ジョジョの奇妙な学園 ~stardust stratos~   作:エア_

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たっちゃん。俺が愛した女。

いや、青髪のショートへアってそそりませんか? あ、ミディアムもボブカットもよしです。

少し大人な色気もよし、子供っぽいところもよし、あれはすばらしいですね。

青って言うのは冷寒色? といわれる物ですから。

クールってイメージがよく第一印象としてとられます。そんな子がすこしがっついてくると、ギャップを感じます。むしろいいね。

だから、青髪の積極的な請って言うのはドストライクなのでありますよ自分は。まぁ、一番すきなのははやて様ですがね? そこはもうそれ以前にってものなんですよ。

でも、金髪ロールも好きですね。でもそれは妹系の金髪ロールとかが好きですね。ほら、HSDDのレイヴェルとか。あれはもう撫で回したい。

おっと、青髪でしたね。そう青髪といえば、エヴァンゲリオンの綾波レイだったり、ゼロの使い魔のタバサだったり、HSDDのゼノヴィアだったり、ソラオトのニンフだったり、シンフォギアの風鳴翼だったり、アイマスの千早だったり・・・・・・イカ娘? 何仰っているのやらあれは触手であって髪ではありません(断言)

青髪のよさを話し出すともう止まりませんからここいらで。


そう、今回こんなに話しているのは、楯無回だからですよ(キャータッチャンダカセテー

いろいろと遅くなりましたが、今日ちゃんと投稿させていただきましたよ。


あ、相変わらずの場面が分かり難い低クオなのでご勘弁を、クオリティも止めるのでしたらどうぞわしのアシスタントになってくだちい。給料はプライスレスな誰かの笑顔。


第九話~平穏<覚悟

 

 

週末二日は日本のどこでも休みの日であり、それは世界でも同じだった。承太郎はその休みを切欠に、ラウラと話をしようと考えていた。流石に我、関せずでは千冬に迷惑をかけてしまう。それにただでさえ楯無の暴走につき合わされるかもしれないというのに、これ以上面倒なことを増やしたくないというのが現状だった。

 

「・・・・・・」

 

今、承太郎はラウラの部屋の前に来ていた。休日に女子生徒の部屋に押し入るのは流石の承太郎も渋っていた。が、そうもいっていられない状況なのだ。

 

ドアを数回ノックする。しかし、反応はなかった。

 

扉は閉まっていて、中の様子を知ることすらかなわない。

 

インターホンを鳴らしてみる。しかし、反応は全くない。

 

軍人とは言え、流石に学校というのが余程きつかったのだろう。そう、気を使うという方面で。

 

だから今もまだ寝ているのではないか。承太郎はそう判断し、その場を去った。

 

そう、彼も彼で今忙しかったのだ。

 

 

 

 

承太郎は今、楯無とともにショッピングモールに来ていた。それは以前に言っていたお詫びという名のデートである。勿論、デートだと思っているのは楯無であり、承太郎はお詫びの荷物係だと思っているのだ。

 

さて、今日はいつもの学ラン承太郎とはすこし違和感があった。そう。服装が前に見慣れていた学ランとは明らかに違っていたのだ。

 

レザーコートを羽織っており、下はジーパンを着こなしているのだ。それはどこかへ旅行にでも行くかのような容姿だったが、そこまでなら普通の服装だ。だが待て、今は初夏だ。

 

しかし、そのレザーコートも改造されており長ランよりも丈が異常に長い。それはもうコートを通り越してマントにさえも見える。その上、襟に大きな金色のチェーンがついており、その腰にも銀色の鎖が二巻きベルトの代わりに巻かれていた。そんなオリジナリティーがあるコートが着こなされていた。しかし、相変わらず帽子は以前から愛用されている学校用そのもので、むしろそれに合わせたのではないかと言っていい服装をしていた。

 

対する楯無の服装と言えば、水色を主体とした何とも可愛らしいものだった。袖が短く裾も膝上太もも半ば辺りまでのワンピースで、黒のタイツが妙に男心をそそっている。紺色の帽子も似合っていてすれ違う男は全員が全員振り返ってしまうほどだ。

