青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

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歌とか歌ってる方ならご存知かもしれませんが、両声類って知ってます?凄いですよねー。カラオケ好きな者として、とても憧れます。

両声類とは、男声と女声どちらも使って歌える人のことです。私多分男の人と同じくらい低い自信があります。


41話 ザ・ジェネシス登場

もうすぐ正午だ。私達はそろそろアップを始めた。その中、瞳子監督は円堂さんに何か尋ねていた。私のいる場所からでは円堂さん達の会話は聞こえなかった。

しかし、円堂さんの知り合いとは誰なのか。それだけが疑問だった。まあうだうだ考えても仕方ないので、伸脚を始める。

 

「……なんか、ヤな天気」

 

空を見上げて、ボソッと呟く。朝からずっとこの曇天だった。曇りの日は、いつも気分が良くない。太陽が見えるワケでもなく、雨が降るワケでもない天気。ハッキリしなくてイライラする。

 

「12時になりました!」

 

音無さんの声が聞こえたのと同時に全員の表情が驚きのものに変わった。ふと足元を見ると、辺りに黒い霧が立ち込める。これ、エイリアの……⁉︎ 黒い霧を見た壁山さんがオロオロする。

 

「こ、これってイプシロン……⁉︎」

「来た!」

 

鬼道さんの声に顔を上げると、カッと光がフィールドを支配した。思わず光に目を伏せる。光が収まってくると、目が次第に慣れ、視線をフィールドの中央に投げる。その光景を見た私に、時間が止まったような感覚が襲った。

 

「……やあ、円堂くん」

「なっ……! まさか、ヒロト……?」

 

何故。何故。

 

「何故、貴方がここにいるの……?」

 

自分でも気付かず、口が動く。赤髪を逆立て、白いユニフォームを着た基山さんが、私の声を聞いてニコッと笑いかけた。

 

「また会ったね、穂乃緒ちゃん。久しぶり」

「えっ……?」

「青木、ヒロトを知ってるのか⁉︎」

 

ヒロトさんの言葉を聞いた雷門イレブンが動揺し、円堂さんが私に問いかける。みんなからの視線を受けながら、私は頷いた。

 

「はい。何度か会っていました。まさかとは思っていましたが……やはり、貴方はエイリア学園だったのですね」

「……俺のこと疑ってたの?」

「当然です。貴方は私達の行く先々に、必ずと言っていいほどいました。地元の人でもないのに私達の目的地を知っている。誰だって怪しむに決まっています」

「そっか……」

 

ヒロトさんはフッと悲しそうに笑い、円堂さんを見つめた。

 

「紹介するよ。これが俺のチーム。エイリア学園、ザ・ジェネシスっていうんだ。よろしく」

「ジェネシス……⁉︎ お前、エイリア学園だったのか……⁉︎」

「さあ、円堂くん……サッカー、やろうよ」

 

ヒロトさんは目を細め、笑みを崩さず私達を見据えた。

 

「くっ……!」

「どういうことなんだ……? 何で円堂の友達がエイリア学園に……」

 

歯を噛み締める円堂さんに、土門さんが声をかける。円堂さんに聞いても意味がないのは分かってる。でも、あまりもの衝撃に尋ねずにはいられないようだ。誰もが動揺する中、一人冷静に目金さんが口を開いた。

 

「まんまと騙されたみたいですね」

「騙された……?」

 

音無さんがどういう意味かと、疑問を目金さんに投げかける。目金さんはその疑問に答えた。

 

「奴らの目的は、友達になったフリをして、円堂くんを動揺させること」

「そういうことだったんですね……」

「宇宙人の考えそうなことですよ」

 

目金さんの推測に、立向居さんも納得したようだ。その会話を聞いていたヒロトさんが、口を挟む。

 

「それは違うよ。俺はただ、君達とサッカーをしたいだけ。君達のサッカーを見せてよ」

「いいのかよ、勝手にこんな試合して」

「グランがやるって言うんだ。仕方ないだろ」

 

ヒロトさんの後ろで、ジェネシスの選手が話していた。

グラン。それが、彼の名前……。

 

「それが貴方の本当の名前?」

 

私の問いかけに、ヒロトさん……グランは何も答えない。円堂さんもキッとグランを見つめ返した。

 

「お前とは、もっと楽しいサッカーが出来ると思ってた……。でも、エイリア学園と分かった以上、容赦はしないぜ‼︎」

「……もちろんだよ」

 

グランは円堂さんと試合が出来るのが嬉しいのか、相変わらず笑みを浮かべたままだ。

グラン……ヒロトさんがエイリア学園だということは薄々感じていた。でも、本当にそうだとは思っていなかった。ただ、一つの事実を知っただけなのに。何故か私の中で、何かが壊れた感覚がした。




ついに来ましたジェネシス‼︎ そして円堂と青木さんとご対面!
次回は試合ですね。試合展開は得意ではありませんが頑張ります。

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