ジョジョの奇妙な学園 ~stardust stratos~   作:エア_

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はい、テスト回です。

だってISでテストの描写ないんですもん。でもまぁ、こっちもほとんどありませんがね?


第十話~裏切りの一閃

休みが明けた月曜。ラウラのことを心配していた承太郎だったが、それは杞憂に終わった。いつもどおり登校してくる彼女を見る。その顔は以前と変わらないもので、一夏と遭ったときの怒りに歪ませた表情などそこにはなかった。

 

承太郎はそれを確認すると、いつもどおり自分の席で海洋生物学の本であるあの時とはまた違った本【海洋生物学概論~パーフェクトブック】を読んでいた。完全にギャップ物であるが、本人は一切気がつかない。そんな図体で見ている本が海洋生物学など、誰が想像しようか。

 

しかし、本人はお構いなし。只管にその本の文字へと視線を落とす。

 

「お、よぉ承太郎」

 

「おはよう、ジョジョ」

 

「ん? あぁ、てめぇらか」

 

一段落ついたころ、予鈴ギリギリではあったが、シャルロットと一夏が登校してきた。相変わらず男装をしているシャルロットだが、彼女にも時機というものがある。その時機を見つける間は男装で正体を隠す事にしたのである。それは承太郎も承知なため、何も不思議がることはなかった。しかし今、承太郎がとても驚くことが起きた。

 

「・・・・・・ねぇジョジョ。ボーデヴィッヒさん」

 

「ん? どうかしたか?」

 

「いや、俺を見ても睨んで来ねぇからさ。どうしたんだろってな?」

 

「・・・・・・なに?」

 

思い切りラウラのほうへと体ごと顔を向ける。プリントを見ていたラウラは承太郎の視線に気づくと少し余裕を持った笑顔を見せながら会釈をし、再び机の上にあるプリントへと視線を落とした。その一連の姿に承太郎は驚きを隠せなかった。

 

「な? 変だろ?」

 

「・・・・・・」

 

そうは言うものの。彼女も立派な国家代表候補生なのだ。私情を挟んでまで世界でも二人しか確認できないIS操縦者を目の敵にするほど馬鹿ではない。ジョセフも使えないわけではないが、あれは擬似的なものだ。

 

さて、ジョセフ=ジョースターも一応はISを操縦できる。だがそれは擬似的。

 

ではどういった事を擬似的といっているのか。それは彼のISの使用方法だ。

 

彼、ジョセフはISを始動する際、必ずすることがある。それは波紋と呼ばれる呼吸法によるエネルギー増幅。それを行うと何故かISが動かせるのだ。しかし他の人間がそれをしても一切動かない。というより、波紋をすること自体が出来ない代物だった。老い先短い老いぼれにISを操縦させるのも酷だ。というわけで擬似的にと言った表現で片付けておいているのだ。つまり、現状ISを動かせているのは一夏と承太郎のみ、ということになる。

 

そんな世界でたった二人しかいない貴重な人材に、いつまでもズルズルとイライラしても話しにならないのは確かだ。

 

「別に落ち着いたんだろうよ」

 

承太郎はそう言い、視線を再び下ろす。

 

少し納得のいかない一夏であったが、深く考えるのを止める。そう、何故なら彼は今から

 

 

 

中間テストという鬼を目の前に立ち向かわなくてはならなかったからだ。

 

 

 

 

 

「ぐぁー、完全に忘れてた」

 

「おい、新学期初日からいたんだろうが」

 

「あはは、僕らも少し躓きそうだよ」

 

テストは他の高校と違い、五教科を一日で受けきるタイプのテストだ。ISの操縦やそれに関する勉強を主にするためか、あまり一般教養に当てられる時間はない。しかし、他の学校と同じくらいの内容を全て叩き込むのだ。つまりは完全なスパルタ授業である。

 

本来、愛越へ行く予定だった一夏はそんなスパルタについていけるわけもなく、絶賛勉強という名の強大な壁に腰を抜かしているのだ。

 

「そう言えば、ジョジョは始めて10分くらいでペン置いてたよね。大丈夫だったの?」

 

