ジョジョの奇妙な学園 ~stardust stratos~   作:エア_

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ネタが今頭の中に残っている。

ならするべきことはいったいなんだと思う?

「投稿だ。一世一代の投稿だよ」

「といいますが、そんな連日でもないのに」

「・・・・・・」

は、はじまるよ?


第二話~日本上陸

日本の国際空港にて、一人の女性がエントランスに立っていた。周りは空港から外へ出る人の流れを遮る形でそこに存在していた。日系の黄色人種特徴の年齢よりも幼く見える顔だが、凛々しいその顔に何人もの男が見惚れてしまった。さらに黒のスーツがとても似合っており、異性同姓構わず全てを魅了していた。その凛々しさと幼さがあいまって、外国人からも、勿論日本人からも好奇な視線を食らっていた。

 

(・・・・・・面倒だ)

 

そんないろいろ大変な女性、織斑千冬はこれからくる人間を待っていた。そう、何を隠そうラウラ=ボーデヴィッヒと空条承太郎である。彼女自身が単身ドイツに赴き、そこで出逢った教え子と、自分の上官にあたる人の孫と来たものだ。

 

二人ともドイツで出会い、そこで絆を深めた間柄であった。特にラウラは千冬に絶対的信頼を寄せており、千冬のためなら比喩することなく何でも任務としてやってのけるほどだ。

 

一方承太郎は、あの性格からよく対立はしていたが、互いの良さも悪さも全てさらけ出しあい、今では名前で呼び合う親しい仲になっていた。

 

(全く、承太郎の奴。急にIS学園に転校するなどと・・・・・・手続きが面倒なのを知っててやったのか?)

 

ふぅ、と小さくため息をつく。その姿がどことなく男心をくすぐってしまった。

 

その所為で、ちゃらちゃらとした自分の容姿に自身がある作者が見たら殴りたくなるような男共が、媚を売って己の性欲を満たそうと近づいた。

 

「ねぇねぇ、お姉さん。今暇?」

 

「ちょっとでいいんで、俺たちと付き合ってくれない?」

 

(・・・・・・面倒だ。本当に)

 

二人組みの面倒な人間に絡まれてしまった千冬は物に当たりたい気持ちで溢れかえってしまった。怒りという純粋な気持ちもないわけではないが、それよりも早く感じた感情といえば、怠惰・・・・・・つまり面倒の二文字だった。

 

もともと、IS操縦、剣の手解きなどは一流の人と肩を並べられている。むしろIS操縦について、一時は誰よりも強かった成績だって持っている。だが、そんな彼女でも苦手なものは一つや二つある。それは人間として当たり前だといえることだ。

 

その中に、面倒くさい人間のあしらい方が入っていても可笑しくはない。

 

彼女の友人であるキチガイ科学者、ドイツについていつもハイテンションで語るドイツ軍人、そして誰彼構わず口説いて回るイタリア人(偏見)のようなアメリカ人の上官など、個性豊かな人間との友好関係を築いて行く中で、あしらい方が全て物理的になってしまったのだ。

 

まぁ、そのキチガイ科学者以外は、簡単に避けられ(波紋でよけたのかな?) ただ単純に物理的ダメージを与えられない肉体(ドイツの科学力ってイダイダナー)と本人の手に負えない状態なのだが・・・・・・。

 

そのため、平和的な解決をあまり身につけていないのだ。

 

そのせいで、彼女の弟である織斑一夏は先日も出席簿でたたかれ脳細胞を5千個失っている。だいたいこいつらの所為。

 

「ねぇねぇ。黙ってないでさぁ。折角の可愛い顔が台無しだぜ? ほらほらもっと笑顔でさぁ」

 

「・・・・・・なんだ。千冬じゃあねぇか」

 

いっそのこと殴ってやろうかと千冬が思っていた時だった。エントランスからゆっくりとした歩みでこちらにくる男がいた。懐かしいその当時聞き慣れたその声は、真っ直ぐとこちらに向かっていた。

 

その大きな体は誰もが羨ましがるほどの大きさであった。その巨体がなかなかどうしていい体つきをしているものだ。服の外からでも分かるその肉付きのよさに、女性は千冬とは違った好奇な視線を送るほどだった。

 

「何してんだ? こんなところで」

 

そんな周りの目など一切興味を示さない承太郎は千冬との会話に専念するようだ。

 

「遅いぞ。承太郎。私を待たせるとはいい度胸だな」

 

千冬はというと、やっとこの面倒なナンパ男から解放される喜びと、事の発端に対しての苛立ちが入り混じる感情を心の中で渦巻かせていた。

 

「ン? じゃあつまりなんだ? 千冬が俺たちの出迎えって訳か?」

 

「そういう事になる。ところでラウラはどうした?」

 

「後で話す。今は時差ぼけで眠ぃ」

 

「お、おい。てめぇ!!」

 

