Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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第28話 メンバー集めPart.2

日向に任せていたらメンバーが揃いそうにないので、俺が椎名を誘ってみてはどうだろうと提案し

今は体育館倉庫に来ている。

 

 

     ――体育館 倉庫――

 

 

「椎名、椎名いるかー?」

 

「椎名っちー?」

 

俺と日向が椎名を呼びながら倉庫内に入るが、誰も呼びかけに答える者は居らず

仕方ないので倉庫から出ようとした瞬間、背後から強い殺気を感じた俺は

振り向きながら刀を抜き、飛んできたクナイを弾いた。

 

「な、なんだ!?」

 

「お前ら倉庫から出てろ!」

 

日向たちを倉庫の外へ逃がしながら次々飛んでくるクナイと手裏剣を弾く

それと同時に俺は倉庫の奥へ進む

 

「――っ!そこだ!」

 

俺は勢いよく倉庫の奥に向かってナイフを投げた。

暗闇の方へ飛んでいったナイフは突然何かに弾かれ、地面へ落ちる。

 

その瞬間、俺もその場所へ刀を振りかぶりながら突っ込んで行く。

 

刀を振り下ろし、そこにいる人を斬ろうとしたが、短刀で防がれてしまう。

 

「……まだ甘いな」

 

「そうかよ」

 

俺は後ろへ飛び、刀を鞘に納めた。

 

「今日はどうした、いつもより時間が早いようだが?」

 

「あぁ、実は今日は特訓じゃなくて勧誘に来たんだよ」

 

「勧誘?」

 

俺は剣を交えた相手―――椎名に野球の事を話した。

 

ちなみに椎名と特訓し始めたのはギルド降下作戦の直後からだ

刀をもらった俺は裏山で一人、刀の特訓をしていたが、どうにも行き詰まってしまい

近接戦の特訓なら椎名に頼もうと思い至った。

 

それからというもの、ガルデモの雑務に音無と銃の特訓、そこに椎名との近接戦の特訓まで加わった俺の日常はかなりキツイものになってしまった。

 

まぁ好きでやってるから良いんだけどな。

 

 

椎名が仲間に加わったので、ほかのメンバーを探しに行く事になった。

 

「ところで椎名、その指先の竹箒は何なんだ?」

 

「以前、新入り二人に遅れを取ってからずっと、こうして集中力を鍛え続けている」

 

「そ、そうか…」

 

俺は見慣れていたが、初見の日向たちは言葉が出なかったようだ。

当たり前の反応だよな…

 

 

     ――第二連絡橋下 河原――

 

 

「アイツを誘うヤツなんていねぇ、直情的でゆりっぺ以外には従わない」

 

「つまりあの人もアホなんですね」

 

ユイ、それはちょっとひどいと思うぞ。

……まぁアホなのは認めるけどな

 

「だがアホは利用できる!しかも見ろ、長い棒を振らせたら右に出るヤツはいない」

 

河原でハルバートを振り回している野田を見ながら、日向がそう言ってきた。

たしかにあそこまで軽々とハルバートを振り回すことが出来るのは、戦線の中では野田位だろう

 

「ヘェイッ!!」

 

「……………」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「フッ、ついに来たか。決着の時がな!」

 

俺と音無にハルバートを突きつけてきた。

 

「あぁまずは小手調べ、球技大会でお前とこいつ等、どちらの運動神経が上か見せてもらおう」

 

「なぜ?」

 

「強いだけじゃゆりっぺは振り向いてくれないぜ?」

 

沈黙。おそらく野田の脳内で俺たちとの決着とゆりが天秤に掛けられているのだろう

まぁ結果は明白だけどな

 

「…いいだろう」

 

素晴らしい笑顔で日向と握手していた。

 

「アホだ、利用されていることに気づいていない」

 

「ユイ、今回は俺も同意するぞ」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「球技大会?」

 

「あぁ、ひさ子も出るみたいだし気分転換にいいかなと思って」

 

 

     ――学習棟A棟 空き教室――

 

 

野田を仲間に加えた後、俺たちはガルデモの練習部屋へ来ていた。

 

「ほら、いつまでも作曲ばかりに気を向けてたら視野が狭くなるだろ?」

 

「んー、そうだな、気晴らしに参加してみるか」

 

「「よっしゃっ!」」

 