「あんなもん、授業聞いてたらわかる」

 

「こ、これが天才なのか」

 

頭脳明晰な承太郎にとって、テストは復習となんら変わりなかった。全国の学生全員を敵に回すような言い方だが、それが彼のテストに対する考えなのである。そのためか、妙にこの日は実感というものが沸かない。そんな思考が承太郎の頭の中では行われていた。

 

「覚えてねぇから間違える。たったそれだけだろうが」

 

「なんつーか、誰かの言葉を借りるとしたら『こいつぁグレートっすよ、承太郎さん』」

 

何故か立派なリーゼントの好青年を思い浮かばせるが、承太郎は何を言ってんだ? といった顔をしながら引いていた。いきなりのさん付けに鳥肌を立たせたのかもしれない。しかし、これがまさか未来に聞くとは思いも寄らないだろう。

 

そんな二人を交互に見ながら、シャルロットは承太郎のハイスペックさに空笑いをした。それは仕方がないのかもしれない。それが承太郎という漢なのだから。

 

いろいろなことを考えているシャルロット達をよそに、承太郎は千冬から聞かされた事を思い出していた。

 

(そういやぁ、二週間後にタッグトーナメントがあるんだったな)

 

勿論、シャルロットは一夏と出ることになっている。それは一夏本人も、シャルロット自身も了承の上でだ。それは同じ部屋のもの同士というのもあるが、単純にシャルロットが女であるということがばれないようにする一つの策だった。いつかは皆にも公表するつもりらしいが彼女自身、まだ言う勇気を持っていないとの事。そのため、一夏達の協力のもと、ペアは彼となったのだ。ちなみに、承太郎とペアを組むという案も一夏からでたのだが、面倒だの一言で出場する気は全くなかった。

 

(それに、パートナーならあいつしかいねぇからな)

 

承太郎は本人がいない席を見つめる。そう、ラウラの席だ。ドイツでの数年間をずっと過ごした仲だ。誰よりも信頼でき信用していて、背中を預けられる存在はどこにもいない。それは千冬に対しても同じことだ。そう、彼女ほど承太郎と共に力を蓄えてきた人間は他にいない。それは自他認めるほどだ。

 

考え事をしている間、一夏とシャルロットは女子生徒に捕まっていた。それはまさに今回のタッグマッチについてだ。勿論彼女達の目的といえばこの二人。一夏とシャルロットだ。この二人とパートナーを組んでお近づきになろうと思わないわけがない。承太郎も、あんな態度をとったが逆に好感を持った者もいるため、隠れファンは存在する。しかし、その態度が怖いため近づけない。つまり、承太郎は彼自身の雰囲気のおかげで女子生徒に埋もれるという被害を回避したのだ。

 

「・・・・・・一応聞いてみるか」

 

そう、勿論承太郎にとって二人はもう蚊帳の外。二人を置いてラウラの部屋へと向かう。彼女が出るのなら多分パートナーに自分を指名するだろう。指名してくるという自信があるのだ。

 

教室を去るころ、聞こえたのは二人の承太郎に対しての【薄情者―っ!】という言葉だったが、彼は知らぬふりをした。世の中には良い諺がある。

 

【君子危うきに近寄らず】という良い諺が・・・・・・。

 

 

 

 

ラウラの部屋に着いた承太郎。以前のように扉をたたき、声をかけ、インターホンまで押すが反応はなかった。鍵もかかっている。まだ帰っていないのだろうか。そう思いスター・プラチナを使用してラウラの【シュヴァルツェア・レーゲン】の居場所を特定する。基本代表候補生は検査以外、常に肌身離さず待機状態で見につけている。まぁ、承太郎の場合は体内にあるため関係ないのだが。

 

ちなみに、ラウラの場合はレッグナイフサポーターであるアレが待機状態のISなのだ。

 

「・・・・・・アリーナ? 交戦中? ・・・・・・っ!?」

 

表示されたウィンドウを見た途端。承太郎は猛スピードで第4アリーナへと向かう。そう、表示されていたのはラウラだったのだ。しかし、ただラウラが映るのならなんら問題はない。だが、行っていたことに問題があったのだ。

