Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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第32話 肝試し大会!パートナーは誰?

「肝試しをするわよ!」

 

我らがリーダー様が夏休みにいきなり召集を掛けたと思ったら

突然そんな事を言い出した。

 

「また突然だな」

 

「いえ、人間を探すために毎年行っています」

 

俺のつぶやきに高松が指摘してきた。

 

「毎年やってるのか、てか人間を探すためって

 この時期にやる必要があるのか?」

 

「あなたバカ?夏休みで帰省する生徒が多いから、必然的に学園にいる生徒数は激減する。

 つまり、残ってる生徒は人間の可能性が高いの」

 

音無の質問にゆりが答え、俺も納得する。

 

「肝試し大会を開催して参加者と不参加者の中から人間を探し出すって事か」

 

「そゆこと」

 

「じゃあ今回も俺達が色々仕掛ければいいんだな」

 

日向達戦線メンバーが立ち上がり、本部を出ようとするが

それをゆりが止めた。

 

「ちょっと待ちなさい、今回皆は参加する側に回ってもらうから」

 

『…はぁああああ!!!?』

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

ゆりの説明を聞く限り、今回は主要メンバーの肝を試すというらしい

 

ちなみに肝試しの会場設営はギルドメンバーが行うことになった。

 

それに伴い俺達は今、メンバーの組み合わせを決めるべく話し合いをしていた。

 

「ゆりっぺも無茶苦茶言うよなぁ『折角の肝試しなんだし、全員男女ペアで参加ね。あ、もちろんあたしは運営側だから除外だからね』

 なんて言ってしまいには『男共の数が多いからあぶれたら男同士でペアを組みなさいね』だってよ」

 

「文句言ってる暇があったらさっさとメンバー決めるぞ」

 

とは言っても、約一時間以上こうして話し合っているのだが、一向にメンバーが決まらない

 

野田はゆり以外とは組みたくないと駄々をこね、椎名はあさはかなりいが何も言わないし

 

遊佐も天使の動向を監視するために肝試し大会には参加しないと、意見がまとまらないでいた。

 

「なぁ、もうくじ引きで決めないか?」

 

そんな中音無の一言が部屋中に響いた。

 

「……え、なんだよこの空気」

 

『…そ、それだぁ!!』

 

「うわっ、なんだよ急に!?」

 

音無の一言は本当にこの状況を打開してくれるものだったので、俺まで叫んでしまった。

 

だがその空気をぶち壊すかのように

 

「そうなるだろうと、ゆりっぺさんからくじを預かっています」

 

『……………』

 

遊佐がどこから取り出したのか、くじ引きでよく使われる中央に腕を入れる穴が開いている箱を取り出してそう言った。

 

「遊佐、くじが用意してあるなら先に言ってくれ。この一時間が何だったのかわからなくなる…」

 

「………それは申し訳ありませんでした。 ですがゆりっぺさんにくじ引きの話が上がったらと言われていたもので」

 

ゆりのやつ完全に遊んでやがる…

 

「まぁいいや、くじがあるなら早速引かせてもらおう」

 

俺はくじを引こうと箱に手を伸ばすが、遊佐が箱を横に逃がし

箱に伸ばした俺の手は空を切った。

 

「………」

 

再度箱に伸ばすが、遊佐はまた箱を横に逃がし、俺にくじを引かせないようしてきた。

 

「おい遊佐、なぜ避ける」

 

「…月斑さんのパートナーは既に決まっていて、くじを引く理由がないからです」

 

「決まってる?」

 

遊佐が部屋の隅を指さしていたので、そちらの方を向くと

 

何やら困った顔をしている椎名がいた。

 

「え?なに、俺椎名と組むの?」

 

「…いえ、椎名さんではなく、もっと視線を下に」

 

「下に?」

 

周りも気になり始めたのか、俺と一緒に椎名の足元まで視線を落とした。

 

『……………』

 

……紫色の毛玉?

 

「その扱いは酷いです!!」

 

「人の心を読むな!」

 

どうやら椎名の足元でうずくまっていたのは入江だったようだ。

 

「あー、月斑先輩、みゆきちはお化けが苦手なんですよ」

 

見かねたのか関根がそう教えてくれた。

 

「は?もう死んでるのに?」

 

意外な事実だった。

 

この世界の住人はもう死んでるから、心霊系の類は全く気にしてないものだと思ってたのに

 

いやでも苦手なものは仕方がないか

 

「まぁ、苦手なものはどうしようもないだろ」

 

「そういうわけで月斑さんは入江さんと組んでもらいます」

 

「いやどういうわけだよ」

 

突然割り込んできた遊佐にツッコミを入れる。

 

「ガルデモ支援班なのだから、メンバーをサポートするのは当然の事だとゆりっぺさんが言っていましたが」

 

ゆりの差し金かよ、てかアイツもメンバーの事しっかり見てんだな

…殆どが遊佐からの情報だろうけどな

 

「はぁ~、分かったよ。俺は入江と組めばいいんだな」

 

「納得していただけたようで何よりです。

 ではみなさん、くじをどうぞ」

 

遊佐はメンバーの方を向きなおしてくじを引かせていった。

 

「リーダーの命令じゃしょうがねぇか、よろしくな入江」

 

「……はい」

 

観念したのか、かなりしょぼくれているが

一応肝試し大会に参加するようだ。

 

それにしてもギルドメンバーが作る肝試し会場か

嫌な予感しかしないな…




先月の更新が間に合わず申し訳ありませんでした!

残業+サービス残業+休日出勤+休日サービスのオンパレードで全く書く暇がなかったんです!

燕「言い訳するな」

入「まぁ家に帰ってすぐ寝てましたからね」

サービス残業や休日出勤はともかくサービス休日は勘弁してほしかった…

燕「その会社どうなんだ」

入「リアル事情はそのくらいにして、月斑先輩のパートナーの相手の話はいいんですか?」

『……………』

入「え、どうしたんですか?」

燕「さも当然のように話すな、もう組み合わせは決まったんだから勘弁しろよ」

入「いーやーでーすー!!」

人の苦手なものって様々ですからね

燕「それで片付けていいのか!?」

どうせ燕君と入江ちゃんが組むのは決まってますからねー

入「……………」

燕「…気絶してるぞ」

仕方がないので今回はここまでですね

燕「え、放置するのか?」

それでは皆さん!

『また次回もお楽しみに~』


*今回の話は11月分なので今月もう一本出します

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