ついに、空気だったチャラ男が声を張り上げた。周りの風評の象徴のような女性たちはこれだから男は、だとか、所詮は下等生物か、だとか、全世界の否該当者が全員揃って「解せぬ」といいたい発言をぶつくさと呟いていた。

 

「なんなんだよ。俺たちがいい雰囲気で話してたんだけどさぁ。あんた何様だよ!」

 

いま、エントランス付近にいる拝聴者全員が「お前が言うな」と叫びたい内容を発言するチャラ男に、千冬はまだ居たのかと。頭痛に悩まされてしまう。承太郎はというと、いきなりの言い草に怒りを感じていた。そう、まさに解せないのは承太郎である。知り合いに話しかけたら喧嘩を売られた・・・・・・これを理不尽と言わずなんというか。

 

「貴様等、いい加減に――」

 

「まぁ待て、千冬」

 

ついに千冬がその拳を握ろうとしたその瞬間。承太郎がそれを制止した。千冬は何故とめると言いたげな顔をするが、承太郎はあくまで制止させ続けていた。しかし、承太郎の目は見る人全員が分かるほどの怒気を感じさせている。

 

「これは俺に対しての喧嘩だ・・・・・・喧嘩を売ったんならどうなっても文句はねぇな?」

 

静かに、それは静かに怒っていた。気性の激しさを祖父から受け継いでいる承太郎はそれと同時に高祖父の気性の荒さの中に存在する冷静さを併せ持つ。それが合さって現れた感情なのだろう。そう、これほどまでに【静かに怒る】を体現できるものはほかには居ないのではなかろうか

 

「待て承太郎。流石に救急車を呼ぶ騒ぎは面倒だ。黙らせるだけでいいだろう」

 

千冬は、承太郎のおかげで幾分か冷静になった。冷静になったおかげか承太郎を止めようと試みた。

 

「安心しな。救急車なら別件でこっちに来ているからな」

 

しかし、予想とは違った返答が返ってきた。

 

「それは、いったい」

 

「簡単なことだ・・・・・・・・・・・・さっき乗っていた飛行機にハイジャック犯が乗っていて、それを俺がぶちのめした・・・・・・だから救急車が来る」

 

「・・・・・・あぁ、それでラウラが居ないのか」

 

そうだ。と千冬に返答すると同時に、チャラ男達の目の前までゆっくりと歩き出す。一歩一歩歩くたびに、相手の顔の位置が一回り下がってしまう。体が大きいためか、それとも相手が小さいからかはわからない。だが、相手をビビらせるには効果覿面だったのだ。

 

「それで? 最終警告だ・・・・・・この喧嘩、買ってもいいんだな?」

 

「ひっ、ひぃいいいいい!?!?」

 

チャラ男達はその場からクモの子を散らすように情けなく逃げて行った。見えなくなるまで睨み続け、その後不満そうにため息を吐き。

 

「・・・・・・やれやれだぜ」

 

彼の口癖を、その場で呟いた。

 

 

 

 

「結局、ラウラを待たねぇのか?」

 

「あぁ、連絡したところ、まだ事情聴取が終わらないらしくてな。あいつはお前とは一日違いで転校することになった」

 

IS学園直通のモノレールの中、承太郎は千冬と会話を続けていた。内容といえば学校での規律やらなんやら・・・・・・つまりいう女子高だったんだから気をつける事が多いという忠告のようなものだ。いくら硬派な承太郎でも、相手があの血に飢えた肉食系女子なら食われてしまっても可笑しくはない(一応一般人より場馴れしていて、その中には代表候補生も居る)。

 

簡単に言うと、国際云々あるから面倒ごとは避けてくれとのことだった。

 

「にしても、またでかくなったんじゃないか? 承太郎」

 

一通り話が終わると、千冬は承太郎を改めて見上げた。以前あった時よりも凛々しく逞しい姿になり、顔も男らしくなっている。

 

「これでもまだ餓鬼だぜ? 成長期真っ盛りって奴だ」

 

済ました顔で承太郎は言葉を返す。久しぶりの再会のためか、先ほどの怒りの表情などどこかへ消え去っており、その表情は穏やかそのものだった。

 

「そうだな・・・・・・あと、学校では私のことを織斑先生と呼べよ?名前で呼んでみろ、出席簿で殴る」

 

「なんでだよ」

 

「弟にもしたからだ」

 

「・・・・・・理解した」

 

承太郎と織斑家の面識といえば千冬だけで、口答でしかその弟を知らなかった。ことある毎に色恋沙汰やらなんやらで面倒くさい人間だということしか情報がなかった。

 

まぁ、そんな人間が教師になった姉に対して即興で先生などといえるはずがない。

 

「ついでに言うと、最初の発言は「げっ、関羽!?」だったよ」

 

「それは仕方ない。言いえて妙だ」

 

「? 私のどこが関羽だというんだ」

 

「ISの武器を忘れたか? 千冬の武器は刀一振りだろう。その一振りで無双していれば、言われてもしょうがないんじゃあねぇか?」

 