 

そう、彼女が一方的に二機のISに対して一方的な過度の攻撃を行っている映像だった。

 

さらにそこへ映ったのは、目をぎらつかせた獣のようにいたぶるラウラと、無残にもそれを許す形で攻撃を受けている鈴とセシリアだった。

 

承太郎は走る。その速度はヘビースモーカーであるにも拘らず、しかも最近喫煙を始めたばかりだというのに異常に速い。しかしまだ速さが足りないというのか、承太郎はスター・プラチナを起動した。

 

「スター・プラチナッ!」

 

ISの起動により、速度が一気に増す。戦闘機に匹敵するような速度を無音で飛び、廊下を駆ける。数十秒としないうちに、目的地を見つける。

 

するとそこにはもう一夏達も着ていて、シールドの所為で入れないでいた。

 

「一夏ッ! そこどきな!」

 

「オラァッ!」

 

承太郎の叫びと同時に、スター・プラチナの拳と咆哮がアリーナのシールドに突き刺さった。

 

ガラスの割れるようなオトがそこ等一帯に響き渡った。近くにいた一夏達が耳を塞ぐほどの音だったがそうは言っていられない。フィールド内に承太郎が突入すると同時にその後を追うように二人は鈴達の元へと飛ぶ。

 

「オラァ!」

 

大きく振りかぶりながらスター・プラチナが三人に割ってはいる。そのモーションをISのセンサーで捕らえたのか、ラウラは大きく後ろに跳んで回避した。離れたと同時に二人のISが消失するように粒子に変わり、無防備な状態になる。すかさず後ろから追いかけてきていた一夏が二人を抱きとめ大事には至らなかったのは運が良かったのかもしれない。

 

「てめぇ、やり過ぎだろうが。ラウラァッ!!」

 

「・・・・・・何を言っておられるのですカ? 承太郎殿。全く訳がわかりませン」

 

少し語尾が片言にとれるラウラの声に違和感をもつが、承太郎にとって今はそれどころの問題ではなかった。スター・プラチナの豪腕でラウラを押さえ込む、流石にパワー差かシュヴァルツェア・レーゲンでは歯が立たなかった。その間に鈴達のところに集まり、容態を確認した。

 

「・・・・・・ひでぇ」

 

「こんな、酷い」

 

「・・・・・・」

 

一夏達が声を漏らす中、承太郎はラウラの方へと振り向く。表情筋が固まったのか、彼の顔は眉間にしわを寄せたままピクリとも動かない。

 

「何故、何故私を睨むのですカ? 承太郎殿」

 

「てめぇ、こいつ等に何したか分かってんのか?」

 

「こいつラ? あぁ、そこの量産豚と紅茶かぶれの事でしょうカ? 動物を躾けるのは至極当然ですよネ? それと同じですヨ」

 

ラウラはまるで悪を知らない純粋な瞳を承太郎に向ける。それはまるで、赤ん坊のような瞳にさえ感じられる。だからこそなんだろうか、承太郎は怒りを露わに出来ずにいるのは。

 

「・・・・・・」

 

「そんな田吾作に何故味方するのですカ? 可笑しいですよネ? だって承太郎殿は私の物なんですかラ」

 

物扱いにピクリッと眉が動くが、それでも表情を変えない。それは警戒をしているからかもしれない。いや、警戒しているのだろう。今目の前にいる存在が、承太郎の知っているラウラじゃない以上、警戒を怠ることは死を意味する。

 

「てめぇは、俺の知ってるラウラじゃあねぇ。いったい何者だ」

 

「何を言いますカ? 私はラウラですヨ」

 

「ぬかしてんじゃあねぇぞ。てめぇ、それ以上ラウラを侮辱すんなら」

 

拳を握り締め、承太郎はゆっくりと彼女に向かって歩き出す。一歩、また一歩とラウラに向かう。誰が見たって分かる、今の彼の行動は非常に危険だ。だが彼の歩みは止まらない。いや、彼自身止めないだろう。

 

