青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

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真心を持って接すれば、きっといい関係が作れるんじゃない?

なんかいいこと言ってみたり。いいことなのかはさておき。


43話 vsザ・ジェネシス2・守り抜いて

ボールが、吹雪さんに渡る。

 

「行けーっ吹雪ー‼︎」

「吹雪さんっ‼︎」

「よし、1点だー‼︎」

 

次々と吹雪さんにかけられる期待の声。だが、吹雪さんは敵GKを視界に入れると、足を止めてしまい、その隙を相手に押し込められ、ボールをラインの外へ出してしまった。これに、全員が落胆する。

一体どうしたのかしら? 吹雪さん、何だか変……。走る足を止めずに、吹雪さんを見やる。何だろう……吹雪さんが、壊れて……?

 

 

 

何とかまたパスを繋ぎ、また吹雪さんにパスがまわる。

 

「エターナルブリザード‼︎ ……うおおおおおっ‼︎」

 

雄叫びを上げてシュートを放つ姿は、何故かいつもより弱々しく見えた。

吹雪さんのシュートはGKの両手にがっちり掴まれ、止められてしまった。みんなの士気がまた下がる。

 

「気にするな、吹雪ー! 次は決めてこうぜー‼︎」

 

円堂さんの明るい声をかけるも、みんなの士気はあまり上がらない。吹雪さんの笑みも、曇っていた。

 

 

 

 

再びグランにボールが渡る。ゴールで円堂さんが構えた。

 

「来い‼︎」

「好きだよ、円堂くん。君のその目……!」

 

グランが地面を蹴って、飛ぶ。高く上がったボールに、ハイキックシュートを放った。

 

「流星ブレード‼︎」

 

次の瞬間、光がゴールへ向かって駆け抜けるのを見た。まるで光のレーザーのようだ。

しかも、そこへ吹雪さんが走り込んでいくのが見えた。

 

……このままでは本当に雷門が崩れる!

 

「やめろ‼︎」

 

 

 

ふと、視界に吹雪さんが映る。吹雪さんを庇うように押し倒す。

それと同時に、頭に強い衝撃がした。

 

 

 

吹雪side

「青木っ‼︎」

 

少し遠くで、キャプテンの声が聞こえる。そこで、僕の意識がハッキリした。僕の上に誰かが乗っている。青い髪に僕よりも細い体。

 

「穂乃緒ちゃん……?」

 

僕は何をしていたんだ……? 確か……アツヤが僕の中で……。それで……何で穂乃緒ちゃんが倒れているんだ……?

 

「穂乃緒ちゃん……穂乃緒ちゃん、穂乃緒ちゃん‼︎」

 

穂乃緒ちゃんを抱き起こし、何回も揺さぶる。穂乃緒ちゃんは僕の腕の中でぐったりしたまま、目を瞑って動かない。

 

「俺っ……救急車呼んできます!」

 

立向居くんが、焦ったように校舎へ走り出す。その間も僕は穂乃緒ちゃんを揺さぶっていた。

グランが心配そうに穂乃緒ちゃんを見ていた。まさか穂乃緒ちゃんが僕を庇うとは思っていなかったんだろう。

 

「大丈夫かな……」

「行こうぜ、グラン。こんな奴らとやっても、ウォーミングアップにもなりゃしない」

 

ジェネシスは帰るのか、一ヶ所に集まっていく。

 

「それじゃあ……またね」

 

グランは最後まで穂乃緒ちゃんを見ながら黒い霧と共に消えていった。

 

 

 

 

 

病院に運ばれても、穂乃緒ちゃんは気を失ったままだった。青い髪を白いシーツの上に散乱させ、目を閉じて眠る姿は、まるで死んでいるみたいで怖くて……。ずっと穂乃緒ちゃんの手を握っていた。

 

「何で……穂乃緒ちゃん……」

 

何で穂乃緒ちゃんは、僕を庇ったの?

 

尋ねても、誰も答えてくれない。当然だ。その本人が眠っているから。


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