「前回のトラップはそのままなのか」
それがギルド連絡通路に降りてきた第一声だった。
「ギルドを爆破しちまったしなぁ、わざわざ残しておく必要もないって事だろ」
「…それもそうか。 なら早いとこオールドギルドに行って帰るか」
そう言うと燕は歩きだし、付添いの日向も続いて歩き始める。
そしてその後ろから
「…うぅ、お化けが出そうで怖いよぉ。 月斑先輩たちは平気なんですかぁ?」
入江が付いてきていた。
「……はぁ、だからついて来るなって言っただろうが」
なぜ入江が付いてきているかというと、それは連絡通路への入り口に向かっている最中の出来事だった。
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「なぁ、ギルドへの入り口って体育館以外にないのか?」
「いいや、いたるところに入り口は存在してるぜ。 ただ俺らも全部は把握してねぇ」
「そんなに多いのか」
死んだ世界戦線でも全ての入り口は把握していないらしい
なら見つかっていない入り口や通路があっても不思議ではないと考えていると、遠くの方から声が聞こえてきた。
「月斑せんぱ~い!!」
「ん?おい月斑呼ばれてるぞ」
遠くの方から呼んでいる声と、日向の声を無視して燕は体育館を目指して歩く速度を速めた。
「っておい月斑、待てよ」
慌てて日向は燕の肩を掴んだ。
「誰が待つか、今ガルデモメンバーと関わるとロクな目に合わない気がする」
「どんな理由だよ。呼ばれてんだから待ってやれよ」
「チッ、分かったよ」
燕はおとなしくその場に立ち止り、入江が来るのを待った。
「はぁ、やっと追いついた。どいですよ無視するなんて!」
「今日は休めと言われた直後に入江が来たんだ、どんな用事かは大体予想できるんだよ」
「じゃあどんな用事で来たか言ってみてください」
入江の質問に燕はめんどくさそうに答える。
「岩沢かひさ子に言われて、俺がちゃんと休むかどうかの監視だろ?」
「……………」
燕の答えに何も言わず、入江は燕から目をそらした。
「待てコラ、目をそらすな」
「……正解です」
しぶしぶ燕の方を向き、そう答えた。
「はぁ、これじゃオールドギルドに行きづれぇな」
「確かに、監視が付くんじゃ今日はあきらめた方が良さそうだな」
どうやら今回のギルド行きは諦める事になりそうだった。
だが、
「ギルドに行くぐらいならいいと思いますけど」
予想外な所からの許可が下りた。
「だって仕事をしなければいいんですよ? 何をするかはその人の自由じゃないですか」
案外まともな意見を言われ面を食らったように燕と日向が硬直した。
「…えっと、どうかしたんですか?」
「いや、入江の口からそんな言葉が出るとは思わなかったからさ。 てかオールドギルドに行ってもいいの?」
「危険な所なんですか?」
「いや、危険じゃないと思うけど」
「じゃあ行ってもいいです」
『えぇええええ!!?』
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入江の許可が下りたということでオールドギルドへ向かうことになったのだが、監視役ということで入江もついて来るのは予想外だった。
「はぁ、本当について来るとは思わなかったよ」
「監視役なんで仕方がないじゃないですか」
燕が愚痴をこぼすと入江がそれに反論し始め、口喧嘩が始まってしまった。
その状況を見て日向は
「なぁ、痴話喧嘩はいいから進もうぜ」
『痴話喧嘩じゃない(です)!!』
「……息ピッタリに返さなくてもいいだろ」
この先が不安になる日向だった。
1週間も空いてしまいすみませんでした!
燕「何があったんだよ」
ちょっと仕事の疲れが取れなくて、ここしばらく帰って飯食ったら直ぐに寝る日々が続いてました。
燕「それはお疲れだったな」
日「てか今回もあんまし進んでねぇよな」
本来なら刀を受け取るところまで書きたかったんですが、それは次回か次々回あたりになりそうです。
入「次々回って事は道中も書くんですか?」
ここら辺で燕君と入江ちゃんの絡みを書かないと読者さんたちに怒られそうなんですよね。
日「…俺はそれを見せ付けられる事になるのかよ」
燕「日向にはユイがいるだろ」
日「まだ登場してませんからね!?」
まぁまぁユイも近いうちに出てきますから
日「そういやこのオリジナルが終わったら第3話だったな」
燕「よかったな、案外早くユイに会えるぞ」
その話はまた今度で、そろそろ締めますよ~
入「は~い、それでは皆さん」
『また次回もお楽しみに~』