「そう言われると何も言えん。言いえて妙か・・・・・・なるほどなるほど」

 

千冬の頭の中で、一夏に対してのIS訓練プランが高速で建てられていた。勿論、難易度は一般市民で言う“鬼”。哀れ織斑一夏。次に生まれるときは蛙がいいかも知れないな。まぁ、その時の蛇は千冬なのかも知れないが・・・・・・。

 

「まぁいい。今回はお前の発言だけは見逃してやる。ちゃんと織斑先生と言えよ?」

 

「・・・・・・わかった。織斑先生」

 

承太郎はそう言うと、目線を己の手元に下ろす。そこにあるのはIS学園の制服であった。

 

「この学ランじゃあ駄目か?」

 

「うちの制服は白を基本としたものだ。安心しろ。お前のその学ランの色違いにしてもらっているらしい」

 

「・・・・・・じじいか?」

 

再び目を下に向ける。そして千冬を見る。そうしてもう一度目を下に向ける。何回もそれをループ何回かする。千冬は観念しろと言いたげな顔をする。

 

「・・・・・・やれやれだぜ」

 

 

承太郎はモノレールの天井に眼を向ける。そう、これから始まるであろう学園生活を想像していたのだ。

 

そして、この制服が自分に似合うかどうか・・・・・・もであるのは内緒だ。

 

 

 

 

ここは、先ほどの日本航空機の近く、警察がハイジャック犯を捕まえたところだ。

 

「ラウラ=ボーデヴィッヒさんですね?」

 

事情聴取を受けているラウラに一人の警察官が話しかけてきた。見るからにその姿はほかの警察官と一線を置いた姿で、軍で言う佐官と尉官の違いと言ったところだ。この警察官は紛れもなく佐官に値するだろう。

 

「はい」

 

「私は今回のハイジャック未遂の担当になりました。大上警視です」

 

警視、所謂国家公務員に該当する者で、キャリアをこなした人間のみがなれるといった役職であったとラウラは千冬からの情報で知っていた。

 

「ラウラ=ボーデヴィッヒです。階級はドイツ軍少佐です」

 

「おぉ、これはこれは。対応が遅く申し訳ございません」

 

柔和な態度でありながら全くの隙がなく、それでいてこちらに不快感を全くもたせない。場馴れしているといった見解をラウラは持った。

 

「いえ、構いません」

 

「ありがとうございます。それで今回の件なのですが。もしやISを始動しての制圧ではないか、と私は考えておりましてね。そこの辺りを聞こうかと思いまして」

 

なかなか鋭い日本人だ。わざわざ遠回りせず、それでいてあまりがっついて来ないところに好感が持てる。ラウラは承太郎から【信用できない奴は軽くあしらっておけば十分だ】などと言われていたが、この人間は信用してもいいんじゃないかと思えてくる。

 

「はい。ISによる武力制圧を行いました。あのまま行けば確実に乗客に被害がありましたので」

 

「確かに、このハイジャック犯の一人は女性で、ISを持っていました。確か型番は【テンペスタ】シリーズのⅡ型でしたね。型番も確認できましたので早急にイタリアに返還出来ますよ。ご安心ください」

 

そう言って、警視は私に対しての事情聴取を終わらせ、ラウラを解放した。にしてもすばらしい上下関係だとラウラは関心を持った。先ほどの警視が来るまで、変に待たされてしまい学園に転校するはずの日時に間に合わず、一日遅れで転校する羽目になった。しかし、この警視が捜査すると先ほどの時間がうそのようにすっ飛んだ。やはりこれがベテランという者の、解釈の差なのだろう。

 

「それでは、ボーデヴィッヒさん。一応IS学園の理事長殿とはもうこの件については話をつけていますので、安心してご入校して下さい」

 

「態々そこまでしていただき、感謝します。それでは失礼します」

 

ラウラはそう言うと、空港を後にした。

 

 

 

「・・・・・・DIO様、わざわざ返してよろしかったのですか?」

 

「なぁに、慌てるんじゃあない。このDIO、すでに彼奴に対してもう手を打ってある・・・・・・クククッ、楽しみだよ。奴を、ジョースター家を滅ぼせると思うと心のそこから笑いが止まりはしない・・・・・・それはそうと、今の私はDIOではない・・・・・・警視の大上 吾有鬼【おおがみ ごうき】だ・・・・・・ぞ?」

 

「申し訳ございません。大上様」

 

「・・・・・・まぁいい。しかし、先ほどのラウラ=ボーデヴィッヒだったか? 彼奴の内包している闇が非常に醜くて素晴らしいものだったよ。あれは利用価値が十分ある」

 

 

 




DIO様って、カリスマ高すぎですからね。当時、いろいろ負の感情を露呈していた原作ラウラなら敵になるフラグびんびんでしたが、そこはわれらが承太郎。なんとかしますよぉ

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