青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

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書道の授業で使われる墨汁の容器が昔回転寿司によくあったような醤油の容器だったんだが。

いや〜あれは驚いたよ。
それではどうぞ!


34話 強さの秘密

「まあ、助かりましたね。一之瀬さん」

「ああ……」

「私的にはあのままでも構わなかったんですがね。貴方の表情が思いの外ゾクゾクしたので」

 

酷い‼︎ と聞こえたが無視だ無視。ところで、何故まだ浦部さんは雷門側に居るのだろう。

 

「やっぱダーリン最高やわぁ〜♥︎ あんな凄いサッカーできるなんて……もう一生離さへん‼︎」

「ちょっ、それじゃ話が……‼︎」

「……おめでとうございます、一之瀬さん」

「いや、待って‼︎ 助けて⁉︎」

 

しかし謎だ。私達はエイリア学園を倒すべく旅をしているが、そんな相手と対等に渡り合える程の実力を何故こんな地元チームが持っているのか。それなら、既に有名になるはずなのに。私はポソと呟いた。

 

「これほど強いのですから……何か秘密があってもおかしくありませんね」

「「「えっ」」」

「え?」

 

私の呟きに、何故か大阪ギャルズ全員が反応する。まさか、やっぱり何か秘密があるのか。そう踏んだ私は一気に畳み掛ける。

 

「その反応……やはり秘密があるのですか?」

「え、や……ええと……それはな……」

「あるんですね」

「………………はい……」←

 

よし、勝った。相手は白状した。私は続けて尋ねる。

 

「その秘密とは、一体何ですか?」

 

すると、ギャルズはみんなで集まって、何やら作戦会議を始めた。私が彼女らに圧力をかけたのか分からないらしい円堂さんが、私の元に来た。

 

「青木、何で秘密があるなんて思ったんだ?」

「彼女らの力量です。彼女らは日本一となり、さらにはエイリア学園と戦う貴方方と対等に渡り合った。おかしいと思いませんか?」

「それは、彼女らが元から強かったからじゃないか?」

 

円堂さんに続いて、風丸さんも問うてくる。

 

「彼女らが元から強ければ、とうに有名になっているはずです。なのに、こうして地元チームとしてサッカーをしている。なら、強くなったのには秘密があってもおかしくありません」

「なるほど、強さには裏があるということか」

 

鬼道さんが納得したところで、ギャルズの話し合いが終わったらしく、浦部さんが私達に声をかけた。

 

「自分ら! ついてきぃ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

連れてこられたのは、ナニワランドのとあるアトラクションの中。ここは見た時、何も無かったはすなんだけど……。みんなが疑問を感じる中、浦部さんは手すりのレバーに手をかけ、ぐいっと引いてみせた。すると、私達が乗っていた場所が突然降下し始めた。だんだんと見えてくる景色に、私達は息を飲んだ。

 

「これは……」

 

見えてきたのは、様々な色の機械達だった。何やらカラフル過ぎて目が……。床に降り立つと、みんなそれぞれトレーニングマシーンを見ていく。なるほど、ここで彼女らは特訓をしたのか。

目金さんが一つのマシーンを試してみたが、レベル1の時点でばてていた。そりゃすごいものよ。だって傾いたり、山なりになったり挙げ句の果てには人の足に見せかけた靴が出てきて。もう何でもありね。

 

「情けないですね」

「う、うるさいですね‼︎ だったら青木さんが試して下さいよ‼︎」

「や」

「一文字⁉︎ 一文字で断られた‼︎」

「あんたもなかなかキツいな〜。仲良くなれそうやわ」

「そりゃどうも」

 

何故か浦部さんと仲良く? なれた。ちなみに円堂さんは、というと……。

 

「おっもしろーい‼︎ 俺、ここでめちゃくちゃ特訓したい‼︎」

 

ものすごい勢いで目をキラキラさせていた。安定だわ。これを見たみんなも、ここで特訓することを望んだ。

 

「イプシロンとの戦いまで残り3日。ここなら、今まで以上の特訓が出来る。強くなれるはずだ!」

「使わせてもらっていいか?」

「え〜……」

「え、ダメなの……?」

「もっちろんええやーん‼︎」

 

風丸さん、円堂さんはダメで一之瀬さんはいいのか、浦部さん。まあ、本人は一之瀬さんにメロメロみたいね。

でも、何かしら……。人を好きになるって、こんな感じなのかしら? 私にも、何か似た感じを体験したような……。そう、胸が少し苦しくなるような……。

私はプルプルと顔を振って、特訓マシーンを見に向かった。

 

 

 

しばらく見てまわった後、とんでもない事実を知った。

 

「ここは……貴女方が作った場所ではないのですか?」

「せやで〜」

 

いや、せやで〜じゃなくて。誰が作ったかも分からない場所を貴女方は勝手に使っているのですか。

 

「大丈夫やって。今まで誰も文句言ってこーへんし、怒られたら謝ればええやーん」

 

……何、関西人ってみんなこんなノリなの。でも、こんな充実している施設なら、きっとここが例の奴らのアジトなのだろう。私はどうしても、この考えを捨て切れなかった。

 

「ですが……これだけの施設です。もしかしたら……エイリア学園のアジトだと考えても良いのでは?」

「えいりあ? ああ、あのサッカーで地球を支配するとか言うとる連中か! あはは、そないなワケないやーん! ウチら、ずーっとここ使うとるねんで? 奴らのモンやったら、すぐに取り返しに来るんちゃうんか?」

 

と、言われ、私は考え込んでしまう。しかし、風丸さんに深く考えるのはよそうと言われ、仕方なく考えるのをやめた。


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