然変異した感染者の事であり、異常発達した舌を伸ばし生存者を捕まえる。
時々足場の無い所まで引っ張り出されることもあるのでかなーり厄介。
【芋砂】"FPS全般"
どこかに引きこもって出てこないスナイパーのこと。味方にいると前線が支えられないので、厳しくなる……らしい。
【狙撃手 観測手】"Call of Duty 4"
みんな大好きマクミラン先生とその仲間、プライス少尉。ステンバーイ…ゴッ 只<残念、私だ。
【ギリースーツ】"FPS全般"
枯葉を模した特殊な迷彩服。外見がモリゾーだったりムックだったりするので、こう呼ばれる。
【そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる!!】"覇王愛人"
とある世界一腕の立つ殺し屋の有名な迷台詞。作品ではなくこの言葉だけを知っている人のほうが多いはず。
この殺し屋は狙撃用ではない全長の短いカービンライフルをバズーカのように構えて使用し、いつの間にか取り付けられたスコープを覗いて主人公を狙撃しようとしたヤツである。
しかもその直後に『ッチ、通行人が邪魔で撃てやしねぇ!!』と断念している。世界一腕の立つ殺し屋(笑)。さらにハンドガンによって撃退された。