因みに、別の化学の提出物のスタンプも絶妙な薄さだったという。←
見事だよ、うん。
まあ、それは置いといて……それでは、本編をどうぞ。
佐久間side
強さが要らない……? 俺は目の前で蹲っている青髪の女に鋭い視線を落とした。力を手に入れた自分を否定されたような気分だった。俺は……何のために力を手に入れたんだ? 自然と、頭の中で自問自答が繰り返される。そんな俺の脳内が、気持ち悪くて仕方なくて。その苛立ちを、青髪の女に向ける。俺はその女に向けて抱えていたボールを思いっきり蹴った。
ドシュ、と空を切る心地いい音が俺の耳に届いた。そして、あの女にボールが飛んで行き……。バシッと、激突する音が続いて聞こえた。
女の苦痛に歪めた顔を見てやろうと目を向けると、苦痛に顔を歪めていたのは、鬼道だった。
青木side
遠くで、ボールが飛んでくる音がする。私に怒りを覚えた佐久間さんが、恐らく蹴ったのだろう。私は大人しくそれを受けようとした。だが、それは無理だった。
鬼道さんが、私を庇ったからだ。吹っ飛ばされる鬼道さんを、私は受け止める。
「鬼道さんっ……」
「ぐっ……‼︎」
鬼道さんが顔を歪め、強打した部位に手を添える。それほど鋭い球威であったことを伺わせた。
鬼道さんはすぐに立ち上がり、また私を庇うように私の前に立った。
ボールは不動さんの足元へ転がり、不動さんはボールを足で拾い佐久間さんへ渡した。そして、再び佐久間さんが蹴り込む。また、鬼道さんにボールが打ち据えられた。
私と円堂さんが鬼道さんの元へ駆け寄ろうとしたが、鬼道さんは手で私達を制する。
「これは……俺とこいつらの問題だ……‼︎」
「そうそう、手は出さない方がいいぜー」
不動さんの言い方に、一旦静まったイライラが再び募り始める。不動さんの言葉に、私達は足を止めざるを得なくなった。ただただ、私達はここで、鬼道さんの苦しそうな声と、佐久間さん達の冷たい声を聞き続けなければならないのか。
「くっ……どうしても……影山から離れないのか……!」
「そうだ。総帥だけが、俺達を強くしてくれるんだ‼︎」
また、鬼道さんが吹っ飛ばされる。
「ッ……俺達の、サッカーは……!」
「俺達のサッカー? 俺達のサッカーは、負けたじゃないか‼︎」
再び、鬼道さんにボールが襲いかかってきたその時。
「いいかげんに……しなさいっっ‼︎」
右足に、鋭い球威が伝わってくる。でも、この程度で……私は負けないッ‼︎ 私は持てる力を持って、ボールを蹴り返した。
不動さん、佐久間さん、源田さん、円堂さん、鬼道さんが驚愕の表情を浮かべる。
それに対して、私は堂々と立った。
「貴方方との間に何があったか、私は知らない。でも、これ以上は見てられません。佐久間さん、源田さん……強さに固執したことを後悔しなさい。教えて差し上げましょう。強さを手に入れたことで、失うのは何か。貴方方は既に失っている……。勝利に、強さに固執するあまり、自身を犠牲にしている。失っている。そんなもの……本当の強さではありません。貴方方の目を覚まさせて頂きます」
私は既に、戦いの意思を固めていた。円堂さんをチラリと見、頷く。強さに取り憑かれたままじゃ、前に進めない。過去に取り憑かれるのと同じように。
私もまだまだだわ……。強さ、という単語だけで、過去に囚われてしまった……。大丈夫よ、怖くなんかない。あいつらはあんな遠くにいるんだもの。追ってくるワケないわ。だから、今は……鬼道さんの、大切な仲間をお救いする!
私はキッと対峙する佐久間さん達を睨み据えた。
「…………穂乃緒ちゃん……。君は一体、何を抱えているんだ? 俺は、君が知りたい。だから、これからもずっと見てるよ……」
……あかん、久々に更新出来たと思ったら、スランプ脱出してなかった。
ぐああああああ‼︎ また駄作をおおおおおおおお‼︎
本当にすみませんでした……。
あ、次回は試合行きます。