 

そんな二人が肩を並べて歩いている。身長に違いあるが、それは端から見れば紛れもないカップル。すれ違う人々はモデルか何かかと勘違いをするほどの上玉カップルだった。

 

それもそうだろう。承太郎は容姿端麗な上に背も高い。その上ワイルドな感じを漂わせる風格。それが女性には効果覿面のようで、このご時勢だというのに行きゆく女性はその姿に自然と見惚れてしまっていた。

 

しかし、それは楯無も負けてない。幼さを残しながらも大人っぽさがある顔立ち、そしてそれを賑わせるような美しいボディーライン。男がこれに反応しないわけがない。そんな男心を分かっているような容姿。食いつかない訳がない。

 

「あらら~、右からも左からも見られてるわね~」

 

「・・・・・・はぁ」

 

しかし、承太郎は分かっていなかった。そう、彼の今の服装はシャルロットと一夏によって選ばれたものだったので、それでいて実感がわかない彼は周りの好奇な目をうっとおしいと感じながらも、何故自分達に向けるのかを一瞬だけ考え、無駄だと判断し内容を破棄した。

 

「ねぇ承太郎。あっち行ってみない?」

 

「ん? あぁ」

 

楯無に連れられ、承太郎はモールの中に入った。途中、男達の舌打ちが聞こえたが、危害を加えられないなら別にいいと無視をする。勿論、その事を愚痴ノートに書くつもりでいるらしい。

 

モールに入るとまず二人が向かったのは女性用の服のブランドメーカー店。並ぶのはまさに世界ではやっているであろう高級感溢れる流行もので、承太郎は店に入った瞬間、目を眩ませてしまった。あまりの煌びやかに、目をパチクリさせているのだ。

 

「んじゃ、ちょっと待ってね~。試着する服持ってくるから」

 

そう言って、楯無は承太郎を店の中にあるベンチに座らせ、服を取りに向かった。それにしても、楯無は異様にご機嫌だった。それはもうご機嫌だった。生徒会メンバーが引くほどご機嫌だった。

 

(フッフッフッ、ここで私のナイスバデーを駆使すれば承太郎も)

 

などと、妄想が膨れ上がっているためなのか、時折体をくねらせる。勿論、承太郎が見ていないところでだ。

 

さて、暫く何もすることがな承太郎は、本を読んでいた。タイトルは【海洋学=海とは無限の可能性】、熟読しているのか、周りの視線など何のその。途中でどこかの女性客が男だからとズカズカ文句を言っていたが、対する承太郎は完全に集中しているためか無視。警備員まで殺到してきたがそれも無視、そしてついに周りがうるさいときがつけば近くで警備員に女性客が文句を言っている。そこへ一言怒鳴り込めば女性客はその形相に恐怖を感じそのまま我武者羅に逃げるように店から出て行った。警備員がお礼を言うが、邪魔をするなと少しきつめに言うとまた本へと視線を落とす。

 

警備員が去ると同時に、籠いっぱいの服を持って楯無が現れた。承太郎は一瞬硬直した。

 

「な~んか騒がしかったけど。どったの?」

 

「・・・・・・何でもねぇ。それよりも楯無。それ」

 

籠いっぱい。確かにそれなら少しは多めに見ることは出来る。しかし、その籠が3個も4個もあれば話は別だ。

 

「これはどう?」

 

「・・・・・・あぁ、いいんじゃあないか?」

 

「よし、じゃあ着替えるね~」

 

「・・・・・・勘弁してくれ」

 

それからまさに1時間半。承太郎は楯無のグラビアに劣らないそのボディを余すところなく見せる独断場ファッションショーを一人観戦させられていた。正直言ってあの承太郎が疲労を見せるのは凄いことなのじゃないだろうか。服を着替えるごとに承太郎はふぅ、と小さく息をつく。

 

