時刻は22:00を回る少し前の事
「なぁゆり、なんで俺たちはこんな茂みに身を潜めてるんだよ」
俺は今、ゆりと二人で大会のスタートポイントの近くの茂みに隠れている
「肝試し大会のビラを貼りまくったからよ。
必ず天使が妨害に来るから、隠れてやり過ごすの」
「開始時間を記してるから無駄じゃないのか?」
「大丈夫よ、事前に参加者全員に開始時刻は二時間遅らせると伝えてあるから」
なんて用意周到な・・・
って!
「じゃあなんで俺たちはここにいるんだよ!二時間もずらしたなら大丈夫だろ」
「以前二時間ずらしたにも関わらず失敗したことがあるのよ
だからここで天使が帰るのを見届けるのよ」
そうだとしても開始一時間前に様子を見に来るとか他に方法があると思うんだが
そうこうしていると天使が会場に姿を現した。
天使は辺りを見渡しているが、何もないせいか首をかしげている。
「あの様子ならすぐに帰るんじゃないのか?」
「どうかしらね、前回は一時間以上も粘られたから、今回はそれ以上居座るつもりかも」
「なんで二時間以上遅らせなかったんだよ」
「二時間以上待つのは辛いからよ」
「待つこと前提かよ!」
その後特に何もなく、一時間が過ぎたあたりで天使は寮へと帰っていった。
「よし、それじゃあ予定通り始めるわよ!
遊佐さん、各員に通達!予定通りオペレーションゴーストゲームスタートよ!!」
――――――――――――――――――――――――――――――
「今宵は肝試し大会へようこそ」
開始時刻の23:00には参加者が全員そろっており、予定通り開催された。
「それではルールの説明を
校舎の中には今日集まった皆さんの名前が書かれたお札が隠されています
そのお札をロウソクの火が消える前に持ち帰ってください
もしお札を持ち帰る前にロウソクの火が消えてしまうと
名前を書かれた人が消える・・・
要は死んでしまうのです
ロウソクの火が消える制限時間はおよそ一時間
それまでにお札を持ち帰れる事をただただ―――
祈 っ て お り ま す ・ ・ ・ 」
まずはゆりがルール説明を行い、会場に到着した順に五分おきに校舎へと入っていくことになっている。
ちなみに俺達戦線メンバーには入る順番など伝えられていない
ゆりがどこかのタイミングで呼ぶことになっている。
「それでは最初の組の方はこちらでロウソクの火を灯し校舎へどうぞ」
ゆりはロウソクの火を灯しヒントの書かれた紙を手渡す、校舎へ入っていくのを見届け次のスタートまで待機する。
天使も今のところ戻ってきた様子もなく無事開催されたといっていいだろう
だけど・・・
「なぁ、いつまでそこでうずくまってるつもりだ?」
「うぅ~」
戦線メンバーは十分前には集合と言われ此処に集まったのだが
嫌々ここに来た入江は開始前から花壇の隙間にうずくまっていた
「それでは次の組の方は準備してください!」
次々と校舎へ入っていく生徒たち、受付である程度見極めれるとゆりや日向達は言っていたが、そんなに見分け付くものなのか?
まぁ音無と聞いたときにあれだけはっきりと答えられたら信じるしかないか
「じゃあ次は戦線メンバーの月斑組ー」
「さっきから気になってたが戦線メンバーの呼び方雑すぎるだろ!
全っ然緊張感がねぇんだよ!!」
「文句言わずに火をつけてヒントを持っていく!」
ゆりは俺にヒントの紙を押し付け強引に校舎へと入れられた
「たくゆりの奴、ここまで強引にすることないだろ
なぁいり・・・え?」
振り向こうとしたのだが、背中に強い衝撃を受け振り向くことができなかった。
「え、あの、入江さん?なんで俺の背中にくっ付いてるんですかね?」
「すみません・・・出来ればこのまま進ませて下さい」
・・・・・・え、マジで?
その後何とかくっ付くなら腕にしてくれという説得に成功はしたが、ハッキリ言ってどうしてこうなったとしか思えない・・・
結局入口でグダグダしていた為ゆりに怒られ先に進む事になるのだが
この肝試し大会であんな事が起こるなんて、この時は誰も
思 っ て は い な か っ た ...
今年一年お疲れ様でした!
燕「お疲れー
しっかし、今は冬だってのに物語は夏とか・・・」
それは言わないでください!
入「投稿ペースが遅いのが原因ですよね」
だから言わないで!
これでも来年からはもう少し投稿ペース上げようと考えてはいるんですから
燕「そんな実現できなそうなことはさて置き
この肝試しはあと何話くらい続くんだ?」
目処としては2.3話くらいですね
この先の展開にかかわる伏線も混ぜていくので
入「伏線?」
その話はまた近づいたときにでも
燕「それじゃあ今回はこの辺で終わるか」
そうですね
入「それでは皆様!」
『よいお年を~』