艦娘幼稚園   作:リュウ@立月己田

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※出して欲しい艦娘のリクエスト募集を引き続きやってます。
 活動報告にて詳細を書いてありますので、是非宜しくお願い致します。

※今回は中盤部分に少しだけR-15のシーンがあります。
 苦手な人は飛ばして頂けますようお願いします。


 気絶した巻雲を抱えてある人の元へ向かう途中、ふとある考えがよぎった主人公。
俺って誘拐犯に見えなくね? 巻雲さらってるって思われね?

 そんな心配は完全にフラグ。
俺の目の前に現れた艦娘が、声をかけてきたのだが……


その10「爆撃開始!」

 ぐったりした巻雲を背負ったまま、俺はある人物の元へと向かっている。とは言え、隠したところですぐに分かるだろうし、今の状況に置いて一番の協力者になってくれるであろう人物は、簡単に予想がつくだろう。

 

 それよりも心配だったのは、背負っている巻雲と、そんな俺の姿を見た他の人たちがどう思うかだ。

 

 端から見れば、気絶している彼女を背負っている彼氏――に見えなくもないのかもしれないが、背丈も小さい巻雲であるからして、小さな子を誘拐しようとする悪い男に見られてもおかしくはないのかもしれない。

 

 まぁ、艦娘に真っ向から勝負できる一般人っていないと思うけれど、鑑装を外している彼女たちは、普通の女の子と変わりはない。そう考えれば、やはり俺の心配も可能性として否定はできないのだが……

 

「えっ、先生……何をしてるんですかっ!?」

 

 そんな事を考えながら走っていた俺に、1人艦娘が声をかけてきた。

 

「あっ、飛龍さん。実は巻雲が急に倒れちゃったので、元帥の所に連れていこうと……」

 

 嘘は言っていないので、大丈夫。

 

 そう思いながらも、額から汗がたらり……と流れ落ちていく。

 

「はぁ……それだったらドックに連れていけばいいと思うんですけど、ダメなんですか?」

 

「ま、まぁ、そうなんですけど、元帥にもちょっと用事があってですね……」

 

「でも、それだと巻雲が邪魔になったりしないんですか?」

 

「……はい?」

 

「えっ……だって、愛しの彼氏の元に向かうんですよね?」

 

 そう言いながら、飛龍は、ぽっ……と頬を染める。

 

「なん――でやねんっ!」

 

 飛龍、お前も読者なのかあぁぁぁぁっ!

 

「違うからっ! 本当にマジで違うからっ! あの本に書かれてることは根も葉もない作り話だからっ!」

 

「またまた~、先生ったらそんな事を言っちゃって~。元帥が聞いたら、泣きわめきながら単身で未知の海域に突撃して、深海棲艦に沈められちゃいますよ~?」

 

 ニッコリ笑ってそう言う飛龍。

 

 ……元帥って、地味に恨まれてるんじゃない?

 

 まぁ、今までの女性関係を考えたら、おかしくはないんだけど。

 

 それに、飛龍も犠牲者(当の本人の意思はわかんないけど)の一人だったと思うし……

 

「違うんだっ、本当にあの本は作り話なんだって! よく考えてもみてよ。あれだけ女性を取っ替え引っ替えしている元帥が、なんで俺なんかとくっついちゃうのさっ! それに、俺も男より女の方が断然好きだしっ! おっぱい大好きだもん! 愛宕さんとか高雄さんのって崇拝できちゃうくらい凄いけどっ、飛龍さんもおっきいし埋もれてみたいもんねっ!」

 

「えっ、あ……その……あ、ありがとう……ございます……」

 

「つーか、何を言ってるんだ俺はっ! 自らおっぱい星人って名乗っちゃってるしっ!」

 

「あー……でも、その辺りは周知の事実ですよ?」

 

「……え?」

 

「あれ? 『黒と白』の中盤辺りに、愛宕さんとの絡みがありましたよね?」

 

「えっ、何それ!?」

 

「えっと……確か……そう、ここです!」

 

 飛龍はそう言いながら、懐に隠し持っていた『黒と白』の本を取りだしてページをめくると、俺につきだした。

 

 

 

『黒と白 中盤部分より抜粋』

※ちょっとだけR-15っぽいです。

 

――――――

 

 俺は愛宕の手を無理矢理引っぱって、普段使われていない倉庫へと引きずり込んだ。初めのうちは嫌がる素振りを見せていた愛宕だが、引っぱられている際に大声を上げるような抵抗はせず、倉庫に入ってからの表情も頬を赤く染めて瞳を潤ませているので、どうやら本気で嫌がっているようではなさそうだ。

 

「せ、先生……先生には元帥と言う大切な恋人がいるんじゃ……」

 

「愛宕先生、ここまで来ておいてソレはないでしょう?」

 

「で、でも……先生は、その……」

 

「ふふ……俺はどっちもいけるクチなんですよ。それに、愛宕先生にはこの立派な胸がある……。あぁ、なんて魅力的なんだ……」

 

「ふあっ……や、やめて……下さい……せんせぇ……っ」

 

 ゆっくりと愛宕に近づいた俺は首筋に舌を這わせながら、両手で豊満な乳房を鷲掴みにする。むにむにと指の間から溢れんばかりに弾力を味わいながら、優しく、時に強く刺激を与えると、愛宕の口から徐々に喘ぎ声が漏れだした。

 

――――――

 

 

 

「………………ごくり」

 

「ねっ、バッチリと書いてありますよねっ!」

 

 何これっ! 続きが超気になるんですけどっ!

