青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

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13話 恋の予感と襲撃

「……な、え…………?」

 

唐突過ぎて、言葉が出ない。

エイリア学園?

何故基山さんが、そんな事を……?

体が自分でも分かるくらい、震えていた。

 

この人は……エイリアと繋がりがある……⁉︎

 

私は基山さんを突き飛ばし、彼と距離をとった。

戦闘態勢を取り、基山さんを睨みつける。

 

「……貴方、まさかエイリア学園……⁉︎」

「さあ? どうかな」

「答えて下さい‼︎」

 

この人、一体何なの……?

何かを隠している不思議な雰囲気は、私はどうも苦手だ。

それに、私はこうして話をはぐらかされるのが大嫌い。

こうなったら何が何でも聞き出してやる!

 

「答えて下さい、基山さん‼︎」

 

もう一度声を張り上げて、噛み付くように叫ぶ。

相変わらず基山さんは変わらない笑みを浮かべていたが、考えるそぶりを見せた。

 

「んー……別にいいよ」

「は⁈」

 

あっさり過ぎる。

いいなら何故さっき話をはぐらかしたんだ⁉︎

思わずマヌケな声を出してしまった。

と、同時に私のポーカーフェイスも崩れる。

 

「へぇー、穂乃緒ちゃんってそんな顔するんだね。いっつもむすっとしてたからかな? 凄く可愛いよ」

「ッ…………話を逸らさないで下さい。貴方は本当にエイリア学園なのですか?」

「…………………違うよ?」

 

クスッと基山さんは微笑んだ。

その後すぐに、申し訳なさそうな表情をして、基山さんは私から目を逸らさずに口を開いた。

 

「ごめんね、ちょっと言ってみたかっただけなんだ。これを言ったら、君がどんな反応をするか見てみたくて……。びっくりさせたよね、あれは嘘だよ」

 

「本当にごめんよ」と言いながら、基山さんは手を合わせ、私に謝った。

そして、こう付け足した。

 

「あ、でも、君の瞳が綺麗だって言ったのだけは、嘘じゃないから。そこは信じて……?」

「ッ…………」

 

こくん、と首を傾げ、少し申し訳なさそうな笑顔の基山さんを見た途端、自然と頬が熱くなった。

しかも、胸の奥がきゅんとなる。

何だろう。

締め付けられた、という言葉が似合う。そんな感じ……。

 

「……そうですか。分かりました」

「本当⁉︎ 良かった……君に信じてもらえて」

 

ぱぁぁ、と効果音が付きそうな勢いで、今度は嬉しそうな笑顔に変わる。

ああ、まただ。

きゅんとなって苦しくなる。

貴方の顔を見られない……。

……どうしよう。このままここに居たら、私…………!

 

「わ、私……そろそろ戻りますね」

「? そう? 分かった。また君に会えてよかったよ」

「で、では……失礼、致します……」

 

ペコっと頭を下げて、その場から去る。

早く。とにかく早く。なるべく、あの人と離れる為に。

星空が煌めく中、私は走っていた。

外はマイナスを越えるくらい寒いはずなのに、私の体温は一向に下がらない。基山さんの笑顔を思い出すと、また体温が上がった。

どうしよう……。何か病気もらったかな……?

私はそんな事を考えながら、とにかく基山さんの事を忘れようとした。

 

 

 

 

 

 

 

翌日。吹雪さん達と一緒に特訓をしていた。

 

「今日は、青木はこっちなのか?」

 

円堂さんが目をキラキラさせて尋ねる。私は言葉で答える代わりに、頷いた。

そしたら円堂さんは、「ぃやったあー‼︎」と言いながらはしゃいでいた。まるで子供のように。

まあ確かに、私はいつも皆とは別で特訓してるものね。

でもそんなに嬉しがられると、ちょっと照れるというか……。

染岡さんと吹雪さんは相変わらず張り合ってるし。

エイリア学園の襲撃予告がきて少し経った。

皆力を付けて、自信もあるみたい。後は、どれだけ彼らに対抗出来るか……。

ふと、何かの気配を感じた。

空からだ。

私が空を仰ぎ見ると、私の異変に気付いた人が次々に空を見上げる。

空が段々と暗くなってきた。

この感じ、私達は前にも経験した事がある。

舞い降りてきたボールがカッと光を放ち、エイリア学園が現れた!

 

「……遂に来たか……!」

 

私も皆も、ごくりと唾を飲み込む。

その中で、円堂さんが先頭に立った。

 

「待ってたぜ、エイリア学園! 勝負だ! これ以上、サッカーを破壊の道具にはさせない‼︎」

 

円堂さんを、抹茶ソフトが横目で見る。

……そういえば私、あの人の名前知らなかったわ……。

ま、どうでもいいけど。

 

「お前達、雷門か? 何故ここに居る?」

「俺達が代わりに戦う!」

「地球人の学習能力は想像以上に低いな。お前達は我々には勝てない」

「宇宙人の想像力も対した事ないね。あたし達がパワーアップしたとは思わないの?」

 

塔子さんも負けじと、エイリア学園に言う。

この2人、雰囲気がそっくりなのは気のせいなのだろうか?

 

「いいだろう。地球にはこんな言葉がある。"二度ある事は三度ある"と!」

 

宇宙人はそう言って、ボールをこちらに蹴り出した。

つまり、相手も勝負を承諾した。

 

「上等。貴方達みたいな、学習能力が低い輩に馬鹿にされるのは気に食わないですからね。自分達がどれだけ自意識過剰だったか、分からない様子なので教えて差し上げますよ。貴方達の敗退でね」

 

私も、思う丈をぶつけた。

勝つ。

既にこの時、私は確信していた。

私は彼らーーーーエイリア学園と戦わなければならない。彼らが私に近付いてきた以上、私も彼らに報復しなければ。

 

「私は、貴方達の元へは行かない。例え、"あいつら"の元へ帰らなくてよくなっても……ーーーー」

 

私の呟きは、吹き付ける風に掻き消された。




は〜長かったなぁ!
お久しぶりです。最近なかなか更新できず、申し訳ありませんでした。
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