青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

37 / 97
ちょっと遅れましたが、バレンタインの番外編の挿絵です!


【挿絵表示】


それではどうぞ!


35話 vsイプシロン1・特訓の成果

特訓を始めて2日が経った。イプシロンとの対決まであと1日。みんなの意気は上がっていくばかりだった。

休憩の時間になり、私が外に出ようと廊下を歩いていたところ。

 

「喰らえ、デザーム‼︎」

 

ドッガァァァンッ‼︎!

 

部屋からした大きな音に、私の足が止まった。部屋を覗いてみると、そこで一人シュートをロボットに向かって打っていたのは、吹雪さんだった。肩で息をし、目はギラギラとロボットを睨みつけていた。吹雪さんのオレンジ色の瞳は、ロボットを誰かに重ねていた。その人物は、容易に分かった。

デザームだ。京都の漫遊寺中で戦った時、吹雪さんのエターナルブリザードが全く効かなかった。それがとても悔しかったのだろう。吹雪さんは疲れているというのに、まだ練習を続けようとしていた。

何だか不安だった。もしかしたら、吹雪さんがこのまま壊れてしまうのではないかと。何かをきっかけに、吹雪さんが壊れてしまいそうで。

私は持っていた水を飲み干し、吹雪さんを横目で見つめながらも練習に戻った。

 

 

 

 

 

そして、約束の日。イプシロンがまたあのボールと共に現れた。何だか久しぶりな気がするけど、私達の本来の目的は彼らを倒すことだ。

 

「時は来た。10日もやったのだ。どれだけ強くなったのか見せてもらおう」

 

上等。私はそう言う代わりに、自分の大嫌いな赤い目を鋭くし、イプシロンを睨んだ。

 

 

私達は、特訓場のさらに地下のグラウンドへ連れられた。浦部さんもここの存在は知らなかったらしく、驚きの表情を見せていた。

やはりここはエイリア学園のアジトなのだろうか。ここを知っている浦部さんでさえ知らなかった場所を彼らが知っているのだから、そういうことになるのだろう。

 

ベンチに着くと、瞳子監督が浦部さんの正式なメンバー入りを発表した。そして、今回の試合の指示を出す。

 

「FWは浦部さん。吹雪くんはディフェンスに入って、序盤は様子を見なさい。……この一戦で全てが決まる。これを最後の戦いにするのよ、必ず勝ちなさい!」

「「「「はい‼︎」」」」

 

全員の声が揃う。この試合に全てをかける。そして、全て終わらせるんだ。誰もがそう思っていた。

 

「………………」

 

私を除いては。

 

 

 

 

ホイッスルが鳴り、キックオフはイプシロンからとなった。相手は早速攻め込んできた。FWの女子が必殺技を発動した。

 

「メテオシャワー‼︎」

 

突然のことに浦部さん、財前さん、鬼道さんは反応出来ず、突破を許してしまう。しかしここに、風丸さんがマークに入った。風丸さんは相手にぴったり張り付き、隙を見せない。彼女は別のFWにパスを出し、パスを受け取ったFWはシュート体勢に入った。

 

「ガニメデプロトン‼︎」

「マジン・ザ・ハンド‼︎ たぁあっ‼︎」

 

強烈なシュートなのに変わりはなかったはず。しかし、円堂さんは一人で見事防ぎ切った。

円堂さんはボールを高く蹴り上げ、雷門の反撃が開始された。ボールに合わせて飛んだ浦部さんが、足を後ろに振り上げる。

 

「聞いたで? あんたら、悪い奴なんやて。ウチがお仕置きしたる! ローズスプラッシュ‼︎」

 

必殺技か、と思われたが、相手を翻弄させるのは浦部さんの得意技だ。あれほど大袈裟に高々と掲げた足は振り切らず、地面に着地した。ボールはディフェンスを突破した一之瀬さんから鬼道さんへパスが渡って、シュートとなった。

 

「「ツインブースト‼︎」」

 

ゴールに立つデザームは片手でボールをがっちり掴むものの、少し体勢がぐらついた。彼が左足を退かすと、そこには地面が抉れた跡が。

みんな、特訓のおかげであの時より強くなっていたようだ。これなら……。奴らを倒して……。私は唾を飲み、フィールドを見つめた。




書いてたのにログイン画面に戻ってしまい、少し凹みましたが再開させました。
やっと来ました、イプシロン第2戦‼︎
この勢いで頑張りますよ〜!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。