何か久しぶりに更新するな〜。
それではどうぞ!
やっと練習試合が始まる。
私は今回、染岡さんとツートップで組むことになった。
つまり、FW。
指示した鬼道さん曰く、壁に穴を開ける程のキック力なら、シュートもいけるだろう、とのこと。
ポジションにつこうとすると、染岡さんが私に声をかけてきた。
「おい、青木」
「?」
正直言うと、私は彼が苦手だ。
どのくらいかというと、この北海道の温度の低さくらいかな。え、分かりにくい?
……やっぱり?
「俺はまだ、お前の事を認めてねぇが……今回は、よろしく頼むぞ」
一瞬思った。
この人、ツンデレではなかろうか。……まあそんなワケないわよね。
前を向くと、私は目を疑った。
吹雪さんが、DFラインにいたのだ。
変ね……データでは、吹雪士郎は強力なFWのはず。なのに何故?
当然ながら、染岡さんは早速イラついている。
一体、どういうつもりなのかしら……。
試合開始を宣言するホイッスルが高らかに鳴り、私はボールを横に流し、染岡さんに渡す。
染岡さんは、まるで猛牛の如く、白恋陣営に突っ込んでいく。私はゆっくりと、彼の後ろに続いた。
染岡さんの苛立ちがプレーにも表れる。DF陣を強引に突破し、吹雪さんに突進して行った。
だが吹雪さんは、ふわりと微笑むだけだ。
「そういう強引なプレー、嫌いじゃないよ」
吹雪さんは舞うように動き、必殺技を発動した。
「アイスグランド‼︎」
フィールドをアイススケートのように滑り、華麗にボールを奪っていった。
速い。私程ではないけれど、他の選手よりは速い。
このスピードを皆が身に付ければ、きっとエイリア学園の速さに追い付ける!
吹雪さんがパスを出すも、すぐに風丸さんに奪い返される。吹雪さん以外の選手は、あまり強くないようだ。
風丸さんが再びボールを染岡さんにまわす。すると、吹雪さんがキーパーの前に立った。
「防げるもんなら防いでみやがれ‼︎ ドラゴンクラッシュ‼︎」
染岡さんの必殺シュートが炸裂した。
竜を従えて飛んだボールは、ゴールネットへ一直線…………のはずだった。
次の瞬間、皆が驚愕の表情を浮かべる。
私もそうだった。
吹雪さんの右足が、見事ボールを止めていたのだ。
思わず、足を止めてしまった。だが、染岡さんは違った。すぐにボールを奪おうと、スライディングタックルを挑む。
その時、吹雪さんが、自身の首に巻いている白いマフラーに手をかけた。
「出番だよ……」
ゾクっと、何か変な感覚が私を襲った。
何かが変わった。
そう感じた。
すると次の瞬間、吹雪さんは染岡さんを吹っ飛ばし、雷門陣営に1人で斬り込んで行った!
「この程度かよ? 甘っちょろい奴らだ」
口調が変わった……?
だが考える間も無く、すぐに吹雪さんと競り合いになる。激しいチャージ。でも負けないっ……!
「ッ、はぁぁぁぁ‼︎」
チャージを予測し、それをかわしてすれ違いざまにボールを奪う。
だが、バランスを崩し、ボールはまた奪われてしまった。
吹雪さんはどんどんゴールへ走って行く。
このままではいけない!
私はすぐ立て直し、吹雪さんを追った。
一之瀬さん、鬼道さん、風丸さん、土門さんも抜かれ、遂に円堂さんとの1対1になってしまった。
吹雪さんはボールを回転させ、冷気のオーラをボールに収束させる。そして自身も回転し、右足をボールに叩き付けた!
「吹き荒れろ! エターナルブリザード‼︎」
「ゴッドハンド‼︎」
ゴッドハンドもエターナルブリザードの冷気に、堪らず凍ってしまい、破られた。
先制点は、白恋中から。
成る程……これがブリザードの吹雪って事ね。
あの穏やかな雰囲気から一転、荒々しくゴールを狙う……。
上等だわ。
次は必ず貴方からボールを奪ってみせる!
「そこまで! 試合終了よ!」
ベンチから、瞳子監督の声が飛んだ。
納得しないのか、すぐに染岡さんが反論する。
「このまま終わらせてたまるか‼︎」
試合は終わっているというのに、染岡さんはまだやろうとする。
「お前に負けるわけにはいかないんだ‼︎」
「やる気か? 面白え‼︎」
私は後ろから染岡さんを羽交い締めにして、食い止めた。
「何するんだ青木‼︎ 放せ‼︎」
「もう試合は終わりました。私的な事は後にして下さい」
まだ暴れる染岡さんのユニフォームの襟を掴み、背負い投げをした。
……うん、ブランクがあるとはいえ、まだいけるわね、私。
吹雪さんは、フゥと息を吐き、またあのほんわかした感じに戻った。
円堂さんがキラキラした目で、吹雪さんに詰め寄る。
「凄いぜ吹雪! あんなビリッビリくるシュート! 俺感動した!」
「僕もだよ。僕のシュートに触れることができたのは、君が初めてさ」
「吹雪、俺お前と一緒にサッカーやりたい!」
「僕もさ! 君となら……君達となら、思いっきりサッカーやれそうな気がするよ」
2人が意気投合したところで、瞳子監督が吹雪さんに言う。
「吹雪くん、正式にイナズマキャラバンへの参加を要請するわ。一緒に戦ってくれるわね?」
「うん、いいですよ」
こうして、吹雪さんの正式な参加が認められた。
遂に出せました、エターナルブリザード‼︎
かっこいいですよね〜。取り敢えず、出せたことには満足です。これからもよろしくお願いします。