うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ((ry
はい、それではどうぞ。
女の子達の情報によると、一之瀬さんは目の前にあるこのお店に入ったらしい。何のお店かよく分からない。デカデカと看板があるが、何の看板なのか全く分からない。
円堂さんが、何の躊躇もなく扉を開ける。中には一之瀬さんともう1人、女の子がいた。2人が私達に気付き、振り返る。何をやっているんだ。私は呆れ、溜息をついて思ったことをそのまま口にした。
「何やってるんですか、こんなところで」
「ちょっと、色々あってさ……」
「まあいいでしょう。さ、一旦戻りましょう」
私がそう言い、一之瀬さんも立ち、出口に向かおうとしたところ……。
「そうはいかへんで‼︎」
女の子は一之瀬さんを止めた。ことが運ぼうとしたところの邪魔は、私の1番嫌なタイミングだ。私は自然と眉を顰める。一之瀬さんはというと、ポカンとした表情で女の子を見つめる。女の子はさらに続けた。
「あんた、ウチの特製ラブラブ焼き食ったやろ? アレ食べたら結婚せなアカン決まりやねんで」
「けっ…………」
「「「「結婚ーーーー⁉︎」」」」
と、みんなが驚きを隠せず叫ぶ。当然、私は叫ばない。そもそも結婚って何。
一之瀬さんは焦りに焦りまくっている。あ、この顔いいわね、何だかゾクゾクする。
「でも、そんな話一言もっ……!」
「当たり前やん! そんなん言うたら食べへんかったやろ?」
話を聞く限り、2人は初対面みたいだ。何だか一之瀬さんが哀れになってきた。
ラブラブムードを見せつけられ、私達は店を追い出されてしまい、中では一之瀬さんの悲痛な叫び声が響く。うん、一之瀬さん哀れだわ。
ていうか一之瀬さんお好み焼き屋さんになるのかな……? 何だろ、想像出来るな。安易に想像出来るわ。
「とにかく、一之瀬さんを回収しましょう」
「へ、あ、ああ……でも、扉が開かないぞ」
「壊せば問題ありません」
「いや、ダメだろ‼︎」
足を上げようとしたら、円堂さんに即刻止められた。だがこのままでは一之瀬さんが似合う世界に連れ出されてしまう。
私がまた扉を破壊しようとしたが、そこにまた新たな存在が割り込んできた。
「ちょー、どいてんか?」
「は? 何ですか貴女方」
「何ってリカ呼びに来たに決まってるやろ?」
やってきたのは、女子ばかりだった。せっかくの破壊衝動を止められ、イラつく私。そしてさらに続ける。
「キュート!」
「シック!」
「クール!」
「キュートでシックでクールな大阪ギャルズ、CCC〜‼︎」
「「「わぁぁぁぁ‼︎」」」
何なんだこいつら。さらにイラつく。扉を破壊するついでにお前らの顔面全部潰してやろうか。何だろう、このノリがすごくウザい。
女の子達は扉を開けて中に入っていった。ふと視線を下にずらせば、何やら破壊された鍵が。何、大阪の女子って超怖い……!
「何やっとんのやリカ! 練習時間、とっくに過ぎてんやで⁉︎」
怒鳴り込んだギャルズのメンバーが、一之瀬さんとリカさんを見て固まる。そして、テーブルに置かれている皿を見て叫んだ。
「えっ……ウソ⁉︎ みんな、リカが結婚相手見つけたで‼︎」
「「「結婚相手ーーーー⁉︎」」」
……ああ、何だか頭が痛くなってきたわ。私は溜息をつき、頭を抱える。
「……何か、大変なことになってきたでヤンスね……」
「やっぱり一之瀬先輩、このままここに残っちゃうんスか?」
栗松さんと壁山さんが嘆く。これ、一体どうするのよ。私もどうすればいいのか分からない。風丸さんも円堂さんにどうするか求めるが、円堂さんも腕を組んで悩む。だが、そこで。
「こうしたらどうでしょう‼︎」
突然声を上げたのは、目金さんだった。
「「「「サッカーで決める⁉︎」」」」
「試合で勝ったチームが、一之瀬くんを連れて行けるんです」
目金さんの発言に、全員が驚く。そんなので一之瀬さんの運命を決めていいのかしら……? そして、さらに目金さんが続ける。
「心配いりませんよ、相手は女子チーム。僕達が負けるわけないじゃないですか」
「その根拠は一体どこから来るのですか」
私はジロリと目金さんを軽く睨み、棘を含んだ声音で言う。目金さんが私のプレッシャーにたじろぐ。まあどうでもいいけどね。
大体、向こうはこんな試合承諾するのか……?
「……それ、おもろいな! それで決まりや! ほな、早速始めよか? 行こっ、ダーリン♪」
…………承諾した。
大阪きた、ギャルズきた、リカきた‼︎
はいまた頑張っていきますよ!
次回もお楽しみに‼︎