目を覚ますとそこは、見知らぬ天上だった。
「……やっぱ現実かぁ」
燕はベットから腰を上げ、身支度を整える。
寝る前に思いついたことだが、学校に通っている以上友達はいるはずだ
ならばその友達に、自分がどういう人間だったかを聞けば、少しは思い出せるものもあるのではと思い至ったのだった。
――――自分を疑いたくはないが、友達ゼロなんてことはないよな
多少の不安を抱きつつも、燕は部屋を後にした。
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教室に着くと、まだ誰も登校しておらず
教室はもぬけの殻だった。
それもそのはず、時計の針はまだ06:48を指していた
「……どれだけ急いで登校してんだ俺は」
登校してしまった以上、今から寮に戻る気はなく
燕は教室の端でほかの生徒が登校してくるのを待つことにした。
――――さて、7時くらいには登校して来て欲しいものだな
しばらく待っていると、数人の生徒の話し声が廊下から聞こえてきた。
「あ、おはよう燕君。今日は早いけど、どうかしたの?」
教室に入ってきたのは女子生徒一人だけのようだ
どうやら話をしていた生徒は他のクラスらしい
「いや、ちょっと聞きたいことがあってな」
燕は女子生徒に近づきながら問いに答えた。
すると女子生徒は満面の笑みを浮かべ、こちらへ駆け寄ってきた
「え、なになに?燕君が私に聞きたいこと?いいよ何でも聞いて!」
何が嬉しいのかわからなかったが、燕は聞きたいことを洗いざらい話し始めた。
自分の記憶が名前以外思い出せない事
普段の自分はどのような人物だったのか
そのほかにも気になることはすべて聞いた。
だが、帰ってきた答えは、燕の望むそれではなかった。
「……ごめん、いきなり記憶がないなんて言われても、それに普段の燕君もどういう感じだったのかはあんまり覚えてないんだ、ホントにごめん!何でも聞いてって言ったのに」
その女子生徒は深々と頭を下げ、自分の席へと着いてしまった。
その後燕は、何度も登校してくる生徒に同じ質問を続けたが
結局、クラス全員が何も知らないと言ってくるばかりで、収穫はゼロだった。
――――参ったな、友達は多いみたいだけど、肝心の記憶の手掛かりが無しだなんて
仕方がない、授業でも受けながら考えるとするか
燕は空いている席へ座り、大人しく授業を受け始めた。
授業を受け始めてからしばらくして、燕の耳に奇怪なものが聞こえてきた。
――ガシャン!うわぁああああああああ!!
――――……なんだ、今の叫び声は
気になるが、調べに行くのも面倒くさいし、放課後まで寝よう
そんで放課後になったら職員室にでも行って、俺の、個人情報でも、聞けば、いいや……
授業中の睡魔にやられ、燕は目蓋を閉じ、日差しの入る窓際の席で眠りについた。
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燕が眠りについた頃、音のした方では
赤い髪をした少年が二人の男子生徒に運ばれ始めていた。
燕「おい、初登場キャラがモブってどうなんだ?」
いや、新鮮味(面白味)があって良いかなっとww
燕「いや、原作キャラが空気だったじゃん!どうなんのこの小説!」
大丈夫、次回はちゃんと原作キャラ出すから、まともなセリフあるから!
燕「……その言葉、信用するぞ」
それでは皆様、また次回~
あ、次回のあとがきからゲストを登場させていくからね~
燕「はぁ?ちょ、聞いてねぇぞそんなこと!」