Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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第05話 決断

校長室で野田とかいう奴を叩きのした後、教員棟から出た俺は

 

「……やっちまったぁ~」

 

盛大にため息をついていた。

 

――――なんか知らねぇけど頭にきて、そのまま投げちまったけど大丈夫かなあいつ

  ……それにしても、あの時なんであんなに軽快に動けたんだ?

  俺は何か格闘技でもやってたのかな

 

燕が考えに没頭していると「ぐぅ~」っと、腹の虫が誰もいない道に鳴り響いた

 

「……飯でも食うか」

 

燕は昼の内にクラスメイトからこの世界の通貨について聞いておいたので、金は事務室からすでに貰っている。

 

――――昼はラーメン食ったしなぁ、何食おうかな

 

燕は夕飯を何にするかを考えつつ、足を大食堂の方へと向けた

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

燕はカレーライスを注文し、適当な席でのんびり食事をとっていた。

食事中といっても、考え事をしながらだが

 

――――さて、戦線への入隊をどうするかだな

  別に入隊しなくとも、授業に出なければ問題はないみたいだし

  天使にさえ気を付ければ……

  …………………あれ?

  俺天使の姿なんて見たことないから気を付けようがないんじゃ

 

燕は先ほどの話を思い出すが、どんな姿をしているかまでは流石にわからなかった。

分かると言えば、天使がこの世界を統括しているらしいという事だけだった。

 

――――これは、どうするかなぁ

  姿が分からなければ注意のしようがないか

 

考え事をしている俺が残り一口のカレーを口に運んだ瞬間、突然照明が落ちた。

 

「っ!…な、なんだ?」

 

照明が落ちたかと思えば、今度は階段踊り場にあるスポットライトが点灯し音楽が鳴り響く。

 

「……………」

 

燕は何が起こっているのか理解できなかった。

そのままなにもせずぼーっと突っ立っていると周りの生徒が騒ぎ出した。

 

『おい、ガルデモだ!』

『ライブ始まったよ!』

 

次々と食堂にいた生徒たちが、踊り場の方へと集まっていく

 

「……ライブ?」

 

――――なんだよ、スゲェ楽しそうじゃねぇか

  それになんだろう、どこか懐かしい感じがする。

 

燕は懐かしさを感じつつ席に座り、一人静かにライブの曲を楽しんでいた。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

ライブも終わり、殆どの生徒が寮へ戻る中に燕の姿があった。

 

――――ライブで懐かしさを感じたのは多分、俺の記憶と関係してるんだろうな

  ……生前俺は何をしていたんだろう

 

燕は生きていた頃の自分の姿を想像してみた。

 

野田を倒した時のあの動きから推察するに、空手か柔道みたいな

相手の懐に入る格闘技を身に着けていたのだろう

そして先ほどの食堂で聞いたライブの懐かしさ

あれは音楽が好きで、どこかのバンドのライブを見に行ったりしていた。

もしくは、自分で何かしらの楽器を扱っていたのかもしれない

 

――――格闘技に音楽、何の接点も無い上自分の姿が想像できん

 

今ある情報だけではやはり、自分の姿を想像するのは困難だった。

 

――――そういえばあのバンドも、あのベレー帽と同じ制服を着てたな

 

自分や周りの生徒とは違う制服、あれが戦線の制服なのだろう

だとすればあのバンドも死んだ世界戦線のメンバーである事は間違いない

 

「俺の記憶を取り戻すためにも、入隊した方が都合がよさそうだな」

 

燕は早くも結論をだし、明日の放課後を待つことに決めた。

その後はまっすぐ寮の自分の部屋へと戻り、床に就くのだった。




はい、第05話おつかれさまでした。

燕「今回はゆりはいないのか」

登場してませんしね。
あ、でもここに来る前に制裁はされました。

燕「されたのかよ、まぁいい
  ところで今回の話で俺は入隊を決めたが、あのまま食堂に残ってたら会えてたんだよな」

そうですね、一度は食堂に残って戦線と会う話を書いてたんですけど
なんとなく面白みに欠けるなぁと思いまして、燕君の提案通りの翌日の放課後を待つことにしました。

燕「それは何か意味があるのか?」

いえいえ、ナニモアリマセンヨ?

燕「絶対何か思いついたな」

まぁそれは次回のお楽しみという事で

燕「それもそうだな、次回の話をしてもしょうがない」

そういうことです。
ではそろそろ

それでは皆様『また次回~』

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