岩沢の勧誘に成功したことで、俺の後ろにいた日向とユイがハイタッチを交わしていた。

日向はメンバーが増えたことに対して、ユイは岩沢が仲間になった事に対してだろうけどな。

 

「それで、今のメンバーはこれだけ?」

 

「あぁ、岩沢を入れて七人だ」

 

そう言った直後、教室の外から話し声が聞こえてきた。

 

…この声、入江と関根か?丁度いい、あの二人も誘ってメンバーそろわせるか

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「――っと、言うわけなんだ二人とも、メンバーになってくれないか?」

 

「はい、私でよけr「あー!すみません先輩、私たち運動苦手でして」ちょっとしおりん!?」

 

「あれ、そうだっけ?」

 

運動が苦手と言った関根に対し、岩沢が首をかしげた。

 

「いやいや岩沢さん、何言ってるんですかー」

 

入江の口を押さえながら関根が岩沢を誤魔化そうとしている。

 

…岩沢は相変わらず首をかしげているが、俺は騙されないぞ関根

 

「おい関根、誤魔化すのもいい加減にしろ」

 

「え!?」

 

「ワザとらしく驚くんじゃない、それといい加減入江を開放してやれ」

 

口を押さえられ続けている入江は何とか関根の手を解こうと、さっきからもがいていた。

 

「~~~~~っ!!」

 

「おおっと、そいつは出来ない相談ですぜ先輩!みゆきちはこのまま私が連れて行きまーす!!」

 

「あっ!ちょっと待て関根!!」

 

入江が必死に手を伸ばしてきたが、それを掴む暇なく関根が入江を連れてどこかへ走り去ってしまった。

 

『……………』

 

あまりの勢いに、俺たちはただ黙って見ている事しか出来なかった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「ごめんな」

 

 

     ――学習棟A棟 屋上――

 

 

いろんなところで時間を喰ってしまったせいで戦線メンバーの殆どが別のメンバーに取られている状況だった。

 

「まだ七人だぞ、どうするつもりだ」

 

「逆を言えば後二人だ、絶対何とかなる!」

 

「何を根拠に…」

 

「それを言うんじゃねぇよぉおおお!!」

 

俺の呟きが聞こえてしまった為、日向が泣きながら掴みかかって来た。

 

「うぉっ!悪い、訂正から離れろ!」

 

「はいは~い、残りのメンバーだったら私の友達を連れてきますよー」

 

「「…ん、友達?」」

 

俺と日向はそろって首をかしげていた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「私たち、その…」

 

「ユイにゃんさんのファンってゆうか~」

 

「勝手に親衛隊ってゆうか~」

 

 

     ――学習棟C棟 廊下――

 

 

「ユイにゃんは才能に溺れる事無く、地道にストリートライブとか積み重ねて来てますから!」

 

「…たまに練習サボってると思ったら勝手にライブ開いてたのかよ」

「ミーハー女ばっかりじゃねぇかよ、こんなもん戦力になるか?」

 

俺と日向は別々に頭を抱えてしまった。

 

岩沢は後ろでユイの事感心してる様だし…

 

「で?戦力になるかは別として、彼女たちをメンバーに加えたら十人になってメンバーはそろう訳だが」

 

「…仕方ねぇ、強いメンバーがいる分ハンデだハンデ!強者と弱者がそろってバランスもいい感じだろ!」

 

「「それでホントに大丈夫なのか?」」

 

「……………」

 

俺と音無の問いに、日向は顔をこちらに向け口を開けたまま固まっていた。

 

メンバーは揃ったが、日向チームはかなりのハンデを背負った状態で球技大会に挑む羽目になってしまった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「し、しおりん、ホントにコレ着るの?」

「モチのロンですよ。みゆきち」

「えぇ~」

 

 





メンバー集め終了です!

燕「次回から球技大会か」

上手く書ければ次回で原作第四話終了ですけど、もしかしたら二話構成になってしまうかもしれません

燕「まぁ文字数が少ない小説だからな
  ところで、今回入江はいないのか?」

入江ちゃんは関根に連れて行かれましたからね
今ここに呼ぶと次回のネタばれの話をしてしまいそうで

燕「そういう事なら別に良いが、何で入江と関根をメンバーに加えなかったのか気になるな」

それも球技大会で明らかになるので楽しみにしててください

燕「まぁいい、じゃあ今回はここまでか?」

そうですね、今回はここまでって事で

『それでは皆さん、また次回もお楽しみに~』

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