確かに楯無はスタイルがとてもいい。しかし、それを承太郎がそそるかは問題だった。それよりも何時間かかるのかと時間のほうを気にしてあまり深く見ていなかった。とは言っても、楯無の為にちゃんとアドバイスが出来ている分、美的センスはちゃんと持ち合わせているのは確かだった。

 

「さて、お次のこれはどうだ」

 

次に現れたのは赤を基調としたランニングシャツをハーフパンツ姿の楯無だった。

 

「似合わねぇ訳じゃあないが。お前はもっと青か黒、白辺りの方があうんじゃあないか?」

 

「およよ、良い意見貰ったァ――! じゃ、待っててね~」

 

そう言って、また着替え部屋に入っていった楯無。面倒くさくなってはいるが、楯無が嬉しそうなのを感じ取ったのか、

 

「・・・・・・やれやれだぜ」

 

そう言葉を零しながらもゆったりと彼女の着替えを待った。

 

 

 

 

そろそろ昼時だと時計を見ながら承太郎は思っていた。流石にこんなに長いと誰だって辛くなる。すこし短気な承太郎ならギブアップしていてもおかしくはない。

 

「おい、たて・・・・・・刀奈。そろそろいいんじゃあないか? 流石に迷惑かけるのもあれだ」

 

「う~ん、もうちょっと承太郎に見せたかったけど、まぁ仕方ないわね」

 

承太郎の案でやっと暴走が終わった楯無。気に入ったものを購入すると手を取って歩き出した。その顔はホクホク顔と言うのだろうか、とても満足していた。対する承太郎はやっと終わったと安堵していた。

 

「次はどこに行くんだ?」

 

「ふふん、次はここよ」

 

そう言って地図を渡された承太郎は次なる目的地であろう赤いペンに囲まれた場所に視線を向ける。そこに書いてあったのが、

 

「楽市○座」

 

「うんうん、一度行ってみたかったんだよねぇ。ゲームなんかあんまりしなかったしさぁ」

 

そう言って、楯無の足取りが速くなる。承太郎もそれに巻き込まれながらこけないように引っ張られる。

 

「お、おい待て刀奈」

 

「急いで急いで、早くしないと間に合わないぞ~」

 

「・・・・・・ったく」

 

承太郎は帽子を深く被り、表情を悟られないように隠した。その表情は一体どういったものなのかは彼本人にしか分からなかった。

 

店を出てわずか数分で目的のゲームセンターへとつく二人。楯無は早速何からしようか迷っているようだ。承太郎はその姿を後ろから眺めている。今の心境は完全に保護者または父兄だった。

 

早速したのはクレーンゲーム。楯無はぬいぐるみが欲しいようで承太郎にとってもらおうとする。しかし、なかなか難しく、5回するとやっと取れる。しかし、世の中には10回20回やっても取れない人はいる。作者のようにな。

 

次にしたのがシューティングゲームだ。恐竜を打つゲームなのだがこれがなかなかどうして面白いものだ。二人は次々にヘッドショットを決めていき、気がつけばその月のランキングトップに名前を載せられるほどだった。ちなみに名前はK&J。もうちょっといいネーミングセンスを二人には持ってもらいたいものだ。

 

「ねぇねぇ承太郎。このレースゲームしようよ」

 

「・・・・・・あぁ」

 

承太郎は楯無の呼びかけに答え、次のゲーム台まで行く。今度のそれはバイクに見立てたコントローラーに跨るタイプの体感ゲームだった。タイトルは【レーシング04衝撃のラストを越えろ】というものであった。

 

早速承太郎は100円玉を入れ、バイクに跨る。

 

「さぁさぁ、いざ尋常に勝負だ承太郎」

 

「あぁ、別にいいぜ?」

 

「勝ったら今日のお昼ご飯は負けた人が払うってのはどう?」

 

「決まりだ」

 