「俺が、てめぇを裁く」

 

「抑えろ、空条ッ!」

 

その拳を振り上げ、今まさに振り下ろさんとした瞬間、千冬がその間に割り込んだ。その瞬間に止まるように承太郎が拳にブレーキをかける。運がよかったのか悪かったのか拳は振り下ろされたが、千冬に直撃するわずか数cmで止まった。一歩間違えば確実に殺めてしまうところだったが、承太郎の反応速度とそれからの急停止までの時間がほぼゼロだったおかげでそれは避けることが出来た。

 

「・・・・・・千冬」

 

「織斑先生だばかもの・・・・・・まぁいい、今の暴力未遂は不問にしてやる。だが、これからタッグトーナメントの間、放課後のIS使用を一切制限する! 文句はないな」

 

千冬は怯えることなくそう言った。一切恐怖に感じていないのは承太郎を信頼しているが故なのだろう。承太郎も、千冬の意見に反論する理由は一切ない。例え理由があったとしても必ず自ずと分かる。それは互いが信頼をし合えているからかもしれない。

 

「お前もいいな? ボーデヴィッヒ」

 

「・・・・・・はイ。私は別にかまいませン」

 

ラウラも肯定する。その態度をみて承太郎は思うことがあったのか、スター・プラチナを待機させた。千冬もそれを見て内心ほっとした。承太郎が冷静な人間でよかったと心底思ったのだろう。これが一夏ならまだ言ってきたのかもしれない。まぁ、その一夏は今鈴達のことで手一杯だが。

 

「・・・・・・・・・・・・あ、ですガ」

 

しかし、問題が起こった。ラウラが待機状態にせず、未だISを起動していたのだ。ラウラがイグニッションブーストで一夏に急接近する。しかし、背中を向けていた一夏は反応するのが遅れた。

 

「一夏危ないッ!!」

 

シャルロットの声が響く。一夏はその声でやっと気がつきラウラの方へと振り向いた。

 

目の前には死神のように命を刈り取ろうと迫りくる黒い雨。その持っているプラズマカッターで切り伏せんと振り下ろされる。

 

「この男は、殺さないト」

 

いくらスター・プラチナでも起動してから間に入るまでに時間がかかる。確かに数秒の範囲だが、もう間に合わない。

 

ザシュリッという音がした。その後一秒もかからず水が噴出す音が当たり一面に広がった。

 

しかし、一夏に怪我はない。そう。

 

「あ・・・・・・あぁああ」

 

「・・・・・・カフッ」

 

死に体の鈴がその体を無理矢理動かして庇っていたのだ。

 

「鈴ッ!」

 

「一夏、どいてろ! スター・プラチナで運ぶ」

 

一夏の叫びと同時に承太郎の腕の中に鈴が納まった。一夏が運んでもいいのだが、緊急看護室へ行く際必ず廊下を通らなくてはならない場所がある。そこを通るにはドレス型よりもスタンド型の方が断然速く移動できるのだ。

 

一夏はラウラを睨むなどという余裕もなく、承太郎の後を追う。勿論セシリアを運ぶためだ。シャルロットは千冬と共にラウラを抑えていた。これ以上に何かしでかされるのは大変だと判断したからである。

 

スター・プラチナが加速する。すぐに別の教師から緊急チャンネルを開かれるがことごとく急患だッ! 緊急手術室を空けてくれと叫んでいた。その表情から察したのかすぐに緊急オペを出来る用意が完了したのは医療スタッフが充実しているからかもしれない。

 

「おい鳳ッ!! 確りしろ! 鳳!!」

 

「・・・・・・うっさいわね。まだピンピンしてるわよ」

 

「意識レベル確認、意識は正常。だが脈拍は弱まってる。呼吸数は安定してねぇ。背中にはISのプラズマカッター切られた後がある。付近の皮膚は焼けたが傷は塞がれてねぇ。判断は急を要する」

 

承太郎が今行ったのはバイタルサインの確認である。これは人間の生命維持に関して行うものであり、これをすることで医師の対応も少しずつだが変わっていくのだ。

 