 

 でもこれ以上読んでると、色々とまずいことになるからと、俺は名残惜しみながら飛龍に本を返す。

 

 ――ってか、もうどう足掻いてもおっぱい星人については言い訳のしようがないじゃねえかっ!

 

「ま、まぁ、先生に……その、誉められたのは嬉しいんですけど……」

 

「うー……あー……」

 

 あー……恥ずかしすぎて耳まで真っ赤になっちゃってるよな……たぶん。

 

「この後にも書いてますけど、やっぱり先生には元帥という大切な恋人が……」

 

「だからソレは違うってえぇぇぇぇっ!」

 

「そこまで照れなくても良いじゃないですか~」

 

「本当にっ、ほんとおおおおおおおううううううに、違うからっ! 信じてお願いプリーズ!」

 

 大声で叫びまくる俺を見て、飛龍はクスクスと笑みを浮かべている。

 

「本気で照れちゃって、先生ったら可愛いんですねっ!」

 

「いやだから、照れてるとかそういうんじゃなくてっ! 俺は元帥の事なんかなんとも思ってないしっ! 第一あんなモテキャラ、同姓が好きなるより恨む方が普通でしょうっ! 現に高雄さんが秘書鑑って事に羨まし過ぎて、いつかぶん殴りたいと心の中で思ってるのにっ!」

 

「え……?」

 

 俺の言葉に飛龍は驚いた表情を浮かべて固まった。

 

「な、なんでそんなに……元帥の事を悪く言うんですか……っ!? そ、それじゃあ……まさか……そんな……っ!?」

 

 やっと俺の言葉を理解してくれたのかと、ほっとため息を吐く。

 

 おもいっきり叫びまくった甲斐があった――と思ったのだが、

 

「本気で元帥のことを捨てるつもりなんですかっ!?」

 

「だからなんでそうなるのおぉぉぉぉっ!?」

 

「そ、そして……今度は背中におぶっている巻雲を毒牙にっ!?」

 

「いやいやいやっ! さっき俺が言ってたこと聞いてたのっ!?」

 

 俺は大きいのが好きなのであって、巻雲みたいにちっちゃいのは好みじゃないんだっ!

 

 一部の方には問題発言だが、ここは許して欲しい。

 

 俺がこの鎮守府で生きていけるかどうかの瀬戸際だからっ!

 

「こ、こうなったら、全力で止めるしかありませんっ! 第一次攻撃隊、発鑑! 先生を今すぐ爆撃してっ!」

 

「嘘おおおおぉぉぉぉっ!?」

 

 問答無用で爆撃とかありえないからっ!

 

「徹底的に叩きますっ! 多聞丸も怒ってますよっ!」

 

「やああああめええええてええええぇぇぇぇっ!」

 

 俺は叫び声を上げながら、巻雲を背負っているのも忘れるくらいの全速力で、飛龍から遠ざかるように走った。

 

「先生っ! 逃げないで下さいっ!」

 

「今から爆撃しますって言ってる艦娘を前にして、逃げない一般人がどこにいるんだああああぁぁぁぁっ!」

 

「ああっ、もう! そんなにジグザグ走ったら当たりませんっ!」

 

「当たってたまるかああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 逃げ回る俺の身体の近くに落ちる爆撃に肝を冷やし、それでもなんとか追手を撒き終えたのは、それから30分ほど経った後だった。

 

 もちろんその間、走りまくっていたのは言うまでもなく、俺の体は満身創痍で息も絶え絶えで死にそうだ。巻雲の身体をおぶっていたのもあり、感じる疲労も倍増している。

 

 結論。

 

 目的地に着くまでスニーキングで行こうと決めた俺の顔は、汗と涙で塗れまくっていた。

 

 出来れば段ボールを被って向かいたいと思ったが、残念ながらどこにも見当たらなかった。

 

 ……しくしくしく。

 




※出して欲しい艦娘のリクエスト募集を引き続きやってます。
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次回予告

 爆撃しようとする飛龍から何とか逃げ切る事が出来た主人公。
スニーキングしながら辿り着いた場所は、頼りがいが有りそうで無さそうな、ある人物の部屋だった。


艦娘幼稚園 番外編? ~青葉と俺と写真と絵師と~ その11


 もう少し続きます!
 乞うご期待っ!


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