サラウンドな音響がレースのスタートコールを鳴らした。それと同時に、二人はアクセルをかけ、加速させた。二人が使うバイクは機種から使用パーツまで何もかもが一緒。つまりは技量によって決着がつくようになっていた。勿論、バイクの種類は選べるが、それでは性能で勝ったも同然。それなら同じバイクに乗りその持ち前のテクニックで争ったほうが、後味が良いに決まっている。

 

「ふふん、こういう系、苦手じゃないわ」

 

「・・・・・・ISよりかは使い勝手がいい」

 

精神に堪えるスタンド型が故の使い勝手の悪さ。そう、ドレスタイプなら体の動きに合わせて装備が動いてくれるのだが、スタンドタイプだとどこにどう動かすのかをいちいち考えなければならない。つまりは、従来のものより非常に面倒くさいのだ。だが、それをうまく扱い、国家代表を圧倒するあたり彼のポテンシャルは非常に高いものと評価できるだろう。

 

ゲームの中盤に差し掛かる瞬間、承太郎がコーナーをうまくつき、楯無の乗るバイクの前に躍りでた。

 

「なぬ!? 抜かされた!」

 

「国家代表が聞いて呆れるぜ?」

 

承太郎が少し得意げな表情を楯無にみせる。

 

「にゃにおう!」

 

その顔が効いたのか、承太郎の挑発に楯無は乗った。別に彼女が挑発に弱いからではない。彼女自身今でもとても冷静だ。彼女も国家代表。それなりに運動神経および動体視力、そして機械にたいしての知識は一般人よりもはるかにある。それは承太郎も例外ではない。しかし、承太郎でも楯無の知識には劣る。それはISにかんしてや闘い、そして暗殺においてもだ。それは彼女が更識家の17代目楯無だからである。彼女の培ってきた知識を最大限に駆使し、今、承太郎の挑発を買い。速度を上げる。まぁ承太郎にすごいところを見せたいが一心なのは彼女が一人の乙女だからなのは皆の心に留めていただきたい。

 

コーナーをうまく最小限に回り、承太郎のバイクに少しずつ近づく。承太郎もそれを分かってか、速度を上げる。しかし、それは承太郎が反応できる範囲を逸脱した。それを分かったのか、楯無は余裕を見せながら承太郎を抜くためにさらに加速し、ついには抜き返した。

 

「ふふん、国家代表がなんだって?」

 

「・・・・・・上等だ」

 

承太郎はリスクをかえりみず、速度をさらに上げた。ギアは二人ともトップスピード。障害物と化した車を右に左にとすり抜け、ラストの直線コースへと向かう。ここまで来れば後はただ突っ走るだけ。しかし、二人の距離は全くない。これはどれだけここから速度を上げられるかが勝負の鍵だった。

 

先に前に出たのは承太郎だった。

 

「どうした刀奈。早すぎてブルッたか?」

 

「んなわけないじゃない」

 

そう言うとすぐに楯無が抜き返した。そのしたり顔が承太郎に向けられる。

 

「そう言う承太郎こそ、私に抜かれてるわよ」

 

「・・・・・・野郎」

 

承太郎も負けじとバイクをかっ飛ばす。その表情は途轍もなく楽しそうだった。

 

そして、ラスト。ゴールの目の前。勝つのは果たして・・・・・・。

 

 

 

 

「ほんと・・・・・・何かごめん」

 

「刀奈が悪い訳じゃあねぇ。あのクソ台が悪ぃ」

 

ファミレスに、二人はいた。一人は不機嫌に腕を組み座る承太郎。もう一人は汗を一つ滴らせている楯無だった。

 

結論からまず言おう。引き分けだった。

 

あのバイクのゲームなのだが、最後、急に乗っていたものがゴール直前になぜかある崖に落ちたのだ。そう、仕様である。その時の二人の顔はまさにスクープ物だったのかもしれない。仏頂面の承太郎やいつも妖艶に笑う楯無が、あんなにも“豆鉄砲を食らった”ような表情をするなど。明日は翡翠色の宝石を模ったエネルギー弾が降ってくるかもしれない。

 

