Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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今年ラストです。
何とか間に合った…


第21話 地上への帰還

「あ、ようやく起きましたね月斑先輩」

 

目を覚ました俺が最初に聞いた言葉がそれだった。

 

「…ここは?」

 

俺はぼんやりとした記憶を順に辿っていく

 

――――確か罠だと分かっていたトラップに引っ掛かって奈落へ落ちたところまでは覚えてるんだが

  ……いや、何か夢を見ていた気がするな。心地のいい、気分が晴れるような夢を

 

「どうしたんですか?難しい顔して」

 

考え事をしている俺を心配したのか、入江が話しかけてきた。

 

「いや、なんでもない。二人とも無事……とは言えないな」

 

燕は日向と入江の格好を見ると、無事だったんだなっとは言えなかった。

 

服はあちこち擦り切れボロボロになっていた。

 

「俺ら以上にボロボロのお前に心配されたかねぇよ」

 

日向がこちらを指をさしながらからかったように言ってくる。

 

「……それもそうだな、ははっ」

 

その後俺は起きたばかりだと言う事もあり、しばらく休ませてもらった。

 

休ませているときに聞いた話によると、あの爆発音はオールドギルドまで聞こえていたらしく

チャーと数人が爆発音の方へ様子を見に来たそうだ

そして天井には大穴、地面には俺達三人が倒れていたらしい

 

ただ疑問なのが、俺達を見つけたあたりの話をしているチャーが俺と入江を交互に見ながらニヤついていたのが気になる。

 

落ちているときに何かあったのだろうかと、日向と入江に同じことを聞いてみたところ

日向は何も知らないようだったが、入江は頬を染め

その質問以降、俺と目を合わせてくれないでいる。

 

――――入江は明らかに何か知ってそうだが話す気はなしか

 

その後俺はしばらく休憩した後、チャーの元へと向かった。

 

「チャー、この間頼んでおいた太刀は出来上がってるのか?」

 

「そうか、アレを取りにわざわざ降りてきたのか」

 

「?日向たちから聞いてないのか?」

 

「あぁ、これから聞こうと思ってた時にお前が目を覚ましたんでな」

 

「そうだったのか」

 

俺は日向と入江の方を見る。

二人は今、のんびりと椅子に座ってオールドギルドの作業風景を眺めている。

 

「それで俺の太刀はできてるのか?」

 

「あぁ、できてるぞ」

 

チャーはオールドギルドの隅の方へ行き、刀とベルトを持ってきた。

 

「これがお前の注文の品だ、それとこっちがおまけだな」

 

「おまけ?」

 

「あぁ、制服のままだと刀の装備は難しいと思ったんでね、勝手に専用のベルトを用意させてもらった」

 

「いや、助かる。俺もどうやって装備しようか悩んでたところだったからな」

 

燕は刀とベルトを受け取り、早速装着する。

 

「おぉ、なかなか様になってるじゃないか!」

 

「動き辛くない最高の出来だよ、ありがとう」

 

俺とチャーはその後、他愛もない話で盛り上がり時間が過ぎて行った。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「それじゃあ、地上まで送ってやるよ」

 

「ああ、助かる。日向に案内を任せると来る時と同じように迷いかねないしな」

 

「ひでぇ!!」

 

日向の反応を見た俺とチャーが大声で笑いだし、入江は苦笑している。

 

「お前らなぁ!!」

 

日向をいじった後、チャーの案内によって無事に地上へ戻ることが出来た。

 

外は既に夜で、空を見上げると無数の星が煌めいていた。

 

「……長い一日だったな」

 

「そうですね」

 

俺はグラウンドへ続く階段横の芝生へ寝っころがり、しばらくこの星空を見ていようと思った。

すると入江は俺の隣へ腰かけ、同じように空を見上げた。

 

「……何してるんだ?日向の様に帰らなくていいのかよ」

 

「私も、この星空を見たくなったんで。少しの間だけなので心配無用です」

 

「……そうか」

 

俺は再び空を見上げる。

ふと思い出したのが、落ちているときに見たであろう夢の事だ

 

森の奥にひっそりと建つ孤児院、そこで生活している子供達

 

――――生前の俺はなんで孤児院に行っていたんだろうか、俺も孤児だったのか?

 

そんなことを考えながら俺はまた入江の方へ視線を向けていた。

 

ぼんやりと見上げてる入江の髪を風がなびかせている。

 

「………綺麗だな」

 

「そうですね」

 

俺はハッとして星空の方を見直す、その空の星に星座なんてものはなく

ただ散りばめられているという感じだったが、俺に星座なんてものは分からない

それでも今は十分綺麗に見えた。

 

「本当に綺麗だよな」

 

さっきとは意味の違う意味の綺麗という言葉、なぜあんなセリフが出たのか

この時の俺はあまり深く考えなかった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

後日談

 

オールドギルドへ行ってきたことを入江が岩沢とひさ子に話してしまった為に、二人から説教を食らい

ゆりからはついでだから注文してた武器も持って帰ってきてほしかったと文句を言われ

俺の疲れは普段の作業以上に溜まってしまった。

 




で、出来た。何とか出来ましたよ!

燕「えらく時間がかかったな、仕事納めは土曜日だったはずだが?」

ちょくちょく書いてはいたんですけど、会社の飲み会とか色々とすることがありまして

入「まぁ月一本が守られてるんで大目に見ましょうよ」

日「えっと作者の事情はそのあたりにして、今回でオリジナルは終了でいいんだよな」

はい、次回から原作第三話に突入します。

燕「ようやくか、こっちもこっちで時間かかりすぎだろ」

…面目ないです。

とりあえず第三話の予告的な物をするならば、今回までお預けだった燕君とガルデモの話がメインですね

日「あ、原作と言っても流石にオリジナルは混ぜるのか」

そりゃそうでしょ、そうしないと音無メインと変わりませんからね

入「そろそろ尺もありませんし、このあたりで終わりませんか?」

そうですね、ではでは今回は大晦日と言う事もあるので
ちょっと趣向を変えて

それでは皆様!
『来年もよろしくお願いします!!』

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