『了解しました。財団の医師は数十秒後にIS学園に着きます。着き次第オペの補佐に配属します』

 

「あぁ、頼んだぜ」

 

チャンネルを切ると、承太郎は鈴へと視線を下ろす。痛いはずなのに無理をしようとしているようにも見える。その姿はある人物と重ねつつあった。

 

「すまねぇな鳳。もうすぐだ」

 

「・・・・・・大丈夫よ。こん、くらいッ」

 

口では平気だといっているが体は正直だった。激痛が走ったため体が数回跳ね上がっている。

 

「無理すんな。すぐに緊急手術が出来る。安心しな」

 

そう諭すように話す承太郎。しかし、鈴は何かが気がかりなのかソワソワとしていた。

 

「どうした」

 

「一夏・・・・・・一夏は無事なの?」

 

その言葉に承太郎は両目を見開いた。間違えば死ぬかもしれないのにこの目の前の少女は自分の命よりも一夏を選んだのだ。その姿に承太郎は敬意を払わずに入られなくなった。

 

「安心しろ。てめぇの勇気があいつを救ったぜ」

 

「そう・・・・・・よか、た」

 

[意識レベル低下、危険]

 

「安心しな、もう着いた」

 

一夏の無事を聴くと、鈴は息を引き取るように意識を失った。それと同時にスター・プラチナが警告音を鳴らす。しかし、もう緊急手術室は目の前で、すでにSPW財団の特別医師並んでいた。

 

「承太郎様」

 

「あぁ! 頼んだぜ!」

 

医師に鈴を任せ、承太郎は緊急治療室の扉の上のランプがつくのを待っていた。数分後、ランプがついた。紅くついたそのランプの色が飛沫をあげた彼女の血のようにも感じられる。

 

「・・・・・・鳳」

 

承太郎はただただ彼女の無事を祈るしかなかった。

 

 

 

 

「承太郎! 鈴は!?」

 

「安心しな。今は落ち着いている」

 

手術が始まってから数十分。鈴は無事に一命を取りとめ熟睡している。背中の怪我もSPW財団の最先端医療技術により後の形跡すらない。今はそれでも安静にと、24時間体制で鈴の容態を確認している。

 

「そっちはどうなったんだ?」

 

「おう、すぐに意識戻してたぜ。つっても、体中ボロボロで歩きまでまだ出来そうにないらしいけどな」

 

セシリアの方も意識は朧気だったが鈴よりもダメージはなく、すぐに回復したとの事。ただ、彼女も24時間安静にしておかなくてはならない。それほど二人は危ない状態だったのだ。

 

「・・・・・・承太郎」

 

「わかってる。ラウラの事だろ。俺にも今はどうにも出来ん」

 

実際、承太郎は今にも暴れだしそうなほどに怒りを露わにしていた。だがそれは一夏も同じ事。大切な仲間が傷ついたのだ。それも自分を庇ってまで。怒り狂いそうになったが、承太郎の表情をみるとその怒りが、悲しみに変わり、一種の寂しさを覚えた。

 

(・・・・・・あれじゃまるで、承太郎を裏切ったみてぇじゃないか)

 

そう、彼も一夏同様苦しいのだ。まさか一番のパートナーが自分を裏切った。そんなこと思いも寄らなかったのだ。一夏もそう思ったのか、その後言及することはなかった。

 

夕日が男二人と、眠っている鈴を照らし、影を作る。一夏には表情が見えなかったが。承太郎の表情は曇っていた。

 

[そうですか。でも安心してください! 前の学校がどうだったかは知りませんが。今回は私もいます!]

 

「・・・・・・ラウラ」

 

帽子によって見えない表情だが、感じ取れるものというものがある。

 

彼は、悲しんでいるのだ。

 

 

 




ほら、鈴ちゃんが咲いたぞ。泣けよ(ガチ泣き中

鈴ちゃん全然出てこなかったのに、出たと思ったら酷い扱い。もうマジ無理。作者殴ろ(起訴

すまぬ、一夏あげるから許して。あ、一夏さんはハーレム落ちなんで(独占は)ないです。

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