そんな訳で結果、引き分けというより二人ともゲームオーバーといったものが今回の終着点だった。承太郎が切れてスター・プラチナを使用していないのは、楯無のお陰なのかもしれない。

 

「まぁまぁ、ご飯は私が奢るからさ」

 

「・・・・・・」

 

しかし、やはり納得がいかないようで、承太郎はガラスコップに注がれた水を一気に飲み干す。その光景に、やはり楯無は汗を一つ滴らせる。しかし、そう何時までも根に持つのは流石に彼女へのストレスになると思ったのだろう。承太郎は一つため息をつくと、手元にあるメニューに視線を落とす。

 

「・・・・・・無難なパスタとかで良いだろ」

 

ベルを鳴らすと厨房のほうから女性が一人現れた。察するにウェイトレスなのだろう。

 

「う~ん、そうねぇ。んじゃカルボナーラにするわ」

 

「俺はミートソースでいい」

 

「畏まりました。カルボナーラが一点、ミートソースが一点。以上でよろしかったでしょうか」

 

「あぁ、かまわねぇ」

 

注文を聞くと、ウェイトレスはさっさと消える。途中、他のウェイトレスとキャーキャー小さく言っていたが、そんなに騒がしくないからか承太郎は無視した。

 

「全く、モテる男は辛いわねぇ。承太郎」

 

「興味ねぇな。うるせぇだけだ」

 

「あらら、分かっていての反応なのね」

 

「俺はそんなに鈍感じゃあない」

 

承太郎はそう言うと、ガラスコップに冷水を注ぎ、再び一気に飲み干す。その姿に、やはり楯無は一つ汗を掻いた。彼の我が道を通るっぷりには呆れを通り越して尊敬すら覚える。

 

そう、それは自分よりも凄い我が道振りなのだ。

 

「・・・・・・そういえば、今日朝寄るとこあったんでしょ? 何の用事だったの?」

 

「別に関係ねぇだろ?」

 

「何言うの、生徒の長である私が生徒の事を分からなくてどうするのよ」

 

「・・・・・・そうかい」

 

承太郎は暫く黙っていると、簡単に教えた。こうなってはどうやっても答えなければ向こうは開放してくれない。承太郎が幼い頃から関わっているからこそ、それを理解したのだ。

 

「俺と一緒にドイツから来た奴のところだ。ラウラ=ボーデヴィッヒのところへな。あいつは流石に異郷の地だからな、まいってねぇか確認にいったんだよ」

 

「それで? どうだったの?」

 

「・・・・・・インターホンにも反応しなかった。多分寝てるんだろうよ。疲れてな」

 

「・・・・・・そっか。大事じゃなくてよかったわ」

 

それを聴くや否や、ふぅっと一息をつく楯無。その態度は生徒のことを考える生徒会長の鏡だった。

 

すると、タイミングを見計らってか、頼んだ料理が現れる。配膳されると白い紙を渡された。そう、レジで使う領収書のようなものだ。

 

「んぐんぐ。中々」

 

「・・・・・・悪くはねぇ」

 

あの、不味ければ金も払わずに出て行く承太郎が悪くないといった。そう、それはとても凄いことだ。

 

「あ、承太郎。そっちの食べさせてよ。ほら、あ~ん、あ~ん」

 

すると、唐突に楯無が口をあけて承太郎に顔を近づける。突然のことに承太郎は一瞬眉をピクリとはねさせた。

 

「おい、落ち着け。食べるときは落ち着いて食べやがれ」

 

「小さい頃はよくしてくれたじゃない。あ~ん!」

 

「・・・・・・はぁ、ほれ」

 

こうなってしまっては誰にも止められない。承太郎は観念したのか、フォークを数回まわし、パスタの玉を作る。そして楯無の口に運ぶのだった。

 

「ん~~♪ 最高」

 

「・・・・・・二度としねぇ」

 

「そんな事言わずに、ほらほら、お姉ちゃんのも食べて良いのよん」

 

「いらん」

 

楯無が再び接近をするが、今度という今度は承太郎がそれを防いだ。それをされれば流石に恥ずかしいのは誰だってそうだ。

 

そんな馬鹿話をし、気がつけば2時間ほどファミレスで時間を潰していた。食べ終わった後も、いろいろと話しをしていたためか、時間というものを完全に忘れていた。

 

「そろそろ戻るぞ。電車に乗れねぇのは痛いからな」

 

「そうね~。ひっじょ―――――に残念だけど。ひっっっっっっっっっっっっっっじょうに残念だけど。我慢して帰りますか」

 

「・・・・・・あぁ」

 

すっごい残念がりように流石の承太郎もドン引いた。そこまで残念か? などと思うが、彼女にとってはとても残念なのだろう。彼はそう決め、レジへと向かった。

 

「承太郎~。私が払うって」

 

「うるせえ。黙って待ってな」

 

そう言うと、承太郎はレジで会計を済ませ、戻ってきた。

 

「もぉー、私が払うって言ったのに」

 

楯無はすこし不貞腐れていた。それもそうだろう。後輩に奢らせる先輩が居てたまるかと言う話だ。

 

「やかましい。女に払わす男がいるか」

 

入り口のドアを開け、承太郎はファミレスから出る。楯無もそれを追って、その場を後にした。

 

 

 

 

「全く、本当に我が道を貫くわね」

 

モノレールから見える夕焼けを眺めながら、楯無は承太郎に語りかけるように呟いた。承太郎はその夕焼けを背にしながら腕を組み、瞳を閉じ、今日の疲れを取るかのように、浅い眠りについていた。

 

「ほんと、承太郎はそう言うところは相変わらず。あの頃とおんなじ」

 

楯無は聞こえないような小さな声でそう呟く。承太郎を見下ろす。相変わらず何も動きはしない。承太郎を見上げる。やはり動きはしない。左右から、そして真正面から承太郎を見つめる。しかし、やはり彼は微動だ(・・・)しない。

 

「大事なところが変わってなくてお姉ちゃん嬉しかったわ」

 

承太郎の隣にぽふっと音を立てて座る。今この車両に居るのは楯無と承太郎のみ。しかもこれは学園直通のモノレールなのだ。つまりは誰も居ない二人きり。

 

「でも、ごめんね。お姉ちゃんは変わっちゃったよ。あの頃の私から本当に」

 

楯無の仕事は暗殺が専門だが、それでも幅広くあった。果てには殲滅にまでも伸ばすものだった。つまり、何が言いたいのか・・・・・・そう、その手を多く後で染め上げてしまったのだ。

 

「いっぱい殺した。殺して、殺して、殺して殺して殺して、もう何人になるんだろ。3桁くらいはしたんじゃないかな。もうこの手は汚れきっちゃった」

 

その裾に手を伸ばす、しかし拒絶を恐れたのか途中でビクリと止まり、引っ込める。相手は寝ているというのに、彼女には出来なかった。

 

「妹・・・・・・あの子からも拒絶されて、もう私には承太郎しか居なかった。でも、もう駄目ね。これでおしまい。もう片思いはおしまい。もう止めなきゃ。楯無(ころしや)に戻らなくちゃ」

 

楯無はそう言うと、一度強く目を瞑り、そして覚悟した表情を見せる。

 

「ありがと、承太郎。ごめんね。あの頃のお姉ちゃんじゃなくて」

 

次の瞬間。楯無は居なくなった。そう、移動するモノレールから忽然と。まるで最初から誰も居なかったかのように。

 

「・・・・・・やれやれだぜ」

 

 

 




ギャータッチャーン。あばばばどうしよう。どうする? ねぇどうする?


1.承太郎がたっちゃんを説得。二人ははれて恋仲に。

2.突然の第三勢力によって更識解体。普通の完璧少女になる。

3.我関せず、現実は非常である。

4.とりあえず作者を殴っておく。


とりあえず一つ言っておきます。



俺はMじゃねぇ!

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